310 【R18】拗らせ病にチョコレヱト【片恋RP】
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― バレンタイン前日・ランドリールーム ―
[ここ数日、何度か耳にしたかもしれない文言が耳に届き、顔を渦から引き離す。思った通りの鉄面皮>>139がそこにあり、想定よりも意図的に覗き込まれていた。]
お かえり……っと。
[たまにしか口にしない出迎えの言葉を生贄に、ごく自然な動作で視線を外した。見つめられればさりげなく視線を逸らすのは、昔>>136も今も変わらない。 伏せた瞼は立ち上がるための力に変換された。やや停滞していた血液が再び巡り出したのだろう。足の裏がじんじんと痺れていた。]
(147) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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悪いけど、急ぐなら隣使って。 あと……まァ、そこまではかからないから。
[洗濯機に表示される数字は一桁にはギリギリ届かない程度か。古い方の洗濯機も当然現役ではあるので、彼の作業スペースを与えるように半歩奥へ逸れた。 ようやく普段通り適度に遠く冷えた線引きの外へ戻れた気がして、無意識に短い息を吐く。未だ寒さ厳しい朝だが、この程度の熱では白い靄は現れなかった。]
本当にもう大丈夫。 これも念のためみたいなものだしね。
[だから、その瞳を己のためだけに定めないでほしい。とは、口にできないけれど。 悲恋の舞台に立つ男女>>132のように望みへ必要な形を手渡さないが、それでもこれは決して悲恋ではなかった。性癖とも違う。この停滞は、己のただひとつの恋だ。
マスクの縁に指をかけるフリをしながら、視線は自室の方へ向く。まるで壁を透視でもできるかのように、ふ、と。目元がほんの僅かに和らいだ。]
(148) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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― ここ数日の話 ―
[寝ている間に額から剥がれかけた冷却シートに、逆に端まで綺麗にかけられた布団。テーブルには風邪薬と追加の冷却シート、レトルトのお粥が並んでいた。 「お大事に」とメモに書かれた文字>>126はどことなく力の抜ける柔らかさがある。 それが彼女らしいのかどうかを判断できるほどの関わりは手元になかったが、風邪を治すために必要なものは明らかに充実していた。 数日休むだけで完治したのは、間違いなく柊の助力あってこそだろう。]
さすがにのど飴はなァ……。
[礼というよりお詫びの意味合いが強い。三上の時も管理人の如月に焼き菓子を渡した。今回もそういった何かを準備すべきだろう。
生憎この部屋には、のど飴にレトルトカレーや魚の缶詰、レンジで温められるご飯くらいしかない。 タバコは吸うが、酒も飲まなければ甘いものも基本食べない。彼女の好みを把握している訳ではないが、それでも備蓄と柊の嗜好が噛み合うとは思えなかった。]
(149) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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[備蓄ののど飴を贈呈品として押しつけられた全身氷水の方は、おそらく体調を崩すこともなかった>>120ようだった。 毎朝似たような時間にヒールが木の床を叩く音が聞こえる。歩調は常と変わらぬように感じられ、あの背筋の伸びた堂々とした足取りを思わせた。
それとは別にもうひとつ、早朝に響く足音があった。 音だけでは誰のものか判別がつかないが、この部屋より右側の扉を開けるのはたったひとりしかいない。 いつもなら世間話の増える時期>>102だ。しかし、今回は己が部屋を出ることがほぼなくなってしまったため、顔を合わせる機会はあっという間にゼロになった。]
(150) 2021/02/17(Wed) 07時半頃
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[――焦がれる。飢えていた。 今すぐにでも扉を開けて、その姿を視界に収めたい。そうして溢れた感情を、誰にも見えない深層に埋め立ててしまいたい。 横たわる身体に熱が籠っていく。自ら望んで関わりを最小限に留めている癖に、己以外に阻まれた途端、簡単に崩れそうになる。まるで子どもの癇癪だ。
