231 獣ノ國 - under the ground -
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……そら。が、綺麗だった。
きみの色のように、黒くて――でも、優しいんだ。 どこか遠くから、輝くかけらがぱらぱらと降ってくる。 雨みたいに。 僕の頭上を流れて、 水面に落ちてきた月に、―――
” うみ ”で唄う、鳥の声も。 僕は、
[ ―――ああ、僕は何を言っているんだろう。
彼の瞳、先に覗けた彼の髪。 しんかいのそら。真黒な宙 。紅く染まる空 。 早い頃、黒が退くそら 。僕はそこが好きだった 。 森が、葉っぱがそよそよと囁く。 ” 造りものじゃない ” 花が、僕に話し掛ける 。
かつん、――と。 いつの間にか彼の黒に手を伸ばしていた指先が、レンズに弾かれた 。……レンズ? いやもしかしたら、彼にはたき落とされることもあったかもしれない。
僕は手を戻して、ぼうと篭った脳みその熱を振り切るように、首を振った 。 ―――もう、 ” 見 ”れないと諦めた、 ……とおい、記憶だった。僕の昔の、―――記憶 。 ]
(206) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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きみにも、 …… きみ、に ……ッ
[ 落としかけた言葉を必死に飲み込む。 飲み込んで、蓋をするようにその上からご飯を押し込んだ 。
『 きみにも、 』僕は何を言おうとして、 立場を忘れたわけでも、ないだろうに。
――――『 見せたい 』なんて。]
(207) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[ ぼんやりした顔のまま、目の前の白い頬に腕を伸ばす。 人差し指で 目元からあふれる泪を拾って ぺろり、と 朝露のかわりに それを口にした。]
……きて、
[ しゃがんでいる彼女>>177の腕を引き寄せる。 自分の、まだ”ひと”である太腿の上に軽い躰を乗せて]
擦ったら、だめ なんでしょ。 ………どうしたの、 …………怖かった?
[ 馬鹿、と怒られるかもしれない、 でも怒って彼女の泪が止まるなら、いいか なんて 馬鹿げたことを考えながら 赤い目元にキスをする。 その全部を拭い終わったら ようやく ]
おはよう、まゆみ。
[ と、気の抜けたへんにょりとした笑みを浮かべようか。*]
(208) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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モスキートは、やっぱり。 ……” うみ ” が見たいのかい。
[ ちり、 と。
僕の服のポケットの中。 施設にある限りの” 扉 ”の鍵が連なった鍵束が、音を鳴らした。
そうして程なく、彼と別れることがあったなら。 離れる彼の傍、僕は食堂に居座って、こてりと短い間――眠りこけたのだったか。
記憶の底、 焦がれる景色に誘われたように 。 ]**
(209) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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―― 第1図書室前 ――
[ 直されたこたえと問い>>192に、首肯きのみを返す。平生とのギャップに、腹底で愉快さすら持たれている事には気付かないまま。*]
“ すき ”、って、
[ どんな。と、面食らった声色で反芻する。 すきもきらいも、「いばしょ」でない施設の内、特に感じたことはない。ただその“すき”が空腹じみて、こがれる思いをさすなら。 ――違うんだろうと、レンズ越し、答えめいて瞳を伏せる。身も離れていれば、気付かれもしなかっただろうか。
におわない、“いきている”ハズの花々を模したあの光景を。どこかしらとおくへ意識の向く顔色になぞり映しながら。――“彼処”と告げたそれに、男のすき、こがれる花も“どこか”にはあるのだろうと思いつつ。 それを男の瞳に――いつかと同じように、覗き込み。]
……ならどんな、花が“すき”なの?
