197 獣ノ國
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[名前を呼ばれるだけで体が熱く、敏感になるような錯覚。 否、錯覚というわけでもないのかもしれない。そんな泡のように浮かんでは消える思考を捉えながら、再び、錠の首筋に唇をよせ。服を脱がなければ見えない位置にそっと、すぐに消えてしまいそうな華を咲かせて。 そんなことをしている間に肌があらわにさせられ、胸に大きな手が載せられる]
はぅ... っ...んぁ
[潜められる声は錠にしか届かず、熱い息に甘い声を混じらせながら身じろいで。 下へ触れられればさらにじわりと熱いものが滲みすでに乱れ始めていた吐息がさらに震えて]
あっ...、ぁぁ...、
(357) 2014/10/06(Mon) 22時半頃
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[思わず続けた言葉に歪む、その顔に。唐突に顔を伏せるその所作>>346に、それを追う事も出来ずに。 だけれど、一度決めてしまえたのなら。彼には申し訳ないけれど…少々、吹っ切れはしただろう。 戸惑いながらも告げた言葉に、再び上がったその顔に。少しばかりの嬉しさを覚えた事など、知らせるつもりも無いけれど。]
――……そう、言ってくれる気は…していたよ。
[何だって、捨てても良いと。その言葉はきっと、演技でも何でも無いのだろう。だから男も心のままに、酷く自惚れた言葉を吐いて見せはしただろうか。 その言葉を聞きたくて――そして、聞くのが怖かったのだと。そんな情けない言い訳は、胸の内だけに。]
お褒めの言葉、痛み入るよ。 …こんな狡い"オジサン"にひっかかってしまった君には、少しばかり同情する。
[慈しむような口振りで、此方の名をなぞる彼の唇>>347に。言葉には皮肉を、だけれど向ける眼差しには…愛おしさを込めて。 そうして返された、演技では無い微笑みには、男もまた漸く安堵の息を吐いて見せはしただろうか。 "答え"は、どうやらこの場では貰えないようだけれど。だがそれは、此方とて同じ事。]
(358) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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彼の言葉に返すそれを、告げてしまいたくはあるけれど。だがそれは、次へと取っておこうか――例え一夜限りの夢が覚めたとしても、それが夢にならぬ希望が…見えたのだから。
…それはまるで、次への約束に縋るような。 小さな小さな…願掛けのようなものでもあったけれど。]
そうとも。 移ろい変わり行く不実な月になど、誓わなくとも。
[クツリと漏れた笑みには、此方もつられるように肩を揺らし。そんな言葉遊びを交わしながら、寂しげな声に応えるように、今一度指先へと唇を寄せる。 そうして教えられた彼の姓には、す、と目を細め。小さく唇だけで反芻したのなら、一つ頷いて視線を戻す。]
クリストフ、成る程。 確か君の名もまた、キリストの弟子の一人と同じものだったと記憶しているが。
いいじゃあないか。聖人達の祝福のお陰で、君には悲劇が訪れないのなら。
[やはり戯けたように、それは何とも罰当たりな事を言って見せながら。繋いだ手はそのままに、男は腰を上げると彼の方へと歩み寄って行く。]
(359) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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こうして手を繋いで話しているのも良いが…
君との間にあるこのテーブルが至極邪魔だと思うのは、これも俺の我儘かな…ヨハン?