触れたい。けれど、近づきたくない。 見つめていたい。けれど、振り返らないでほしい。 恋を味わうのは己だが、その恋に己は一番邪魔だった。
雁字搦めだった。それでいい。 身動きが取れぬよう繋がれた方が線引きを越えずに済む。 恋を永遠に舌の上で蕩かしていられる。
だって、あの絵画はこれからもロビーに佇むのだ。 寒色の海が白い飛沫を上げ続ける限り、冷々たる景色の中で白い外套の青年が肌を灯し続ける限り、青年の瞳が海より深い色を湛えつづける限り、大田竜海は何度だって同じ場所からあの絵に熱の見えない視線を注ぐのだろう。]
(151) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[それを、一歩引いて見ている。それこそがひとつの作品であるかのようだ。 であればこそ、作家は作品に介入しない。立ち入り禁止のテープを跨ぐようなことは、決してない。
完成した世界の前の停滞の、なんと甘露な味わいか。 本来物語として許されない一瞬>>133を永遠にする。それは、いつだって何より男を興奮させた。
――まぁ、今回の飢えはスポーツドリンク>>139ひとつで簡単に和らいだのだが。 バイト帰りなのだろう。彼の姿を見るのは普段すれ違う時と変わらず、夜か朝が多かったか。 柊といい、大田といい、普段は宅配員くらいしか迎え入れない『朧の間』の戸が何度も開かれる珍しい事態となった。
特に避けていた訳ではない。しかし男の部屋にわざわざ訪れるような者はいなかった。 故に”ここ”にいたのは、兄>>99だけだったのだ。]*
(152) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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― 『朧の間』 ―
[自身の成人祝いだった。兄弟水入らずで訪れた『朧の間』には、料理が一品ずつ運び込まれる。 酒は兄が選んだ地物の日本酒だ。海老真薯に蟹の餡をかけたものは口内の何もかもが優しい口当たりで、柚子の香りが心地よい。里芋は芯までねっとりと甘く、季節の野菜は目にも鮮やかだ。カワハギの薄造りと鱧の湯引きが到着する頃には、ふたりともすっかり酔って、普段より饒舌に話をした。
孫には案外甘かった祖父の話、近所の犬にこっそりお手を仕込んだこと、学生時代に好きだったお弁当の具材に、お互いに読んでみてほしい本の紹介。ここには兄に後継としての期待をかける者も、己に与えられる自由を羨ましがる者も蔑む者もいない。世界で一番尊敬する兄とふたりきりだった。
既に父が跡を継いだ会社に就職した兄は、確実にキャリアアップを重ねている。今後またこうしてふたりで出かける機会があるかどうか分からない。]
(153) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[原因は緊張と酩酊。それから、どうしようもない油断。 兄にあの時>>1:212>>1:213の話を、した。]
(154) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[兄>>0:16は相手を思って一言嗜めたものの、それ以上己を責めることはなかった。酒でいつもより緩んだ口調で告げる言葉は軽い。過去のこととはいえ、弟が必要以上に塞ぐことを避けようとしてくれているのだろう。慣れ親しんだ、優しい兄だった。酒気と経年で表情や声音が掠れてしまっても、それだけは分かる。
だからこそ、普通>>134の感性がそれを恋と認めてくれないことを理解してしまった。
*
――それから暫くして、あの旅館がシェアハウスとして生まれ変わることを知った。料理もサービスもよく繁盛していたと思ったのだが、理由に興味はなかった。重要なのは、あの『朧の間』が『朧の間』でなくなってしまうことだけだ。 大学の卒業を待たずに家を出て、すぐに入居を決めた。部屋の名前だけは残してほしいと願った結果できたのが、あの部屋だ。]
(155) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[賀東荘2階、端から2番目。そこは『朧の間』。 誰にも認められなかった恋の埋葬地である。]*