[ ――やがて飢えはぐう、と腹を鳴らす。機能の薄れた吸収缶の奥、 僅かに「そと」の混ざった“いきもの”のにおいを流し込んだ。 『処分』 の方が早く訪れないうち、と人工のひかりに視線を落としては。「宿題」のこたえは、結局そのうち、提出出来たのだったか。]
(210) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[どれだけ泣いただろうか。 涙も枯れ果てた頃に、アマルテアは立ち上がる。 白衣を羽織ると、鏡で自分の顔を見た]
ひどい顔。
[目元の化粧はすっかり落ちて、やつれて見えた。 首元にそっと手を当てる。彼の残した痕が、赤く残っていた。 ファンデーションで隠してしまうこともできるけれど]
お願い。消えないで。
[いつまでも残っていて欲しいと願った。 彼に愛された証が、今は堪らなく愛おしい]
(211) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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……私は、私のままで。
[別れ際の彼の言葉>>204を反芻する]
ごめんなさい、ノア。 私、そんなに強い女じゃないわ。
[ふにゃり、と顔を歪ませた。 さようならと言った彼の最後の声が、 いつまでも頭から離れずにいた。 果たして。自分は今までの自分のままでいられるのか、と**]
(212) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[名前を呼ばれて>>203なんと返事をしたものか迷った。 もうおはようという時間ではなくて、でも私は他に目覚めの挨拶を知らない]
そんなところで眠るなんて。 体が痛いのではない?
[結局口から出たのは、そんな現実的な、可愛げの欠片もない言葉で。けれど、フィリップの顔はまだぼんやりとしていて、私の声がきちんと意味のある言葉として届いたかはわからない]
……?
[フィリップの腕がこちらに伸ばされて>>208、私は首を傾げる。人差し指で涙を拭われる、その時まで、うっかり私は自分が泣いていることを忘れていた]
な、
[私の涙を拭った人差し指を舐める様子に、心臓が跳ねる。 もっと恥ずかしいことをしたはずなのに、私の羞恥心のメカニズムはどうなっているのか、自分にもよくわからない]
(213) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[ >>89 後 ]
―――……シロ? クロも、
[ 「 そと 」の香りを身に付けて、僕はこてりと首を傾げた。 いつも僕に駆け寄って――片や僕を唸りつける二匹の姿が、 見えない。 二匹が消えてしまったかのように>>162鎖だけが残されてる。 警備員は、気付かなかったのだろうか? きょろりと辺りを見渡すと、警備員の視線の先に、管理人のうちの一人が――今はもう、” ちがう ” のだけど――>>194監視室に向かっていた。
僕はその姿をいつもと同じ、錆びた瞳で見つめた。 彼が振り返ることがあったなら、 何か言葉を交えることもあったのだけど。 ]
……おかしいなあ。
[ 僕はまた辺りを見渡した。 犬の姿も、香も。何もない。そして” 食べる ”人もこの階では思い当たらなければ、まるで神隠しに子どもがあってしまったように――癖になった諦念と共に、ため息が出た 。 ]**
(214) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 23時頃
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[羞恥心は、私の涙を止める作用をもたらした。 うろたえている間に膝の上へと引き寄せられて>>208、まるで小さな子どもみたい。 いいえ、やっぱり、それは違う。 だって小さな子どもなら、膝の上でもらうものは]
違うの。昔のこと……思い出せたのよ。 あなたの、お陰だわ。
[思い出した、昔の記憶の中。小さな私は“とうさま”の膝の上で、頭を撫でてもらっていた。 でも、私は子どもではないから。 好きな人の膝の上で、もらうものは目元への口づけで]
おはよう。
[気の抜けた笑みと共に贈られた挨拶。結局同じ挨拶を返して]
ありがとう。 でも、こっちにも欲しいわ。
[そう言うと、フィリップの唇に、唇を寄せた]
(215) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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怪我は、してません。
[俯いたままアオルを受け取って黙々と作業をする月見さんの姿を眺めながら]
別に、危なくてもいいです。 外に出られて。....あと、他に沢山いる"私達"が直るのなら。
[そういえば。ほんの少し前までは、このためだったんだっけ。 付け足すようにした言葉に、そんなことを考える]
それでも、だめですか。
(216) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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―― 第1図書室 ――
[ 地図、と。見当もつけて訪れたのはいいが。やはり大した収穫もなく、 ――本棚を高い背で弄っては、面体の下息を吐く。そもそも、外への扉を見つけたとして、過程“かぎ”やら警備もあるなら。……いざとなれば、留め具を噛むだのなんだのしてはみるつもりだったものの。――手元の吸収缶をいじっては、錯乱のはて、「結果」を思いながら。 やはり「協力」がいるだろうか、と。ぼうと頭を巡らせつつ。くん、と気のせいか、漂うにおいに首をそちらへと回した。]
――……?
