241 線路上の雪燕
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ー 三等車両 ー [壁に頭を凭れ。 車両の重い振動を揺り籠の揺らし手とし。 少年は目を伏せ、か細い寝息を立てていた。
ここ最近、まともに眠れた事なんて無かった。 窮屈な鉄の箱の角でも、サイズの合わぬ外套は少年を柔らかく包み、 彼にとっては暖かな毛布も同然だ。
労働者の汗臭さも、陽気に下品な戯言を交わし合って押し競饅頭を耐え抜かんとする喧しい声も、 自分に向けられる事の無い目の数々も。 望んだもの、選んだもの。 この上なく、安心出来るもの。]
……シェル……レ、ショー…レオ………。
[気の弛みからほろりと漏れた寝言も、 汽笛と、線路と、男達の声の中に消えていく。 蒸気と鉄と大地の、大きすぎる鼓動に目覚め、クラッカーの箱の中で暴れ出した鼠>>0の引っ掻く音や鳴き声も、それは同じ事––––––––]
(1) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[ –––––––遂に『尻尾』を出しやがったな。
夢すら映さぬ瞼裏にあった、少年の意識が急速に覚醒する。 血流が、栓を抜いた様に速度を持って流れ出す。 真冬の海に放り出されたかの如く体温が引き、 心臓は列車の振動に負けぬほど激しく脈打ち始める。
敵意に満ち満ちた、老いた男性の声だった。 眉間一杯に硬直が広がる。きっと酷い形相だ。 食道に込み上げてくる恐怖感を飲み込みながら。 また膿みの滲み始めた手で密かに外套を握り、 少年はその次の言葉を待つ]
(53) 2015/11/29(Sun) 19時半頃
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[ –––––いけすかねえ政治屋だと思っとったわ。 あの古狸め! だから俺は信用してなかったンだよ。
続いて吐き捨てられた言葉は、 明らかに少年に向けられた物ではなかった。 少年にその意味は分からないが、密かに胸をなで下ろす。 男の怒気の矛先は、手元に握られた新聞、 少年の与り知らぬ記事。 或る議員の、ほんの失言>>0:102を大袈裟に吊るし上げる様な物だったのだが、少年には爪先程も関係のない事だ。 男に対してもっと言ったれ、だの、お前はマスコミ如きに踊らされすぎだ、だの、勝手で無意味な議論が盛り上がっているが、それもどうでもいい。
ちらりと横目で見れば、人の缶詰の中。 誰かの腕にしっかりと巻き付いたオンボロ腕時計が15時過ぎを示している。 少々眠り足りなかったが…腹の虫が、鳴いている。
何か胃に入れねば–––––保たない。]**
(54) 2015/11/29(Sun) 19時半頃
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……ぁ。
[きょろきょろと見回してから 慎重にザックを開けて、間抜けな声を上げた。 クラッカーの箱の側面に丸い穴がぽっかりと開いている。 箱の中身も散々喰い散らかされた上に、ころりとした糞等も転がっている。 犯人は…居た。度の入っていない眼鏡のツルを齧っている。 ザックに穴が開くという最悪の事態だけは逃れられたらしいが、少年にとってはあまり好ましい事ではなかった]
だ、駄目…
[呟きかけ、空気の異変に気付く。 相変わらず遠巻きに政治談義は聞こえているが 周囲の人の重なりに、新たにねじ込まれてきた流れがある。 慌ててザックを閉じて抱きしめ、そちらを一瞥すれば…三等車両に見合わぬ様な、白い腕>>57が伸びて来た]
(58) 2015/11/29(Sun) 20時半頃
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…………え、ぁ…っ!?