(156) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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― ランドリールーム ―
[それから10年以上の時が過ぎた。あれから何度も恋に落ちて、何度も終幕を迎えた。相手と想う先が人間である以上、心は移り行くものだ。一瞬の熱を忘れぬよう、何度も火花に似た音を立て文字を連ねた。 ふと、隣人へ視線を落とす。]
――。
[遠い昔のことを思い出していたせいで、もし途中何か話しかけられていたとしても反応できなかった。未だ夢の中にいる心地のせいか、目元の和らぎが拭いきれていない。大田がこちらを見ていようがいまいが、普段より温度のある瞳が彼に注がれ、柔く笑んだ。
だから、彼は特別なのだ。 不変の想いを注ぐ彼は、己に永遠の恋を与えてくれる。 これまで幾度も重ねた恋とは一線を画す、
ただひとつの、恋なのだ。
朧は朧のまま言葉を得ない。静寂の視線だけがある。]
(157) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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[彼がこちらを見ていなければそれでいいし、こちらを見ていたとしても動揺することなく、普段通りの平熱へ戻る。何か違和感を抱いている様子なら、大丈夫の一言くらいはかけたかもしれない。 洗濯機から電子音がする。2回目が終わったらしい。]
……そうだ。
[当然のように黙殺した変化へ、別の話題を塗り重ねる。]
大田さんってさ、お菓子売ってる場所詳しい? 具体的には若い女の子が喜びそうなものがあるとこ。
[三上へ焼き菓子を贈った時は、コーヒーに合うものという基準があった。彼と己には『COFFEE NARUMI』という共通点がある。一方は店主であるのだが、彼自身コーヒーを好んでいるように見えていたから。 今度の柊にはそれがない。強いて言うなら在宅勤務同士であるところか。しかし詳細までは把握していないため、そこから先へ進むことは難しい。
大田なら劇団のメンバーと接する時に何か耳にしているかもしれない。 彼は食にあまり興味がないようだが、味に一切の関心がない者とは異なる>>135ことを既に知っていた。]
(158) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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たまたま聞いただけだから、深く考えなくていーよ。 なけりゃ適当に調べて買いに行くし。
[普段なら、尋ねることもなかっただろう。あくまでこれは、長い沈黙と視線の微熱を覆うための隠れ蓑でしかない。
乾燥まで済ませた洗濯物を取り出すと、2回分の成果が山になった。これを片づけてからでは、最速でも出発は昼になる。それならもう少し日が翳ってからの方がいい。]
夜には全部売り切れ……なんてことはないわな。
[どこぞ>>1:236で呼ばれた名に見合う理由で予定を先送りしながら、世間話の温度で回答を待った。 世間はバレンタイン直近。実感の湧かない男には、予想がどちらに転ぶか分からない。]*
(159) 2021/02/17(Wed) 08時頃
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地下軌道 エフは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 08時頃
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[愛理の恋日記に、スイーツに纏わるエピソードは沢山あった。
カラフルなお菓子をあれこれ買って、 食べさせ合いっこする妄想をしたこともあるし (ちなみに愛理は見た目を裏切らない感じに赤が好きだ。 何でもない時に三上に尋ねられれば>>87 きっと素直に答えただろう。)
想いを篭めたガトーショコラとか作ってみては こっそり玄関先に置いておくか悩んで ボスが間違って食べてしまったら困るな、 と思い直してやめたこともある。
バレンタイン、恋する乙女の為のイベント。 本当ならばここぞとばかりに張り切っていただろうに、 彩られた可愛らしいチョコレートたちも 何故だかどこか妙に色あせて見えた。]
(160) 2021/02/17(Wed) 12時頃
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「本当に満足なの?」
