60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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[そして昨夜が繰り返される。 夢ではない現実の中で、確かな痛みを伴いながら、 再び体がねじ伏せられ、抉じ開けられていく。
沈黙にきっと彼の悲しみは見出せた。 一度制止しようとして、けれどそれはもう遅い。]
――……、 ッ あ……
[見出したものに湧き上がるのは、胸の苦しさで、 けれどどんなに苦しくても、体は快楽を感じている。感じてしまう。 多分、きっとこれからも。
繰り返される昨日よりも、尚酷く扱われて。 それでも嬌声を上げる自分自身にひどく嫌悪する。
与えられる嘲笑は追い討ちをかけて、膿んだ傷の上からまた新たな傷を刻み込んで行く。 どこもかしこも痛んで、痛まない箇所などなくて――どこにも見出せない救いにどこか安堵する]
(102) sen-jyu 2011/08/13(Sat) 23時頃
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[また嘲笑う声が聴こえる。 びくびくと震える体の感覚がもう、あまりよく認識できない。 繋がった箇所だけが、焼け付くような熱を持って意識を繋ぎ止める]
………、 、
[乾いたくちびる、かすかに動いた。 それは名を呼んだつもりだったのだけれど、声は何も音にならない。己の罪に巻き込んだのだと、気づいた時には手遅れで。
かけられる言葉も聞こえない。 遠く聴こえる蝉の声も、何も聞こえなくなって。
白い光だけが視界の中で揺らめいて、 意識が途切れるその感覚は水の中に沈んで行くのに似ていた。
―――繰り返す、昨夜の夏はまだ終わることはない*]
(103) sen-jyu 2011/08/13(Sat) 23時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/08/13(Sat) 23時半頃
さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/08/13(Sat) 23時半頃
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[薔薇の香など、この部屋の中にはない。 紛れもない現実が、花の香と共に満ちている。
茫洋とする痛みの中でメモはしたためられ、 迷いのうちにその部屋へと届けられた。
少しだけ涼しくなった夜の空気の中、 痛む体を引きずって向かったのは―――あの薔薇の木の下]
(109) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 00時頃
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[風になびくその髪の色は、 月明かりの下では今も変わらぬ銀色に見えた。 眩しげに目が細められて、足はそのまま止まった]
……ヴェス先輩、
[邂逅に戸惑うような声は、 けれどやはりこの場所の予感はあったのだ。]
あなたに……謝ることを、許してもらえますか。
[風にまぎれそうな言葉は、ぽつりと零れ落ちた]
(111) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 01時頃
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[嵐の夜に折れた薔薇の木陰、 風になびく銀の髪は月明かりの下の幻、 自分が変えてしまったはずその人にまだ幻想を見ているようで、苦い笑みが浮かぶ。
けれど、向けられた笑みの、 言葉の懐かしさに、大人ぶった苦笑は抜け落ちた、 向けた表情は無邪気な憧憬を砕かれたあの頃のまま]
……あの時、本当は、 あなたを連れて逃げるつもりだったんです。 でも出来なかった。
それからずっと、あの夜のことには触れられずにいて。
謝ることも、出来なかった。 取り返しがつかないことを謝っても、 あなたの負担になると思っていたけれど……、 [それも過ちだったのだろう、と。その人を前に思う]
(122) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 02時頃
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結局、俺はあなたの痛みを何もわかってなかった。 [語られる言葉に唇を噛む、 自分が時をうつろに過ごしていたように、 彼もまたあの時からどこへも進めなかったことを知る。]
……俺は、あなたを支えるべきだった のに。
[語られぬ胸のうちをしらぬまま、 悔恨の言葉は零れ出て、そして彼が近づけば、 ――紛れも無くその髪の色は、色褪せたのだと知らされる]
(123) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 02時頃
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[煌めくはさみに瞬いて、目を見開いたのは一瞬。 輝く色に目を奪われて何が起こったのか、わからない]
――……、
[けれど一歩も動かなかったのは、 きっとその刃に裂かれるのは、どこでもいいと思ったから]
あ……、
[ひとふさ切り落とされた白金に、唖然としたの束の間、 泣きそうに瞳を歪めて、確かに変わったその人を見つめた]
(124) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 02時頃