[きみ、と掛けられる声は明らかに自分に向けられている。 悪意は無い、然れど、自分を確実に認識している。 周囲の、…少女に押しのけられた男達の目線も自然と此方に向かう様だった。
人が、人の目が、自分を、見ている。 どうする。どうする。どうする。
ちん、と頭の中で何かが合わさった音がした。 男達の隙間から見える手の主は、成人ではないらしい。 他の乗客達からすれば、きっと…『子供が2人居る』のだ。 つまり、
意を決した様に そして何を思ったのか。 少年は少女の腕、ではなく、袖先を、きゅ、と握った。
上げた顔は、微かにはにかみ––––]
(59) 2015/11/29(Sun) 20時半頃
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……見つかっちゃっ、た…
[ぼそり、呟いた。 そのままサックをもう片手を使って背負い、 少女を押し出す様にわたわたと隙間を縫い歩く。 そのまま三等車両から押し出す事が叶えば ––––––そこにくしゃむ青年>>19が居たかどうか。 車両内に留まっていたかはわからないが… 改めて少女に向き直り、こう呟いただろう]
…ジョージに、言われたんでしょ。 あいつ、汚いとこには、入りたがらないから… ……でも、見付かっちゃったなら、 ………ぼくが、次の鬼…だね。
[嘘を吐くのには、慣れていた。 けれども、それが上手く運ぶのは議論の場だけだと彼は知らない。
その取り繕いも、首をかしげた瞬間に鳴った腹の音で台無しになった訳だが]
(60) 2015/11/29(Sun) 20時半頃
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……あ。
[慌てて掴んでいた袖を離し、ザックを握った。 彼女の袖にはほんの少しの血膿が付いたのかもしれないが 上手く奇麗な部分でだけ掴めていたのならば、 精々、労働者達の熱気で湿ってしまっただけだろう。
そこではたりと思い出す。 見付かった、という事実に軽くパニックになっていたが そもそもの彼女が言っていた言葉を。]
お、お腹は、その… ………僕、お金、ないから…
[もし、改めて食べ物を差し出されていたなら そこでふるふると首を振るだろう。 胃の事よりも彼は、次をどう『誤摩化すか』考える事に頭を動かしていた]*
(61) 2015/11/29(Sun) 21時頃
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[少年は眼前の、勇気ある少女の微笑みに内心で怯える。 恐らく、だが自分の身なりと一人である事実から 同情を買ってしまったのだろう。
けれど、誰かの名を出せば保護者や他の同行者の存在を誤認してくれるだろうか。と咄嗟に出た名は、『薄汚れた子供1人より、かくれんぼ中の子供2人と認識された方が印象は薄い』との判断に連結されたのだ。
酷く、不完全な理屈と策の続きを練る事に専念していた意識は、つん、と鼻を付かれた>>69事によって途切れる]
…えっ、と……
[腰を屈め、視線を自分に合わせて来た少女の笑顔は少々苦々しい。 睫毛の隙間から覗く瞳は、動揺>>0:13も無く、心底彼を心配しているらしく。
ひとつ、ふたつ、瞬きをして、見つめて。]
(76) 2015/11/29(Sun) 22時頃
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……あの、ありが、と。…。 …僕、………嬉しい、です。
お礼…できなくて、ごめん、なさい。
[ぺこり、と腰を折ってお辞儀をした。 差し出された紙袋と牛乳瓶>>70をおずおずと受け取る。 彼女の言う事も最もだ。空腹を満たさねば体力が………
は、と息をのむ。 微かに聞こえたかりかり、という音は 明らかに腹の音ではない]
(77) 2015/11/29(Sun) 22時頃
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…っ、その、おねえさん…あのっ、 …………たび、その、気をつけ、て…!!
おねえさんも、ごはん、たべてね!!
[もう一度お辞儀をして、何処かせっぱ詰まった様に。 少年は少女の脇を通り抜ける様に駆け出した。 彼女に呼び止められる事が無ければ、小柄な身体は二等車両の通路を通っていた青年の股を潜り抜けて先を急いだ、かもしれない>>74]
(78) 2015/11/29(Sun) 22時頃
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[少女の元>>91から去り。青年の股を潜り抜け。 もひとつおまけに紳士>>95の脇を通り抜け、 赤毛の少女に衝突未遂を起こし。 尻に火の付いた猫の様に、二等車両をぱたぱたと駆け抜けていった少年に気付いた者は他にどれほど居ただろう。 彼等にも『薄汚れた一人の子供』を認識されてしまった可能性が高いが、それどころではない。
辿り着いたのは、二等車両と一等車両の間にある御手洗だ。 二等車両と三等車両の間にも有ったのだが、そこに少女の目の前で駆け込む訳にも行かなかった。
小さな個室の扉を勢い良く閉じれば、そこは薄暗闇に包まれる。 そっと、先ほど少女から貰った紙袋と瓶を傍らに置き、 もう一度ザックを開けば、そこには。]
っっ……ま、え…っ。
[余程その金属が気に入ったのだろうか。 ご丁寧にかの眼鏡のツルを3つに齧り折っている真っ最中の鼠の姿があった。 少年は、ぎり、と歯を食いしばる。 怯えや怖ればかりだった彼の表情に、鋭い色が通る]
(100) 2015/11/29(Sun) 23時頃
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[流水音。]
[もう一度、流水音。]
[おまけに、もうひとつ。
暫く、御手洗の扉は開かなかった]
(101) 2015/11/29(Sun) 23時頃
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