[先程口付けた時のように、椅子の背へと手をかけて。屈んで顔を近付けてみたのなら、彼は今度は、顔を上げてはくれただろうか。 もしも、上げてくれたのなら。その唇に触れる事が許されたのなら、ほんの少しだけ長い口付けの後に、彼を何処へと誘おうか。 何にも邪魔される事は無く、二人寄り添って――朝まで他愛ないお喋りを交わせる所へと。]
(360) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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― 高校前 ―
[ぼうっとカフェの前で待ち人を待っていれば、少しした後に駆け足で学生の前に彼>>345は来ました。待ち惚けにならなくてよかった、学生はほうと息を漏らします。透明の傘は雨を受け、斜めに流れる雫が地面に跳ねていたことでしょう。 伸ばされる手には片目を瞑れども、抵抗はせず。ただ水が払われるのを視界の隅に、感覚として捉えれば、照れ笑いにも似たそれを浮かべました。]
(361) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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似合うだなんて、……。
ありがとう、急かしちゃったみたいでごめんね。 晩ご飯の食材、相談がてら買って行こうかと思ってたけど…シメオン君、早いね。 作るのは、私にやらせて欲しいな。君の好きなものを作るから。
[言葉尻を綺麗に飾らずに消えた言葉は空気に融けました。彼の僅かに陰りを持った表情と低い声には、自分の勝手な行動の罪悪感からぴくりと眉を動かし、笑みを浮かべていた唇は表情を消します。 しかしそれも一瞬。学生は唇を結んだかと思えば、また開きました。笑みの先迎えに来てくれた礼と、そして謝罪を手向け。少しのお詫びがてら、そして先の約束を重ねて夕食を作ると示せば、彼はどのように言葉を返して来たのでしょうか。( 好きなもの、作れると良いけど。) 学生は不安は胸中へと吐き出しました。料理のレパートリーは、それほど多くないのです。 そうして言葉終わりに引かれた手>>345には、情けなく唇をぽかんと開きます。案外力があるんだな、なんて感想は開けた唇からは紡がれず、またもただ心中に。傾けられた傘を一瞥すれば、これでは反対側彼の肩が濡れてしまうと――悪戯にも似た案を、思い浮かべました。]
(362) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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ねえ、こうしたら、濡れないし――少しは温まるでしょう?
[学生は彼の顔を窺いながら、手を取りました。そうして肩を寄せて、まるで先にお茶会をした頃のようにゆるく手を握ります。少しでも嫌な顔をされたのならば、小声の謝罪と共に指先を離しただろうけれど。受け入れられたなら、濡れ髪を揺らし嬉々として微笑むのです。]
恋人って、思われるのがイヤなら離してね。
[冗談めかして学生は言いました。返しの言葉が如何であれ、学生は彼に導かれるままにお邪魔する家へと足を進ませることでしょう。]
(363) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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―商店街―
[本屋の店主はたまたま奥に引っ込んでいるのか、それとも別の理由かで会う事は無かった。 誰もいないカウンターにそっと不在票を置いて、また後日届けに来ようと安易に考える。 その後足を運んだ花屋は、またも『Clause』の単語を讃えていた。 いつもはこの時間帯まで空いていたはずなのだが、店員が体調でも崩したのだろうか。 その店の中で響こうとしている青い水音は、人間の耳には届かない。
商店街の軒下すれすれ。 淀んだ空の何処からか、巣への帰りを急ぐ小鳥の声がする。 早くお家に帰りなさい。ただいまと囀ってくれる愛するひとががいる家に。]
……………。
[雨がまだ地面を叩いているのを見つめながら、雨足が遠のくまでボンヤリ待ちぼうけでもしていよう。]
嘘つきの言う「また今度」は信じちゃダメね。
[此処で誰かを待つ約束なんて、一つもしてないけれど。*]
(364) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/06(Mon) 23時頃
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ん……。
[首筋に中る柔らかい唇が動き、薄い皮膚を吸えば 痛いというよりも擽ったくて。
踏んであげると云っていた言を思い過ぎらせ、 女王様と喩るには甘すぎる戯れ。 時折身動ぎで布が擦れ合うが、体重は無理にかけず。
掴んでいるだけで熱く感じる撓わな白い胸を揺らし、 態と水音を立て乍固く育った肉芽を吸い、浅く歯を立て]
… 、 嗚呼、感じやすいんだな 開発した野郎に、灼いちまうわ、
[指折り数えても足らぬであろう身を重ねた男の数。 鋭敏に快楽を拾う陰芽を何度か擦り上げていたが、 湿原と成り果てたクレバスは下着に染みをつくり。]
(365) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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クラリッサは、ルーカスさんにメールしなきゃと思いつつボンヤリしている。
2014/10/06(Mon) 23時頃
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[愛液を煉りつけるようにしてから、一度其処から指を退く。 ショーツをずらして指を割り入らせ。
暖かな蜜を中指に纏わらせながら、指を食ませてゆき、 媚肉の締まりを解す為、第一、第二関節で曲げた指を、 緩急を与えながら抽挿し、婬猥な水音を響かせて。
熱い、と指で感じる度に、喉が渇く感覚が増す。 着流しの合わせ目の下で育つ怒張は、既に張っていた。
乱れるばかりの吐息と甘い囀りに煽られ、 下唇を無意識に湿らせ、赤く熟れた娘の貌を見詰めた。]
(366) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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――も、あんま余裕ねェわ、 …いい?
