241 線路上の雪燕
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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
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とたたたたんっ。
めざましい速さで木の洞に駆け込むと、じっと潜んだ暗闇に瞳がふたつ。 いちど大好きな閉所に収まると、そうかんたんに出てはこないのだ。
(0) 2015/11/26(Thu) 23時頃
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––––––甲高い鳴き声が、霧の向こう側から近付いてくる。
(#0) 2015/11/26(Thu) 23時頃
鋭い音の狭間に、ちゅぴちゅぴと囀る様な音を
混ぜたような汽笛を鳴らすその蒸気機関車に
雪燕という名が付いたのは、それが初めて線路上を走ったほんの昔のことだった。
運行ルートの敷かれた南方の、質のいい石炭をたんと呑みながら噴く煙は
新入りの火夫が仕事を任された時だって、いつでも雪の様に真っ白なのだ。
地に鼓動の様な激しい振動を伝えつつ。
真っ黒なボディが煙霧を掻き分けて現れると、
7番ホームにはあちらこちらから温かなため息が広がった。
振動の間隔がゆっくりと、広くなっていく。
やがて車輪の軋む音が線路全体を振るわせて、雪燕は完全に静止し
己の到着を伝える様に、もう一度甲高い汽笛を鳴らした。
(#1) 2015/11/26(Thu) 23時頃
乗車口が開けば、しゃんと背の伸びた老齢の男が顔を出す。
それに続くのはチェック表などを携えた若い男だ。
老齢の男は片手でばね付きのスタンプを、かちん、かちんと景気良く鳴らし
顔に見合わぬ軽やかな足捌きで降りてきて、軽い敬礼。
「さあさあお待たせ致しましたお客様。
雪燕、ただいまの到着です…
では早速、切符を御拝見。
…ああ、荷物にはくれぐれもお気をつけて。」
ウィンク一つと、柔らかな微笑み。
乗車開始を告げる様に、雪燕は今一度、甲高い汽笛を寒空を突く様に鳴らし
人の波は流れの向きを変え始めた。
(#2) 2015/11/26(Thu) 23時頃
その流れの中。
汽車の真横をうろうろと前後し、大声を上げる青年が居る。
新聞売りだ。
乗り込んだ乗客には窓越しに、行列の客には手を叩きながら
片手一杯に抱えた薄灰紫の紙束を手際よく、銅貨へ変えて腰に下げた小箱に放り込んでいく–––––
(#3) 2015/11/26(Thu) 23時頃
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[新聞売りの手から滑り落ちたのか、 それとももう用済みとなったのか。 ホームの床に落ち、足跡まみれになった新聞紙の一面。 ぶかぶかの外套を纏った少年はしゃがみ込み見つめていた。
新聞紙を拾い上げようとした瞬間、 誰かの厳ついブーツがそれを踏み付けた。 びりり、と音を立て只でさえ満身創痍だった新聞紙は 遂に半分に引き裂ける。 一瞬怯えたように狼狽え、見上げたがブーツの主はとっくに人の海の向こう側、少年の事に気付きすらしなかったらしい –––あの剣幕、掏摸でも追っていたのだろうか。
ひふ、と息を吐くと、 拾い上げた新聞紙の片割れをくしゃりと握り、 売店側の壁へとそろそろと移動する。 売り子とも目が合わぬよう、積み上げられた木箱の陰にしゃがみ込む。 行き交う人の流れを警戒するように横目で見ながら、 少年は恐る恐る、新聞紙を両手で広げる。
その両手は、素手で岩盤でも掘ったかの様に、擦り剥け、膿んでいる。]
(1) 2015/11/26(Thu) 23時頃
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[ フリードの愛犬家、無惨な姿で発見
––––––––ヒトか犬か 下手人は如何に?
土埃を不揃いな爪先で払い、彼が凝視した一文。 『僅かな噛み痕の付いた腹部』という単語が 静かに少年を見詰めていた。*]
(2) 2015/11/26(Thu) 23時頃
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― 小さな古い宿 ―
〔リン、リン。 小さな宿に電話の音が鳴り響く。〕
はぁーい。
〔とたた、と古木の床を走る。 宿主に呼ばれた少女の足取りはステップを踏むように軽やかだ。
受話器を受け取り、電話機の向こうの人物の話に唇を尖らせたり、つんと澄ましてみたりしている。〕
ええ、ええ。 わかってるわ。おばあちゃん。 ちゃんと衣服もお金も歯ブラシも コップもあるんだからっ。
お、重くなんてないもの。 ……ちょっと詰めすぎちゃったけど……。 だから、心配ないわ。
(3) 2015/11/27(Fri) 00時半頃
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〔そう言いきると、小さく首を傾げてポケットを探る。〕 今からチェックアウトして、駅に行って、 汽車に乗るのよ。 なんていったかなぁ。ええと……。
そう、「雪燕」!
〔「サラグニッド」発「スウェルグ」行の夜行列車、 「雪燕」。
そのチケットをむき出しの白色電球の光に翳して、少女は声を弾ませた。*〕
(4) 2015/11/27(Fri) 00時半頃
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― 駅まで ―
〔サラグニッドの風が頬を撫でていく。 大きな荷物を提げた少女は、ふるると震えながら、駅の道を急いでいる。〕
ふっ、くっ……んーーー…… やっぱり、はりきって詰めすぎちゃったかな。
〔中々重たい荷物を見下ろして、眉を八の字にしながら、暖かな溜息を一つ零した。 出発までに間に合いはするだろうが、万が一を考えて早くついておきたい。
荷物は重いが、足取りは軽い。 初めて見る「汽車」。初めてする「旅」。 少女にとって、これ以上わくわくするものはないのだから。〕
(5) 2015/11/27(Fri) 01時頃
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( ああ、早く見てみたいなぁ…… 真っ黒な機関車! )
〔見知らぬものへの溢れそうな期待を、白い吐息に混ぜ込んで、ほうっと吐く。くるくると融けていくそれを見送ると、少女は引き続き、よいしょ、よいしょと荷物を引きずるようにして、駅へと向かうのだった。
道中、若い青年が新聞を売っていた。
少女は「それどころじゃないわ」と断ったのだけれど、「まぁまぁ」といわれて押し付けられて、仕方なく買ってしまう。
しまう前にふと見えた記事>>2に疑問符を浮べた。〕
愛犬家なのに噛まれるなんて不思議ね。**
(6) 2015/11/27(Fri) 01時頃
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― サラグニッド駅 ―
[ 2本の外周ベルトで封じた古い革のトランクを手に、ペラジーは急ぐ。
甲高い汽笛>>#1にいざなわれつつたどりついたのは、7番ホーム。>>#1 列車はすでに到着していた。 乗車口の前では、しゃんと背の伸びた老齢の男>>#2と、その補助らしき若い男>>#2が、並ぶ乗客を手際よくさばいている。
鋭い音を響かせる汽笛>>#2に負けまいとしてか、新聞売りの青年の声も大きい。>>#3 1部買っておこうと近づきながら、ペラジーはふと、ホームの床に落ちていた新聞紙>>1に気づいた。
それに手を伸ばした>>1小柄な人影にも。]
(7) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 少年らしい。 身にまとったぶかぶかの外套>>1の袖口から覗いた手が、酷く赤い。 皮膚が擦り剥け、膿んでいる>>1ようにさえ見えた。
踏みつけられ、無残に破れた新聞紙を、その赤い手が拾い上げる。 少年は拾った新聞を一旦はくしゃりと握りしめた>>1が、周囲をうかがうと、売店のほうへ向かった。
どうにも気になって、ペラジーの眼は彼を追う。]
(8) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 少年は積み上げられた木箱の陰にしゃがみ込んで、破れた新聞を両手で広げていた。>>1 文盲ではないらしい。 読みたい記事でもあるのだろうか。
周囲を警戒する様子>>1から、ペラジーは少年に近づくのをためらった。]
(9) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ ペラジーは大声を張り上げる新聞売りの青年>>#3に合図し、やってきた彼から新聞を1部買った。 乗客の列には加わらず、ホームのベンチに腰とトランクをおろすと、新聞紙を広げる。
「フリードの愛犬家、無惨な姿で発見
––––––––ヒトか犬か 下手人は如何に?」>>2
センセーショナルに脚色された地元紙の記事を読み進めるうち、ペラジーの手が震えてきた。]
まさか。
[ 否定する言葉を口から出したのは、自分の耳に聞かせるため。]
(10) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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― 回想・とある墓碑の前 ―
[ 「アイラの王子 ラシード ここに眠る
故国へ帰らんと欲するも、 道半ばで人狼の牙に斃れ」 ]
(11) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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― 現在・サラグニッド駅 ―
[ 涙の枯れた眼であの墓碑を見たのは、ちょうど半年前だった。]
ま、さか…………。
[ もう1度、ペラジーは口に出した。 赤い手をした少年よりも強い警戒と、狼狽を顔に浮かべながら。]
(12) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 折り畳んだ新聞紙を小脇に挟むと、青い顔のままペラジーは立ち上がる。 トランクを持つが、乗車口には並ばず、売店のほうへと向かった。
売店でクラッカーの小箱をひとつ買う。
新聞を読んでいた少年がそのまま木箱の陰>>1にいれば、彼を怯えさせないようゆっくり近づき、クラッカーの小箱を差し出しただろう。 そして、相手を観察しただろう――なおも動揺を宿す眼で。]
(13) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 明らかに彼のための外套ではないぶかぶかのそれは、父親か年長の兄のものだったのではないか? 彼は、
もしかすると、
自分と同じように、]
(14) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 親しい者を殺されたばかりではないだろうか?
おとぎ話の世界の住人だと思われている 人狼 に。
]
(15) 2015/11/27(Fri) 04時半頃
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[ 気にしすぎなのかもしれない。 この半年、人狼のことを思い出さない日はなかった。
だから、何を見ても人狼と関連付けて考えてしまうのかもしれない。
決心したのではなかったか。 遠い地でやり直そうと。
これからは自分の生を生きるべきだ、 自分のために時間を遣うべきだ、と。]
(16) 2015/11/27(Fri) 05時頃
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――でも、 忘れ、られません、殿下…………!
[ ふいにこみ上げてきた涙をこぼすまいと、ペラジーはしばし寒空>>#2を見上げる。
少年は反応に困っていたかもしれない。 押し付けるようにしてクラッカーの箱を渡すと、ペラジーは踵を返した。
黒光りする列車に乗り込むため、急ぎ足で乗車口>>#2へ向かう。]**
(17) 2015/11/27(Fri) 05時頃
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― サラグニッド駅 ―
ちょ、っ、押さないでよ、見えなくなるじゃない!
[白い吐息が声とともに散る。 見知らぬだれかに悪態をつきながら、 汽車を近くに見ようとなんとか、前に出ようとするものの、 体格のいい人々にぎゅうぎゅう、押されてしまえば、 小柄なこの身では抵抗しようもない。
――この人達揃いも揃って汽車が見たいの!?
声は出ない。尻餅をついたはずみにトランクが揺れてがたりと音を立てるのみ。
あんまり痛くない。よし。 しかたがないから精一杯背のびして、 霧をかき分け7番線ホームに到着する蒸気機関車の雄姿を視界におさめた]
(18) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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馬飼い キャロライナがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(馬飼い キャロライナは村を出ました)
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[金属どうしがこすれ合って軋んだ音の後、動いていた煙突が停止する。 続いて、甲高い、汽笛の音。>>#1 途端、駅に集まる人の流れが変わるのが手に取るようにわかった。
ああうん、みんな乗るんだもんね。この汽車に。
背伸びするにも疲れたし、と、ひょこりとかかとを下ろした頃、 人垣の向こうから老齢の男の声が聞こえた。>>#2]
そーだ切符切符っ
[懐からそれを取り出すと、向きを変え始めた人波のあとにくっついていく。 やがて、老齢の男に差し出し、スタンプを押してもらったのは、 サラグニッド発、終点スヴェルグまでの、二等車両の切符]
(19) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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― キャロライナのおはなし ―
[今や、遠距離旅の主役は夜行列車である。
昔はそうじゃなかった。 馬車というものがあって、車輪のついた箱みたいなのを馬に引っ張らせて、 人々は遠くまで旅をしていたという。
あたしのおじいちゃん……のおとうさんくらいだっけ? とにかく昔、あたしの家は馬車で人々を運ぶ仕事をしていたんだって。 馬の世話をする人、馬に鞭打って馬車を動かす人。色んな役割があったという]
(20) 2015/11/27(Fri) 12時頃
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[だけどそれも昔の話。 列車がご先祖様のお仕事を奪ったところで特に恨むことはなく、 こうして列車で旅をしようとしている。
あたしの髪、ご覧の通りの真っ赤な色してるからさ。 馬には好かれたんじゃないか、って思ったことはある。
――それ、にんじんと間違われてるだけじゃないかって? そうとも言うね。 あはははは。]
(21) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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[切符を手に入れたのは偶然。
本当はご近所さんが家族で乗り込む予定だったんだけど、急に何人も体調を崩しちゃって。 「その日暇?」って訊かれたから「うん」って応えたら、 切符を譲っていただいた。二等車両だってさ。
目的地、スヴェルグの話をいっぱい聞いた。 あたし達をその街まで運んでくれる汽車、雪燕のこともちょっとだけ。
おみやげ、忘れないようにしないとなあ**]
(22) 2015/11/27(Fri) 12時半頃
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― 回想 ―
[ 誰かに問われれば、ずっと旅をしていたと答えるだろう。 どこにも定住したことはない、 なぜなら、どの地も美の都アイラの素晴らしさには遠く及ばないから、と。
少しばかり事実ではなかった。 ペラジーはごく幼いころに暮らしていた1軒の大きな家をおぼえている。
記憶は断片的で、家全体の間取りは思い出せない。 幼かったので、詳しく観察できなかったのかもしれない。
両開きの赤い扉。 ラシードの部屋とペラジーの部屋は扉でつながっていて、窓の外にはレモンの木があった。 あれは中庭だったのだろうか。]
(23) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[ 庭の、日当たりのよい位置に植えられたレモンの木。 緑から黄色に色を変えた実は丸っこく、収穫できる日を心待ちにしていた記憶がある。 石と煉瓦をしっくいで固めた塀があったこともおぼえている。
なぜ、あの家から余所へ移ることになったのだろう?
そして、あの家があった土地は、 どこだろう………?]