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[もう1度新しく生まれ変わる、 言葉の眩しさに、仰ぎ見る。
この人はこんなに強い人だったのだろうか。 それとも強くなったのだろうか。]
……すみません。 今の言葉全部、忘れてください。
きっとあなたには、もう必要ない。
[それを告げるのが必要だったのは、きっと自分自身]
(127) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 02時頃
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[向けられた笑顔は、取り戻して欲しかったあの頃の笑顔に似て。 撫でられた前髪に、どうしても滲んできてしまう]
あなたが、それを望むなら。 ……努力、します。
[新たに重ねた過ちが、胸を過ぎる。 止まった時の中で、自分よりも傷ついたはずの人が、 進むべき方向を見出そうとしているのに、自分は同じことを繰り返しただけで。]
全てを葬れるかはわからない、けれど……
[そして躊躇い頷いてながらも、銀の鋏に手を伸ばす。 月の下で触れたかった髪、その髪を一度そっと撫でた。
言葉は口にしない。 言う必要の無い言葉だから。
ただ髪を撫でるその所作で、あの日伝えたかった言葉はきっと伝わるだろう。]
(134) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 02時半頃
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[実らなかった恋、絶たれた望み、殺し続けた想い。 それらは身に馴染みすぎて――葬ることもまた痛みを伴う。]
……綺麗な髪なのに、勿体無いな。
[色褪せたその髪に触れながらそう呟けば、 惜しむ気持ちを断ち切って、鋏を入れた。]
(137) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 03時頃
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[この優しい人のおかげで、手放そうと思えた、 胸に抱え続けた痛みも、やがて薔薇の糧になるのだろうか。
銀糸はふわり、手の中を離れ、 木の葉を揺らす風にほどけて散って行く]
――……ありがとう、ございました。
[好きになったこと自体が間違いだと思っていた。 でも、今は、そうじゃなかったと思えるから――]
……切り替え、苦手なんです。 少し、時間かかるかもしれないですけど。 よろしくおねがいします、先輩。 [差し出された手をそっと握る。 にっこりと笑うその人の笑顔が嬉しくて。 長すぎたあの夏は終わるのかもしれないとそう思えた]
(144) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 03時半頃
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ヤニクは、2人のお布団周りの薔薇の精芳香剤おいときますね。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 03時半頃
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[軋んだ体が痛みを訴えている。 あの人との夏が終わるのだとしても、まだ自分には終わらない昨夜があった。
無邪気な好意を寄せてくれた、 ただそれだけの彼に自分がした仕打ち]
――……、
[冷静になれば理由はわかる、たぶんきっと怖かったのだ。 けれどそんなことは、こちらの都合でしかなくて]
………、どうしようもない、な。
[少し、涼しくなった髪が心もとないまま、彼の部屋へ足を向けた。 時間が経てば経つほど、拗れていくことは痛いほどわかってた]
(151) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 04時半頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 04時半頃
ヤニクは、のっくんのルーターに精を与えるよ!
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 04時半頃
ヤニクは、この界隈てwwwwww
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 09時半頃
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[救われるのは怖かった。 痛みを抱えていることに慣れすぎて、 痛みを抱えていることが贖罪なのだ、 救われてはいけないと、そう思っていた。
あの夏を終わることが許されて、けれど新たに重ねた罪の先。]
――……イアン、
[名を呼んで、その部屋の扉を叩く。 そして知るのは、自分がまだ終わらぬ昨夜の中にいること]
[わかっていた][自分がこの手で壊したもののこと] [けれど、ほんの少しだけ浅はかな幻想を見たのだ]
[―――救われてもいいのかもしれないと*]
(172) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 10時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 10時頃
ヤニクは、暑さに沈んでいた…!