[ 本棚の奥、過敏な鼻先が男>>162の通ったそれを微か、捉えたのだったか。もしにおいの残滓、かけらすらなかったとしたら、ただ諦めては、緩んだ面体を整えつつ。
――ぐうぐうと迫る飢えは、やがて施設に巡るほかのうごきを。においを。おとを。敏感にしみ込ませては、ひたりと頭の隅、“しんかい”の黒さに……やがては錯乱に、飲み込まれていったかもしれない。]
(217) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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んー…?
[ふと、感じた視線に振り向いてみるとこちらを見つめる錆びた瞳>>214 それに見覚えはあっただろうか。確か、上司の直属の部下だとかなんとかを知っていたかもしれない]
僕に何か…用でもあるのかい?
[ただ真っ直ぐ見られている事を不思議に思って、そう問いてみる 見てただけ、なんて言われればそれまでなのだが**]
(218) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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大きい? …いえ、あなたが小さいのですよ。
[ 咽喉を鳴らして笑い、戯れを向ける。 男は自分より小さな彼女を見下ろした。 寸分間の置かれた「回答」>>196には、ただ疑問のみをふつふつと思い浮かばせたまま。 ――そのまま、態とらしく身を屈め、目線を合わせることもしただろう。]
備品、ね……、あるでしょうか。
[ 「上」になら、必ずあるはずのそれ。 男は彼女の前で言っていいものかと即座に結論を出せば、口端はあげたまま、考えてるフリをした。 ……然し此方でも何処かに備品の寄せられた部屋があったはずだと思えば、素直に彼女に歩幅を合わせつつ。 ]
(219) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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―――私のが良いと言ってくれても良かったのに
[ 男はまた、彼女を冷やかした 。 視線は彼女に当てずに、道行く先を見据える。視界の奥で第二棟へと繋ぐ廊下の電球が、ちかちか輝いた気がした。 ゆらゆらと影の作られる床は、滑らかに。 踵の鳴る音が鼓膜を叩きながら―――して、冷やかしたらば、彼女に怒られることもあっただろうか。 例え怒られ、また怒鳴られても。 平生通り適当に――所謂のらりくらりとするだけだと、思った。]**
(220) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[ 第三棟 ・ 大扉前 ]
[ ” なにか ” ……ね。
僕はまだ、陽射しに当てられたまま揺蕩う脳みそで考えた。 僕に声を掛けた彼は、――ああ、そうだ、 ]
ひとはいつでも、” 外 ” に出られるのに、
―――どうして僕は、出られないんだろう?
…ねえ、どうしてだと思う?
[ 僕はもしかしたら、陽射しに頭でもやられてしまったのかもしれない。 塔に上って、また地下に戻って。僕こそ鎖に繋がれたように、幾度も。 ただの「管理人」なら、好きなときにお使いに出て、好きなときに戻れるのに。 ……でもきっとこれは、八つ当たりなのだろうけれど、も。
何故だか無性に「 ひと 」の彼が羨ましくなって、でも声色は淡々として、彼にハテナを投げ付けた 。]**
(221) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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[ 小さく言葉を詰まらす彼女>>213に にぃんまりと チェシャ猫みたいに意地悪な三日月を描いて 可愛い夜梟を腕に迎える。
昨夜熱の中で舐めた彼女の泪はひどく甘かったけれど ……今のはすこうししょっぱい。
”昔のこと” ――ああ。 なら、よかった。 降ってきたくちづけ>>215を受け止めて 離れる間際 名残惜しげに下唇を緩く喰む。
抱き上げた彼女の胸元に、散った花唇を見つければ わざと音を立ててキスをしてみたりして ちら、と瑠璃で見上げて 笑ってごまかそう。]
とうさまと かあさまに…会えた?
