114 bloody's evil Kingdom
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――休暇三日目午後・公務室――
[ふらり、ゆらり 王子の元へ歩む足取り。 それは、最早機能を止めつつある王政への 最後の、杭を打つため。]
ラルフ。いらっしゃるかしら。
[貞淑な王女を装い、微笑みを浮かべて公務室に訪れる。]
(@0) 2013/02/21(Thu) 00時頃
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ええ。
――――御役目ご苦労様。
[それは、すべてを。 今まで王子がやってきた全てを 労うような。最後の。貞淑な妻として言葉。
王子の傍に歩み寄ると、 じわりと、褐色に染まる肌、尖った耳。]
察していたんでしょう? 明らかだものね。 私が嫁いだその時から この国は狂い始めた。
(@3) 2013/02/21(Thu) 00時半頃
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そう、セウ国民を移住させる指示を出したのは私。
自業自得よね。 セウ国の内情をろくに把握もせずに、 安易に妻にとって。
[いつも以上に尖らせた爪は刃物にも勝る凶器。 ため息を零す王子に、薄く笑んで]
貴方は役立たずの王子様だわ。 公務室に篭ってばかり。 もっと国の士気を上げれくれれば 此方も堕とし甲斐があったというのに。
……最早利用価値のない王子には、ご退場願おうかしらね。
[たん、と床を蹴って、鋭いつま先が王子に襲い掛かる]
(@5) 2013/02/21(Thu) 00時半頃
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あら
[身のこなしの良い王子にかわされれば、少し距離を置いて]
私が何かの役に立つ為に こんなことをしているのだと思って?
自分の思いのまま。 民を平伏させ、奴隷と化す。 エゴの儘に動くわがまま王女さまだわ。 モンスターにとっても役立たずだったというだけよ。
[皮肉めいた言葉にも、どこまでも国を想うかのような言を一笑して。]
(@9) 2013/02/21(Thu) 01時頃
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[自決を選んだ王子を見届ければ す、と爪を仕舞い、 微笑んで。]
民にどう伝わるでしょうね。
国の収集をつけられず逃避を選んだ弱虫か。 或いは、命をもって贖った悲劇の王子か。
……どちらでも良いわ。
[王子の自決の報せは、駆けつけた者を伝い、 幹部を伝い、そして国民へ。 しかし何処かしら情報操作が入り込み その場に王女が居たという事実は 揉み消される*]
(@11) 2013/02/21(Thu) 01時頃
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――午後・王城三階王室――
[ぽろぽろと涙を零しながら 王子の件で報告に出向いた幹部に同伴すると、 王子の訃報を聞いて、 発作を起こした様に倒れる王に駆け寄った。]
お義父さま!
[ショックによる脳疾患――。 既に王妃は急性心筋梗塞で、 まともに会話をすることも不可能で。]
い、医師を……早く
[震える声で医師を呼ぶが、 二人が長くないことは、明らかで。 遅効性の毒は巡り、巡り――― もう取り返しの付かないところまで来ている。]
(@12) 2013/02/21(Thu) 03時頃
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――その頃・城下町では――
[モスターが蔓延る街でも、 家に篭っている人間たちは無事であるし 休暇中とは言え必要な機能は動いている。
今一番忙しいのが新聞屋だろう。 王子の訃報を刷り続ける印刷機の音。 その号外新聞は城下町に広がり、 王城にも大量に届けられる。
そして奇しくも王と王妃の訃報と 新しい女王の誕生を刷り始めるまでにも 一日、二日といった所で―――*]
(@13) 2013/02/21(Thu) 03時頃
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――夕刻・王城地下室――
[王城の地下室は、滅多なことでは開かれない。 そこは薄暗く、冷気の漂う空間。
教会が今、機能していないという報せを受け 王子の遺体はこの地下室に一時的に保管される。]
……ラルフ。
[二人きりにしてほしい、と 最後の別れの時間を求めれば、 兵士達は下がっていった。]
(@14) 2013/02/21(Thu) 04時頃
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……私のことを愛してるって 言ってくれた人は多いわ。
モンスターとも知らず、 求婚を申し込んだ他国の王子もいる。
だけど貴方を選んだのには、 理由があるのよ。
[その理由に関しては言及しない。 ただ白い肌の王女は、暫し王子の遺体を見つめ――]
……。
[言葉は無く、暫しラルフの遺体の傍に添い やがて地下を後にする。]
(@15) 2013/02/21(Thu) 04時頃
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―― 宵・王城三階私室 ――
王と王妃が逝くのも時間の問題。 そうなれば私は――この国の女王ね。
[愉快そうに笑いながら、グラスに注がれたワインを飲み干した。]
ロベリア。城外の近況は?