(24) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[ 旅から旅への暮らしが長すぎたせいか、ペラジーの記憶も前後がはっきりしない。
赤い扉の大きな家は、河畔の町ナルトスだったのだろうか。 それからヒトコブラクダの背に揺られ、大きな市場のあるシナラへ移った、 ………のだと、思う。
故国アイラの近くには大きな河があったそうだ。]
(25) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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― 現在・サラグニッド駅 ―
[ 風が冷たい。 検札>>#2を待ちながら、ペラジーは白いコートのフードを被る。
「そーだ切符切符っ」>>19 という元気な声に視線をやると、にんじんのような赤毛>>21の若い女性が先に検札を受けていた。
自分の順番が来れば、ペラジーはポケットから取り出した一等車両の切符を見せるだろう。]**
(26) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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― サラグニッド駅 ―
ふふん、ふふ〜
[煙霧を掻き分け、現れる黒光り。 温かなため息が拡散していく最中、男は鼻歌を歌い。手に持つ新聞を眺めて居た。靴先からシルクハットまで黒で纏めた日の打ちどころの無い、美男子。品が良く、傷一つ無いその顔が上流階級の出を伺わせる男は軽く片足でリズムを刻んでは、甲高い汽笛の音に漸くと顔を上げた。]
…何だか、わくわくするね。
[誰相手でも無い独り事を口にする。 こんなに胸が高鳴ったのはいつ以来だろうか。 冒険の旅の始まりだ。と口ずさむのは幼い頃のワクワクを。妹と二人、夏の森へ遊びに行き、未知と出会った、思い出を懐古する。]
(27) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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[先ほどから、読みふけっていた愛犬に殺された男の記事>>2をくしゃり崩し笑みを浮かべ。飼い犬に手を噛まれるは道理か、それともと下賤な考察を胸に浮かべては、周りを行きかう連中を勝手に物差しで測り。
トランクを手に乗車口へ向かった。
乗車券が示すのは、一等車両。 妙に目立つ人参頭に、懐かしの大草原を思い>>19 独り、立つフード姿の後ろ、>>26 しゃんと背の伸び老齢の男に乗車券を差し出せば、柔らかな笑みに>>#2。次いでとばかり。君はじいやに似て居るな。などとたまう戯言を一つ口にして。
荷物を片手に颯爽と乗り込むだろう。 白い煙を見上げて、その先にある空を思い描き。 誰かとぶつかりながら。**]
(28) 2015/11/27(Fri) 18時頃
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― サラグニッド駅 ―
〔 天まで届きそうな鋭い蒸気の咆哮。 その狭間に可愛らしく囀りが響く。 >>#1〕
(29) 2015/11/27(Fri) 19時頃
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もう来てる?!
〔いけない、と進もうとするけれど、駅の中は大混雑。 押し合いへしあい、芋を洗うよう。 七番ホームに向かいながらも、中々見えない黒い蒸気機関車に、少女はそわそわと落ち着かない。〕
あ! あれね!
――きゃあ!
〔夢にまで見た黒塗りの車体が人ごみの中から姿を現す。 歓声をあげる少女を
どん、と
誰かが突き飛ばし、少女はその場に尻餅をついた。〕
(30) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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っ、痛いわ、何するの、も
「まちやがれえええ!」
……え。
〔抗議の声は罵声に消える。厳ついブーツを履いた男>>1が、さきほど少女を突き飛ばして逃げた誰かを追ってドタドタとすごい剣幕で走っていく!
―― スリかしら。
少しの間ぽかんとすると、ぷうと頬を膨らませた。〕
なによ、もう!
〔やりどころのない怒りをぽんっと放り投げて、スカートの裾を手で払い立ち上がる。〕
(31) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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〔それからなんとか乗車口の方までたどり着く。軽やかに素早く仕事をこなす老齢の紳士。その微笑>>#2に、素敵! と声をあげそうになるのを堪えて、
少女は二等車両の切符をはいっと差し出した。〕
はいっ。ありがとうございます!
〔パチン! と押されたスタンプが嬉しい!
知らず微笑を零しながら、少女は絵画の中に出てくるような見目麗しい黒い紳士>>28に続く。白いフードを被った子や、綺麗な赤毛の女の子を見たかもしれない。
何にせよ、これからの旅にわくわくしながら、少女も「雪燕」に乗り込んだ。**〕
(32) 2015/11/27(Fri) 19時半頃
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[少年は、記事を見つめ返す。 食い入る様に、文字を追う。 薄い唇を噛み締め、薄汚れた顔から色が褪いていく。
警戒を忘れる程の集中。故にゆっくりと歩み寄る人物に気付かなかったのだ。 薄い新聞紙の上にさっと差した箱型のシルエット>>13 はたと顔を上げれば、匂いがするほど近くに誰かが居た]
ッひ…
[か細い悲鳴を上げた。見つめられている。 顔を、目を、見られている!! 瞳がゆらゆら揺れている、眼前の人間の顔は知らねど、彼はその揺れを知っている。
すん、と鼻で小さな呼吸を一つ。 少年は彼を見つめ返す。 眉を下げ、唇をまた噛み浅い呼吸を繰り返し、 歯をかたかたと鳴らしながら、
怯えたように。]
(33) 2015/11/27(Fri) 20時半頃
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[蒸気機関車『雪燕』が到着したちょうどその時、シビルは白い錠剤を口に含んで、がりりと歯を立てて噛み砕いた。]
(34) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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[待ちくたびれた人々が雪燕に吸い寄せられ、その人の波にシビルも体をもぐりこませた。 先ほど噛み砕いた錠剤の入ったガラス瓶は、ちゃんと革製の手持ち型トランクケースに隠してある。
さて、このまま波の流れにのれば乗車口に連れて行ってもらえるだろう、などと甘いことを考えるのがシビルであるが、何の因果か波をぬけたところは新聞売りのいるところであった。]
…………。
[>>#3 彼と目が合った。]
(35) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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……………………………… 一部。
[数度のまばたきのあとに、喉から少ししわがれた低い声を出す。 それは喉を痛めたような声というよりは、しばらく発声することを忘れていた男のような声であった。
新聞売りに銅貨を渡す。 新聞売りはシビルに新聞を投げてよこすと、さっさと次の客をつかまえに行ってしまった。]
(36) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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…………。
[片手にトランクケース、片手に新聞紙。 少し呆けたようにシビルは棒立ちになっていたが、ふと顔を上げて雪燕を見上げた。]
……。
[>>28 わずか口を開きかけたが、しかし前方より蒸気機関車めざしてさっそうと歩いてきた青年と、肩同士がどんとぶつかってしまい、シビルは体勢をたやすく崩してたたらを踏んだ。]
(37) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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…… …… …… ……。
[平行を取り戻すために何歩分かの不格好なステップが必要になった。 それを終えて小さく息を吐く。
新聞紙を一旦脇挟んで片手を開けると、コートの内ポケットへと手を伸ばした。]
(38) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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……………………………………………………………………。
[そこにあるはずの切符が——あったはずの切符が?**]
(39) 2015/11/27(Fri) 21時頃
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[くしゃり、と男の目頭が歪んだのを見た>>17。 空を見上げた瞬間に足を踏ん張りかけたが、 彼が出した声は誰かを叫び呼ぶものではなく。 もっと、湿って、小さい。
それでもじっと、彼の次の動きを読まんとする。 しかし想定外にも、押し付けられたのはクラッカーの箱で。 きょとん、と瞬きをした後、去っていく背中に慌ててしゃがんだままお辞儀を一つした。
それを見送れば、腕の中に残ったクラッカー箱を一瞥する。 未開封だ。グズグズの指先で封を開けば、小麦の香り。 一つ指で摘めば、膿血と泥がジャムの様に付着した。
さくり。
ひとつ、口に含む。 青ざめていた顔が僅に赤みを取り戻した。 ふたつ。みっつ。よっつ。 ほろほろと落ちた欠片が、流されてきた灰と共に、つむじ風に舞い上げられ踊っていた]
(40) 2015/11/27(Fri) 21時半頃
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[ちぅ。
暫くクラッカーを食んでいると、 足元から小さな鳴き声が少年の耳に届く。 見れば、木箱の隙間から白鼠>>0が顔を出していた。 どうやらクラッカーの匂いにつられたらしい]
…ん。
[ななつめ。口に運ばず、爛れた手の上でくしゃりと潰す。 砕けたクラッカーの乗った手を差し出せば、鼠はいとも簡単につられて掌の内によじ登る。 小さな指先が剥けた皮膚にひっかかり、神経を刺激するらしく少年は眉をひそめた。 それでも手の上で欠片を頬張る鼠にもう片方の手を伸ばし、指先で撫でる。 暫く撫でているうちに鼠は満腹感も相乗して安心したのか、丸くなって眠りにつき……
少年はその鼠を新聞紙で包み、ザックの中に入れてしまった]
(41) 2015/11/27(Fri) 21時半頃
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[妹が身分違いの恋をしたのは数年前の事。 叶えてはいけない恋だ。と、 諫めても、恋に恋する乙女には届かない。 そして、愚かにも彼女が恋慕う青年は、その思いを受け入れ。 手に手を取って真夜中を二人駆けて行った。
約束された身分も、輝く装飾具も捨て。 幸せの逃避行に酔った、子どもたち。 その子が、子を産んだと手紙で知らせて来たのは、数日前。 手配したのは、一枚の切符。兼ねてから興味が在った故。 次いでに冒険の旅に出よう。と胸を高鳴らせたのも事実。
妹とその子を祝ってやりたいのも同じく。 高鳴る鼓動の早さは、黒服では隠せない。 ―――何、上手くやるさ。]
(42) 2015/11/27(Fri) 21時半頃
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おっと、失礼。
[ぶつかった。>>37と、気づき。 たたらを踏む人物に、声を掛けるが聞こえたか、確かめる間もなく、人に押され。切符を出しては、ついど立ち止まり。一考。
軽くポケットの中を漁れば目当てのモノは直ぐに手に入る。 「雪燕」へと乗り込む少女>>32に先をゆずると老齢の男に、忘れ物をしたと耳打ち。人が行きかう―――ホームに戻り。 先ほど、ぶつかった者の元に颯爽と歩き寄りて>>38。]
…失礼、之は貴方のですか?
[僕のポケットに入ってしまった様なのですよ。と、明るい声音と、人好きのする様な笑みを浮かべ。悠々と上着から取り出したのは、ハンコが押されてない切符だった**。]
(43) 2015/11/27(Fri) 21時半頃
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― 雪燕・二等車両 ―
[老齢の男と若い男に見送られて、汽車に乗り込んだ。
二等車両内にいくつも並んだ扉のひとつを開ける。 一発目で空き部屋を引き当てることができた。 扉の向こう、簡素な荷物置き場と、座席がある。 向かい合って並ぶふたつの座席は、合わせて6人はかるがる腰かけられそうだ。 窓にはごていねいにカーテンがかかっている。今は開いており、 窓ガラスごしに駅構内の様子を見ることができた]
うわあ……。
[広い、と。とっさにそんなことを思った。
彼女に切符を譲ってくれた一家にとっては、この部屋はちょうどいい広さだったろう。 だが――降って湧いたような一人旅を繰り広げる若い女性にとっては、 やや持て余し気味の広さが目の前にはあった]
(44) 2015/11/27(Fri) 22時頃
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なーんかもったいないよね。 うーむ。
[腕を組んで考える。 脳裏には人づてに聞いた三等車両の様子が浮かぶ。 吊り革しかない車両で、乗客は押し合いへし合いしながら夜を越えていくそうな。 そんな車両を使うのは出稼ぎ帰りの屈強な男達が多いともっぱらの噂で……]
(45) 2015/11/27(Fri) 22時頃
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――やめやめ。
[そんな趣味はないと、浮かびかけた案を一蹴]
せいぜいがあたしみたいに一人旅の子くらいよね、現実問題。
[相席に預かるなら。 そりゃあ人並みに身なりの良い男と相席したいという願望はあるけれど。 そういうお方はだいたい一等客室の切符を持っていると相場が決まっている。
ため息ひとつ。 ぽすりと座席に腰かけて窓の外に視線をやる。 部屋面積だけでなく時間も余っている。要はヒマだ。
そんな折、ひとりの客>>36から離れ、うろつき始めた新聞売りを見かけたなら、 やることは、ひとつ]
(46) 2015/11/27(Fri) 22時頃
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―――おっちゃーん、新聞一部ちょーだい!
[窓を開けて呼びかけながら手を振る。 彼がこっちに気付けば、いったん手をひっこめて銅貨を握る。
――おっちゃん呼ばわりした客に対しても新聞売りは平等だ。 銅貨を受け取り、片手いっぱいにもった新聞のうち一部を、 抜き取ってこっちに投げ渡す。 向けられた顔が少々こわくなってたけれど、 満面の笑みを返して誤魔化した。つもり]
(47) 2015/11/27(Fri) 22時頃
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――お兄様。どこにいらっしゃるの?