[そんな言葉がずっと頭の隅っこに残って消えない。 満足だよ。その度に繰り返す。
だって、だって、きっと ―――気持ちを伝えたら終わってしまう]
(161) 2021/02/17(Wed) 12時頃
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[最初に柚木を見かけたのは海辺。 犬の散歩をしていた彼に 落とした財布を拾って貰ったのがきっかけ。
女慣れしているようで誠実で、でもどこかぎこちない。 そんなちぐはぐな態度が気を引いて、 愛理は一目で恋に落ちた。
それから何度も海辺に足を運んで いつも決まった時間帯に散歩してることを知った。 気になって後をつけてるうちに、 商店街の酒屋で働いてて、沢山きょうだいが居て 古びたアパートに住んでて、恋人は居なくて。 そんなことを知っていった。
私ではない他の誰かに向ける 笑顔や、不服そうな顔や、得意げな顔。 それをひとつずつ切り取って、 集めて眺めるのが好きだった。]
(162) 2021/02/17(Wed) 12時頃
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[私、本当は知ってるの。 だってずっと見てたんだもの。
いつからかあなたが端末を眺めて 何かメッセージを打ち込んだ後、 時々すごくだらしなくて、 時々すごく寂しそうな顔をしていること。
そのメッセージの相手が私だったら良かったのにな。 でも、違うんだよね。それも分かってる。 幾ら妄想を重ねたって、 分厚い10冊分のページに想いを書き連ねたって、 自分の事は騙しきれない。
甘くて幸せな夢にも、いつかは終わりが来る。]
(163) 2021/02/17(Wed) 12時頃
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[結局、菓子屋でひとつだけチョコレートを買った。 飾りっけのないシンプルなもの。
それをバッグの中にしまって、 「COFFEE NARUMI」に寄る。 今日はお店に入るのが目的じゃない。]
んっと………こんな感じ、かな。
[エニシから送られて来た風景と だいたい同じ角度から写真を撮る。 二つを交互に見比べてみて、やはり。]
(164) 2021/02/17(Wed) 12時頃
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んー………やっぱり、そうだよね。
[賀東壮や電柱を撮った写真もそうだけど、 送られてきた写真の方が、 全体的に自分が撮ったものよりも目線が高い。
つまりこれを撮った人物は自分よりも背が高いのだ。
……と言っても賀東壮の住人の殆どはそう。 明らかに除外されるのは柊くらいで あまり参考にはならないのだけれど……。]
(165) 2021/02/17(Wed) 12時半頃
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[あともうひとつ、何かヒントがあれば 行きつけそうな気がするのにな。
どうもゴール直前で 引っかかっている感じがして歯痒い。 ひとつため息をついて、
「いよいよ明日がバレンタインだね」
エニシにそう送って、スマホを閉じ。 歩き出そうとして――――あれ。 見慣れた後姿を見つけて目を瞬かせた>>145]
(166) 2021/02/17(Wed) 12時半頃
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[見慣れた、と言っても そこまで親しいわけではない。 何せ向こうが全力で避けるからだ。
明らかに外国人な出で立ちを最初は珍しく思い 出会えば話しかけてみた覚えもあるが 良くも悪くもそこまで深くは気にしておらず、 ごくごく普通に接していたつもり。
…とは言え、素がやかましく なれなれしい部類の人間ではあるので それでも彼にとっては重荷だったかもしれないが。]
あっちょっとそこの! フェルゼさん!?では!?
[ふらふら歩いて行く、明らかに体調の悪そうな隣人を呼び止め、駆け寄る。]
(167) 2021/02/17(Wed) 12時半頃
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えっめっちゃ顔色悪いじゃないですか! どうしたんですか!?気持ち悪いんですか!? あっ救急車呼びます!?
