189 とある結社の手記:8
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/16(Sat) 00時半頃
|
──昨夜/リーの個室──
……
[>>333 曖昧に濁す言葉に、視線は向くもそれ以上は、 尋ねる言葉は続かなかった。]
……、迷わせるようなことを言ってくれるよ。
[イアンにも言われたのと似た言葉。 軽くこめかみを押さえた。]
(3) 2014/08/16(Sat) 00時半頃
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──昨夜/広間──
[話を終えて、広間に下りる。白いままの紙を持って、 軽く、誰かを探すように周りを見回した。]
……
[刻々、時間が過ぎて、 魚屋の女は息をつく。]
(4) 2014/08/16(Sat) 00時半頃
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……まったく、普通じゃないよ。
[そうして、これで普通じゃない側の 仲間入りだ。低く、ぽつりと呟いて、 白い紙に名前を書くと、それを箱の中に投げ入れた。]
──昨夜回想、了──
(5) 2014/08/16(Sat) 00時半頃
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──朝、二階個室──
[──その日の目覚めは、いつもよりも遅かった。 リーと話しながら飲んだ酒のせいだったかもしれないし、蓄積される精神的な疲労のせいもあったかもしれない。]
……、
[軽い二日酔いだろう。 頭痛を抱えながらベッドの上で身を起こす。 窓の、外を見やった。
──直後に、ドアがノックされる。]
(6) 2014/08/16(Sat) 01時頃
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[息を吐いて髪を括りながらドアを開けると、 そこに立っていたのは、結社員だった。]
……今日は、なんだい。
[呼び出しに、露骨に嫌な顔をする。 先に内容を言えと、目で脅した。]
(7) 2014/08/16(Sat) 01時頃
|
ワンダは、そうして、──その話を聞いて、
2014/08/16(Sat) 01時頃
|
──集会場二階、ラルフの部屋前──
[──がん!と蹴りあける勢いで、すでに人が入っているドアが開けられる。結社員のひとりが、音におどろいた顔をした。]
邪魔だ
[低く押し殺した声が、退け。と、 要求だけをたたきつける。]
(8) 2014/08/16(Sat) 01時頃
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[部屋には、サイモンの時と同様に、 赤が散っていた。
ただ、サイモンのときとは違って、 ──まだ、布がかけられているようなことはなく]
────…
[止めようとする結社員には構わずに 横たわっている体の傍に膝をついた。]
(9) 2014/08/16(Sat) 01時頃
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[緑味のかかった白いドレープのスカートが、 じわりと赤い色を吸い上げていく。]
……
[──ラルフの顔を見たままに、白い手を伸ばす。 周囲の声には構わなかった。
ただ、その様を直視して、
唇が曲がった。]
(10) 2014/08/16(Sat) 01時頃
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───ばかじゃないのか
(11) 2014/08/16(Sat) 01時頃
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[その惨状をみて、吐いた言葉は悪態だった。 触れた肌は、魚でも触っているように冷たい。]
………… ばか、なんじゃないのか。
[女の声が、似た言葉を繰り返す。]
(12) 2014/08/16(Sat) 01時半頃
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[顔を顰める。震えそうになる呼吸を堪えるように、 短く、息を吸った。]
…
[── がん! と、音が響いた。 その場に、手を打ちつける。]
(13) 2014/08/16(Sat) 01時半頃
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[きつい表情が、ラルフの顔を睨みつける。 もう、視線を避けられるようなこともない。
二度とだ。]
…… 年下の癖に、……先に死んでんじゃないよ。
[勝手なことを、勝手に言って、 くしゃり、と女の手は、ラルフの髪を撫でていく*。]
(14) 2014/08/16(Sat) 01時半頃
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/16(Sat) 01時半頃
魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/16(Sat) 01時半頃
|
──シャワー室──
[ざあ ざあ ざあ 。と、水が降り落ちる。
雨のごとくに落ちる水の下、 波を描く女の髪から、水が落ちていく。
服を着たまま水に打たれる女の白いスカートから、 吸い込んだ赤が滲みだし、排水溝へと流れていった。]
…………
[── ざあ ざあ ざあ と、 水が足元を流れていく。]
(44) 2014/08/16(Sat) 22時頃
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……
[その薄まった赤を、開いたままの、 女の目が見下ろして]
