40 おおかみさんが通る
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 02時頃
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―二日 平家邸・客間―
………失礼する。
[部屋を出るよりも前謝る言葉が聞こえたか、其れは一度だけ翠へと向き幽かに頷いた。 そしてその眸は名を知らぬ異国交じる軍人へも。 この後を頼むと、伝わったなら佳いのだが。
客間を抜け、先の妻と念わしき婦人へ案内されるままに玄関へと向かう。 突然の訪問に深く頭を下げ、そして邸を後にしたのであった。]
(0) 2011/01/05(Wed) 02時半頃
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[馬車を呼ぶかと問われたが路銀もさしては持たぬままであった事も在り、鄭重に断り歩く事にした。 緩やかに歩く事で考えるべき事も在ったからだ。
柴門を“人狼でない”と上に解らせるには己が何をするべきか。 “人狼”とやらが捕まるまでこの騒動が続くのであれば、人に紛れる物ノ怪を捕まえなくてはならないのか。 方法は?手段は? 常人とどうして判別できる? なんの力も持たぬ己が出来る事を考えなければ。 そんな思考を張り巡らせて。]
慕われる念いは、解るつもりだ。
[からころと下駄を響かせて。 傘も持たぬ其れの肩には、少しずつ雪が寄り添って往く。 己を慕う者の在る、己の店へと足を進めた。]
(1) 2011/01/05(Wed) 03時頃
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[華族の女学生が連行されてしまった事も、異国の軍人が襲われた事も翌日弟子より聞かされる事となる。 帰路を歩く下駄の音。
まだそれは少しだけ先のお話**]
(2) 2011/01/05(Wed) 03時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 03時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 18時頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 21時頃
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―三日 自宅・傘屋―
[店へと帰ったならば泣きそうな顔で弟子が出迎えてきた。 手には小粒金一つ、客がきたとの話を聞き一本見繕って欲しいとの言伝も聞いた。 この御時世に珍しい。 話に聞いたその男は弟子と歳も近い程か。 何やら朱い傘をよくよく見ていたと謂う。 ならば長さは、重さは、色はと幾つか合わせていたのは昨日の夜の話。 そしていつもの通り店をあけた朝、華族の娘と軍人の話を聞くのであった。
昨日の帰路考え念う事はあれど、矢張り店をあける事に変わりはなく。 しかし確実に芽生えた意志はある。]
(31) 2011/01/05(Wed) 23時頃
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[さて肩とり合い進む女子が先か、風の知らせに傘求める客が先か。 其れは変わらず店の中、降る雪凌ぐ鮮やかな傘一本一本手を込めて。 作業の音は外にまで聞こえていようか、聞こえていまいか。]
(34) 2011/01/05(Wed) 23時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 23時半頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/05(Wed) 23時半頃
親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/06(Thu) 00時頃
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―傘屋―
「ああっ、明里さん!新年明けましておめでとうございます!」 [元気よく声をかけたのは弟子の方、にこにこ笑顔であるかと念えば次にはモジモジ赭ら顔。]
「あの、その、もしもよければ、これ…っ!! あっあっああ!親方、親方この方ですよ!昨日いらっしゃったのは!」
[手に握る何か少女に渡すことも出来ぬまま、忙しく客人を中へ通す。 其れは突然活気の佳くなる店についていけず、ぽかんと客を見るばかり。]
(48) 2011/01/06(Thu) 00時半頃
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[挨拶返され上機嫌な弟子の手に握られるは一体何か。 渡せぬままに客人へと向いてしまったのだから仕方なし。 も一度渡そうかと意気込んで見るも親方に頭撫でぐり回され、茶を入れてこいと小間使い。 ろまんす近場に落ちていようぞ、少女はきっと気付きもしない。]
明けましておめでとう、御二方。 店が明るいのも何時振りかな。
[向けるは笑み、店先に腰掛けて。 朱い色に白の格子、そんな唐傘を手に。 客人の目に留まるだろうか。 会話の邪魔に成らぬよう、目配せ一つ送っても見る。]
(55) 2011/01/06(Thu) 01時頃
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人狼について、か。
[いつぞや己があの軍人にした質問と変わらぬ、あれからたった数日しか経たぬというに長く日にちが過ぎ去ったよう。]
詳しくは知らんよ、噂話に聞く通りさ。 新月の夜に姿を変えて、夜な夜な人を襲うんだろう? 柴門さんが連行されて、今は華族の娘さんも共に。 異国混じりの軍人さんは、被害にあったと聞いたまで。
騒動終わるは何時になるやら。 厭な年明けになったもんだ。
[小さな小さな溜息ひとつ。 知りうる情報を口にして、其れは少し困った顔をして見せた。]
(57) 2011/01/06(Thu) 01時頃
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[喜んで貰えたようで。 唐傘広げて渡して見せる。
朱に白の薄い格子、握り手や骨は一番に佳い竹で。 重さは軽く、けれども背丈には少しばかり広い傘。]
気に入るようならそのままお持ち下されば。 お代は先に払って頂いた、あれで十二分。
[青年と少女の話も耳に留めつつ。]
(64) 2011/01/06(Thu) 01時半頃
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人狼。
[告白一つ、去る背中に向けた表情は陰るもの。 手の内残る唐傘はあの客人でなければ意味がない。]
人狼だと。 追わなくて構わんのか?
[此方を見上げる明里に問う。 あれは人を襲う人狼か、それとも襲わぬ人狼か。 己は追わぬと謂うように唐傘一つ握るだけ。]
(72) 2011/01/06(Thu) 02時頃
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親方 ダンは、メモを貼った。
2011/01/06(Thu) 02時頃
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