[休めそうな、商店街を少し離れたベンチまで 半ば強引に連れていこうとする。 逃げられてしまえばその限りではなかったけれど**]
(168) 2021/02/17(Wed) 12時半頃
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受付 アイリスは、メモを貼った。
2021/02/17(Wed) 12時半頃
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甘い物は好きですけど、 リップは食べられないですしね。
[ にこにこ笑いながら、ポケットへ向かう指先を 追いかければ。>>144 やがて現れた少し皺の寄った苺のパッケージ。 それはリップが短くない間、 ポケットに収められていた事を示していただろう。 暫し黙して、愛らしい苺柄を見つめていたけれど。 ]
やっぱり、いらないです。
[ 未開封のまま持ち歩いていた理由。 問う代わりに、首を横に振って。 ]
(169) 2021/02/17(Wed) 14時頃
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ほら、せっかく鶏皮を押し付け …… こほん、差し上げることで。 柚木さんに貸しを作った感じでいい気分なのに。 ここでそのリップを受け取ると、 僕の中の貸しが帳消しになっちゃいますからね。
[ 冗談だとわかるように、目を細めると 口調に悪戯っぽい笑みを含ませて。
何かしらの感情が込められたらしき品。 それを受け取る度胸は、僕にはない。 至極あっさりと所有権を手放して。
捨てられる未来までは想像していなかったが。>>144 それでも、縁にとっては単なるリップ一つの事。 それで心を痛める神経も持ち合わせていない。 ]
(170) 2021/02/17(Wed) 14時頃
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でも、そうですね。 僕は鶏皮が好きなのと 甘いものや可愛いものが好きな事。 十分、両立できると思いますよ。
[ 推測でしかない言の葉は。 検討外れかもしれないけど、 それならそれで構わなかった。
後は興味を失ったように、リップから視線を逸らすと 膝を折って、傍のボスの首回りを、 楽しげにわしゃわしゃ撫でて。
それから、パシャリ。 足元のマンホールを写真に収めれば、>>59 失礼しますねと、笑って手を振った。 ]**
(171) 2021/02/17(Wed) 14時頃
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ひぇ………
[完全なる不意打ちだった。背後から声を掛けられ半ば反射で振り返ると、そこにあったのは虹の間の住人>>167の姿。]
ぇ、ぁ、ぅ、その………
[己が何か発する前に捲し立てられ、その手を振り払うことが出来ようはずもなく。そのままベンチまで連行される>>168。
─いや、救急車、はさすがに首を横に振った。もしかしたら自分の辞書に「断る」という項目が創造された瞬間だったかもしれないが、そこまで大ごとにされたくはない。
辿り着いた場所、商店街から少し離れた位置にあるそこは、人通りもまばらなことだけが幸いだった]*
(172) 2021/02/17(Wed) 14時半頃
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― それからの日々 ―
[さて、休みが明ければ休んだ分の仕事をせねばならない。 創立記念日即ち会社固有の休日であり、祝日ではない。 取引先提携先その他諸々を一日待たせた分の処理はしっかり溜まっている訳で。
そして件の朗読企画に関して、 納期が短い>>1:125というみぃめろ姫の分析は正しく。 「やっぱりバレンタインに間に合わせたいよね恋愛モノなら」という 現場のノリで決まった無茶振りにより 敷波は慌ただしい日々を強いられることとなる。
風邪の元凶としてアクツに詫びを入れるのも難しい日々が続いた。 そもそも彼と生活リズムが重なっていない点も大きいが、 夜という時間帯は、病人の住居を尋ねるのに相応しくない。 安静にして休むべきだ。拗らせたら此の時期面倒だし。 ニトちゃんさんが色々面倒見てくれたと聞いたし。]
(173) 2021/02/17(Wed) 18時頃
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[決して言い訳ではない。 叱られた子供が拗ねたまま、 食卓に降りてこないようなそれではない。 …と、割り切らなければ、降り積もるタスクを捌くこともできやしないわけで。 社会の歯車に足踏みは許されない。
ただ一回だけ。 常温のフルーツゼリーの入った スーパーの袋を置き去りにしていったくらい。 …それにも見事に差出人名も詫びの言葉も添え忘れた辺り、敷波は敷波だ。 恐らくはエツコか誰かの差し入れとして回収されただろう]
(174) 2021/02/17(Wed) 18時頃
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これもう、さ、 バレンタインさぼっていいでしょうか、あたし。 ああいや、彼氏居ないから。 部署内に配るっていうね。恒例行事的な。
まぁやりますけど。 いつもハラハラさせてる立場ですからね。
[完全無欠を騙るプロフェッショナルはランチ中、 後輩にそうぽろりと零したとか、零さなかったとか。]
あーさなちゃんはやんなくていいですよ。 後輩保護的なアレも兼ねてるから。 やでしょ、気を遣った結果、 変に期待された目で見られんの? おじさんって若い子が好きですから。
あたしなら大丈夫です。 あの人たちにとって、そういう女じゃあないですから。
(175) 2021/02/17(Wed) 18時頃
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……、 あたしの、好きな人?
…さぁ。 収録控えてるから、それでは。
(176) 2021/02/17(Wed) 18時頃
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