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[ パープルの云うブラックパンサー>>2:137が 今どこでどうしているかなぞ、男は知らない。 もし知ったとしたら 細く、そして深い笑みを口元に浮かべるだろう。
何せ、疑った先と悩みの火種が同時に片付いたのだから。
犬も、Colorsも、疑わしきは全て殺してしまえば良い。 どうやったら殺り易いかを考える方が建設的だと 頭を切り替えるに至った決定打は ひとつの小さな鍵音>>2:131だった。
たったの一歩、離れた隙間>>2:138 そこに流れた大きな河>>2:133は、 3人を2つに分ける。>>2:144
男は、彼の是>>2:144と共に足元からナイフを抜いた。]
(1) 2016/04/12(Tue) 00時半頃
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[ 柄を逆手に握り、刀身は袖の裏に押し当てる。
明るい明るい昼の陽光が 男の”仕事”という名の元で 血を蓄えた刃の中へと吸い込まれ
グレーの刃が鈍く嗤った。
―――鴉はまだ、啼いていただろうか。 ]
…どうしましたか。
[ 男は変わらぬ無表情でパープルの背へと声を掛ける。 まだ刀身は見えぬ位置、今のところは まだ。**]
(2) 2016/04/12(Tue) 00時半頃
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[ 低い嗤い>>3が、耳朶にかけられた言葉>>2:145と繋がる。 立ち上がった膝はまだ、汚れたまま。
たとえ全ての羊を狩り終わったとて、信用のし過ぎは禁物だ グラウンドゼロに立てば全てを手に入れる。 だが少なくとも今はまだ、その時ではないと 男は、嗤いの消えた男を警戒の範疇から解いた。
複数の乱射音>>2:150 恐らくブルーが噛んでいると確信めいたものを抱え その雨が降り注ぐ先に横たわる骸が あの老人であることを願う。]
(14) 2016/04/12(Tue) 14時半頃
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[ (「 嵐はそのままがいい
皆が慌てて逃げ出しても
雨がいくら降ったって
僕は笑顔を浮かべている。」)
死んだのは誰でも構わない。 勝手に数が減った幸運に感謝しよう。
(「 口ずさむのは、楽しげなメロディ 」)
抜けるような晴天の下 タップ・ダンスなぞ踊れやしないが
堕ちた者達で踊る、マッドパーティーなら出来る。]
(15) 2016/04/12(Tue) 14時半頃
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………耳は正常です。 誰かは死んだでしょうね、確実に。
[ 苛立ちが滲む溜息>>13に、真顔でそう返す。 しかし心中では小さな舌打ちもあった。
幸運な事に収穫無く終わりそうだった見回り、 ふいと気の抜ける一瞬で 男は背後から彼の首を撫で切る心算だったのだが 銃声が上がれば、警戒の空気はぐんと濃度を増し。
爽やかに感じていた風は、 今やどこか冷たくすら感じる。
車へ向かう背中>>13を見つめる視界を 飛び立った鴉が一匹、横切った。]
(16) 2016/04/12(Tue) 14時半頃
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[ Mr.ピンクをちらと見て、柔らかく首を傾けた男は その手に灰色の刃を携えている。
左手でかたどった肌色の銃を 自らのナイフを握った右腕に押し当てて
( Bang )
指先を跳ねるように、腕から天へ。 撃つなら右腕と伝えたつもりだが、どうだろうか。
大股で歩む男に、 息を殺し ”いつものように” 首を切る為 外れていた両目の視線は、今は真直ぐに獲物を追う。
背後から、左腕で頭部を抱え込み 右腕は、愛器で首を真横に薙ぐべく
踏み込んだ足が立てた一歩の下で ざびりと砂が、悲鳴を上げた。**]
(17) 2016/04/12(Tue) 14時半頃
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[ 男の生家は、肉屋だった。 縦斬りになった500キロもの枝肉を天井に吊るし 凍ったそれを、回転刃のカッターでバラしてゆく。
……その、バラすものが 枝肉から人間になったのは何時からだったろう。
既に物言わぬ肉も、 抱え込んだネタを喋らせる為に 生きたまま連れられた肉も 色々、
依頼の通り さんざ、さんざ、切り刻んで 男の視線がずれ始めたのは、その頃から。
今はもう、回転刃の使い方は忘れてしまった。 ]
(39) 2016/04/12(Tue) 23時頃
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[ 真一文字に結んだ口元で、 キャデラックの扉を握ったcolor>>29の後ろ。 車に落ちた男の影は、明らかに日常のそれではなく 殺す意思を以て、伸びて。
血塗れの車内を切り取ったサイドウインドウ ガラス越しに、彼と目が合った。
此方の手が届く前に揺れた、目の前の明るい髪。 咄嗟に愛器の目的を”掻き切る”から翻し 身を引きつつ、斜め上へと振り上げれば
確かな手応えが、 腕に、
……伝わる筈だった。 否、確かに伝わってはいたが、知覚できずにいた。 男の脳が、それ以上に揺れていたからだ。]
(40) 2016/04/12(Tue) 23時頃
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………っ、
[ 視界が揺れ、世界が大きく傾く。
Dang、と地面を踏みしめ耐えようとするが 堪え切れず身体はグロックが振りぬかれた方向へと流れ
……結果、恐らくそれは幸運として作用した。