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 15時頃
ヤニクは、イアンのはとに鳥もちもちもちした。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 15時半頃
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>>174>>178 [少しだけ風通しのよくなった髪で振り向く。 気づかれたことに少し瞬いて、それから小さく頷いた。]
一つ、区切りがついたことがあったんで。
[繋いだ薔薇の枝は、繋がった部分もあれば駄目になってしまった部分もある。きっとそういうことだ。何もかもがうまくいくなんてことは、そうあるはずがない。 薔薇の枝に触れながら、かけられた言葉にどこかぼんやりと答える]
……いい匂い? ああ、茉莉花ですね――そんなに印象的ですか。
[それからこの人は日差しに当たって大丈夫なのか、 と常の問いを思い出して、やどかりみたいなその状態に気づく。少しだけ、目を細めて。細めた眼差しは次の瞬間、狭められる]
(183) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 16時頃
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――……薔薇の、夢。
[苦くなった表情を取り繕うことはない。 必要がなくなったのと、もう疲れてしまったから。 覚えている、と言いかけて、彼の口から続いた告白、という言葉に口ごもる]
はい、覚えています。 ……すみません、俺、自分のことだけで手一杯で。
[好きという言葉を向けられるのは負担だった ちっぽけな自分の中は自分の痛みだけで溢れている。 多分、誰かのことなんて、考える余裕などなかったのだ。
あるいは好きだ、というその感情だけで、 自分の中に踏み込んで答えを求めようとする彼らが受け入れ難かったのかもしれない。その感情は自分にとっては、尊いものではなかったのだから。]
(184) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 16時頃
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……手一杯だったんですけど、 でも今、傍にいなきゃいけない人がいて。
[おそらく、どんな理由と答えになっていたとしても、 自分が酷い仕打ちを与えた彼の傍にあろうとするだろう。 それを伝えてから、まっすぐに向き直る]
ありがとうございます。 俺みたいなの、好きになってもらえて。
[薔薇の夢を経て、少しだけ変わったこと。 望まれた答えではないかもしれないけれど、 好意に感謝の言葉を言えるようになった。
隠れそうなその人に笑顔も向けられる、 それは穏やかでもにこやかでもなく、どこか切なさが滲む、 ―――でも、偽ることも隠すこともない本当の顔だった*]
(185) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 16時頃
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さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 16時頃
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[はじめて立ち入るその部屋は白と黒のコントラスト、 部屋へ入れば、その気配は隔てられた黒の中に。
何から言えばいいのかわからなくて、 伝えることは彼にとっては、 もうどうでもいいことかもしれないけれど。]
……好きだった人に謝ってきた。 もう、終わらせようってそうなった。
[黒いカーテン越しに、言葉をかけながら、 知らず、その暗幕を握っていた]
(187) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 19時頃
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>>188 [息を吐くような気配、 大したことなかったのだ、とそう言われたようで緩く首を振った]
……取り返しはつかない。 何も知らなかった頃には戻れない。 あの人がそう言ってくれたのだって、大丈夫だったからじゃない。
[きっとそう、あの時躊躇わずに手を伸ばした。 級友の支えがあったからなのだろう、と夢の記憶を探れば思えて]
ずっとあの人は苦しんでた。 だから、俺は償い続けるべきだった。
伝わらない償いなんて、 ただの自己満足に過ぎなかったかもしれないけれど。
(189) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 19時半頃
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そんな連鎖を終わりにしよう、って。 そう言ってもらえたんだ。
でも、
[隔てられた黒の先、握ったカーテン。 額をあてるように小さく折れる、 髪は少しだけ風通しがよくなったけれど、 長年押し殺すことに慣れた心はそう簡単には変わらない。]
……でも、俺はお前を。
[自分の痛みばかり見つめていて、 罪に巻き込んだことに気づいた時には手遅れで、 これからどうすればいいのか、手探りで探してる。]
(190) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 19時半頃
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ヤニクは、ちょっともぐもぐしてくる。
sen-jyu 2011/08/14(Sun) 19時半頃
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[怯えるままに発した言葉が過ちを招いて、 彼の言葉の単調な響きが、その頑なさを物語る]
……すまなかった。 お前にあんなこと、言うつもりじゃ、なかったのに。
あんなこと、させて。
[すまなかった、と音にならずに繰り返す。 近寄らない、そう告げる彼にけれど首を振る。 同じ過ちを繰り返したなら、せめて]
そうじゃない。 安心も信用もなにも、俺が望んだことだろ。 俺が望んだことで、お前を傷つけた。
[どこかで思う、自分には人として大事な何かが欠落しているのかもしれない。人の痛みをわかりたくても、いつも的外れで]
