295 突然キャラソンを歌い出す村3
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[六合の家系の者は、ヴァンパイアハンターとして育てられる。攻芸もまたその一人であった。
家系とは名ばかりの吸血鬼殺しの技を持つ者たちの『六合』という集いのなかで生まれた子の一人である攻芸は、中国で「ゴンユン」と名付けられ、現在、日本では「こううん」と呼ばれている。
吸血鬼殺しの技を仕込まれたその体は、武術という芸を攻究し、鬼を攻めきるためにある。]
(16) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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[――はずだったのだが。
その吸血鬼が頻繁に出現してくれなければ出番がない。 攻芸が学校に通う間、家族も現在は遠い国で吸血鬼を追っている。
故に、攻芸は吸血鬼退治の技を磨きがてら生まれ持った身体能力を生かして熱心に部活に励んだ。(スポーツ特待がなければ、この高校には入学できなかっただろう。)
高校ではバスケットボール部に入り、一年生ながら大活躍をし、将来を期待されていた。]
(17) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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[しかし、それも、"あの吸血鬼"がこの街にやってくるまでのことだった。]
(18) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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[吸血鬼がやってくれば、攻芸にはハンターとしてかの鬼を討伐する使命がある。そう育てられたがゆえに。
彼は鬼に挑み、そして――大けがを負った。
はずだった。 しかして最早、"その怪我などどこにも見当たらない。"]
(19) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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[だから攻芸は、せめていつしか何よりも大事になっていた部活動を、正しい形できっぱりとやめることにした。
己の身体は最早、 "スポーツの世界を踏みにじるだけ"なのだから。]
(20) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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― 廊下 ―
[職員室から出てきた攻芸は声をかけられ振り返った。]
――……
[バスケ部の先輩である戸高がそこにいた。 明るい様子でこの身を案じてくれる。 部に歓迎してくれている。 攻芸は震える息を飲み込んだ。 もう決めたことなのだ。]
(21) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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戸高先輩。
[攻芸は九生屋のようにパーカーのフードを深くかぶっていた。うつむいた顔。そのまま頭を下げる。]
今までありがとうございました。 俺、バスケ部やめます。
[発した声音は、自分でも驚くほどに淡々としていた。 顔をあげる。戸高はどんな顔をしていただろう。]
(22) 2019/04/27(Sat) 12時頃
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>>32>>33
なんで……って。 なんでもいいだろ。
[攻芸は気付けばぞんざいな返事をしていた。]
俺はもうチームのひとりじゃない。
[なんだか周りが必要以上に眩しい。 いつもの明るい笑顔が戸高先輩の表情から失せる。 先輩はこれからもスポーツの世界で生きられる。 そう思うと攻芸は眼前のまぶしさを睨みつけていた。]
(51) 2019/04/27(Sat) 13時半頃
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やめると決めた。 もうバスケはしない。 理由なんて……
…なんでも。
結論はおなじだ。
[攻芸は背を向けようと片足をうしろにひいた。]
先輩にはわからない。
(52) 2019/04/27(Sat) 13時半頃
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― 廊下 ― >>57>>58
[立ち去ろうとした肩を掴まれたその瞬間。 攻芸はぎくりとして、青ざめた。]
触らないでくれ!
[目を大きく開く。つい大声を出していた。]
――……っ!
[自分の出してしまった大声を慌てて引っ込めた。 元より攻芸は不器用な人間だ。 上手く気持ちを伝えられたことなんてないし、誤解をされる態度をとってしまうこともある。 眉根が寄る。怯えたような、或いは泣き出しそうな顔で、戸高の手を思い切り振り払った。]
♪ 俺だって――っ……
(77) 2019/04/27(Sat) 16時半頃
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♪
大切なものだけ壊さないよう 鍵をかけ深い夜に沈めようか 俺が俺でいたい日々の 振り返った陽の眩しさを 傷つけてはしまわぬよう
もう 戻らない 戻れない 戻ることのない もっともっと夢見てたいなんて 叶わないって決まってた ただ手放すだけ…
もう 戻らない 戻れない 戻ることのない ずっとずっと走ってたいなんて 球に添えた左手は ただ今は手放すだけ…
(78) 2019/04/27(Sat) 16時半頃
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[チームの一員でありバスケ部の先輩である戸高。 チームのムードメーカー。何度も一緒に試合に出た。 だからこそ。仲間に『そんなもんか』なんて言われたくなかったのだ。
頭に血がのぼりかける。 けれど深呼吸ひとつ。不意に力が抜けた。 なにより、さっき、自分で『お前には分からないと』言ったばかりのことだ。]
………
[戸高を傷つけたいわけではないし、彼にはこれから自分がいない分もバスケを頑張って貰わなくては。]
(79) 2019/04/27(Sat) 16時半頃
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[攻芸は再びうつむいて、]
怪我は?