[教会が落ちたこと、 幾許か減ったもののモンスターが蔓延っていること、 そして王国中からのセウの移民による犯罪事件が耳に届く。]
民は苦しいのかしら?悲しいのかしら? ならば壊してあげよう――ね?
(@16) 2013/02/21(Thu) 22時半頃
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――三階・王と王妃の寝室――
[ロベリアを従えて自室を後にすると、 王と王妃の状況を見ようと二人の寝室へ。 警備兵を通して中に入れば そこには注射を手に躊躇う医師の姿。]
……お義父様とお義母様は 悲しみに打たれているのでしょうね。
[寂しげな表情を見せ、そっと医師の傍に立つと]
ラルフ様と共に在った方がまだ お幸せなのかもしれません。
(@17) 2013/02/21(Thu) 23時頃
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――運命なのでしょう。
[頭を下げる医師に、弱く笑んで見せ]
どうか、医師様の手で お義父様とお義母様を、楽にしてあげて下さい。
[それは安楽死へ至る注射を手にする彼に促す言葉。 もっともそれがなくとも、彼の言葉通りなら明日には。]
まるで私が不幸を運んだように、 この国は悲しみに満ちてしまいました。
―――…全ては 私の所為なのです。
[寄り添うように医師に身体を寄せ、 弱々しい涙を見せるか。]
(@18) 2013/02/21(Thu) 23時半頃
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……楽に、逝けるのならば 私はそれを願います――。
仲の良いご家族でした。 嫁入り出来たことが幸せでした。 それが過去になってしまった今ではもう……
[はらはらと零れる涙に、医師も、絆されるだろうか。 楽にして差し上げて欲しい、と 彼の問いに、頷いて。]
(@19) 2013/02/21(Thu) 23時半頃
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いいえ。 医師様はこうして、 お力になってくれているではありませんか……。
[弱々しい笑みで、王の腕に向かう注射の針を見つめる。 淡い瘴気が、室内の中空をぐるり舞うのは 王女のものか、或いはこの医師のものか、両方か。]
……。
[じ、と安楽死の手はずを見つめ いつしかその王女の表情からは 色が消えていた。]
(@20) 2013/02/21(Thu) 23時半頃
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…―――
[顔、と、小さく医師が言うならば そう、その場にとても相応しくない にこりと、楽しげな笑みが浮かぶ。]
貴方の手に寄って 王と王妃は息を引き取った。 ……最早協力者よね。
[どうにもならない病だったとしても 殺したのは貴方だ、と言わんばかりの物言いで]
私はこの瞬間から、王女ではなく女王。 命令に従って貰いましょうか。
……そうね、初めは何がいいかしら。
[国を手中に入れた途端に態度に変わるこの女を 医師はどんな目で見るだろう。]
(@21) 2013/02/22(Fri) 00時頃
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[やっぱり、と、顔を引き攣らせ 何者かを問う医師に微笑んで]
セウ国の内情をご存知? 知るわけないわよね。王子ですら知らなかったんだから。 あの国はモンスターに支配され、 人間が圧政と貧困に嘆く国。 そしてそれを支配下に置く王女の私。
この意味がお分かりかしら?