[避妊具を取りに行くのも億劫で。 外に出せばいいかと、髄の溶け出した脳は支度を面倒がる
指は埋めたままだが、充分に湿っているように思え。 スザンナに平気かと尋ね、彼女の腕を引き上体を起こそうと。]
(367) 2014/10/06(Mon) 23時頃
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―自室―
[簡素な部屋に申し訳程度に置かれた物といえば、机と椅子と、冷蔵庫とベットと、片手で収まり切りそうな物だけ。
冷えた身体をタオルで大雑把に払った男は転がっていた紺色を拾い上げ机の上へと飾る。
指で触れるとコツン、と。硬い感触。自嘲気味た笑みは一瞬。すぐに空色の紙面に便りを綴る。]
(368) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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親愛なる白ヤギさんへ
今日は雨が降っていたよ 働き者の君もまた、おつかいをしていたのかな? 紫色の花は手に入ったかい?
ああ、君は雨を防ぐのなら何を使うのかな?
赤ずきんだけじゃあ心配だ。そうだ、フライパンなんてどうだい?傘の代わりにね。
なんて、冗談は程々にして。
今日は愛らしい金糸雀と出会ったんだ。 それと強気な黒鹿ともね。 最後には、随分と愛らしい獣とも出会ったんだ。正体は分からなかったけれど。
そこで君の話もしてみた。手書きの手紙を貰える人は素敵な人、なんだろう? だから君、素敵な人になる気はないかい? どうか、この手紙が君に食い破られてしまわないように。
クロ*
(369) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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[筆を止め、愛らしい金糸雀の頷き>>355を思い出しながら、宛先には少女の名を綴ろうとしてある失態に気付く。]
――インクが、切れてるじゃあないか。
[困った困った。なんて男は口にするが反して唇は弧を描いたまま。]
ちょうどいい。ベネットの姿がいないのなら、インクついでに会いに行けばいいか。
[確か曖昧だったけれど約束>>1:203をしていた気がするのだ。
男は空色の手紙を鳥の形に折ってはいつか手のひらに転がされた黒猫>>0:363と合わせるように置いてみて。
縒れたその黒猫に小さく唸りつつも、小鳥一羽を連れて部屋を出る。 傍らには赤い頭巾を抱えて左手には、ビニール傘を持って。向かうは本屋。寄り道は、隣人の元>>277]
(370) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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―自室→隣人の部屋―
[コンコンコン。軽快なリズムを3回。拳にて鳴らせばその人は顔を覗かせることはあっただろうか。
不在ならばそのまま立ち去っただろうし、もし彼が鹿角を覗かせたのならば、「やあ」と片手を泳がせただろう。]
「赤ずきんを貰えれば、少しは気が楽に」だっけ?