[振り払っただけの手だが心配をした。 それから、一言残して去っていく。]
俺がいなくなったあとの分 おねがいします。
[取り合えず学校から出ようと思ったが上の空である攻芸は、20分も校内を彷徨ったという。**]
(81) 2019/04/27(Sat) 16時半頃
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―歌の心象風景・上空〜体育館― >>92>>93>>94>>95
[月明かりの照らす夜の神森市。 その上空。 夜空のなか、二人は蝙蝠のように逆さまに立っていた―― 攻芸が捨てかけた"それ"……戸高の声に攻芸は一瞬戸惑ったように手をとめかけた。しかし落ちる…… 伸ばした戸高の手がこぼれたなにかに届き――
刹那景色は体育館にうつりかわった。 暫し、脚部の映像―― バッシュの底がワックスで輝く床板に擦れ、高く音を立てていた。ボールを追ういくつもの足音。]
楽しくても――、 でも、先輩、もう俺には……
[――俺は、もうゲームを汚してしまうだけだ。 攻芸は、困った顔をして戸高に首を振った。 しかし、大腿四頭筋が ハムストリングスが 下腿三頭筋が、確かに流した汗を、迸る熱量を憶えていた……]
(140) 2019/04/27(Sat) 23時半頃
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― 廊下 ―
["心"を聞かれてしまった――。 攻芸は、歌の力など信じてはいなかった。 けれどいま確かに……]
……、……だめなんだ、先輩。 だって俺は……
[首を振った。 戻ってこい、諦めないなどと言われて、湧き上がってくるのは、希望よりも無念だ。]
……
[これ以上先輩と話していられなくって、その場を逃げ出した――だからその先に校長室しかなくっても。戸高がいなくなってからUターンで引き返して気づけば同じ廊下を回って早道狙いで階段を上がり下がりして非常階段の扉をくぐったはずなのにいつのまにか中庭から(略)攻芸は校舎から飛び出した――]
(141) 2019/04/27(Sat) 23時半頃
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攻芸は、ヤカモトにアンコールした。
2019/04/27(Sat) 23時半頃
攻芸は、ウツギにアンコールした。
2019/04/28(Sun) 02時半頃
攻芸は、タカモトにアンコールした。
2019/04/28(Sun) 02時半頃
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― 雪の朝・神森市内 ―
…………
[五月目前である。 しかしその日、雪が降った。
未だ市内を方向音痴なので走り回っている攻芸も、学園付近に差し掛かったためか空からふる雪を見て、唖然としていた。]
(235) 2019/04/28(Sun) 14時半頃
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―雪の神森市内― >>239
……ん? 隣町まで来てしまっていたか……
[いいえ。神森市です。 雪で変わった景色に、攻芸は完全に惑わされていた。]
隣町は…… 神森からみて……
[地図(多分覚えていない)を頭のなかで思い描く。 指を虚空でヒュンヒュンさせた。]
こっちだな。
[風から肌を守るようにフードを押さえ、歩き出す。 どこに行こうというのか。そっちには川しかない。
迷えば迷うだけ時が過ぎる。 最早朝ですらない可能性は大きかった。 このように、迷子にはご注意ください。]
(253) 2019/04/28(Sun) 17時半頃
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― GW直前、雪の朝・登校時 ― >>261 >>262
[てんで学園とは違う方角へ歩く途中。 呼び止められて攻芸は弾かれたように振り向いた。]
………え、……
[周囲に他の六合という苗字の者を探す。※いない まさか名と顔が覚えて貰えているだなんてことが、あると思っていなかったのだ。]
あんたは、……
[金城グロリア。 学園のマドンナと呼ばれるその人であった。]
(263) 2019/04/28(Sun) 21時頃
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[攻芸は、"昨夜見掛けた"その人の姿に緊張したように唾をのんでから、一歩後ろに下がった。]
――、神森市は、どっちだ? ※ 道がわからない。
[※いいえ。神森市です。 挨拶もなく、ぶっきらぼうな暗い声で攻芸は質問した。 盗み見るように彼女の顔を見る。 きれいな顔立ちだ。 さっと攻芸は自分の顔を手で隠すようにした。 肌が赤く爛れていているのだ。手肌の爛れも大概だが、顔よりはおそろしくはあるまい。]
(264) 2019/04/28(Sun) 21時頃
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― GW直前、雪の朝・登校時 ― >>271 >>272
[いいえ。驚くことに市内にお住まいなのだ。 因みにその家は邪道院家に融通してもらった家である。]
………神森市、だったのか……?