(45) 2014/08/16(Sat) 22時頃
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ワンダは、──表情を変えないまま、片手で濡れた目元を覆う。
2014/08/16(Sat) 22時頃
|
[目元に触れた手の指先は白く、 べたついた赤い色に触れた名残はすでにない。]
…………
[血も匂いも。何もかも、 透明な水の流れに、消されていく。]
(46) 2014/08/16(Sat) 22時頃
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ワンダは、すっかりと冷え切った指先を、手の内に握り込んだ。
2014/08/16(Sat) 22時頃
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──集会場、広間──
[朝。広間に戻り来やった女の髪は、 しっとりと水気を含んでいる。
──イアンが処刑された、と言われた間も、 ラルフが襲われた、と言われた間も、
どちらのときも、膝に両肘を置いたままで、 顔をあげることはなかった。]
……
[昨日とは別の、乾いたセパレートの服に、 今、赤い色は見えない。]
(47) 2014/08/16(Sat) 22時頃
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──集会場、広間──
[広間からはイアンの姿が消えて、 ラルフの姿がない。]
………
[>>36 呟かれた名前に、顔を上げるのは遅かった。 俯きぎみの視線が、オスカーをみやる。]
(51) 2014/08/16(Sat) 22時頃
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……
[いくらか影を増した目元でオスカーを見返すも、 スージーの元に行く様子が見えれば、声まではかけなかった。]
(52) 2014/08/16(Sat) 22時半頃
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/16(Sat) 22時半頃
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[切れて、赤い筋だらけにされた耳を見やる。 ──スージーの言葉は切れ切れで、 聞きたくない、という拒絶だけがはっきりと、 広間の中に落ちる。]
……とおぼえ。
[ひりついた声が口にした言葉を、 口の中で繰り返す。]
(59) 2014/08/16(Sat) 23時頃
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……迷惑な
[椅子に座ったままに、低い声が呟く。]
……迷惑な、話だ。
[外から来た人間が、人狼で それで、こんなことに。 ──巻き込まれたというのなら。]
(68) 2014/08/17(Sun) 00時頃
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[ぎ、と微かに奥歯を噛んだようだった。 ただでさえ、良くはない目つきが、 床を見下ろすと、余計に悪くなった。]
……
[少しばかり顔を上げると、 視線は、ただひとり残ったヴェスパタインを見やる。]
(69) 2014/08/17(Sun) 00時頃
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ワンダは、──それから、視線をキャロライナに移す。
2014/08/17(Sun) 00時頃
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[ ぎい。と、椅子を軋ませて立ちあがる。 それから、ランタン屋と、よそ者の記者。 二人から人間だ、と言われた少女の傍へと歩きよった。]
……その手紙。
[一瞥しただけで、誰からの、とはわからない。 ただ、昨日の様子から、文字を読むのが得意ではないのだろうとだけ、あたりをつけていて]
……読みたいかい。
[下がった眉を見て、低い声が尋ねた。]
(70) 2014/08/17(Sun) 00時頃
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[>>72 手紙を上下にしているさまを黙ってみやり、
縦に振られる首に、ひとつ頷いた。
差し出される手紙を受け取って、 魚屋の女は、キャロライナにも見えるように、 彼女の横に膝をついた。]
──…
[Ian Everett。差出人の名前をみてとって、 ── 一度だけ、軽く目を眇める。]
(73) 2014/08/17(Sun) 00時頃
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[黙って手紙の向きを直し、 今、ここを読んでいると知らせるように、 文字のすぐ下を女の指が辿る。]
……『やぁ。キャロライナちゃん。』
[女の声はゆっくりで、男のそれとも違うもの。]
『可愛い名前だね。 キャロルって呼んでいいかな?』
[ただ、軽い文調子をそのまま伝えるように、 手紙の文字をゆっくりと、ひとつひとつ、音にしていく。]
(75) 2014/08/17(Sun) 00時半頃
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『さっきは驚かせてしまってごめんね。 箒をお返しするよ。』
…
[合間に、沈黙をはさみながら、手紙の文章を読んでいく。 時折、音ならわかるかを確かめるように、女の視線は隣を見て、]
(76) 2014/08/17(Sun) 00時半頃
