181 巫蠱ノ匣
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『 メリー メリー ハッピー アンバースデイ! 』
[眩い電飾を身にまとった女が、高く澄んだ声を響かせ、画面にクローズアップする。 パチン、と音のしそうなウィンクを披露し、少し画面から遠退いてから、女は口を開いた。]
『 ヨウコソ、ココは【巫蠱ノ匣】。アナタ方を、心から、歓迎シマス! 』
[大仰な動作で腕を広げ、笑顔。スクリーン上で動く仮想の存在が、奇妙なまでに流暢に話し出す。]
『 ワタシの名前は【クリスマス】、アナタ達にアイと情報を届ける、真夏のサンタクロース!なんて…… 』
[愛らしく笑んだまま、【彼女】は言葉を紡ぐ。]
(1) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 ワタシのことは、それほど重要ではないんです。本当に重要なのは…… 』
[女がひらりと身を躱し、背景に浮かぶ【48:00:00】の文字を指し示す。]
『 この、カウントダウン!それと―― 』
[再び、ズーム・アップ。スクリーンから身を乗り出さんばかりの姿勢で、あなた達を指さす。]
『 アナタ方の首についている、ソレ!その首輪と、足元のデイパック!大事なモノなので、ちゃーんと各自、1つずつ持っていて下さいネ! 』
(2) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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[そう言い終わるなり、跳ねるように後ろへと下がる。 目を細め、口角を上げる。瞳から無邪気な光が消えたように見えたかもしれない。]
『 それでは、改めて――【巫蠱ノ匣】へ、ヨウコソ。これから、ルールを説明します 』
[小さな子供を諭すように、『静かに』のジェスチャー。 どういう仕組なのか、あなた達が実際に静まった頃、女は再び口を開く。]
『 と、言っても、ルールはとっても単純なんです。タイムリミットは、2日間 』
[女の背後の数字がチカチカと数度点滅し、女はニッコリと笑む。]
『 ワタシ達は、【最後の一人】を待っています 』
[甘く、蠱惑的な声で、女はそう囁いた。]
(3) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 アナタ達に配布した、そのデイパックの中には―― 』
[画面の中、どこからかデイパックが放られ、女はそれをキャッチする。 口を開き、中身を取り出しながら、女は解説する。]
『 水と、食糧。まあ、ココでこれらに困ることもないと思いますが…… ――それと、コレ。なんと、この【ゲーム】のガイドブックなんです!親切でしょう? 』
[小さく首を傾げて。]
『 基本的なルールが分からなくなったら、これを読んでみて下さいネ! ワタシはずぅっとココにいるので、質問に答えることもできますガ…… 』
[ジャン、そんな効果音と共に、画面の端々から、黒々とした銃口が女に向けられる。 ハンズアップ。降参のポーズを取った女が、変わらぬトーンで告げる。]
『 こんなことになっても、ワタシは責任、取れませんヨ! 』
[再び、効果音。銃口が消え、女は解説を再開する。]
(4) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 話が逸れましたネ。バックパックの中には、食糧と水、ルールブックと――それと、何よりも大切なモノ。 【手段】が、1つずつ。ゲームの公平性を保つために、当たりも外れもランダムに配布されています 』
[開けてからのお楽しみ、と言わんばかりに、女はこの時ばかりはバックパックから実際に中身を取り出すことはなかった。]
『 アナタ達には、これを使って【最後の一人】を目指してもらいマス。 これ以外にも、ゲーム中、手に入るモノは、何をどう使って頂いても構いません。 フィールドは、この洋館内。ソウソウ、個室もご用意してますカラ、よろしければ使って下さいネ! ネ、シンプルなゼロサム・ゲーム、でしょう? 』
[ウィンクを1つ。一仕事終えた風に、軽く手を払って、視線はあなた達へと戻る。]
(5) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 それでは、いくつか注意事項を…… 』
[画面の中、ガラガラとホワイトボードを引っ張ってきた女が、いくつかの項目を読み上げる。]
『 @【匣】からの脱出、ゲームの離脱、放棄を試みないこと。 ……試みても、無駄だとは思いマスが、正々堂々とゲームに挑んで下さいね。 A首輪を取り外そうとしないこと。 ……とっても大切なモノですカラ、どうぞ丁寧に取り扱って下さい。 B48時間が経過した時点で、2つ以上の駒が存命してはならない。 ……これに関しては、その内理解して頂けると思いますガ―― 』
[再び、ホワイトボードが枠外へと押し出され、女が正面に向き直る。 教え子を見守る教師のような目で、口を開いた。]
『 これらのルールを破った場合のペナルティには、【あなた自身の命】が賭されます 』
[何か質問は、と女は微笑む。そして、その時、沈黙を破るようにして、怒声が上がった。]
(6) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 【日村洋次】サン、それはゲーム放棄の意思と見なしても―― 』
[その言葉を遮るように、再び日村が滑稽に喚きはじめる。 女が冷ややかに笑むのを、あなた達は見たかもしれない。]
『 嗚呼――残念ですが、それでは、 』
[失望の表情を浮かべ、ゆっくりと首を横に振る。 いつの間にか手にしていた、小さな機械を操作し、赤いボタンにかかったカバーを外す。 ――そして、それに指かけ、ゆっくりと押し込んだ。]
(7) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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[刹那、日村が糸の切れた操り人形のように崩れ落ちる。 床の上で数度身体が跳ね――そして、息絶えた。 異様な空気の中、女の変わらぬ声が響く。]
『 残念ながら――日村さんには、ペナルティを受けて頂きました。 ――改めて、何か、質問は? 』
[質問が上がれば、それに答え、それも途切れた頃、女はニッコリと笑み、宣言する。]
『 それでは、ゲームをスタートします。【フランク[[who]]サン】から、2分置きに出発して下さい 』
(8) 2014/06/20(Fri) 00時頃
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『 ハァイ! 』
[向けられた男の声>>58に、女は満面の笑みを浮かべる。 参加者がきちんとゲームに向き合う姿は、とても好ましい。]
『 把握しておいて頂きたいのハ、タイムリミットと、ゲームを放棄しないこと。くらいなのですがーー 』
[ほぼ同じ説明が再び女の口から語られる。 そして、思い出したように、付け足した。]
『 アア、それと、【最後の一人】の判定はトーッテモシビアです。 ウッカリしないよう、気を付けて下さいネ! 』
[肩をすくめる。]
『 他は、何をしてもーーどんな手を使うことに対しても、ルールは御座いません。 【匣の中】であれば、立ち入り禁止区域もありません。 見つけたモノはどう使おうと、個人の自由デス よーーく目を凝らせば、何か発見がーーなんてことも、あるかもしれませんネ? 』
(59) 2014/06/20(Fri) 09時半頃
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[そして、ウィンク。数分前の出来事などなかったかのように、無邪気に笑う。]
『 ですので、皆様、どうぞ、束の間のゲームを楽しんで! 』
(60) 2014/06/20(Fri) 09時半頃
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