(48) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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― サラグニット駅 ―
……この国は、寒いですわね。
[ほう、と櫻子は息を吐く。 白い靄が一瞬にして虚空に溶けていった。 漆黒の瞳と、長い黒髪が目を引く少女だった。 ひと目見れば、彼女が異国の者であると知れるだろう。 この国では黒髪の持ち主は珍しい]
お兄様。こんな寒い異国の地にいらっしゃるだなんて。 お体を崩されていないと良いのだけれど。
[長い長い戦争があった。 自分の兄は戦死したものだと、半ば諦めかけていた。 その兄が、かの地にて抑留されて生きている。 そんな知らせが届いたのが3ヶ月前のこと。 居ても立っても居られず、祖国を飛び出した]
(49) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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爺や、遅いですわね。
[櫻子は大きくため息を吐いた。 何か温かい飲み物を買ってくる。 そう言って彼女の元を去ったお目付け役は、未だ姿を見せない]
仕方ありませんわね。 先に汽車に乗り込みましょうか。
[気紛れに買った異国の新聞>>#3を読むのにも飽きてしまった。 日常会話くらいはどうにかなるものの。 母国語以外の言語を読むのは、やはり疲れる]
まったく。どこの国も物騒ですわね。
[殺す、殺される。そんなの、もうあの戦争だけで十分だ]
(50) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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それにしても凄い人混みですわね。
[呟いて、「雪燕」の乗車列に並ぶ。 老齢の車掌にウインクされれば>>#2。 一等車両の乗車券を差し出した]
ふふ、この国の殿方は。 とても紳士的でいらっしゃるのね。
[東国の訛りのあるイントネーションで、車掌に笑いかける。 彼女の爺やは、未だ姿を見せない]
どうしたのかしら。
[遠い異国の地で、ただひとり。 呟く声は、微かに震えていた**]
(51) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/27(Fri) 22時半頃
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― サラグニッド駅 ―
[ 検札を待つ間も、あの赤い手の少年が気になってペラジーは振り向く。
少年の姿は見えない。 今も、壁際に積み上げられた木箱の陰にしゃがんでいる>>1のだろうか。
新聞記事を読んでいたのだから、文盲ではない。 けれど、小さな顔は薄汚れ、>>33 何日も何日も、おとなの世話を受けていないようだった。
ペラジーを見つめ返した瞳には明らかな怯え>>33の色。
声をかけるべきだったか、と思う。 だが………、]
(52) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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[ ペラジーは唇を噛んだ。
見知らぬ者に人狼の話を、]
できる、わけがない。
[ あの町に行くまで、自分とて信じていなかったのだ。 おとぎ話の中にだけ現れる幻だと考えていた。
それが大きな誤りだと知ったときには、 もう―― ――遅く。]
(53) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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[ ペラジーは暗い顔つきで検札を受け、列車に乗り込んだ。
すぐ後ろの紳士然とした乗客が、検札係に、 「君はじいやに似て居るな」>>28 と叩いた軽口も耳に入らなかった。]*
(54) 2015/11/27(Fri) 22時半頃
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あら。 ありがとうございます。
〔前方の男性>>37とコートを着た人>>43がぶつかったようで、それから少女は瞬きを数度。 先をゆずってもらったので、遠慮はせずに列車の中に乗り込んだ。〕
わぁ……!
〔少女を出迎えたのは二等車両の長い廊下。
後がつかえてはいけないから、かつ、かつ、と足音をならし早めに進んでいくが、視線はきょろきょろ、とせわしない。
切符に目を落とす。 そしてある部屋の扉を開けて、その様子にまた感嘆。 椅子が二つ向かい合わせになっている室内に、ふわりと日光が薄く射しこんでいた。
今の少女はなんにでも感激してしまうのかもしれない。〕
(55) 2015/11/27(Fri) 23時頃
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ちょっぴり、広いかな?
〔椅子に腰をおろし、荷物を置いた。 カーテンは開いていた。窓を開けて、外を見る。 せわしない駅構内の様子が目に入る。〕
……いたそう。
〔痛々しい手の少年>>41に目をとめ、眉根に皺を寄せた。 おかあさんはいないのかな――と視線を彷徨わせるうちに、彼の姿は雑踏に紛れてしまったけれど。〕
〔ふと、元気の良い声が聞こえてきたのでそちらを向いた。
赤毛の女性>>47が新聞売りに呼びかけている。 新聞売りの「おじさん」の顔つきが少々険しくなっていたから、思わずくすっと笑ってしまった。〕
(56) 2015/11/27(Fri) 23時頃
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[新聞売りが去っていく。 開けっぱなしの窓は寒さと――汽車の外のざわめきを運ぶだけとなる。
…さむっ。
[窓を閉めようとして、ほんのちょっと、硬直した。 長い黒髪の少女が見えたから。>>49 自分の赤毛も珍しい部類に入ると自覚しているけれど、 黒髪なんて。普通なら海を隔てたずっと向こうの大陸とか、島国でないと見られないはずだ。そう、普通なら。
それにしてもなんて癖のない髪なんだろうね! あんなにまっすぐ伸びてて……うらやましい]
(57) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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……。
[見とれる。しかし寒さには勝てなかった。 いそいそと窓を閉める前、もう一度周りを見回して。 同じ二等車両からこっちの方を見る人影―― 同い年くらいにも見える少女のまなざしがまだあるなら。>>56
ちょっと不思議そうに首を傾げてみせるのだった**]
(58) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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[薄い切符を握りしめる。 時刻は朝の9:30をまわったところ。 もっともそれは、腕に嵌めた時計を信じるならば、の話。 薄汚れた文字盤を覆う粗悪なガラスに、温まりきらない息を吐き、ごわついた袖口で強く擦る。
衣服と同じくらい手触りの悪そうな髪をかき回し、高くもない背を緩く丸め、時計と列車を見比べている、この男の名を呼ぶ者は、誰もいない]
(59) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/11/27(Fri) 23時半頃
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[続々と増える行きかう人々の姿。 切符は渡せたか、どうか。何方にしろ、微笑みを湛えては、別れを一度告げ。その場を去ろうとしただろう。]
旅は道連れと言いますからね、 ………気が向いたら、どうだい?
[別れ際、声をかけてくれ。と、 少しばかり態度をやわらげ、手を振った。 目的は達している、貴公子風の笑みを浮かべ。先ほど先を譲った少女が>>55カーテンを開ける姿に目を細め、>>56 見かけた人参頭の元気な声が妹と遊んだ大草原をまた思い出し>>47
異国姿の少女が丁度、車掌に笑いかけた頃だろうか。>>51 そろそろ、車内に戻り探索を開始するのも良いかも知れない。と思う。手に持つ鞄は軽いものだ。]
(60) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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さてはて、後はどうするか。
[目に留まったのは、少年の姿。>>41 おやと少しばかり細めたのはその珍しさ故。 親は居ないのか。と、思うのは幼い頃の思い出を懐古して。
また人にぶつかり掛けるかもしれない>>59]
(61) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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〔赤毛の少女のいたほうの窓を見ていると、彼女の視線がこちらに向いた。>>58
不思議そうに首を傾げた少女――歳の頃は同じだろうか、に、シェリーはぱたぱた手を振って、届くようにちょっと大きな声で返す。〕
さっきのおじさんの顔が面白かったのと――、 綺麗な赤色だなって思って。 つい。じっと見ちゃった。ごめんね。
〔にこにこと笑って、そんな言い訳。**〕
(62) 2015/11/27(Fri) 23時半頃
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― 雪燕・二等車両 ―
ええと、この部屋でいいのかしら。
[乗車券を片手に、櫻子は「雪燕」の廊下を歩く。 ここが一等車両ではなく、二等車両だということに気付かぬまま。 どうやら目当ての部屋を見つけて、ドアノブに手をかけた]
……え?
[がちゃりとドアを開けると、先客>>58がいた]
ご、ごめんなさい。 部屋を間違えてしまいましたの。 その、あまりこの国の言葉が分からなくて。
[キャロライナにペコペコと頭を下げて。見苦しい言い訳。 やはりその言葉は、酷い異国訛りだった。 慌てて部屋を出ようとするだろう。 ―――ああ、だから私は爺やがいないと駄目なんだ**]
(63) 2015/11/28(Sat) 00時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 00時頃
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[汽車に浮かれた人影は多い。 新聞売りの呼ばわりは、ホームの上、空気に解けきる前に新たに響く]
………っと
[サイラスよりも、一回り――いや二回りほどもある上背。>>61 比べるべくもなく、上等な衣服。 色だけでいえば、明度も彩度もサイラスのが上なのに こうも輝きが違えば、それはきっと、中身の違いも衣服に沿うだろう。
ぶつかりかけた肩。 伸ばした手は触れる前に戻し、ぎろり、と不健康に淀む白目を高い位置にある瞳に向ける]
(64) 2015/11/28(Sat) 00時頃
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[サイラスの持つ切符は、座席もなく、時には乗車率十割超えと言われる三等車両。対して目前の男は、頭のてっぺんから爪先まで、上流階級然とした格好だ。当然、懐にあるだろう切符は一等車両のものだろう。 勿論、睨んでもそれが手に入るわけでもなく、サイラスもそれをよくわかっている。 一等に乗りたいわけではないのだろう。 小さく吐く息に混じる感情は、複雑なもので、きっと当人にも説明は出来ない。
肩から提げた、衣服と同じくらいみすぼらしくも、よく手入れされた茶色い鞄を両手で抱えなおす。
もし、切符が手に入らないならば、財布はどうだろうか。 ――なんて、犯罪者の考えることだ。 サイラスが犯罪者かどうかは、はっきりと否定できる。 有罪になったことがないという意味において、それは明白な事実だった]
(65) 2015/11/28(Sat) 00時頃
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…おや、失礼。 大丈夫ですか??
[ぶつかりかけた肩、微かに香る薬品の匂い。 二度目は無いかと内心、しくじりか否かを考えながらも、口元には笑みを湛え。ぎろり、と淀む瞳を見下ろしては、問いかけ。]
貴方も、「雪燕」に乗るのですか?
[首をそうと傾げ。 良ければ、少し、ご一緒しませんか。など、空気の読めなさそうな声音で問いかける。彼の身なりからして、持っているのならば、三等車両のものか。と適当に当たりを付け。茶色い鞄を見ては、良い鞄だね。とぽつり呟いた後、そっと声を顰め。>>65]
(66) 2015/11/28(Sat) 00時半頃
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…内緒の話なんだけどね。 実は、ちょうど、一緒に乗るはずだった妹と両親が、風邪をこじらせてさ。切符が何枚か余っているんだ。
[好青年よろしくと言った顔で。 いけしゃあしゃあと嘘を吐き、ポケットから一等車両の切符を取り出して。どうだろう。と砕けた声音で囁きみる。実の処、手配した内のいくつかだ、少しばかり用意しすぎた。と、言うべきか。
ルートごとに、割り振ったのはやはり悪手だったが。 冒険にはアクシデントが付きものだ。
まるで、小さく息を吐く彼の心境など知りもせず、気づきもしない態度。傲慢な、上流階級風の顔を見せてみた。*]
(67) 2015/11/28(Sat) 00時半頃
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……余裕、ってやつか
[人間あ懐事情に比例して心の余裕も持てるものだ。 とは、サイラスの考えの半分を占める。 正しく言えば、貧しい人間は懐事情に比例して心も貧しい。 逆もまたしかり、ではないことはわかっていても 少なくとも目前の男は、少なくとも余裕な態度をとることは出来るようだ。
とりあえずは、と雪燕を見て頷く。 不遜な態度は先ほどの呟きと、視線だけ。
良い鞄、などという戯言にはさすがに口元がひくついたが、すぐに文字通り、唾と一緒に罵声になりきれなかった何かを飲み込んだ]
(68) 2015/11/28(Sat) 01時頃
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[差し出されたチケット。 紙質すら、三等のそれとは違って見える。 もう一度、サイラスの喉が鳴る。
きっと、嘘だろう。 差し出された言葉を、裏切られることを期待してか、ゆっくりと伸ばす手は、酷く荒れているくせに、爪は短く切りそろえられ清潔そうに見える]
金持ちの、気まぐれ?
[低くざらついた声で問いながら、伸ばした指をすばやく閉じた。 チケットの紙質は、さてサイラスの指にどのような感触をもたらすか。 そもそも、期待通りに裏切られるか、どうか*]
(69) 2015/11/28(Sat) 01時頃
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[余裕という言葉が>>68、彼の態度から漏れた事に少しばかり、笑い声を上げてしまう。失礼。と声を先に告げ、手でふさいだが。 装うのはとても上手いと自負があるからこそ、彼の様な態度を見るのを楽しむのが癖で。
とりあえずは、と頷く彼に、それは良かったと輝きを増す笑みを向け。口元をひくらせる彼に気づきながらも、気づかない坊ちゃん顔をのぞかせ]
…気まぐれでと取ってもらってもかまわないよ。
[喉を鳴らす男にそう告げて。>>69 嘘八百、両親も妹も共に乗るけでもないのに。一等の切符は彼の手に。ゆっくりと伸ばされた手の清潔さに目を細めては、綺麗な手をしているね、などのたまう。ただ、之は本心から。
良い手をしている、この手は良い手だ。と酷く荒れた手を見つめては、爪を短く切りそろえた清潔さを眺め]
(70) 2015/11/28(Sat) 01時頃
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あ、そうだ。君の名前は?