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……『また良かったらお話しようね。』
──…『Ian Everett』
(77) 2014/08/17(Sun) 00時半頃
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[名前までを読み終えると、 そこでもう一度、 隣のキャロライナに視線をおいた。]
… だとさ。
[指は、名前の終端をさしていて、 ──それ以上の文字はない。]
(78) 2014/08/17(Sun) 00時半頃
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──広間──
[手紙を読み終えて、沈黙が落ちる。 キャロライナが話しだすまで、 魚屋の女が声を発することはない。
ただ、キャロライナが見てとりやすいようにとだけ、 手紙の向きに気をつけて、]
…… ああ。
[>>80 泣き笑いのような表情に、目を眇めて 感謝の言葉は、短い声で受け取った。]
(84) 2014/08/17(Sun) 01時頃
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[もう、話はできない。その言葉に、 ──そうだね。と、小さく呟く]
…… どうだろうね。 考え方やら、ものの見方やら、 随分、あたしとは違うようだったから。
[魚屋の女にも、それはわからないように、 小さく疑問の言葉をおいて、]
ただ、
……そうだね。
(85) 2014/08/17(Sun) 01時頃
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…、話したいだの、話が聞きたいってのは、 嘘じゃあ、ないような気がしてたよ。
あたしにゃ、好きだとは思えなかったが。
こっちを嫌いだ、とか
そういうことを思ってるようには ……あまり、見えなかったね。
(86) 2014/08/17(Sun) 01時頃
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|
[そう見えたことをそう思ったことを口に出す。 それでも、結局自分は、この手紙の主の名前を、 投票用紙に記したのだけれども。]
…── そうだね。
[続けるしかない。と、たどたどしい言葉が言うのに、 差し出された紙を受け取る。]
(87) 2014/08/17(Sun) 01時頃
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自分で、…考えて、 それで選んだ名前を書ける方がいい。
[声を零して、コルクボード前から、 ペンを借りる。紙片に、黒いインクを滲ませた。]
──ワンダ。 これが、あたしの名前だ。
[── Wanda、と自分の名前を記した紙を、 まずキャロライナに見せる。]
(88) 2014/08/17(Sun) 01時頃
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|
…… 重たいし、……難しいね。
死も、命って奴も。
[>>90 キャロライナの言葉を黙って聞いて、そうして、ごく、微妙に──魚屋の女は、口の端をあげた。]
…… 案外と、身近にあるもんだってのに、
なかなか、…… 受け入れられなかったりする。
[視線だけはキャロライナから外さずに。 覚えた、という言葉にひとつ頷いた。]
(99) 2014/08/17(Sun) 02時頃
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|
[リーが名前を名乗るのに、顔をあげてそちらを見やる。]
…あんた、アルファベットはわかるのかい
[不安そうな様子に、確認するような言葉を投げてから、知っている名前を、ひとつひとつ、丁寧な文字で書いていくことにした。]
(102) 2014/08/17(Sun) 02時頃
|
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[ただの紙に文字を書くだけなら、そうも長い時間はかからない。]
……この名前が、そこのリー。
[書いた名前を指差してから、 リーの方を示す。]
(103) 2014/08/17(Sun) 02時頃
|
|
あっちの派手なのがスージーで、 大人しそうなのがハナ。
こっちが昨日、あんたに 紙を渡そうとしてたオスカー。
……で、この髪も名前も長ったらしいのが、 ヴェスパタインだ。
[簡単に各人の印象を付け加えながら、 ──誰の名前も抜かすことはなく書いた名前と人とを、 交互に、視線で示していった。]
(104) 2014/08/17(Sun) 02時頃
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ワンダは、ヴェスパタインのひと睨みに顔を上げた。文句でもあるかい。と見やる。
2014/08/17(Sun) 02時頃
|
……
[思うところがあるのは眼光でわかったが、 かといって、何が原因の睨みだかまでわかるわけでもない。 不満があるなら聞く構えでいたが、結局、反論はなかった。]
……
[ただ、──酒の誘いをかけるリーの言葉に、 そちらの二人からは、視線を逸らしてしまった。]
(111) 2014/08/17(Sun) 02時半頃
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 03時半頃
|
──広間──
[キャロライナの複雑そうな笑みを見て、 礼を言うのに、ひとつ頷いた。 ──彼女がもし、ヴェスパタインを信じるなら、 教えた自分の名前が書かれる可能性は十分にあったけれど。]
…… 字。覚えたいなら、……
