308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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[ ベッドの上には、血に濡れた猫と その尻尾を引きずろうとする"何か"がいた。]
(0) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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……あ、あ、あ。
[ 何かはこちらの足音を聞いて猫から手を離した。 そのままゆっくりと、ゆっくりとこちらへ。]
あああああああああ!!!!!!!
[ 私は手に持ったモップの柄を突き出す。 "それ"が倒れると、モップの柄を振り下ろす。 何度も。何度も。 何回目かに電気の傘に引っかかり、 煤で黒く染まった蛍光灯がバリンと割れた。 それでも私は、手の中の棒で殴り続ける。]
(1) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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[ 私は、生まれて初めて、 心の底から世界を呪った。
それは悲しみでもなく、憎悪でもなく、
ただ純粋な、怒り。]
(2) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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この野郎!!!!この野郎───!!
[ 目の前の"それ"から呻き声が消え、 動きが完全に止まったことに気づくまで かなりの時間がかかった。
ふ、と我に帰り、肩で息をしながらへたり込む。
ベッドの上に横たわる猫は、 お腹に大きな穴が開いていた。 もうあのふわふわの毛皮はなかった。 べったりとついた血と、足についた泥、煤。
私はそのまま何もできず、ずっと座っていた。]
(3) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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[ 私が運が良いわけないだろうが。 **]
(4) 2020/10/25(Sun) 00時半頃
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[ ふかふかのラグマットは猫もお気に入りだった。 頭をぐちゃぐちゃにした"それ"の汁は その毛足に吸われて下の床まで届いていない。 ラグマットの端を持ち上げ、端から"それ"を 丁寧に巻いていった。
ベランダへ続く掃き出し窓を開け、 引きずるようにラグごと"それ"を引っ張り出す。 本当はベランダから投げ捨てたかったが、 一人では到底無理そうだった。]
(51) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ ベランダから下を見下ろし息をつく。 あちこちに呻き声を上げる"それ"がいた。]
うるせえ、死ね!
[ 言った後で気づいた。 あいつらもう死んでるな。 少し面白くなって一人声を殺し笑う。]
(53) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ そうして──アーサーと向き合いたくて 私は部屋に戻った。 掃き出し窓の雨戸を締めると、 台所の小窓から差し込む光だけになり 部屋は夕暮れの明るさになった。 そして玄関のドアに鍵をかけ、チェーンをかけ、 誰にも邪魔されない時間を作った。
アーサーを持ち上げる。 布団の上に残る血を少し眺め、 その後お気に入りの毛布で丁寧に包んだ。
ごめんね。 守れなくてごめん。 ご飯をあげられなくてごめん。 あの時追いつけなくてごめん。]
(54) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ そのまま薄い黄色のキャリーに入れる。 お気に入りのおもちゃも入れた。 いつも枕にしていたぬいぐるみも。
丁寧にキャリーを埋め尽くした後、扉を締め──
掛け布団のシーツを引き裂いて、 しっかりと外側から二重に包んだ。
アーサーが"それ"に成り果てても、 その動きを封じられるように。]
(55) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ アーサーを包み終わり、私は台所の床下収納を開けた。 台風や地震など万が一のときに備えて入れた 非常袋と食糧、水、キャットフード。 2リットルのペットボトルを開けて、 ごぶごぶと水を飲む。 少し焦げ臭いにおいはしたが、飲む。 半分ほど飲み干したところで缶詰のビスケットを 開けてかき込んだ。
持ち出し袋の中の非常用モバイルバッテリーに 煤けたケーブルを差して諦めながらスマホを繋ぐと 充電中のマークが画面に灯った。]
───っし!
[ そうして私は、数日ぶりに世界の全景を見た。]
(56) 2020/10/26(Mon) 00時頃
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