[ 会えるのなら、夢の中ででもいい。 僕はずっと静かにしている”兄”を見上げて こっそりと 「しぃ」と 口を小さく横に 引き伸ばした。]
(222) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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………どうしようか。 ここでこうしているのも 僕は幸せなんだけれど。
[ へへ、と子供みたいに笑って 両腕を広げ 彼女へ立ち上がるかどうかの選択を促す。
そうじゃいけない、っていうのはわかっているけれど はじめて手にした存在を離したくない気持ちも強くて 自分から距離を置けない狡い僕は 彼女へそれを委ねるんだ。]
(223) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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どうして、ね…… 僕にそれを聞かれても困るってハナシ
[突然投げかけられた疑問に対しては真っ先に思いついた答えを投げ返して 困る、とは言えど管理人のみが来る棟にまで入ってくる彼>>221が外に出ない理由とは何だろうか。上司に頼めば外くらいいくらでも出ていけそうなのに]
キミは“ヒト”ではないから… だからこそ、“ヒトならざる者”と分かり合えるのかもってハナシ
[もし仮に。ヒトだからこそ心を開かない獣人が居た時 地上で罪を犯した犯罪者が牢獄に入れられるように。ヒトがヒトを管理するのならば、ヒトならざる者がヒトならざる者を管理するのも間違ってはいないのではないか。なんて推測を、思うままに口にして]
(224) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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いつでも外に出られる… そうだな、いつでも逃げる事が出来る
[出られない、なんて言う彼はきっとそうなのだろうか 逃げる事も、出る事も叶わず。想像以上に縛られた人生なのかもしれない]
キミは、外に出ないのかい 出たいと思うのかい
[嗚呼 これでは優しいだの情けだの言われてしまうわけだ どうせ辞めるのならばいっそ、目の前の彼に手を差し伸べてしまいそうになってしまうのだから**]
(225) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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―― ? ――
[ 「満腹」をただ、もとめていた。――ぐうぐう、と鳴く腹の虫、奥底は。 たとえば>>201彼の錆びたような瞳に一間、映ったそれと、似通っていたのかもしれない。みずからのレンズに、記憶をもとめて伸ばされた手は拒まず、黙って受け入れながら。
きみにも、と。その先はおそらく、己の「これから」をのぞんでくれるものだったか。 それだけ彼が“こがれる”ものなら、きっと綺麗なんだろうと。もう1度だけその手に、さみしさを一間でも埋めるよう、腕を伸ばし。――「さよなら」も済んでいれば、触れる手前下ろした。
“うみがみたいか”と問われたのには、 ――先ほどの、息の詰まった声色を思えば、ただ眉を顰め、沈黙を返すままだったろう。みたい、ほしい、空腹をどうにかしてほしい。
――かれのいうけしきがみたい。そんなこと、 ]
……うみ、って
[ 『処分』 された先にも、あるんだろうか。と、しみこむあまいにおいが、“ ”のそれが。じわじわのぼる“しんかい”のそれに混ざり合う。 やがては訪れるだろう「錯乱」の予感に1つ、誰にも知れず息を零した。]
(226) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 23時半頃
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悪かったな小さくて。どうせネズミだよ。
[人間として生まれても小さかったのか、それとも、ハリネズミだから小さいのか。生まれた時からハリネズミだったために、そこはわからない。だがまぁ、ハリネズミだからだ、という事にしておく]
あるだろ。この白衣も備品ロッカーから盗ったしな。…ほら
[ロッカーを見つけて、近づいていく。鍵はかかっているが、ロッカーの鍵は安物なので開けれる。髪を差し込もうとした時、私のが良いと言ってくれても良い、と言われて>>220]
な、ぅ、ぇ、ぁ…
[なぜかその問いに、固まる。葛藤が生まれる。なんの葛藤だ?何と何がせめぎ合っている?それを認識する事を脳が拒否して、思考も、身体も停止する]
(227) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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[ああ、どうしよう。 極力誰にも関わらずに、私は孤独を愛していたはずなのに。 もうこの温もりを手放すことなんて、到底できそうにない。 唇を緩く食まれれば>>222、胸の中を甘いものが満たした]
あ……。
[彼の視線を追いかけて、目を落とした胸元。そこに昨夜の名残を見つければ、かあっと顔が熱くなる。 うろたえる私を追い込むように、音を立ててキスをして、笑って誤魔化すなんて、本当にずるい人。 きっと自分の笑顔の威力をわかってやっているに決まってると思うのに、誤魔化されてしまう私は、本当に弱いと思う]