[教えるぐらいはできる。と、 そう続けようとして、女は言葉を区切った。]
(121) 2014/08/17(Sun) 17時頃
|
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…… 誰か。こわくない奴に聞きな。
しつこく頼みゃ、仕事で忙しくしてなきゃ、 たぶん教えてくれる。
[教師は自分に限らず、 ポケットにしまわれる紙を見やって、 ゆるく目を閉じた。]
(122) 2014/08/17(Sun) 17時頃
|
|
[キャロライナが広間の外に出て行くさまは追わず、 リーが楽しげにハナとオスカーの名前をあげるのに、 軽く眉を寄せたけれども、何も言わず、]
……オスカー。
[リーの後から、魚屋の女は、 少年のすっかり泣きはらした目元を見て 短く名前を呼んだ。]
(123) 2014/08/17(Sun) 17時頃
|
|
……
[名を呼ぶ音にいたわりは混ざらない。ただ、変わらない低い声で呼ばわってから、女は一度視線を下に落とした。]
………… よく、知らないんで、
聞きたいことがあるんだがね。
[視線を下に向ければ床の木目が見える。 言葉を口にしてから、いくらかの間があった。]
(124) 2014/08/17(Sun) 17時頃
|
|
……
見たぶんだけはわかるが、 見てただけじゃあ、 わからないこともある。
[ひとつひとつ、言葉にしながら、 魚屋の女は顔を上げた。]
あんた、ここに来るまで、
……、ラルフと。
どんな風にすごしてたんだい。
[泣きはらした目の子どもに尋ねるのは、 これまでの、掃除屋の青年との関係だ。]
(125) 2014/08/17(Sun) 17時頃
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魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 17時頃
|
[>>130 女の見つめる先で、ぽたぽたと、 少年の目からは雫が落ちる。 最初に集会場で会ったときから、 随分よく泣く子どもだった。]
……、泣いてばっかだと目が曇っちまうよ。
[やさしい人だった、と、 そういう言葉に、目を眇めて、 じ。と少年の顔を女は見つめる。]
(131) 2014/08/17(Sun) 18時頃
|
|
──、ここを、
[とん。と女は丸い自分の胸を、親指の先で指す。 ナタリアが言ったのと同じ言葉で>>0:@42]
ちゃんとしなきゃあって、 そう言われたろう。
[それなのに、の、先は、女にはわからない。 言葉にされないことは読み取れない。]
(132) 2014/08/17(Sun) 18時頃
|
|
[>>133 涙が溢れている目を、女は相変わらずの表情で見返しながら、泣き笑う子どもの顔をじっと見つめる。]
──そうだね。
[頷く。]
そいつは、……なによりなこった。 心配の種が増えずに済んだ。
(135) 2014/08/17(Sun) 19時頃
|
|
[そう返してから、息を零す。]
──あの、"やさしい"掃除屋はね。
[深々と息を吐く。名前は出さずに、 少年が言った形容詞を口にして]
本人が食うので一杯一杯のくせに、 ただの勤め先の知り合いってだけで、 ふたりも子どもを抱え込もうとしたばかだ。
[広間でオスカーに、ラルフが話した内容は知らないまま、僅かに掃除夫の青年から聞いただけの"予定"を零す。]
(136) 2014/08/17(Sun) 19時頃
|
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あいつ自身も、がきのときに働きに出されてたから、 或いはあんたらに同情したのかわからない。
[──それ以外のことを何も知らない、と。 そう、子どもが言ったからか、 あたしだってほんとのところなんかわからないけどね。と、言いながら、魚屋の女は掃除夫の青年についての話を続けた。]
助ける、なんてのは、…… …だいたいにして、難しいこった。
……。
一人前んなって、……自分のことは、 自分でできるようになった奴じゃなきゃ
……簡単にできるこっちゃない。
[助けなきゃと思った。そう言ったオスカーの顔を見止めたままに、低い声が呟く。]
(137) 2014/08/17(Sun) 19時頃
|
|
[微かに息を吸ってから吐き出す。 目は、オスカーを見とめたまま、]
── できもしないことを言い出すなんてのはね、
[声が、僅かに苛立ちのようなもので、 微かに縒れた。]
(138) 2014/08/17(Sun) 19時半頃
|
|
……ひどく、無責任だ。
[ただ、眉を寄せて、嫌悪じみた言い方で、言い捨てるように、 声は少年の前で、掃除夫の青年を詰った。]
(139) 2014/08/17(Sun) 19時半頃
|
|
──広間──
[──違う! と、声がはりあげられる>>141。 泣いていた子どもが声を張るのを、 死者に悪態をついた魚屋の女は黙ってみていた。]
…… 違わないよ。
[女の低い声は短く、そう呟く。]
(142) 2014/08/17(Sun) 20時半頃
|
|
[現実に、少年はひとりで放り出されるしかなく、 保護する、といった青年は、
──この場には、もう、いない。]
…………
[働きます。と、必死に繰り返す少年の姿は、 最初に会ったときに、やります、と声をあげたときに似て見えた。
ただ、今度は、できるのかい、と、 魚屋の女が問う言葉はなく]
(143) 2014/08/17(Sun) 20時半頃
|
|
[きっと、楽しいと。そう、もはや叶うことのない未来を口にする少年の言葉を、否定することもなかった。]
… わかった。 ──かまわないよ。
[次第に弱くなる言葉の最後。
女へと話したいことがある。と、言われれば、 短く、部屋へあげる許可を投げた*。]