[彼が握るというのなら、その手には一等という、光りにも見える気まぐれを装う輝きを齎すだろう。 偽物ではない、本物の切符をその手に。
次いでとばかり、名前を尋ねた後、行こうか?と促したが。さて、そこから先はどうなるか。]
僕は、ルーカスって言うんだけどね。
[しれっと笑顔で口にした名前は勿論、偽名だったりする。**]
(71) 2015/11/28(Sat) 01時頃
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― サラグニッド駅 ―
……どうやら、列車には間に合いましたかね。
[汽車に乗り込んで、僅かな溜息。 もっとも、そうそう安らかな心持では、いられない。
遥か東国から、国益のために派遣されて、幾星霜。 その一環としての、この列車の終点スウェルグまでの道程は、本来なれば何ということもなく完結していたはずだった]
…………、
[鉄道網の整備、技術力を視察する。そういう名目では、あった]
(72) 2015/11/28(Sat) 01時半頃
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[サイラスにとって、鞄と手は同等ではない。 鞄はいつかなくなるもの。 だからこそ大事にし、手入れし、愛着を持つ。 手は、想像しうる生涯、共にあるもの。 だからこそ、愛着など持たない。 綺麗にしているのは、仕事のせいだ]
良い靴、ですね
[滑らかな紙が、ささくれだった指に触れる。 滑らないよう、しっかりと力を込めてすぐに手を引いた。 一等車両の切符はサイラスのものに。 視線を言葉と同時に下げながら、手と同じように一歩、引いた]
(73) 2015/11/28(Sat) 01時半頃
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ジャンだけど
[名を問われれば、サイラスの故郷では有り触れたものを答えよう。 人によっては、またサイラスの態度によっては偽名と思う者もいるだろうが、サイラスはルーカスと名乗った男の貴公子然とした態度を、そのまま受け取っていた――それが彼にとって幸か不幸かはともかくとして。
なればこそ、閉じたままの口で、くぐもった舌打ちをたてることすら出来たのだろう]
それじゃ ……どうも
[促されても勿論一緒に行くことはしない。 列車が発車するまではまだ間があるだろう。 時計を探そうと見渡した視線が、呼ばわる新聞売りを捉えた。 良い口実、とばかりに片手で合図しながら新聞売りへと大股で近づいた。 もっとも、なけなしの銅貨を新聞に変える気は毛頭なかった**]
(74) 2015/11/28(Sat) 02時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 02時頃
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[壁際に座った少年のザックは、誰にもその中身を覗かれる事はなかった。 しかし実際、そこは奇妙なガラクタで溢れている。
金色の髪の毛が絡まった、象牙の櫛。 少年には確実に見合わない、髭剃り。 クズ山から拾ってきた様なブリキの水筒。 レンズの片方が入っていない眼鏡。 全て銘柄の違う紙巻き煙草が7、8本入った煙草入れ…
それらの中に手を突っ込む。 傷まみれの手で弄くり回すガラクタ達は 皆、一様に汚い。 奇妙な色落ちの仕方をしたスカーフを押し潰し、 隙間に少し減ったクラッカーの箱を押し込むと、 その中に新聞紙で包んだ眠り鼠をそっと入れて、蓋を閉じる]
(75) 2015/11/28(Sat) 02時頃
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[少年の頬が僅かに緩んだ。 –––––それを微笑みと言っていいのかは分からない。 乱雑に縫い付けられた内ポケットを探れば、 くしゃりとふやけた小さな紙が出てくる。
雪燕の切符。三等席のものだった。 薄いそれには、浅茶色の染みが滲み残っている。
売店の木箱の側から立ち上がり、 こそこそと人の流れを潜りながら 検札の行列、最後尾に近い地点へ駆ける。 出来るだけ自分の存在を薄めてくれる様な、 大家族の一団か、ボロを纏った放浪巡礼の集団を探しつつ]**
(76) 2015/11/28(Sat) 02時頃
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[内ポケットにしまっていた切符だから、ポケットに穴でもあいてない限りそう簡単に落ちるものではない。 ——先ほど呆けてしまった時間があったから、その時に静かに抜き取られたのかもしれない。
焦りよりも、諦めが先立つ。 雪燕に背を向けて立ち去ろうとするが、しかしその背に声がかかる。 >>43 振り返れば、先ほどぶつかってしまった、ひどく身なりの良い青年だ。 いや、よく見れば、青年というにはそぐわない貫禄のようなものが感じられる。そもそも年齢当ては不得意分野であった。]
………………。
(77) 2015/11/28(Sat) 03時頃
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|
[彼の手にあるのは一等車両に乗車できる切符だ。 ——シビルが事前に購入しておいたのは、二等車両のものであったはずなのだが、これは渡りに船という奴か。 今から切符を購入することは難しいだろう、なにせ人気の機関車である。 乗れなければ乗れないで、線路を歩いて風来坊を気取るのもありかもしれないが、シビルにそれを期待するのは大きなる間違いである。]
……私の切符が君の手にある切符であるかどうか いかにして証明しようか。
[始めはどもりかけたが、意外とすらすら言葉をつなぐ。]
この場合、証明は誰に対してなせばよいのだろうか。 君かな。
(78) 2015/11/28(Sat) 03時頃
|
|
[まだ切られていない切符は表にも裏にも所有者のマークがないらしい。 無垢だ。]
君のポケットから出てきた切符なのに、君は私のものだと言ってくれる。 ならば、素直に「この切符は私のものだ」というだけで 君に対して証明がなされる、ということかな。
[要するに、素直にもらいうけるということであった。 >>60 彼の切符を受け取るやいなや、何度目かの大きな人の波がやってきて、切符をよこした男性はほほえみ浮かべて去って行ってしまった。]
…………。
[今度こそ切符をなくさぬよう掴んだ手で、彼に見えるようにひらひらと軽く振った。]
(79) 2015/11/28(Sat) 03時頃
|
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[つまり神はシビルに乗車を許してくれるということらしい。あの男性は天の使いか、なるほど道理で豊かそうだ。 と、冗談を頭の中だけでうつ。
しかしいずれ、あの男性には何かしらの代償を支払わねばならぬことになるだろう。この切符と同等の価値のある何かを。 この世はつまりそういう見えない天秤があるのだから。
価値の、というところで、隠し持っている白い錠剤を頭に浮かべ、ちいさく頭を振って消し去った。
あれは——ダメだ。**]
(80) 2015/11/28(Sat) 03時頃
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―回想 おとしもの。―
[君のものか。と尋ねたが。 どうやら、彼は其れを当たりと見たらしい。 雪燕にと背を向けて立ち去ろうとして居た姿はビンゴ。>>77
背に掛けた声は上手く届き、振り返った顔を覚えておく。随分と危うげな顔をしていると勝手に思い。>>78 どもりかけたもののすらすらと流れる言葉を紡ぐ男を見る目は穏やかな笑みを湛え、興味深げに相手を見る。 証明。とは随分、面白い事を言うね。と肩を震わせては。]
(81) 2015/11/28(Sat) 10時頃
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証明なんて不確かなもの、どうとでもなるのにな。
[黙って頷けばそれでしまいだったろうに。 態々、違うと言っているような事を口にする癖、] ふっはっ、だったらこれは君のモノじゃないか。
[無垢な切符を素直に受け取る姿を楽し気な色で見ては、素直なのは良い事だ。と、要約出来ない口ぶりを面白い事を言うと微笑みを浮かべ。 人の波に押されて、またその場を去っていっただろう。
また、後で話せたらと布石を撒くのは勿論忘れなかった。ひらひらと見える手に>>79、今度は無くさないようにね、と遠く声をかけたが、心配事めいた言葉は届いたか。
少しばかり、危うげに見えた男を案じ。 どこぞでこけなければ良いが。と要らぬ世話を思考する。*]
(82) 2015/11/28(Sat) 10時頃
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[少し離れた処で違う男とぶつかりかけたのも必定。 彼の鞄は良いものに見えた。 大切にしているのだろうと予想が付くからこそ。 そして、その手は何よりもきれいに見えた。 故は、彼が仕事の為の手をしているからだろう。此方の手は、果たしてどう映るのか。上流階級風の顔立ちに反して、少々角ばった形をして見えたかもしれない。>>73] 靴は、自分の足に在ったものじゃないとね。
[だから。良いものを選ぶよ。とささくれた指が切符を受け取るのを見つめ。すぐに手を引く様に楽しげな笑みを浮かべたのは、懐かぬ野生動物を思い出しての事。]
(83) 2015/11/28(Sat) 10時頃
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へえ?ジャンか。……。 ああ、旅の目的地が何処かは知らないけど。 ………会ったら、よろしくね。
[ジャン。>>74という言葉に返すのは、へえと感心したような響きを持つ言葉。此方から名乗るのは、ルーカスという使い慣れた偽名。上流階級出の人の良いお坊ちゃま。そういう設定の名前だった。
――くもぐった舌打ちに。対しても、気づかない振りの笑みを浮かべ。促した処で、共に行く事をよしとしない、男を見送れば、狭い車内だ。また会う事もあるだろう。と手を振って別れただろう。
手の込んだ仕込みは吉と出るか、凶と出るか。*]
(84) 2015/11/28(Sat) 10時頃
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―車内へ―
[そうして漸くと車内に、戻っただろう。 忘れものは見つかったかと問う車掌にええ。と頷く顔はやはり貴公子然とした笑みを浮かべ。
その途中、すれ違った、>>72男を一瞥したのは、男の容姿が先ほど見かけた異国風の少女に酷似していたから。東の人間は、すべからく同じに見えるだけだろうが、男の身なりからしても、何等かの仕事人であると当たりを付け。]
さて、どうするかな。
[一等車両に迷わず滑り込めば、自らの席番にと座り、カーテンを閉めた。ホームを流れるひとごみを見ても居たかったが、まずは確認が大事と。
誰も周りに居ないのを注意深く伺ってから、そっと内ポケットより取り出したのは、二等車両の切符。
自身は知らぬ事だはあるが、代償を支払わなければいけないと考えている彼が居たようだが、何の事はないすでに、彼が知らぬ処で、勝手に払われている。>>80]
(85) 2015/11/28(Sat) 10時半頃
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[ぶつかったそのときに>>77 すり取ったそれを、弄び。一考する。
出来れば、三等車両の切符も欲しかったが。 欲張るものじゃない。と当たりをつけていたジャンと名乗る男を思い出してその指先を思う。
商売道具の手は、傷一つないように心がけているが、染み出た角張りは感ずづかれたかもしれない。
何、問題はないさ。]
…妹の顔を見たら、そのまま冒険の旅に出発だからねえ。
[ここら辺でも噂になり始めたのだから長いは無用。 何事にも引き際が肝心。よく予想を間違えてドジを踏んでいる事実があったりするが。
捕まっていないのだから、問題ない。**]
(86) 2015/11/28(Sat) 10時半頃
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― 一等車両 ―
[ 一等車両の廊下を歩く。 夜行列車らしく調度品はそれなりに豪華だが、ペラジーの目を引くほどのものではない。
「間に合いましたかね」>>72 というつぶやきにふと顔を上げれば、きっちりしたスーツ姿の上にコートを着た男性。 真面目そうな雰囲気から、勤め人に思えた。
視線が合えば軽く会釈しつつすれ違い、ペラジーは乗車券に記されたコンパートメントへと入っただろう。]*
(87) 2015/11/28(Sat) 12時頃
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― サラグニッド駅 ―
[人一倍大きな鞄を肩に、青年はごった返す人々を掻き分け、道を急いでいた。 見るからに物でいっぱいの赤茶けた革製の肩掛け鞄の中からは、ちら、と角の折れた原稿用紙が数枚、顔を覗かせている。
両手に2つ抱えた鳥籠の中には、乱暴に揺らされて心底迷惑そうに鳴く、鳩の姿がそれぞれ一匹ずつ。 籠が首から下げたカメラとぶつかるたびに、苛々したように鳩は其の羽を羽ばたかせた。]
す、すみません、通してください! 俺、それに、乗るので!
[籠が、カメラが、鞄が、道行く人々を盛大に邪魔するのもお構いなしに、青年は人の波を逆らった。 今居る場所から数メートル右側を通れば、人の流れは彼の目指す列車の方へ向かっているのだけれど、愚鈍な彼はそれすらも気づかず、怪訝な視線の中を窮屈そうに泳ぐ。]
(88) 2015/11/28(Sat) 15時頃
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あぁそうそーいうこと。 おっちゃんもあれくらいで怒らなくたっていいのにさ……うん?
[別の部屋の窓から顔を出した女の子>>62に、 快活に笑い返していたのも束の間、振り返る。新聞売りが去っていった方向を。 人波に紛れてしまっていたからかわりに思い出す。 あの新聞売り、綺麗な赤い服でも髪でもなかった、と]
………あ、あたし?
[正確には「あたしの髪?」と言いたいところだが言葉足らず]
あははは、別にいいのよこんな髪で良ければ。 減るもんじゃないし。
[綺麗と言われれば悪い気はしない。 直前にもっと綺麗なものを見たせいで少々、 自嘲するような言い方になってしまったけれど]
(89) 2015/11/28(Sat) 15時頃
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[到着前にホームで待ち構えて写真を撮るんだ、なんて意気込んでいたのは一体何処の誰であっただろうか? 柄にもなく、起床から到着までの計画まできっちり考えてみせたのに。 実際は、二度寝の末に丁寧にきっかり1時間の寝坊をして、自分がやって来た頃には、乗る予定の列車は到着していて。 自分はそれを乗り逃すまいと、たくさんの荷物を抱えて慌てているのだれけど。
漸く人混みから抜け出し、列車へ急ぐ青年に聞こえたのは、威勢の良い>>#3新聞売りの声。]
すみませーん、それ、頂けないだろうか!
[列車へ駆け込もうとする足を、新聞売りの方へと変えて、ばたばたとせわしなく駆け寄った。 同時に目に入る、>>74大股で此方へと向かってくる、小柄な男。 おそらく彼も目当ては新聞であろう。あの様子だと、もしかすると此方と一緒で、少し急いでいるのかもしれない。]
一つ……いや、二つ。 一つはそこの彼に。
[それは単なる勘違いからくる親切心から。 彼が新聞なんて買う気も無いのもつゆ知らず、二人分の新聞を注文すると、両手の鳥籠を地面へ下ろして、山ほど荷物の入った鞄を探った。 さて、財布は何処へやったっけか。]**
(90) 2015/11/28(Sat) 15時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 15時半頃
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[と、背後でガチャリとドアの開く音。>>63]
誰か来た。
[とだけ言い置いて窓から顔をひっこめる。 誰だろう。ノックもしないで勝手に開けるなんて]
………。
[振り向きざま浮かべていたむっとした表情は、 即座に驚きの表情に取って代わられた。 そりゃあさっきの綺麗な黒髪の女の人が目の前にいればね!]
……あ、あの、
[訛りがかなりある。 やっぱり海を隔てたずっと向こうから来たのかな。 でも言いたいことは伝わった。部屋を間違えたんだそうな]
(91) 2015/11/28(Sat) 15時半頃
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[許すとか、慰めるような言葉はとっさにかけられなかった。
女の人がペコペコ頭を下げるたびにまっすぐな長い黒髪が揺れていて、 それにまたしても見とれてしまったせい? 本当のところはキャロライナ自身にもわからない]
あっ待って!