(193) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 20時頃
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[小さく息を吐く、正しいことがわからない]
お前はもう望まないだろうけど、 ……俺はお前の傍にいるよ。
[揺れる暗幕の下を見つめるように、俯く]
(195) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 20時頃
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>>196
……何も言うつもりなんて、なかった。
そうだな、俺は自分のことだけで、手一杯だったんだよ。 それが好意だろうが、嫌悪だろうが、 人の気持ちになんて関われなかった。 [全てに等しく開くことで、結局は閉じていた。 彼の一番悲しいことは、多分それはそのとおりで]
………。
[役得だと、自らを貶めるような言葉には、ただ沈黙を返す。 眉根を寄せた表情は暗幕越しに伝わることは無いだろう]
(201) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 21時頃
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>>198 [何故と問いかける言葉、 彼は気づいてなかったのだろうか。 沈黙の間に、悲しみを滲ませていたことを]
あの時、お前の顔見ていた。
……止めなきゃと思ったけど、出来なかった。
本当に止める気があったのか、今となってはわからないけど。 お前に、甘えただけかもしれない。
[少しだけ声音が震えた、結局のところ。 彼の救いを拒みながら、一番酷い方法で救われようとしていたのか]
なんで俺を救けたいなんて、 馬鹿なこと言ったんだよ、お前……。
[謝罪にきたはずなのに、何故責めるようなことをいっているのだろう。心はぐちゃぐちゃで、収支がつかなくて――気づいたら、その暗幕を開けていた]
(202) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 21時頃
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[暗幕を開けたその先に]
[―――あの夏の日の自分がいる]
[浅はかで幼くて、あまりにも愚直だった。 ただ 好きという気持ちだけで、何かが為せると思ってた。 現実はそんな甘くは無いのに、そんなことは知らなくて]
[でも、好きだからたすけたかった]
[その気持ちは痛い程知っている、知っていて。 だから、再び閉ざされようとする暗幕の中へ踏み込んだ。
目を背けられようと何を言われようと、 その足を留めることはなくて]
(207) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 21時半頃
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――……、ありがとう。
[行動の支離滅裂さは理解している、けれど、 震えた声のまま、もうその背を抱きしめることしか出来なかった]
(208) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 21時半頃
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[暗幕の闇の中、視界は心もとない。 触れた温度と鼓動だけが、他者の存在を示して―― 確かにそれを心地いいと、柔らかなものが湧き上がるのを感じて。
けれど肩を掴んで離される。 落ちた声音が語ることに、闇の中首を振る。]
……感謝、したくなるようなことだったんだよ。 [近寄っちゃいけない、 その言葉を聞く気が無いことを証明するように、 離れた距離をまた、詰めて]
夢は、夢だ。そして現実は、俺が望んだことだ。
(217) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 22時半頃
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[ようやく今、向き合っているのだろう、 心もとない闇の中、探るように手を伸ばす。 吐き出された言葉は、自分が彼に与えた痛みだ]
なんでもなくない。
つい、今さっき、なんでもなくなくなった。
[浮かんだのは苦い笑み、けれどきっと見えはしない。 知っている心に触れてしまったら、理解してしまったら、 湧き上がるのは愛しさで―― それは乾いた土に水が沁みこむ様に浸透していく。
きっと心は、何かを愛することに餓えていた、 物言わぬ植物にだけにしかそれを注げなかったのだから]
(224) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 23時頃
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[拒絶しろと掠れる声が言う。 離れようとする腕を掴む、もう片手はその頬に伸ばす。 指先が濡れた感触を感じたなら、そっと撫でて。]
だから、これが、
……気の迷いかどうか、確かめさせろ。
[言葉は伝わるだろうか。 気の迷いか否か、最初に告げたそれを確かめる方法]
(225) sen-jyu 2011/08/14(Sun) 23時半頃
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[くちびるを寄せようとすれば、肩を引き寄せられた。 受身になるつもりはなかったから、 少し瞬き、なぞる長い指には吐息がかかった]
――……、
[目蓋を閉じて重ねるくちづけ、 少しかさついたくちびるが触れれば、 花の香はきっとこの暗室でも匂っただろう。
言葉は、ただの言い訳だ。 伝えることは不得手だから、くちびるを重ねようとしただけ。]
(228) sen-jyu 2011/08/15(Mon) 00時頃
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[それから、その人を抱きしめるために、そっと腕を回した]
(229) sen-jyu 2011/08/15(Mon) 00時頃
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