[公園近くでの会話の切れ端>>99を思い出しながら、男は右腕に抱いた赤ずきんを差し出す。
随分と水気を含んだ上に先程まで身に付けていたもの。更にはお古。]
――…僕にはいらなくなったから、良かったらどうぞ。
[口にしつつも、少しでも相手が躊躇うようなら男は取り下げるだろう。
そして、「お腹は満たされた?」なんてからかい言葉をかけては、また改めて話でも、なんてオマケに付けては踵を返しただろう。]
(371) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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―アパート→商店街―
[果たして、隣人との会話は成されたのだったかどうだったか。
何れにせよ役目を終えた正体を隠すための頭巾を脱ぎ去った男は足を動かした。
約束>>1:263を果たすべく、紙で作られた小鳥を共につけて本屋へ向かう。 そして、道すがら空から降る沢山の花びらを眺める赤ずきん>>364を視界に入れた。]
――やあ、赤ずきん。 君はどこへ行くんだい?おつかいはどうしたの?
[にこり。透ける傘の中で狼は、少女へと足を近づけて。]
随分と退屈そうじゃあないか。葡萄酒もケーキも無しにお出かけなんて、花もロクに摘めそうないね。
[なんて軽口をしつつ、透明の傘を差し出す。]
――あげるよ。
(372) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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あ、はぁ、んっ あふ...ふぁ...っ
[密やかに甘やかに、すでに理性のようなものは蕩け出し、声を上げるしかできず。 灼いてしまうとの言葉にすら体温が上がり、中に入り込んだ指に締め付ける触感を与えて]
...、て... きて、じょう...
[いいかと問われ上体を起こそうとする手をとどめるように腕を背中に回し、下になったまま甘く誘って]
(373) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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あら。狡いオジサマにひっかかるのも、悪く無いわよ。 ……それにアナタ、結局教えてくれたじゃない。
[行き先、と。 吊り上げた唇で、渡された紙片を示す。名と、行き先と。告げられる事は無いと思っていたそれが、今手中にある。……狡いとは思うけれど、やはり。憎みきれるものではなかった。 求めた言葉>>358が落とされなくても、構わないと思うくらいには、もう。彼の気持ちも、"理解"出来ていたし。
交わされる言葉遊びに、指先に触れる唇>>359。それをそっと見守って、自らの名を呼ぶ唇に目元を赤く染める。 "……誰かに名を呼ばれるのは、こんなにも心地いいものだったろうか]
悲劇は訪れない……そうかしら。 ……そうだと、良いわ。
[これからの道が、明るいものとなるのなら。……あまり好きではない本名に縋ってみるのもまた、良いだろう。 此方に近付いてくる彼の姿を追って、目前に屈む彼の顔をしっかと見詰めてみせる。 顔を伏せることなんて、もう出来なかった。最後のその時まで、彼の姿をこの目に刻み込んでおきたかったから]
(374) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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……奇遇ね。アタシも、そう思っていた所。
[そうして触れられる唇>>360に、そっと目を閉じる。未だに手が触れ合ったままだったなら、キツく、その手を握り締めただろう。それは全く、無意識のうちだったけれど。 離れる唇に、そっと目を伏せ。微かに悲痛な吐息を零す]
――ずっと、こうしていられたら良いのに。
[掠れた、微かな声で呟いて。 彼がジャニスを何処かへ導くのであれば、大人しくそれに従っただろう。二人きり、誰にも邪魔されない場所であれば。それが何処だって、怖くなんて、ないから]
(375) 2014/10/06(Mon) 23時半頃
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後ろから穿つほうが好きかな、と思ったんだがね。 このままのほうが、いい?