[追いかける。 思いを行動に移せたのは、女の人が出ていった後。 ワンテンポもツーテンポも遅れているのは承知のうえで、 廊下に出て、あたりを見回した**]
(92) 2015/11/28(Sat) 15時半頃
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[櫻子は故国では名の知られた大きな財閥の令嬢であった。 戦後、財閥が解体されたとはいえ、 依然としてその影響力は大きい。
こうしてかの国に入国できたのも、 政界とのコネクションの賜物でもあったし。 財閥の跡取り息子の所在を掴むために、 各方面が協力してくれたことも大きかった。
彼女の故国に行ったならば。 熊野財閥の令嬢、と言えば誰もがピンとくるだろう。 それは一等車両の東国から来た男>>72も、例外ではない]
(93) 2015/11/28(Sat) 17時半頃
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― 二等車両・廊下 ―
[待って>>92、と。流暢な言葉で引き留められたのは分かった。 思わず立ち止まってしまってから、少し後悔する]
……申し訳ないですわ。 覗くつもりはありませんでしたの。 わたくし、怪しいものではありませんのよ。ほら。
[一等車両の乗車券を、キャロライナに見せるだろうか]
その、お付きの者がいなくなってしまって。 言葉も良く分からないですし。それで。
[蚊の鳴くような声で、呟くだろう。 かの地では未だ東洋人への蔑視が激しいと聞く。 不安そうな瞳で、そっとキャロライナを見つめた**]
(94) 2015/11/28(Sat) 17時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 18時頃
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 18時半頃
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― コンパートメント ―
[ ペラジーはコンパクトにまとめられた洗面台、机、椅子、ベッドを一瞥する。
同じ一等の乗車券であっても、部屋によって内装や設備は違うし、それらの差を料金にも反映してある。 この部屋は車両の端の、一番安い料金のそれだった。
ドアに鍵をかけると、トランクを床へ置く。 調度品はそれなりによいものなのかもしれないが、狭い空間内に必要な機能を詰め込んだせいか、全体に圧迫感があった。]
(95) 2015/11/28(Sat) 18時半頃
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[ そして、寒い。 ペラジーはコートを着たままベッドに腰をおろした。
小脇に挟んでいた新聞を読み直そうとしたものの、気分が乗らず、憂鬱な顔でテーブルに置く。 代わりに、乗車券と同時に渡された小さなリーフレットを胸ポケットから取り出して広げた。]
……食堂車……ラウンジ車……。
[ 指でたどりながらつぶやく。
窓の外には寒そうな色の空が広がっていた。]*
(96) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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〔窓から顔をだして会話をすると、ふわりと真っ白な息が漂って消えていく。 その向こうで鮮やかに燃える炎のような赤毛は、とっても綺麗だった。〕
ありがとう。 失礼かと。見てから思ったの。
〔花の笑みを零し、「いいのよ」と答えた少女>>89に、シェリーは「ありがとう」を告げて、「誰か来た」との声が聞こえたなら、きょとんと首を傾げて彼女を見送った。
誰か――……部屋でも間違えたのかな。 危ない目にあわなければいいけれど。
シェリーは寒さに頬をじわり赤くしながら、再び外に視線を戻す。〕
(97) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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……えっ
〔鳩だ!〕 〔鳩が二羽、籠にいれられて拗ねるように鳴いている。 あの男の人も、列車に乗るのだろうか。>>88
――なんだかいろんな人がいて、 サーカスのキャラバンみたいね。
誰も彼も見世物では無いけれど、なんとなくそんな事を思ったものだった。
それから、退屈をもてあましたシェリーは荷物を開けると、ノートと鉛筆を取り出した。懐中時計をポケットから出して、時間の掛かる動作で時刻を確認すると、その時刻をノートに書き付ける。〕
(98) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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― 18頁目 ―
『……とっても寒い。 サラグニッドの駅には、たくさんの人がいたわ。 雪燕から降りる人、雪燕に乗る人…… 絵の中で見たような紳士、 リコリスのような赤毛の子、 鳥かごに鳩をいれた男の人 痛そうな手で人ごみにまぎれる男の子も見た。
ねえ、おばあちゃん。 雪燕はどれほどの人を乗せて、 どれほどの出会いを見てきたのかしら。 それを思うと、とっても不思議な気持ちになるのよ。』
(99) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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〔そこまで書くと、ぱたんとノートを閉じた。
遠方のスウェルグ。 そこで料理店を営みながら、独りシェリーを待つ祖母に思いを馳せる。
店を離れられない彼女のために、カメラを持たないシェリーは旅の記録をつけることにしていた。
そうすれば、この凍りそうな寒さの中の賑わいの、一かけらでも彼女に届けられるかもしれないと信じて。**〕
(100) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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[ しばらく暗い顔つきで物思いに沈んでいたが、小さく頭を振ると、ベッドから立ち上がった。
ぶかぶかのコートを着た少年の姿が眼裏から離れない。 怯えていた>>33ので声をかけずに>>17立ち去ってしまったが、ホームにいるならば、彼もこの列車に乗るのではないだろうか。 身なりからして、三等席だろう。
検札を待つ乗客の列を、ペラジーは思い出す。 彼はもう乗り込んだだろうか。
懐中時計で時刻を確かめると、発車までにはいくらか間があるようだ。 ペラジーはコンパートメントを出た。
あの少年の姿を探そうと。]*
(101) 2015/11/28(Sat) 19時頃
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[さて、どうにかこうにか、鞄の底から財布を探り当てれば。 先に二部分の銅貨をさっさと支払って、新聞売りから貰った一つを手に取った。
一面には、先日の議員の失言を糾弾する記事が、我が物顔でどっかりと鎮座していた。 この記事を書いた男はイアンの大先輩に当たる記者であるが、彼のことはあまり好いてはいない。 口を開けばジャアナリズム精神、だの、ジャアナリストは斯くあるべきだ、だの。 彼曰く、「崇高な正義」の名の下、ジャアナリストは記事を書かねばならぬのだそうだ。
–––ああ、反吐が出る。
イアンは、流し読みすることすらせずにその記事を読み飛ばす。 そんなくだらない理念を語る同業者に、彼は飽き飽きしているのだ。 そんな独り善がりの正義なんてものは、唾でも吐きかけて、ぐしゃぐしゃに踏み潰してやりたくてたまらない。]
(102) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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[ぺらぺらと、その場で数ページ捲れば、青年の目に入るのは、社会面のあまり大きくはない、記事の見出しであった。
『フリードの愛犬家、無惨な姿で発見
––––––––ヒトか犬か 下手人は如何に?』
果たしてこれは誰による記事なのか、イアンには分からない。しかし、この謎多き事件の記事は、忽ち彼を虜にした。
イアンの理念は単純であった。 己の好奇心を満たすことができるか、否か。
帰ったら、この記事を担当した記者のことを尋ねよう。そう思い、一旦新聞を閉じた。
その間に、此方へやって来ていた彼>>74は新聞を受け取っただろうか。 もしかすると、いくらか言葉を交わしたかもしれない。]
(103) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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[やがて、未だに乗車の手続きも終わっていないことに気がつくと、慌てて鳥籠を両手に、乗車口へと向かった。
老齢の車掌の『荷物にはお気をつけて』との言葉に、改めて自身の荷物を見回して苦笑すると、スタンプの押された切符を口に咥え(なにしろ両手が塞がっているのでこれ以上は手で持てない)、車内へと乗り込む。
この荷物の量だ、本当はなけなしの給料を叩いて一等車両に乗るべきだったのかもしれない。 しかし、イアンが切符の存在に気づいた時には、既に一等車両は売り切れてしまっていたのだ。 相席ならばすまない、と存在するかも分からない相席相手に心の中で謝罪しつつ、イアンは狭い廊下を歩き始める。
向かい側から人が来れば、おそらくすれ違うことはできないだろう。]**
(104) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 19時半頃
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― 乗車口→ホーム ―
[ 二人組の改札係>>#2は仕事を続けていただろうか。 検札を待つ乗客の数は減っていただろうか。
ペラジーは列>>76をざっと見渡して、幼い少年の姿を探す。
仕事熱心な新聞売り>>#3の姿が目に入り、近づく男>>74と、 「すみませーん、それ、頂けないだろうか!」>>90 と大声を上げた若い男にも気づく。
彼らも乗客らしい。 片方はペラジーと同じくらいの身長で、20代だろうか。 大声を上げたほうも年齢は同じくらいだが、ずっと背が高い。 そして、ぶかっこうなほどの大荷物を抱えている。>>88
この夜行列車『雪燕』が、雑多な乗客を運ぶ列車だということを、ペラジーは強く意識した。 人種も国籍も、生活環境も階級も。 きっと、何もかもが違うのだろう。]*
(105) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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一等車両内
[懐から取り出したのは随分と古びた懐中時計。 出発時間まではまだある様で。 個室の中、小さなベッドの上でパチンと鍵を開けた鞄の中身は秘密。此処で足をつかぬ様、簡単には開かない事を確認すれば、さて。と肩を回し]
早速、冒険の旅に出ようか。
[世の中は驚きとワクワクに満ちているわけで。 こんな狭い個室にとどまっている理由はない。雪燕はその光沢が美しい。というのが、自分の持論で。黒を基調としたこの服装も、この列車に合わせての事。
業と目立つ格好をしているのもある。 貴公子然とした、容姿はよく目立つ。 好奇心旺盛な記者ならば>>103、証拠の必要のない三流ゴシップ誌によって知っているかもしれない事実。]
(106) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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[――品の良い詐欺師がこの界隈の社交界を舞っている。と]
(107) 2015/11/28(Sat) 19時半頃
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ー 搭乗口の行列にて ー [ ––––ねえ見てぇ、あれ鳩かしら?
ほんとだ、可愛いじゃん。
曲芸師かしら? ふふふ。
人々の視線は、今まさに乗り込まんとする 旅人にしては風変わりな鳥籠を2つも抱えた青年>>104に 凝視、ほどではないがそれとなくちらり、ちらりと向かっている。 発車時刻の近づく状況で、 めぼしい『隠れ蓑』を見つけられず、 行列の中で小さく縮こまっていた少年にとって それはこの上ない不幸中の幸いだった。 呼吸する荷物のインパクトは、車掌が直前に差し出された少年の、爛れた指先や薄い染みの残るチケットへの小さな疑念を何処かに吹っ飛ばすには十分すぎたのだ。 好奇心を原動力とする記者も、荷物を抱えた視界では小さな少年に気付くのは難しかった、かもしれない]
(108) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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―一等車両→二等車両―
[まだ走らぬ列車の個室から抜け出せば。 ちょうど>>101白いフードの青年の姿が消えた頃か。
彼も、またこの一等車両の客であったか。と、顎に手を置き笑みを浮かべ。コツンと履き心地の良い靴の音を響かせ。少しばかり品定めをするように、彼の出てきた個室のドアを眺め見た。 何、此処で何かをするつもりはない。 ただ。持つものを少しばかり羨むだけで。]
欲しいものが、あるならとれば、自分で良いのだしな。
[其れに、手を取り遊ぶなら、妹のようなかわいい少女の方がとても良い。と、思うのは男の性だ。 人の良さそうな笑みを浮かべては、一等車両を出れば、二等車両へ向かう。手にした切符の番号を確かめる為に。丁度、廊下に異なる花を咲かせる二人の少女>>94>>92が居れば、会釈と挨拶を。 大草原と、妹を思い出させる様な雰囲気の少女たちの語り合いを邪魔は出来ず。
その先には、廊下を塞ぐ記者が居ただろうか。>>104*]
(109) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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[ ふたつの鳥籠を抱えた青年>>88は、その場で新聞を広げて読み始める。>>102 ペラジーはそっと近づいた。 彼の読んでいる記事を確認しようと。
だが、
『フリードの愛犬家、無惨な姿で発見 ––––––––ヒトか犬か 下手人は如何に?』>>103
という見出しに気づくと、密かに落胆し、その場を離れた。
あの少年も、同じ記事を読んでいた。>>2 興味津々の青年の姿に、彼もまた珍しい事件に興味を持っていただけなのでは、と思い至ったのだ。]*
(110) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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〔そういえば、この部屋。 一人で使うには広いけれど、元々複数人で乗る用なのだろうか。〕
…………。
〔シェリーは部屋内を見渡す。 自分で買ったチケットだったけれど、そこのところはよく確認していなかった。一等車両の切符は小娘の手には届かず、三等車両ですし詰めにされていくほど勇気がなかったから、二等を買ったようなものだったから。
黙ってそっと荷物を脇に寄せた。〕
誰か一緒に乗る、ってことはあるのかな。
〔こてん、と内心で首を傾げて、まあいいわと自己完結。
出発までまだ時間が有るなら、一等車の客と偽り失礼のないように一等車の見物にでも行こうかな、と思って、扉を開けたところで。
先ほどの鳥籠を抱えた青年>>104の姿が目に入った。〕
(111) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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あっ、さっきの鳩のひと……
〔思わず声をあげて、「ごめんなさい」と口を噤む。 近くに先ほどの紳士>>109が見えただろうか。〕
(おもそう。 運ぶの、お手伝いしたほうがいいのかしら)
〔人口密度ゆえちょっと迷いながら、シェリーは心配そうに鳩を抱えた青年を見ていた。*〕
(112) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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[ 新聞を渡された>>102もうひとりの、あまり上等ではない身なりの男はどういう反応をしただろうか。 一見古ぼけて見えるが、よく手入れされた茶色い鞄>>65が印象的だった。 視線が合えば、目顔で挨拶し、あるいは会話したかもしれない。
その間に、外套を着た小さな人影が目立たないよう列を移動していた>>108ことには気づかなかった。]*
(113) 2015/11/28(Sat) 20時頃
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[ザックを抱えて段を昇りきり、 そのまま誰にも呼び止められなければ もたもたと走って三等車両に向かう。 搭乗口は二等車両と三等車両の間だった。 一等車両の尾にも出入り口はあるが そこには現在鍵が掛かっているらしい。 理由は簡単、検札の単純化と不正防止の為だ。
子供一人の夜行列車旅。 どう捉えても奇特に見られる状況である事を、少年は理解している。 この切符は、彼が買った物では無い。 少年が、『選んだ』物だ。
出稼ぎ帰りや炭坑勤めの労働者達で犇めく三等車両は、少女や貴人には近寄る事すら難しい物であるが、背丈の小さな少年であればそれは別。 壁際に寄りさえすれば、そこに凭れて十分な休息を得る事が出来るのだ。噎せ返る様な息苦しさも、言い換えれば密度のおかげで身体が冷える事が無い。 気にかけられさえしなければ、おあつらえ向けの隠れ家な訳だ]
(114) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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[太い足と足の隙間を、荷物を守りながら潜り抜ける。 堅く、平らな感触が見つかった。 間違い様も無く、壁だ。
それを伝って、更に進めばもう1つの壁に打ち当たった。 角を、見つける事が出来たらしい。 ザックの紐を自分の腕に絡めたまま置き、 そこに背を付けて座り込む。 誰かが投げ出した脚が屋根裏の梁の様に頭上を横断しているが、圧迫される事は無い、最高の『ねぐら』だ。
誰かに気付かれていないかと見回せば、 何処か刺混じりの語調が聞こえる。 悪意に敏感な彼は、自分の膝を抱きしめ、それに耳をそばだてた。 –––––異人がこの電車に乗ってるんだってな?
黒か? や、東の。
ああ、クソ戦争の仇か–––––––]
(115) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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[ –––––俺ぁさっき見たよ、 売店でボッタくられかけててさ、 駅員巻き込んだ騒ぎになってた。
そら見間違いだろ、親方。 さっき新聞買うのに降りたとき、 一等車両で余裕な顔してんの見たぜ?
どっちでもいーよ、 どっちにしろこっちにゃ来やしねえんだ。 私らに異人臭さが移る訳でもなしさ。
っく、はっは、違いねえや!!