3発の銃声を耳が捉えたが、 男にはどれが誰のものか判別がついていない。 己が浴びたかどうかすら理解する間も惜しんで ( 最も、理解できるほど脳は働いていなかったが )
地に屈むように折れた膝を、撥条のように蹴り伸ばし
下から彼の脇腹を抉り突き刺さんと、襲う。]
(41) 2016/04/12(Tue) 23時頃
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[ 吐く悪態も無く、飛んだサングラスの行方も見ず。
極限に集中している今だけは 確りと焦点の合った、血走る目を見開いて。
右目はグロックの弾倉部に潰されていたから 結局2つの瞳が揃うことは無かったが
男はそれにすらまだ、気付いていない。
目の前の獲物を殺す事しか考えていない脳は 半分になった視界すら 思考の端に追いやっていた。*]
(42) 2016/04/12(Tue) 23時頃
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[ 半分になった視界で捉えた彼>>46の顔は 怒りか憎悪か 男の見知った怯えや恐怖とは対極のもの。
どこか、嗤っている気さえした。 ]
………ああァああアア!!!!!!
[ 今迄の男の印象とはかけ離れているだろう咆哮が 血を帯びた刃の上に乗る。
一度思考を止めた脳が、弾けるように演算を再開すれば 此方を向いて口を開けている漆黒の正円が何であるかも 視界が足りない強烈な違和感にも理解が及び
現実が、現実として、男の身に降り注いだ。]
(68) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[ けれど、地面を蹴る足に込めた力は減らない。
刃で銃に勝つには 刹那でも速く、1インチでも近く その懐の中に潜り込むしかないのだから
男に与えられた選択肢はひとつ。 刃の先を確実にリブの隙間に突き立てること。
…――此方を向いた銃口から炎が散る、前に。
男が見据えた先にある人差し指が動いたが 己の切っ先は未だ届いていない。
視界と共に隔たれた距離を呪った時、 響いた銃声>>49 揺れた足元>>65
その直後。 灰色の刃が、脇腹を捕らえた。 ]
(69) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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[
ずぐ、 と
肉にめり込む音。
柄の尻に添えた左手が、スーツの向こう側へ その刀身を全てをブチ込んでゆく。
スローモーションのような世界の中で 男の耳には今更、ピンクの放った銃声を聞きながら 埋め込んだナイフごと、パープルの上へ倒れこんだ。]
(70) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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……………っは、 っは、 は……
[ キャデラックの脇、横倒しになったふたつの影。
男は、己の視界が真っ黒な理由が パープルのスーツであることすらわからないまま 埋めたナイフを握り締め、荒い息をこぼしている。
正面を向かなくなった左目の脇を、 大粒の汗が何滴も転がり落ちて
黒いスーツに、更に黒い染みを作っている。 *]
(71) 2016/04/13(Wed) 22時半頃
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ぅ、 は…… っ、
[ 今更ながら、右目にはしる激痛に口元を歪め 背後からかかった声>>76に、ナイフを抜く。
ゆらり、と 起こした上体 声の方角へ首をひねった筈が その主の姿は、喪った視界の闇の中。
手元から溢れる暖かな血が手元を汚しているが 気にする様子もなく、男は自身の額に手を当て、 「穴」があいていない事を確かめながら ]
忘れては、いないはず …ですけれど、
(84) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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[ ……――っは、 と、笑みが漏れた。 ]
(85) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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[ 彼の姿がある筈の場所へ、 射るように愛器を放つのと同時に 銃声>>76と 硬質な金属音が響いて
何億分かの確立でかち合った銃弾とナイフ。
血を吸い込んだばかりの灰色のそれは 蒼穹へと”おちて”いって 再び地面へと吐き出された。 ]
……っが、 ぁ………
[ 伸ばした腕が跳ね、肩が踊る。
続いた2発の銃弾は、男の掌と腕を貫いて 貫通したそれがキャデラックにめり込んだ。]
(86) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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……貴方とこうなるのは
最後を予定して、いた の ですけれ ど。
……っふ、 ふふふふ。 …ふ、
[ パープルの上に座り込んだまま 右腕を身体の内側に抱え込み 片眼の男は、肩を揺らす。
全てを諦めたように嗤いながら、 左手は右肘を包んで
燃えるように熱い右手を、スーツの裏へと押し進め コルトを引っ掛け、手元に落とそうと目論んでいた。*]
(87) 2016/04/13(Wed) 23時半頃
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