(228) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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そう。ならいいんだが。
[カチリ。 紙の上に砕けた硝子の欠片を置いて、残りを拭く
別に危なくてもいい、と淡々と言う クラリッサの言葉を聞いている。 その心中がいかばかりか彼は知らない。]
外に出る前にうまく起きられなくなったら 本末転倒だろう。
[だめですか、と聞かれたから、ふるりと首を振る。]
だめだよ。
(229) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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[他にたくさんいる”私達”が治るなら、――
その言葉の真意は知らないが。 もし、自分が死んでも、と云う意味なら かなしいと思った。]
クラリッサ君。 君は、君しかいないんだから、 自分自身を大事にしておくれ。
[説教じみた言葉を吐くと、 ガラス片を始末して、 薬品を拭った雑巾をそっと洗う。]
(230) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 00時頃
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―→ 第三棟 自室 ―
[こんな泣き腫らした目でノアの部屋から出てくる所を、 まさか同僚に見られるわけにもいかず。 アマルテアは辺りの気配を伺うと、そっと自室へ戻った。 廊下で誰にも見られていないと信じたい]
お化粧、直さなきゃ。
[ドレッサーに向かうと、丁寧に櫛で乱れた髪を整えて。 再び目元のメイクを施していく。 首筋に残った痕はそのままに、立ち上がった]
(231) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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―― 第1図書室→ ――
[ ひたり、と。しみ込んでくるそれはなんだったか。 『たべたらダメ』 『ヒトになりたいなら』
『ここは――じゃないから』
――どうして、ダメなんだっけ? ほかのにおいと、おとと。微かなざわめきにすら頭が揺れる 。 乾いた服の下でぐうぐうと腹が鳴る。……こんなに、おいしそうなのに。ああ、でも傷つけるのも、傷つくのも。――1度でしんでしまうから。そらが、うたって?自由が、
まざる声はだれの、――“なん”のものだった?]
、
[ 機能の薄れた吸収缶、硬く覆う膜。からを割るように、手袋を外しては、かちりとマスクを取り外す。すうと咽喉奥に入る乾いたそれが、いきぐるしかった。 ただ「かり」にはこんなものいらないだろうと。ここで“いきる”のには必要だった気も、するが。俺はそもそも ここで、”いきて”いるんだろうか。 男の問いが聞こえる。――はなはすきか。におわないそれ。
ああそう、やっぱりここは。*]
(232) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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[手元の薬瓶を見て苦笑する。 そういえばこれのアドバイスを聞きにいったんだっけ。 結局ノアからその返事が貰えることはなかったけれど]
……私、研究を。 行かなきゃ。
[医療室へ。それが自分の仕事なのだ。 どこか虚ろな表情で、医療室へと向かう]
クラリッサ、どうしているかしら。
[医療室にそのまま残してきてしまった。 体調が良くなっていれば、 もう自室に戻っているかもしれないけれど]
(233) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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―→ 第一棟 医療室 ―
……ええと。なにがあったのかしら。
[床に落ちた割れたガラスを掃除するアキラ>>230。 そして何かを必死に訴えるクラリッサ>>216。 医療室は異様な雰囲気に包まれていた]
大丈夫? 怪我はない?
[心配そうに2人に駆け寄って、微笑もうとするけれど。 果たして、いつもの優しい女医として振る舞えているかどうか。 もしかしたら、彼女の様子も若干おかしいことに気付かれたかもしれない**]
(234) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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ええ。……やっと。
[会えたのかという質問>>222に、目を伏せて私は頷いた。 10年だ。10年もかかってしまった。でも、こんなことにならなければ、きっと今も思い出せてはいなかった]
ありがとう。
[口元に笑みを浮かべて、私はもう一度お礼を言って。 どうしようか、という言葉>>223に考える。 離れ難いのは私も同じで、こうしているのも幸せ、という言葉に胸の奥が温かくなるけれど]
そうね。 私も、幸せだけれど。 でも、お腹がすいたわ。
[このままだと、あなたのことを食べてしまうかも、なんて。 言い慣れない冗談を口にしてみた]
(235) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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