嘲笑。 少年には分かる。 彼らの様な者は嘗て、兵だったのだと。 戦後に食い扶持を失い、下級労働者にならざるを得なかった者達なのだと。 だから、あの様に嗤うのだと]
(116) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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[ザックを静かに開くと、そこには髭剃りがある。 少年には見合わぬ、髭剃りがある。 錆び毀れた刃の隙間に爪先にも及ばないくらいの 堅く、短い毛が挟まり、残っているのに気付けば、 泥に汚れた頬に細い透き通った筋が通り、
そのまま顔を膝に突っ伏した。 小さな肩は、微かに震えていた。
発車を前にした今。 三等車両は紛れも無く、すし詰めだった]*
(117) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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[一等車に乗り込んで、通路を進む。 相応の値がする一等車を選んだのは、贅沢のためではない。 鍵のかかる個室というセキュリティの確保が必要であったからだ]
と……、
[切符に記された己の個室を探して歩くうち、白いコートの若者>>87と視線が合う。 相手の会釈には軽く目礼を返して擦れ違い、そのまま分かれる。 袖振り合うも――とは故国の諺だが、このときは、ただ己の個室に急ぐだけだった]
(118) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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[東の。に良い記憶は無ければ悪い記憶もない。 ただ、少々厄介な事になるかもしれないが。と笑みを湛えたままで思う。此処には、色んな人間が紛れ込んでいる。 自分など生易しい怪物が其処に居るかもしれない。
鳥の人。と、声がしたドアの前、其処には先を譲った少女が立っていた。>>112
物静かげにも見える容姿に少し目を細め。ああ、また会いましたね。と笑みを浮かべ。案じる様な顔を見れば。なるほどと。]
…その大荷物、運ぶの手伝いましょうか? 彼女が、心配しているようですし。
[女性に案じられるなんて、男冥利に尽きますね。と、微笑みを湛え。二人に提案をしてみたが。果たして*]
(119) 2015/11/28(Sat) 20時半頃
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― ホーム→列車 ―
[ 落胆を抱えながらも行列>>76を前後して、ぶかぶかの外套姿の少年を探す。 もう乗り込んでしまった>>114とは気づかずに。
空気が冷たい。 ペラジー思わず身震いすると、フードを被り直した。
見上げれば、車両のはるか向こうにはいかにも寒そうな色の冬空。
小さくため息を落とすと、ペラジーは検札係の笑顔と口上>>#2に見送られ、列車へと戻った。]
(120) 2015/11/28(Sat) 21時頃
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[ 念のためと思い、三等車両の扉を開けてみるが、一瞥しただけで断念した。 ぎゅうぎゅうに詰め込まれた兵士や労働者たち>>114の中から、小柄な少年を見つけられるわけがない。
ペラジーは無言で二等車両の廊下を進む。]*
(121) 2015/11/28(Sat) 21時頃
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[二等車両の廊下を、大きな荷物でよたよたと歩いて行けば、向かいからやってきたのは、>>109貴公子然とした、整った身なりの男性。
その口から語らずとも、一等車両の住人だということは、その身なりや仕草からも、容易に察することができる。 仕事か、はたまたバカンスか。どちらにしたって、忙しない自分とは違ってたいそう優雅な旅になるんだろう。
そこまで考えて、自分がすっかり道を塞いでいることに気がついた。 すみません、と声に出そうとしても、切符を口に咥えているものだから、もがもがと呻くことしかできない。
慌てて元来た道を引き返そうと、後ろへ下がろうとしたその時、>>111>>112開いた扉から、少女がひょこりと顔を覗かせた。 此方を見るなり呟いた「鳩の人」との言葉に、咄嗟にふぁ、と口を開けば、咥えていた切符がひらり、床へと舞い落ちる。
急いでいたのでちっとも気がつかなかったが、どうやらこの鳩は随分と目立つようで、噂にでもなっていたらしい!]
(122) 2015/11/28(Sat) 21時頃
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― 一等車・個室 ―
『――搭乗の手続きは、一等車に関しては概略問題なし。 二等車両以下については乗客多数につき、多少の混乱もみられる模様。 また、一等・二等・三等の車両比率は――私見ながら、我が国の都市部では三等車の比率を――』
[さらさらとペンを走らせて、報告書を記す。 長い戦争を終え、軍事という非生産的な分野に偏重していたエネルギーを民生に注ぎ始めた故国。 その故国に、どのような鉄道網を巡らせるか――その情報を集めるのが、男の仕事だった。
線路、列車、駅舎といったハードウェアは、企業が造る。 財閥として解体されたといえ、大規模なインフラ整備などを請け負える能力を持つ企業は限られる。 三葉や熊野、新河などといった旧財閥系の企業群が、おそらくそれを請け負うのだろう。
だが――、実際に手足を動かし、汗水垂らすのが、彼らであっても]
(123) 2015/11/28(Sat) 21時頃
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――……その絵図を描くのは、私さ。
[独言とはいえ、それは大言壮語というべきであった。 現在の男の身分は、運輸通信省安全調査局鉄道第一課の一等局員でしかない。
ただし、男が同僚たちと異なる部分があるとするなら――その職業的関心の向く先であっただろう。 長い戦争で荒れた祖国の大地をキャンパスに、砕石と枕木とレールで、百年先まで残る路線図を描かんと、男はそう欲していた]
(124) 2015/11/28(Sat) 21時頃
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は、鳩の人ォ!?
[思わぬ言葉に、廊下中に響くような大声で叫べば、目の前の黒服の男性からは、少し怪訝な顔をされたかもしれない。 籠の中の伝書鳩は、彼の声に驚いたようにまた羽をばたつかせた。
>>119やがて親切な男から荷物を運ぶ提案を受ければ、困ったように笑って答える。]
すみません、それじゃ、お言葉に甘えて。 見ての通り、これじゃあ落とした切符も拾えなくてね。
[両手の鳥籠をこれ見よがしに振れば、バサバサと鳩の羽ばたきが返事する。 彼が承諾すれば、鳥籠の一つを彼に渡しただろう。
よもやこの親切な男が、最近ゴシップ誌でちらりと目にした詐欺師>>107その本人であるとは、全く思いもよらず。]*
(125) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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……こんなところか。
[サラグニッド駅で『雪燕』に搭乗し、一等客室に入るまでに見聞きした情報を記し終え、時計に視線をやる]
発車まで、まだ幾らかあるかな……、
[男はある意味で、貧乏性だった。 個室で時間を無為に過ごすくらいなら、どのようなものでもいいから、異国の鉄道事情に触れるべきだ。 そう思案して、報告書を三重の鍵付のケースに仕舞ったあとで、列車内を散策することにした]
(126) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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[櫻子の兄は優秀な陸軍将校であった。 誰からも将来を嘱望されていた、出来過ぎた兄だった。
けれど櫻子は知っていた。 皆が思っているような大人びて清廉潔白な青年ではなく。 本当の兄は、もっと子供染みた人だったのだと。
とても負けず嫌いで。 遊びひとつ取っても、年の離れた櫻子に負けたことはない。 つまりは、そう。とても大人げない人だった。 そんな不器用な兄が、櫻子は大好きだった。
兄は、大人の人たちと話すときは別の兄になる。 とても紳士的で、とても大人で。 無理をしているんだと、櫻子は思っていた。
ただ、周囲から求められるような人物になろうと。 兄は“自分を偽っている”だけなのだ。と]
(127) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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……お兄様?
[思わず、櫻子の口からそんな呟きが漏れた。 キャロライナと対峙していたその時。 廊下ですれ違った紳士風の青年>>109。 その凛とした佇まいが、どこか兄の面影と重なって。 しかし、そんなはずはない]
あの、ええと。ごきげんよう。
[会釈をされれば。 思わずルーカスの顔をまじまじと見つめてしまうだろう。 よくよく見れば兄とは似ても似つかない顔だ。 そもそも兄は東洋人だし、目の前の紳士は西洋人だ。 じっと見つめてしまったのは失礼だと思い]
ごめんなさい。
[訛りのある言葉で、すれ違いざまに詫びを入れただろう。 ――なんで兄と、見間違えてしまったのだろうか*]
(128) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 21時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 21時半頃
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あら、あら。 こんにちは。またお会いできて光栄だわ。
〔微笑みには同じく、笑みを返す。 同じ雪燕とはいえ、彼は身形から一等車に乗るものだと勝手に思っていたから、すぐ再会できてちょっとばかり嬉しくなった。
けれど、視線は再び荷物を抱えた青年の方へと向く。 はらりと落ちた切符。響いた声>>125に、びくっと肩を震わせたが、すぐにころころと笑った。〕
だって、可愛い鳩を二羽つれてるんだもの。
〔そうして、「お手伝いしましょうか」と声をかけようとしたところ。それを察したのか、傍らの紳士>>119が静かに声をあげた、だろうか。
それとも、紳士が提案したのは青年が声をあげる前だっただろうか。
なんにせよ、シェリーは二人の男性の隙間を縫うように、たたっと歩いて、床に落ちた切符を拾い上げたのだ。〕
(129) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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[先ほどはお兄様。と 言われ、少しばかり珍しく、人の良い寄港し然と笑みが引きつり。びくりと反応をしてしまった。明らかな過剰反応。妹を思い起こさせるような、彼女にそう言われたせいかもしれない>>128 ――人種自体、このルーカスという男とは異なるのに。見透かされそうな、その目は妹によく似て居た。
兄妹で詐欺を働いても何処か、穢れなかった妹に。]
…いや、?…大丈夫ですよ、お嬢さん。
[…妹の名を呼びかけ。 何を言いかけたのかと顎に手を置きながら、そう詫びを入れる彼女に首を振り、気になさらずと安心させるよう柔らかく声をかけ。失礼。とすれ違った。
訛りのある声の音が何処か懐かしい気がした。*]
(130) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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ごめんなさいね。 悪気は、ないのよ。
はい、どうぞ
〔そう笑いながらも、彼に切符を手渡そうとしただろう。 進路の邪魔になるようなら適宜避けることとして。*〕
(131) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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[その後、丁度行きあたったのは、廊下を塞ぐ男。 声を発そうとしても、口を塞がれている姿。つい、揶揄いたい欲がうずうずしたが、ぐっと我慢の子。>>122後ろへと引き下がろうとした彼に、待ちたまえ。と声をかけようとして。 ちょうど現れた彼女には]
…ええ、僕もまた会えてうれしいですよ。 まさかこんなに早く再会できるなんて。
[など笑みを返す。>>129しゃあしゃあと口にするのは柔らかな言葉。こういう少女が良いんだ。と思う。騙す相手、という訳ではない、個人的な趣味だ。
ただ、視線はすぐに荷物を抱えた男に。 ひらり、床に舞い落ちる切符は二等車両のものか。]
(132) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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ふはっ、…面白い反応をするな… 鳩の人、好いじゃないか。 君は、マジシャンか何かか?
[鳩を飛ばせるのか。と彼女の言葉に>>129確かに可愛い鳩を連れているな。と頷き。良い反応を返す彼を見て>>125漸くと貴公子然とした笑みから、子どもっぽい笑みを浮かべ。
羽根をばたつかせる鳩を物珍しげな顔で眺めながら、その荷物を持とうと手を伸ばし。鳥かごを一つ手に取って。]
悪気が無いと彼女も言っているけど。 この鳩の名前は、?
[鳥籠の中身を覗いては白い羽根を注意深く眺め>>131>>125少女が切符を拾い、男に手渡すのを横目で見ては、好奇心と興味が詰まったような声で。そんな事を尋ね。席は何処だい。と砕け切った声で尋ねながら、促されたのなら其処に向かっただろう。
この鳩は伝書鳩の類か。と一考しながら――。*]
(133) 2015/11/28(Sat) 21時半頃
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[抗議の声を上げれば、>>129少女の声がびくりと震えたのがわかった。 驚かせてしまっただろうか。一瞬後悔したのもつかの間、彼女の方からころころと可愛らしい声が聞こえてきて、イアンも安堵のあまりつられて笑う。]
可愛い、ねえ……。
[可愛いんだってさ、君たち。 二匹の鳩を見比べて、そうかなあ、と彼は呟いた。 籠の中のつぶらな瞳は、何の反応も返しはしない。]
俺としては、こいつらなんかよりも、君の方がよっぽど可愛いと思うけれどね。
[にこり、と柔らかな笑みを彼女へ向けて、冗談めかしてそう言えば、>>131拾ってくれた切符を受け取って。]
有り難う、親切なお嬢さん。 後は「鳩の人」じゃなくて、イアンって呼んでくれれば、もう完璧。
[ようやく切符を片手に持てるようになって、改めて座席の確認。 座席は然程遠くないようで、あと3つほど向こうの扉のようだ。]
(134) 2015/11/28(Sat) 22時頃
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さて――確か、食堂やラウンジもあると。
[乗車時に渡されたリーフレット>>96を思い出した。 一息つきたい気分ではあったし、そういった社交の場で得られる情報は馬鹿にならない]
行ってみようか。そのついでに――
[二等車両や三等車両の様子も視察できれば、越したことはない]
(135) 2015/11/28(Sat) 22時頃
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素敵な殿方ですこと。
[紳士の背>>130を見送って、母国語で小さく呟いた]
……でも。なぜか無理をされているように見えましたわ。
[大丈夫ですよ、と微笑む紳士の唇の端が。 一瞬、びくりと引き攣ったのを。 決して櫻子は見逃さなかった。
お嬢さん、と呼びかける貴公子然とした甘いテノールの囁きが。 何かを言いかけるように、微かに震えていたのを。 決して櫻子は聞き逃さなかった]
本当に、不思議なお方。
[無性に紳士のことが気になった。好奇心、と言ってよい。 もう少しだけ、話をしたいと思った。 皆の期待に応えようと、常に気を張った兄の背中を思い出して。 なんだかとても、懐かしい気持ちがしたのだ]
(136) 2015/11/28(Sat) 22時頃
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― 二等車両・廊下 ―
[ 三等車両ほどの混雑はしていないが、二等の乗客数もかなり多そうだ。
鳩入りの籠をふたつも抱え>>88ながら新聞を読んでいた青年>>102が、廊下をよたよたと歩いていた。>>122 コンパートメントから現れた若い女性が何か言った>>112らしく、青年は 「は、鳩の人ォ!?」>>125 と、思いがけぬ大声を上げる。 その彼から、小さな紙切れが床へ落ちていく>>122のをペラジーは見取った。
紳士然とした身なりのよい男性が手伝いを申し出た>>119ようで、短いやりとりの後、彼は鳥籠をひとつ渡そうする。>>125
ペラジーが近づく前に、青年の傍らでは、若い女性が紙切れを拾い上げていた。>>129 ]
(137) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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〔シェリーに声をかけた時の彼は 貴公子のように礼儀正しく。 男性に声をかけ、笑う時の彼は、 少年のようにほんの少し無邪気。
お茶目な人なのね、と内心で思った。
母は言っていた。「ただ真面目なだけよりも、少しばかりクセがあったほうが人は魅力的に見えるのよ」、と。
完全にそれに頷くわけではないが、目の前の紳士に良い印象を持った事は確かだ。
(勿論、彼の正体に気づくはずもない!)>>132*〕
(138) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[女の人が立ち止まる。キャロライナが引き止めてしまった格好。>>94 引き止めたことに後悔はないけれど、 その後のことを考えないままに飛び出してきたものだから、 立ち止まった相手を前にしてまた、黙りこくってしまう。
場を繋げてくれたのは女の人の方だった。 部屋を間違えた、その事情は思ったより深そうだ。一等と二等を間違えたということなら。 女の人の、黒い瞳と視線がかち合う]
……。
[正直、あたしも不安です。 だって異国の人とおしゃべりした経験なんてないし。 でもほっとけないじゃない]
(139) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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〔ばさばさと落ち着かない様子の鳩に、あんまり暴れると羽が抜けて落ちるわ、なんて忠告を一つ。無論言葉が通じるとは思っていない。 円らな瞳、真っ黒な瞳。黒曜石みたいだ。
鳩から視線をあげて、青年を見る。人の良さそう、というと語弊があるかもしれないけれど、親しみ易い笑顔の青年だった。肩掛け鞄からは、原稿用紙が顔を覗かせていただろうか。>>88
――作家さん?