[こんなにも雪景色なのに?※はい。雪景色なだけです]
いや、その、俺は人を……っ
[あまりにも人のいい申し出にしどろもどろになっていたが、彼女の目がはっと見開く。 悲鳴でも上げられてしまうだろうか、さぞかし気持ちが悪かっただろうと身構えていた。 しかし続く言葉は全く別のもので]
……あと、まわし?
[何を言われているのか最初わからずに、フードを深く引っ張り下げながら訊き返した。]
(278) 2019/04/28(Sun) 22時頃
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保健室……!?医者なんていい。 いい、俺のことなんて構うな!
[少し声を荒げてみたのだが、金城グロリアはぴんと背筋をのばしたまま、驚いたように「まだお医者様に見せていないのですか?」と尚のこと心配している。]
……ッ、触らないでくれ。
[背に手が優しく添えられた。 振り払ってしまってから、気まずさに顔を俯かせた。]
(280) 2019/04/28(Sun) 22時頃
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…………
[謝ろうかと思ったのだが、彼女に余計甘えるようで。 もう、出来れば嫌って貰えたほうがいいのではないかと思った時に、ちくちくと胸が痛んだ。 灼け爛れた手を拳の形にして、悔しさに歯噛みする。]
……ついていくから、先に。
[決めたことだとばかり、意志を曲げようとはしないグロリアについて、攻芸は学校に向かうこととなった。 そんな経緯でついて行くこととなった途中。 自転車がすぐ傍に、キッととまった。]
(281) 2019/04/28(Sun) 22時頃
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― GW直前、雪の朝・登校時 ―
[聞きなれた声だ。(>>279) 攻芸は爛れた肌を隠したさでややうつむいたまま、声の主に視線だけを向けた。]
ユキ。
[声をかけてきたのは同級生の宇津木だった。]
遅刻する時間なのか?もう?
[はい。かなり道に迷っていたせいで。]
先輩はユキの後ろに乗せてもらえ。 俺はもういいから。
[もう一度同行を断ろうとしたところ「そんなわけにはいきません。道に迷っていらっしゃるんでしょう?」とのことだ。それに一応、という冠をつけて、現在二人乗りは法律で禁止されていることまで改めて教えて頂いてしまった。 それに、本日は路面状況がよろしくないことは、チャリ大国出身・運動が取り得の脳筋バカは失念していた。]
(283) 2019/04/28(Sun) 22時半頃
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─ GW直前、雪の朝・登校時 ─ >>289 >>290>>299 >>300 ……そうか。まっすぐ行けそうか?