[食まれた指が強く圧迫されれば、>>373ふつと表情を緩ませ。 滴る蜜と共に指を引き抜き、薄く笑った。
望まれるままその身へと身体を落とし。 絡む腕の誘いに乗ることにして、 苦しさすら感じていたボクサーをずらし、 反る昂ぶりを秘所へ押し付けた。
何度か擦り付けては慣らし、腰を進めて。]
[呑まれてゆく音と、心地よさに頬を緩ませる。 しっとりと包み込まれる心地は安堵を与え、 ぎゅうと締まる圧迫感は、余裕を削ぎ落としてゆき]
(376) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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……、…――懐かし…
[――化学資料集にはいつになっても心を奪われる。 そんな感想を浮かべては、床に座る背は丸くなり。めくりめくり、現を抜かしてしまうのだった。
――そんな事がありつつも、真面目に捜索していれば目当ての冊子は思いの外、すんなりと見つかった。 ふと、冊子から僅かに飛び出す白い角を引き出して見れば、短い感嘆が後に続く。]
――そう、レポート書いたんだったっけ。 ええと…イガラ――じゃない。……、ナントカ錠 …先生。
[――どうして振り仮名を振らなかったのか。 当時の自分を恨みつつ、放っていた携帯を手に取り。灯した画面には、早速「青桐」の文字があった。 そのまま本文に目を通せば、溜息の混ざった笑みが零れる。]
(風邪引きそうなのは、そっちでしょ)
[長らく丸めていた背を反らし、伸ばし。ん、と小さく気を入れ直す。そして、冊子と共にソファーに腰を沈めると、返事を打った。]
(377) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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……っ、
[指を絡ませ強く繋ぎ留め。 額から浮いた汗がぽたり、と畳に落ちた。
そのまま貪るように彼女を、愛犬を抱く。 一抹の死を望み、乾きを潤すまで。
女を抱くのは、少しばかり久しいが、 ただひとつ常と違うものがあるとするならば、 果てる前から心が満ちているという事。]
スージー、 君の全てがほしい
[放つ間際の蜜言は、律動に紛れぬよう、空気に消させぬよう。 スザンナの耳元だけで。
糖分をとらねばと思っていた事も忘れて、 目の前の甘味に現を抜かし、性欲のみでは無い充足を覺えて。 ――達する瞬間ゆるりと微笑んだ*]
(378) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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―――――――――――――― 宛先:青桐>>283 ―――――――――――――― Re:風邪… 20xx年10月2日 xx:yy ―――――――――――――― それは、こっちの台詞なんだけど。濡れ鼬サン
依頼の方。五十蔵 錠って言う、 大学で民俗学(の筈)を教えてる人の住所が知りたい (…便利屋、ってこういう頼みしていいの?)
メールで教えて貰えると、メモが省けて嬉しい 後、お代はどれくらい?
そう、黒鹿。結構近くにいたんだね、何だか変な感じ コミュニティに書くか、ちょっと迷わなくもない
…俺が呼んでいいの、それ。大切な人に、って。どうして? ――――――――――――――
(379) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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[――大切な、人。目を細めながら、小さく口にする。 そのまま何か聞き落としたか、見落としたか、一日と少しの記憶を探り――戸惑いを滲ませながら、呟く。]
…大切、ってどうして? 獣の、よしみ?
[そわりと身動ぎつつ、その言葉を文へと変える。 「大切」ともう一度口にすれば、胸に重い物が落ちて来た気がして、身体を丸め、横になり。そのまま、送信を押した。]
……獣だから、か。
[それが一番しっくり来る話だった。それ以外だったら、と考えると喉が引き締まり、胸が詰まった。
携帯を肘掛けの上に乗せ、ぼんやりと立ち上がる。 横になった拍子に落ちたバスタオルはそのままに、ふらりとした足取りの中、また伸びを一つして。]
(380) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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[――狼サンはもう帰ってきているのだろうか。 ふと、雨音の奥に耳を澄ませれば、いち、に、さん、と鳴り響くノックの音>>371。妙な偶然に、少し顔を綻ばせながら返事と共に僅かに扉を開く。
その先に片手を上げる青年の姿を見止めれば、会釈をして。抱えられた赤ずきんに視線を落とす。]
何せ、扮するモノ一つないから。