そんな事を思っていると、降ってきた言葉に驚いた。 さあっと頬が赤くなるのを、誤魔化すようにまた笑う。〕
ふふふ。ありがとうございます。 お兄さんみたいなかっこいい人に言って貰えるなら、 お世辞でも嬉しいわ。
〔軽くお返しをして、切手を渡す。>>134〕
……イアン。イアンさんね。わかったわ。 じゃあ、私の事はシェリーって呼んでね。イアンさん。
〔この雪燕内、短い時間でどれほど逢えるかもわからないけれど、名乗り返した。〕
(140) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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あ、あのね、ここは一等車両じゃないのよ。 わかるかな。
[キャロライナも切符を取り出し女の人に見せた。 母国語で二等車両と書いてあるそれ]
ここは二等車両。 それで一等車両は――
[あっち、と指差した先には紳士風の男の人。>>109 いきなり人を指差したように見えるのは失礼かと思って手をひっこめる]
おはよう。…ううん、こんにちは、かな。
[そのまますれ違えば品の良さなどとうに、 大草原の彼方に置いてきたような風情でぴょこんと頭を下げる]
(141) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[様々な人種が様々な人生をしょって様々な格好をして集っている雪燕の発車場で、シビルは今度こそ流されぬように足を動かした。
>>81 あの男には笑われたが、証明できるかできぬかは、時に人生を左右する大事である。 ……それに切符が無ければ汽車に乗る資格があるのだと誰かに示すことも出来ないじゃないか……。 ……などなど、頭の中で先ほどの紳士に言い返してやるための言葉を積み上げるが、最終的には口から出ることは無いだろう。
というわけで、シビルは無事に、雪燕の一等車両に乗ることを許されたのであった。]
(142) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[もともと所有していた二等車両の切符に書かれた番号は覚えているから、時間があればその座席をのぞき、奪い取った奴の顔を見てやろうとは思う。]
(143) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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名前があるなら、私も聞きたいな。
〔紳士>>133がイアンに鳩の名前を尋ねるのには、興味深そうな顔をした。 座席の場所が告げられたなら、イアンや紳士が入りやすいようにそのドアを開けようか。不要そうなら、邪魔はしないように脇に逸れるだろうが。〕
〔>>137同じ年頃に見える白フードの子と視線が合うならば、「こんにちは」と挨拶をして、会釈をしたかもしれない。*〕
(144) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[ 鳥籠からはばさばさと鳩の羽音が繰り返されている>>125が、慣れているのか、青年は気にも留めない様子で。 快活な口調との温度差に、ペラジーはわずかに首を傾げた。
列車に鳩を運び込むような仕事? そんなものがあるのだろうか?
ペラジーの疑問を読んだかのように、鳥籠をひとつ手に取った>>133紳士は、 「君は、マジシャンか何かか?」>>133 と笑っている。
ふと、伝書鳩のレースがあると聞いたことを思い出す。 世界には、ペラジーの予想を越えた職業がたくさんあるのかもしれない。]*
(145) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[髪色も肌の色も違う二人。 なのに女の人は紳士然とした男の人のことを「お兄様」と呼んだ。>>128
これで本当に生き別れの兄妹か何かだったら実に絵になる光景だが、 そうでなくとも――そう、女の人の勘違いの結果だったとしても、 映画のワンシーンを想起させる一瞬を前に、 束の間、感嘆のため息]
……ん? 今なんて?
[聞き取ったのはキャロライナの知らない言葉での呟き。>>130]
(146) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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―ラウンジ―
[チケットに関わらずに入れる、食堂車とラウンジ。 もっとも、表面上はそうであっても、車両ごとで提供する飲食物の価格帯の差が、無言の線引きをしているようではあっただろうか]
――……、これは。
[メニューに、茶(tea)と見つけて、懐かしさに注文してみれば。 出てきたのは、ジャムの添えられた紅茶だった。 渋味と苦味と少しの甘味のある、緑色の液体を求めた脳には、酷い仕打ちだった]
……、いや、甘味はいつの世でも貴重だ……、だがこれは……、
[うむむと唸りつつ、カップを睨むのであった]
(147) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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— 一等車両 —
[示された個室を探すため廊下を歩こうとする、が、他にも個室を探している者らはまだまだいるらしい。 つまり混雑しており、シビルはため息をつきながら他の車両で人いきれがおさまるのを待つことにした。
リーフレットに示されているラウンジであれば、まだ人は少ないだろうか。 閉じたままの新聞紙をあいかわらず小脇に挟んで、革製のトランクケースを人にぶつけぬように抱え持ち、足を動かした。]
(148) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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あら、わたくし。 車両自体を間違えていましたの?
[>>141キャロライナの言わんとしていることは分かった。 きょとん、とその漆黒の瞳を丸くして]
ありがとうございますわ。 わたくし、このままでは自分の部屋に行けないところでした。
[にっこりと微笑んで。深くお辞儀をするだろう。 その仕草が彼女の故国の感謝の表し方であった]
あなたはお優しい方ですのね。 ……わたくしは、櫻子と申しますの。ええと。
[こういう時は、かの国では“握手”というものをするのだと。 爺やは確か、そう言っていた。 それが西洋風の挨拶の仕草なのだと。 だから櫻子は、その震える右手を。 キャロライナに恐る恐る差し出したのだった]
(149) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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……いえ。恰好良い紳士だな、と。 思わず呟いてしまいましたのよ。
[キャロライナの言葉>>146に、くすりと微笑んだ]
どこか私の兄に雰囲気が似ておりましたの。 こんな列車の中に、いるはずがないのに。
[その瞳は、どこか寂しげだった]
(150) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[ 狭い廊下で自己紹介を始めた彼ら>>134、>>140とすれ違う。 柔らかそうな髪の若い女性が、 「こんにちは」>>144 と挨拶してきたので、
ペラジーも微笑しつつ会釈した。]
こんにちは。 ……寒いですね。
[ 一人旅だろうか、それとも家族連れ? 明るい空気をまとった彼女に眩しさを感じ、ペラジーは少し目を細める。]*
(151) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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[妹に似た少女の傍、大草原を思わせる少女に指刺されるような形になったが>>141笑みを浮かべ。気にしてないよ。と乗せたが伝わったかどうか。
こんにちは。かな。という声にそうかもしれないなと思いながらも、ぴょこんと頭を下げるのを、穏やかな目で見つめてはすれ違い。
――兄。と呼ばれて動揺を見せてしまった。 気づかれなかっただろうか。いや、気づかれたとしたら早く離れた方が良いのかもしれない。化けるのは上手いんだ。>>136だが、異国の少女には見透かされているような気がして。お嬢さん。と口にした、音を。>>146草原を思い起こさせる少女にも]
…赤毛のお嬢さん、もまた。
[其処にはもう、何時もの貴公子然とした笑みを浮かべた男が居て。そのまま、すれ違っただろう。*]
(152) 2015/11/28(Sat) 22時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 23時頃
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[>>129>>132どうやらこの紳士と可愛らしい淑女は、既知であるらしいが、何処で知り合ったのかは、イアンには預かり知らぬところである。 不思議そうに二人を見比べれば、先程までの貴公子然とした紳士の表情が少し変わり、此方へ少しばかり子供っぽい笑みを向けた。]
面白い、じゃあないですよ。俺は、その、 ……ちょっと、恥ずかしいんですから。
[>>133案の定、その表情から発せられる言葉はこちらからかうようなもので、益々彼は恥ずかしくなって、少し顔を赤らめた。]
違いますよ。曲芸なんて器用な真似は、俺には到底できませんよ。
[おそらく彼が否定せずとも、彼のこの見るからに不器用そうな行動を見ていれば、曲芸師でないことは自ずとわかったことであろうが。
右手の籠を男へと預けると、彼の問いにはこう答える。]
(153) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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まあ、親切な紳士様に免じて、今回は無かった事にしますよ。 ああ、鳩はね、そっちはローズマリー。 俺が手に持ってるのが、カモミール二世です。 で、ついでに俺が、イアン。 イアン・マクイーンです。 貴方のお名前は?
[改めて、人の良さそうな笑みを浮かべて、男の方に自己紹介をすれば、受け取った切符で確認した座席を伝えた。]
ああ、座席はあと3つほど向こうの扉です。 そこまでどうか、お願いします。
(154) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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― ラウンジ ―
[ラウンジにもそこそこ人はいたが、トランクケースを後生大事に抱えずとも歩ける程度の人の量である。 >>147 東洋人らしき人間が何か唸りながらカップをにらんでいる様を横目で見ながら、シビルは乗務員からメニューを受け取った。]
……………………。
[紅茶という気分ではないが、アルコールはなかなか良いものがそろっており、つまりそれなりに高額である。 払えないわけではないが、こんな気分で良い酒を飲みたくもない。結局一番安いウィスキーを指で指し示して注文する。]
(155) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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[鳥の人はイアン。と言うらしい。>>136 こいつ、顔に似あわず垂らしだぞ。と、内心、少女とのやり取りを聞きながら思う。何考えているんだ。と思ってはいけない。 彼女がお茶目な人ねと自分を思っていることも。>>138
二人のやり取りを眺め。>>140シェリーという名も心に留めておく。素敵な名前ですね。とおべっかは忘れない。別に垂らしっぽい男に対抗してってわけじゃないからな。]
恥ずかしい?なんで、良いじゃないか。 覚えやすい、ふはっ、出来ませんなんて嘘ばかり。 手で何かをするのが得意そうだ。
[君は、その手で何かを生み出すのだろう。と赤らめる顔を突くような事を繰り返す。 器用には見えなかったが、そう不器用にも見えなかった。 鳥かごを受け取った手が、仕事人の手であった事は目ざとく見て居た故。]
(156) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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―ラウンジ―
[――男の祖国でも、茶の湯には菓子をつける。 男は、西方でも同じようなものではあると、聞き知っている。
しかし、このような供し方は、知らなかった。 紅茶とともに、供された。銀匙の添えられたジャム。
茶に投じるのか、そのまま食すのか、それが問題だ。 東国の一官吏は、万能ではない。この凍った地域の文化までは、学びきれていなかった]
……もし、申し訳ない。
[ちょうど、新しく近くの席に座った客>>155に、現地語で声をかけた]
この果物の砂糖漬けは、お茶を、どう飲むものですか。
[ジャムをどうすればいいのか、恥ずかしながらも、問いかけた]
(157) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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ローズマリー、に、カモミール二世か。 妙にごてごてしい名前だな、可愛いけど……。 イアン、か。んー僕は、ルーカス。性で呼ばれるのは嫌いでね。
[座席に向かう途中>>154、鳩の名前を尋ね。答えが出ればそう返し。伝えられた座席へと向かっただろう。 少女が、ドアを開いてくれるのなら、ありがとうございます。とお礼を口にして、鳥籠を席にちょこんと置いてはなかなか絵になるんじゃないか。と上機嫌。
彼女の眼が>>144白いフードの青年を捕えたのなら、此方もそちらに気づき。会釈と共に>>137>>145]
やあ、こんにちは。
[と、挨拶をして。世間話が始まるのならば、少し離れてみようか。と二等席の切符をポケットの中で確かめて。>>143まさか、番号を覚えられているとは知らず]
(158) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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さて、僕はそろそろ失礼しようか。 お嬢さん名残惜しいですが、また。 今度ラウンジでお茶でも一緒に飲みませんか?…
あ、ついでにイアンは、お酒でもどうだい? ラウンジで一杯奢るよ。
[勿論、君にもね。と白いフードの青年にも声をかけ。 その場の三人に別れを告げただろう。――僕は、一等車両に居るから、暇だったら遊びに来てよ。と座席番号を告げれば、また後ほどと会釈をして立ち去っただろう。 その際、ポケットに入ったままの座席番号の席がある場所は頭に留めておいた。後で必要になるかもしれない席だ。――**]
(159) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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[>>140君の方が可愛い、との言葉にさっと顔を赤らめた彼女が、お世辞抜きにも本当に可愛らしくて、くすくすと笑う。]
こちらこそ有り難う。 俺よりも、そこの紳士様の方がよっぽど格好いいけれどね。
[シェリー、と名乗る彼女には、いい名前だね、と優しく微笑みかけ。]
宜しく、シェリーちゃん。 君達みたいな親切な人たちに出会えるなんて、この旅は幸先がいいよ!