[防寒具をたっぷり着込んだ宇津木に訊いた。 どうしてそんなことを訊くかって? まっすぐたどり着けたことがないんだろうね。]
ダメっていっても……二人乗りくらい。 バレてもちょっと怒られるくらいなんじゃないか。
[宇津木の声音で、なんとなく彼に任せたら、金城先輩ごとそのまま自転車の後ろに乗って学校まで、なんて展開があり得る気がして後押しをした。 (日頃から必要とあらば闇に乗じて槍だの尖ったナックルだの匕首だのを持ち出している男は流石いう事がざっくばらんとしていた。)
その後『六合を後ろに乗せろ』なんて言ってきたので、攻芸はぽかんとしたまま首を振ることにした。
なにせ『遅刻する』と言われているのだから、そのまま一向は歩みは止めないまま……]
(301) 2019/04/28(Sun) 23時頃
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[デイリー周回ルートで当然迷う可能性がある男は、寧ろ自分の本懐とは『ある人をみつけること』であることが有耶無耶になっていたことをうまく言い出せずにいたところ]
え?なにが……あ。 ッ……くそ……、見なくていい。 なんでもないんだ、こんなの……
[爛れた手で顔を隠した。 対して宇津木のおせっかいはひょっこり顔を出していた。]
お、お前ら…… 言ってることがおなじだ!
[すっかり、『ねー?』なんて同調している先輩。 攻芸は、すっかり困って、ますますうつむいていた。 学園まで、一向はまっすぐ歩いていく。]
(302) 2019/04/28(Sun) 23時頃
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─ GW直前、雪の朝・登校時 ─ >>306
[溜息になんとなく忍びない気持ちになる。しかし、なにせ器用じゃない。攻芸は慌てて否定をした。]
……ッ、何もないって言ってる!構うな。 手が、気持ち悪いのはわかってる……っ。
[だから尚更顔を隠しているらしい攻芸は、手がいい加減お肉の焦げたにおいがしそうな気がして、顔を背けてパーカーのポケットに手を突っ込んだ。]
…………
[宇津木の『何があったのかはきかないけど』という一言に、小さく息をついた。今日会話していて、はじめて小さな安堵を得たようでもある。]
(313) 2019/04/28(Sun) 23時半頃
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……うしろ、え……俺?
ち、ちがう、俺じゃなく。 先輩を。
[おろおろしていたのだが、言うことが宇津木・金城、双方とも同じなので2対1で敗北した攻芸は、宇津木の自転車の後ろに乗って登校することと相成った。]
(314) 2019/04/28(Sun) 23時半頃
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(どうしてこうなった……)
[自転車で学園までの坂を下りながら、厚着をした宇津木の背に隠れるようにした。 後ろを振り返ると、穏やかに片手を小さく振るグロリアが視界に入る。]
……あの人、人がよすぎないか。 ユキもだ。
[ずっとフードが風で飛ばされないようおさえながら]
……ユキ。 もうこれで。 これから、しばらく。 俺から離れていてくれ。
[変なお願いだが妙に真剣。元より攻芸は、器用な嘘や冗談が上手に言える性質ではなかった。]
(315) 2019/04/29(Mon) 00時頃
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─ GW直前、雪の朝・登校時 ─ >>324 >>329 >>330 >>351 >>352 >>353
[見苦しくないわけがなかろうにな。 金城にも宇津木にもそう思った。 けれどお節介焼きたちは『気持ち悪いなんていってないでしょう』『そんな風に言わないで、きっと大丈夫』なんて風で、ただ心配だけをしてくれていた。]
……褒めてない……、 そんな当然、迷惑だ。
[自転車の後ろに乗りながら、吐き捨てるような物言いで、宇津木の『当然』に言い返した。 こんな言い方本当はすべきではないけれど。 それでも、"もう"それでいい。]
(409) 2019/04/29(Mon) 11時頃
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…… ユキの寝覚めなんて俺はしらん。
今も、ユキの手の届く範囲のことじゃない…… ……ほんとうは。 俺がどうかしてるだけだ。
[攻芸からみれば本来『拒まなければならない』。けれど宇津木は友達で、今朝も日頃の感覚で甘えてしまった。 校舎裏の自転車置き場に自転車が止まる。 攻芸はひょいと自転車の後ろから降りた。]
歩ける。
[宇津木は付き添いのつもりで傍にいてくれている。]
保健室にも、一人でいける。
[同行を断ろうとするのだが、溜息をついた。まずはそのまま生徒玄関まで。"付き添いがいる"上、ここでは攻芸とて生徒である。居ていいことになっている。 生徒玄関を難なくくぐり、靴を履き替えた。]
(410) 2019/04/29(Mon) 11時頃
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