(144) 2014/08/17(Sun) 20時半頃
|
魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 20時半頃
|
──集会場、広間──
[オスカーの背を見送って、ひとつ、女は息を吐いた。 軽く部屋の中を見回す。]
…スージー。
[オスカーに話しかけられていた娘に、 魚屋の低い声がかかる。]
(165) 2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
|
…結社のことを、
──知りたくて知ったわけじゃあない、
とか、この前言ってたのは、 その、あたしらには聞こえない音の おかげかなんかかい。
[あのときにはしなかった問いをおいて、 尋ねる言葉は確認じみる。]
(166) 2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
|
……
[返事があっても答えがなくとも、 嫌がられようとも、 女は娘の反応だけをみて、]
…… その、声ってのは
[相手がその場を離れてしまう前に、 ぽつ、と疑問を続ける。]
(167) 2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
|
…、そいつが死んだ、そのときにしか、
聞こえないもんなのかい。
(168) 2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
|
[尋ねかける話は、──ごく個人的な問いだ。]
… いや。
[ただ、もしも、死人の声が聞こえ続けるものであるなら、結社員だという彼の兄の生死もわかりそうな話ではあった。]
…邪魔したね。
[だからか、答えがあってもなくても──それはそれで仕方ないというように、女は、引き止めたことへの謝罪を述べて、彼女の傍からは離れ、広間から外に出やった。]
(170) 2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 22時半頃
ワンダは、リーが、一足先に出て行った廊下を見やる。
2014/08/17(Sun) 22時半頃
ワンダは、ヴェスパタインが、廊下から響く物音の主だとは気づかなかった。
2014/08/17(Sun) 22時半頃
|
──廊下──
[広間から出て二階の部屋にあがろうと、 通りかかれば、人だかりができていた。]
…
[丁度、ハナの口から自分の名前が出たところで、 その声に、軽くだけ歩く速度を緩めた>>181。]
(185) 2014/08/17(Sun) 23時頃
|
|
[通りがかったときにはヴェスパタインの問いも、──この間とは違うリーの答えも聞こえなかった。 ただ微かに残る沈黙の名残にだけ、 軽く軽く、目を眇める。]
…… あたしも、あんたはとりあえず、
疑っちゃあないよ。
[>>187 あがる手に視線を投げて、 リーがハナに答える後ろから、 ぽつりと、昨日と同じ言葉を投げる。]
(196) 2014/08/17(Sun) 23時頃
|
|
ただ、そいつは、……
[通り過ぎざまに、眉間山脈が見えて、 そちらに視線を向けた。正面からは受け止めたけれど、 少し、長い沈黙が挟まった。]
……そこのランタン屋が
"占い師"だってのを、
…… 信じてるからじゃあないがね。
[リーを信じる理由は、占いで白と言われたからではない。 と、低い声は、疑いとも取れる言葉を投げていく。]
(198) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
魚屋 ワンダは、メモを貼った。
2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
…… そんなもんを発してたとは、知らなかったよ。
[>>199 真顔を、口を開けた半眼でだけ、 ひと睨みして横を通り過ぎる。]
(200) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
|
──集会場二階、ワンダの部屋──
[鉄格子の向こう側に、月が昇っている。
外からは鳥の声ひとつもなく、 女の耳には、獣のとおぼえは聞こえない。]
──、
[女は手の中で白い紙を見下ろしながら、 小さな来訪者を待っていた。]
(202) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
|
…… いまさら遅いと思うがね。
[ぽつ、と低い声を発する。]
(204) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
|
…… おまえは、ばかだが、
[ばか。と、やはり小さくそう言葉をおいて、 夜も深けた外へと視線を投げる。]
(205) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
|
─── 化け物でも、
うそつきでも、ないさ。
[そう叫んだ相手はすでに、ここにはいなくて、 だから、女のこれは、ただの独り言だ。]
(206) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
ワンダは、そうしてから、ドアを叩く小さな音に、席を立つ。
2014/08/17(Sun) 23時半頃
|
──深夜、二階ワンダの部屋──
[ノックの音に、ドアを開ける。 そこにいる少年の姿に、微かに目を眇めた。]
… 入りな。
[そう声をかけてから視線で促すように、 先ほどまで自分が座っていた椅子へと視線を向けた。]
(209) 2014/08/17(Sun) 23時半頃
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