[至極簡単なクイズを出した後、 己だけを見て油断しているであろう医師に ロベリアが背後からナイフを持って近づき 首筋にその冷たい刃物を触れさせる。]
――動くと死ぬわよ。
(@22) 2013/02/22(Fri) 00時頃
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――王子は、お人好しすぎただけ。
[そしてその罪を死を持って贖った。 バケモノ扱いされるとぞくぞくする。 彼の手がポケットに伸びるよりも早く ロベリアのナイフが医師の頸動脈を狙う。]
……貴方は玩具にするには勿体無いみたい。 私の毒をあげる。 苛まれる、毒を。
[つ、と医師の顎を持ち上げさせると 僅かに首筋の位置がずれて皮膚が切れたかもしれない。 厭わずに、彼の瞳に口接ける。 其れは奇異な行為。 前歯で瞼を開かせ、眼球に舌を這わせ そこから媚薬を流しこんでいく―――]
(@23) 2013/02/22(Fri) 00時半頃
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あら、こんな素敵な淑女を前に失礼な。
[性格で選んでいないような言にくすくすと笑う。 毒、と問われれば、少し小首を傾いで]
強いて言えば、毒から発される呪い。 貴方の目――とても綺麗よ。
[ぴちゃり、ぴちゃりと水音を立て、眼球液を吸い取る代わりに分泌していく液体。
顔を離すと、東洋特有の黒色が、自身の唾液に寄って 紅く紅く染まって。
常人であればそれは視界を奪うだろうが 彼に関しては分からない――適性のある者ならば それを、己の力にも、し得る呪い。]
(@24) 2013/02/22(Fri) 00時半頃
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[媚薬も含んでいる故、その身体からは力を奪うだろう。 彼のモノを飲み込むのも良いが、 ―――男の影の色を一寸見据え]
……まぁ適当な女に抜いて貰えばいいわ。
[片目に眼球の呪いをかけてしまえば、今回はもう要はないとばかりその場を去る。無論、自分の姿が消えるまでロベリアは医師の警戒に当たるし、そしてロベリアが去る際に、彼女が命を落とそうが、知らないといった体で**]
(@25) 2013/02/22(Fri) 00時半頃
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――王城一階・廊下――
[階上から降りてきた王女は、 ピッパが悲鳴を上げながら逃げている姿を 腕を組んで眺めていた。
幸か不幸か彼女の足に纏わりついている虫は数匹。 ああいう小さい蟲で蹂躙するのは悪趣味かな、と 小首を傾いで、走ってくるピッパを眺めている]
(@26) 2013/02/22(Fri) 02時頃
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貴女、似たようなもの産んだじゃない……。
[あれはまだモンスターの形をしていたから 良かったのだろうかと反対方向に首を傾げた。]
いいことを教えてあげる。
[ぱち、と指を鳴らすと、じゅう、と溶けるように ピッパの足に纏わり付く蟲は蒸発していく。]
その蟲、どこから出てきた?
(@27) 2013/02/22(Fri) 02時頃
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その林檎は、セウ国からの輸入品。
[微笑む。]
林檎に限らず食料品の多くはね そういう蟲に侵されているの。
セウ国の人間は、 それを当たり前のように食べている。 それしか食べ物がないのだから仕方ないわよね。
[言葉から、セウ国に住まう人間の凄惨さが滲んでいる]
セウ国から輸入するものの多くは、 そういった毒が含まれているわ。 そうね――例えば乳牛用の藁。 ソラナ国の小村に届いていると思うけれど、それを食べた牛は凶暴化し、おそらく今頃人間を襲っているでしょうね。
(@28) 2013/02/22(Fri) 02時半頃
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旦那様に向かってその物言いはなぁに? [ゆったりと微笑んで、ピッパに歩み寄り、 その腹部をそっと撫ぜてやった]
モンスターと人間は滅多なことでは相容れない。 敵対するか服従させるか。 セウは服従という形で成り立っているのだけどね。
ピッパ。貴女は服従してくれないの? 私にまだ敵対するの?
(@29) 2013/02/22(Fri) 02時半頃
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太刀筋が甘い。
[とは言え人間の姿。 身を引いたが純白のドレスは引き裂かれる。]
今ここで大声を出してもいいのよ。 そうすれば貴女が王女に逆らった罪は 牢獄で贖うことになるでしょう。
……でも私って優しいから 今回は見逃してあげる。
(@30) 2013/02/22(Fri) 03時頃
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ピッパ・リシュカ。 貴女には期待しているの。 だって他の女達は簡単に堕ちてしまって―― やり甲斐がないじゃない?
いずれその気丈な態度を圧し折って、 私だけを求める奴隷にしてあげる。 理解してね?愛ゆえの行動だって。
[くすくす、夜の廊下に響くわらいごえ。 数分だけピッパの動きを魔法をかけ、その場から立ち去った*]
(@31) 2013/02/22(Fri) 03時頃
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