[朝から寝坊したけれどね、と心の中で付け加えて、座席の方へと歩みを進めた。
>>145物珍しげに此方をじっと見つめる者にも、怪訝な顔一つせずにこやかな笑みを投げかけ、切符を持った右手を軽く振る。]
(160) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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幸先が良い? なら、よかったわ。
〔旅の途中にも色々あるけれど――難がないのが一番だとシェリーは思っていたから、そう返した。>>160 良い名前だね、と二人に言ってもらったので、ありがとう、と会釈。ワインの名前だとは言わなかったけれど。〕
ローズマリーに、カモミール? なんだか、綺麗だけど強そうね。
〔静かな強さ。それから、逆境に耐えうる力。 内心で花言葉をなぞりながら、相槌を一つ。>>154 一世はどうしたんだろう、と思ったけれど、聞かなかった。
その時紳士が名乗っていた名前に、あなたの名前も、上品そうで素敵だわ、とお返ししておくことは忘れない。>>156
扉を開けて男性たちが荷物を運び入れる傍ら。〕
(161) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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[ここは雪燕の車内である。迷路じゃない。 どっちかに真っ直ぐ行けば一等車両には辿り着けたはず。 なんだか大げさに感じられる物言いと、 会釈よりもずっと深く頭を下げる姿が合わさって、>>149 失礼ながらもちょっと噴き出してしまった。見られてないといい]
………さ、く、ら、こ。…サクラコ。 なんだか変わった響きだね。 あたし、キャロライナ。お話できてうれしい!
[そう、こんな感じで普通に、 (それこそ先刻窓から顔を出して少女と話をした時のように)話をしたかったわけで。 おそるおそるといった風に差し出された右手を、 自分の右手で握る動作に迷いはなかった。 ぶんぶんと上下に振る動きつきで]
(162) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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〔肌の色というのは、シェリーにとっては凡そ大したことではない。 よくもわるくも、狭い街の外はよくしらない娘だった。
それゆえ、白フードの下の不思議な色の髪も、肌も、黒い目も特に気にせず、「こんにちは」と挨拶をしてみる。
返ったのは微笑。 細められた瞳と相俟って、ほんのりと切なげな少年>>151に、シェリーは無邪気に〕
そうね……一人で風邪なんか引いたら大変。 気をつけなくっちゃ。 あなたも、あったかくしてすごしてね。
〔にこにこ笑いながら返事をした。〕
(163) 2015/11/28(Sat) 23時頃
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[乗務員が氷を砕きわり、グラスのなかにおとして茶色い液体をそそぐのをぼんやりと見ていたが、先ほど難解な顔で紅茶をにらんでいた東洋人に声をかけられた。
>>157 こんなご時世にこんな場所にいるのだからそれなりの責務を背負った男なのだろう。 彼の生真面目で正確な現地語に、通じていることを示すように頷いた。]
そのジャムを舐めて口の中を甘くしながら 紅茶を飲むんだ。 せっかちな人は、いっそ紅茶のなかに溶かしてから飲んでいるみたいだが……。
[乗務員が差し出してきたウィスキーを受け取り、それを一口含んでから、なんとはなしに会話をつなげて見ることにした。]
……ここには、お仕事で?
(164) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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分かる。 あの人紳士の中の紳士なんじゃないかな。
[笑みを返して確信を持ってうなずく。>>150 出会い頭に指差した形になったのに、笑って流してくれたし。>>152
何より「赤毛のお嬢さん」だってさ! この、あたしのことを!
生まれてこの方お嬢様呼びとは縁がなかったので、 内心すっかり舞い上がっていた。 まるで自分が映画の登場人物にでもなったみたいな感覚。 三文役者でもフィルムのしみくらいにはなったんだろうか。なってるといい]
へえ。 お兄さん……とは、会ってないの?
[うかがい見た瞳が寂しそうだったから、そんなことを訊いてしまう]
(165) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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[ 身なりのよい紳士からも、 「やあ、こんにちは」>>158 と機嫌のよさそうな挨拶を向けられた。
ペラジーは遠慮がちに微笑んで、]
こんにちは。 そろそろ出発ですね。
[ と応える。]
(166) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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……きゃ、キャロらい……っ。
[>>162発音しようとして、思わず舌を噛んでしまった。 やはり異国の発音は慣れようはずもない。 オホン、と咳払いをして]
ん、ごめんなさい。 キャロ、とお呼びして宜しいかしら。
[キャロライナはどんな顔をしただろうか。 櫻子は急に恥ずかしくなってしまう。 敵性語だから、勉強をサボっていた罰が当たったんだわ。 そんなことを思う]
(167) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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わたくし。兄を探しに、異国の地までやって来ましたのよ。 あの戦争以来、兄とは音信不通ですわ。
[寂しげにキャロライナに櫻子は微笑むだろう]
……ふふ。これも何かのご縁ですわ。 よろしかったら、私の客室にも遊びにいらして。 その。お付きの者がいなくなってしまって。 異国の地で、とても不安ですの。
[目の前の優しい少女にならば。 弱みを見せても大丈夫だと思った。 チケットを見せ合ったので、お互いの部屋番号は分かっている]
キャロ、またお会いできるといいですわね。
[深々とお辞儀をして。一等車両を目指すだろう*]
(168) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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舐めて、飲む?
[目線を、ジャムの小瓶とティーカップにやる。 祖国では、塩を舐めて酒を飲むような人種がいるが、そのようなものだろうか]
ああ……そう、仕事です。
[洋酒を傾ける相手>>164に、頷いて。 しかし、本来の職務を口には出来ないので]
はい、ええ――私、あなたたたちの国、見るます。
こちらで欲しいもの売りたいもの、調べるまして。
祖国戻る、買う売るを考える。みなハッピー、そうしょう?
[偽装の身分に沿った内容を、そう返した]
(169) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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[ 鳩を持ち込んだ青年は、にこやかな笑みで右手を振っていた。>>160 手に持っている紙切れ――さっき、若い女性が拾っていた>>129ものだ――は切符だろうか。
ペラジーも微笑みを返しながら、くすくすと笑う>>160彼を観察した。 あけっぴろげな彼の雰囲気は、よく言えば開放的、悪く言えば単純な気質を想起させた。
やりとりからすると、3人は初対面らしい。]
(170) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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俺もそう思います。いちいち覚えるのが大変でね。 [名付けたのは自分ではなく、新聞社の人間だ。覚えにくいことこの上ないので、正直なところ、単純に番号だとかでいいのではないだろうか、とは思っている。欠番出ても、まあ仕方ないなって思えるし。>>158]
ルーカス、ルーカスさんだね。宜しく。
[男の名を繰り返し、イアンは座席へと向かう。
見たところ同年代だとは思うのだが、相手の身なりが、まだまだ駆け出し記者の自分よりも遥かに上の階級だと察せられるせいで、どうにも中途半端に敬語になってしまう。
座席へ辿り着き、ようやく荷物を下ろせば、改めて手伝ってくれた二人へと向き直って。]
(171) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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― 新聞売りに辿りつく前 ―
[ルーカスと違い、サイラスは偽名を名乗ることに慣れていない。>>84 名を重ね、そして続いた暫しの間に、見上げる目に一瞬の不安を過ぎらせる。それに苛立ったのが、舌打ちした理由の大半だった]
………目的地が同じでない限り、 会うこともないだろうけれど
[そして丁寧に訂正して、背を向ける。 奪った一等車両の乗車券は無造作にポケットに突っ込んだ。 早く離れようと足はつい大股に。 理由は違えど、同じく新聞売りに急ぎ足で近づく姿が目に入るが、視線はそのまま流れ、列車へと。>>90 大荷物を持ったその男が、自分の人生に交差するとは考えてもいない。声を交わすことすら想像せず、ましてや――]
(172) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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二人共、本当に有り難う、助かったよ。
[>>159ルーカスの誘いには、うん、と頷いてから。]
でも、良ければ俺の方から奢らせてくれないかな。 せっかく親切にしてもらったんだから、お礼もしたいしね。 ……ルーカスさんの口に合うようなお酒が飲めるかどうかは、わからないけれど。
[さて、彼はどのように返しただろうか。或いは、軽くいなされてしまっただろうか。 彼の座席番号を聞けば、暇があれば尋ねてみようかな、などと思案して。やがて去る優しい旅人仲間達を見送って、ようやく座席へ座って一息。]**
(173) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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[ 「そうね……一人で風邪なんか引いたら大変。 気をつけなくっちゃ。 あなたも、あったかくしてすごしてね」>>163
にこにこ笑いながらの言葉は、初対面の相手への挨拶にしては当人の優しい気持ちがこもっていて。
ペラジーも温かな感情を抱いてうなずいた。]
本当ですね。 終点のスウェルグは暖かいのでしょう? そこに着いたとき、風邪を引いていてはがっかりです。
……あなたも気をつけてください。 部屋によっては夜、冷えるかもしれません。
(174) 2015/11/28(Sat) 23時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2015/11/28(Sat) 23時半頃
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― 一等車両・廊下 ―
……爺や。どこにおりますの?
[なんとか自分の部屋を見つけて、荷物を置いた。 しかし相室になるはずの爺やの姿はない]
もうすぐ発車してしまいますわ。
[手元の懐中時計を見る瞳が、不安げに揺れていた。 その爺やが売店でボッタくられて立往生>>116しているなど。 櫻子は知る由もないのだった]
爺や。
[思わず一等車両の廊下に出て、辺りを見回してしまう。 やはりそこに、お目付け役の姿は見えない**]
(175) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[>>169 東洋人からつむがれた返事は予想外に楽しい発音であった。 正確な現地語を使うと思ったのは勘違いだったのか——使い慣れた文法はともかく、とっさの回答には弱いという奴なのだろうか?
年齢当ての不得意さ加減といい、まったく自分の目も耳も、ダメになってきているらしい。]
商人か、ご苦労なことだ。 そんなに見るものがある国とも思えなかったが。
[かろり、と小さな音を立てて、氷がグラスの中でみじろいだ。 それを取り上げてまた口元へ運び、こくりと呑んでさらに言葉をつなげてみる。]
あなたからは、この国はどう見えた? 足を運んだ価値はあっただろうか?
……あなたの国に幸福をもたらすほどの、価値が?
(176) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/11/29(Sun) 00時頃
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〔イアンにくすくすと笑われたり、優しく微笑まれたりした時の頬の熱さはそっと静まっていく。>>160
紳士――もとい、ルーカスが「失礼しようか」>>159と言った頃、シェリーはそちらに目を向けた。
イアンは「そこの紳士様の方が」といっていたけれど、魅力という点からすれば、二人は違った魅力を持っているし、どっちもかっこいい、と、思う。
閑話休題。 言われた番号を記憶する。〕
素敵なお誘いね。機会があればご一緒したいです。 奢る事はできないけど、お話しの聞き役くらいならできると思うわ。 ……じゃあ、また。
〔そう、ルーカスに答えて、ひらひらと手を振っただろう。 そして疲れただろうイアンの方を見て、イアンさんも、またね、と手を振った。*〕
(177) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[ 短いやりとりを終えると、青年の座席を目指す3人>>171と別れ、ペラジーは廊下を歩く。 コンパートメントが寒かったので、しばらくはラウンジ車か食堂車で過ごそうと思いながら。
懐中時計で確認すると、出発時刻までごくわずか。
途中の廊下で、異国の衣装に身を包んだ上品そうな女性>>168を見かけたかもしれない。]*
(178) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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〔頷く少年の言葉に、こくこくとシェリーは頷き返す。〕
ええ、ええ。 そうね、スウェルグは暖かくて ――海が傍にあって、きらきらと輝いていて。 なのに風邪なんて、いやよね。
〔想像して身震いした。>>174〕
ありがとう!
〔暖かい気遣いの言葉に、ちょっと考えてから、〕
大丈夫よ。 ちゃんと毛布は持ってきたもの。
〔羊毛はあったかいのよ、と胸を張るようにしてそう言って、彼がその場を離れる>>178なら、またね、と快活に手をふり
――とりあえず、どれくらい揺れるのかわからなかったから、自分の部屋に一旦戻ることにした。*〕
(179) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[おしい。あとちょっと。>>167 舌ったらずなその口調は、チケットを譲ってくれた家族の末っ子を想起させた。 まだ小さい。家族旅行が実現していたなら、 二等客室の肌触りのそこそこいい座席ではなく、 親の膝の上が定位置になっていたかもしれない]
えっ!?
[提案に目をまあるく見開いた。 己の名を短くしたニックネームなど、 家族か親しい友人か、舌の回らない小さい子くらいにしか呼ばれたためしがない。 そしてサラグニッドの隣町で一人暮らすようになってからは、 家族や故郷の親しい友人とは疎遠気味になっていた]
…ふふ、悪くないね。
[恥ずかしくなってそっぽを向いてしまったけれど、 声は笑っていた]
(180) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[――ましてや、通りすがりの男に新聞を買ってやるお人よしだなんて見抜けるわけもなかった]
は?
[そこの彼に、と指し示されたのは、ちょうど新聞売りを通り過ぎようと方向転換した、その瞬間。思わず振り返ったのは、自分を示してのことと思わなかったが故。どこかの車両で赤毛の少女が同じようなことをしたとは勿論知らず、前を向いたサイラスは少し迷って、もう一度足の向きを変えて新聞売りに近寄った。
背筋のせいか、荷物のせいか。 ルーカスよりも幾分背の低い男に、先ほどと同じように胡乱げな視線を向ける]
………。
[無言で手を差し出した。 つい先ほど、チケットを奪った手。 同じように、今度は新聞を取り、やはり手を引いた。 ばさり、と紙がざわつく音がする。 きっと受け取った、それだけなのに思わず周囲を見渡せば、真っ白なコート姿が、視線をひきつける。 人生は交差しない。サイラスは、そのまま言葉をかけずに、当初の予定通り新聞売りの男とすれ違う。そして、大荷物の男からも離れていく]
(181) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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[新聞はポケットに入らない。 ややあって、サイラスは慌てた様子で搭乗口へ向かった。 ポケットではなく鞄から取り出したのは元々持っていた三等車両の切符。 皺を伸ばして乗務員に差出す。 発車ベルを背に、タラップを踏み「雪燕」に乗り込んだ。
その先は一等へと続く二等車両。 あるいは、混雑と異臭、猥雑な言葉で満ちた三等車両。 慣れているのは、そして足を向けるのは―― 清潔な手は、汚れた三等車両へ乗り込むために使われた]
(182) 2015/11/29(Sun) 00時頃
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