[差し出された赤ずきんに、一瞬眉を顰めるものの、差し出されるがままに受け取る。冷たいような、温いような、半端な温度が掌の熱を奪う。]
――雨が止むまで、赤ずきんは家の中かな。
[くるりと赤頭巾を丸めては、どこに干すか思案しつつ。どこかへ行く様相の相手のからかいには、]
良い子にしていたら、――ご褒美まで付いて来たよ。
[と微笑み返して。どこかへと向かおうとする背中には手を振って、その姿が夜に消えるのを見送った。
…やがて、扉にかけられた袋>>261に気づけば、不思議そうにそれを手に取る。 中を覗いては、そう重くもない紙の包みに首傾げつつ。添えられたカードに目を通しながら、部屋の奥へと戻るのだった。]
(381) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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― 夜半のこと ―
[恐らくは、愛犬と共に柳葉魚のお造りを中心とした 夕餉の終えた後のこと。
刺身は未だ殘しており、盃へ酌をして貰う傍ら。 ――そういえばあの本はどうしたっけかと思い、 ルーカスに渡した包みの中へ入っているのだと、気が付いた。]
あー……、まぁ本はいつでも良いんだが、な。
[夜に見つける蜘蛛は殺さなければならない。 と、迷信も或るが、厠で見つけた其れは取り逃がしてしまった 何となく気持ち悪い感覚がして、携帯を弄る。]
(382) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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―――――――――――――――――――――― From 錠 To ルーカス
本文: よ。 真昼間から大學でワザワザいちゃこきやがって。 あの本どうよ?研究の足しになりそう?
ところで、明日の夜か明後日の夜でも飲むか? 今夜はちと忙しいんでまた後日でも。
追伸:最近知らん番号を全部着拒にしたら、俺々詐欺が減った。 ――――――――――――――――――――――
[今日を逃せばもうこの國から友人が居なくなるとは知らず。 いつもと変わらぬ文面で、電子の鳩を飛ばす*]
(383) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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こんにちは、クロ。
[雨に打たれて体力を奪われたのか、うつらうつら。 夢見の眼は雨色の花で傘を濡らす男>>372の姿を、伏せた瞼の奥に映す。
視線を下に落としたまま、挨拶。]
……今からお礼をしに行く所なの。花屋さんには嫌われているらしいから、偽物の花しか用意出来なかったわ。 ケーキ……そうね、ケーキも買えればよかったんだけど。ああ、傘?ありがと……
[眠気眼を擦る。 あげる、と差し出された傘を反射的に受け取ろうと手を伸ばした。 少しだけ触れた手は、雨に濡れて冷たかっただろうか。
傘の冷たい感触に意識が呼び戻される。瞠目した瞳に相手の姿が映った。取り落とした傘が地面に跳ねて水溜りの冠を作る。
ああ、どうかこれが夢であれ。]
(384) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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––––––貴方の耳は、どうしてそんな…?
[脱ぎ捨てられた赤頭巾は見当たらない。 代わりに見えたのは白い髪から生えているように見える、"何か"。]
貴方は、何なの? どうして急に、私の前に……
["獣人"。 思い浮かんだ二文字は…が理解する間も無い。逃げる選択肢も忘れたまま、小さく口を開いて問い掛けた。]
(385) 2014/10/07(Tue) 00時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/07(Tue) 00時頃
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え。あ―…ごめん、聞けば良かった。これ、晩飯になる?
[ 自らの片手に持つそれに気付いたのか、晩ご飯について尋ねられる>>362のには小さく呻く。料理の材料なんて知りもしなければ、相手と選べば良かったと自身の行動へ呆れを含んで。適当に買い込んだ野菜やら何やらを見せれば、緩んだ表情を傾げ尋ねた。 ――好みを尋ねられたのには、食べ物の好き嫌いは無いから、と軽く呟いては。]
先輩が作ってくれるならそれで。何でも。
[ 作る、と言われれば柔く目を細めありがたく応えた。自分が手伝えば世も末な結末が皿に上るのは分かっている。 やがて腕を取るまま相手が寄るのを確かめて、傘を傾げかけた。
――そうして、緩く手が取られるのには擡げた視線を向ける。]
(386) 2014/10/07(Tue) 00時半頃
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