241 線路上の雪燕
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〔ペラジーからの返事はどうだっただろう。 その場にはイアンも居て、漸うシェリーはほんの少し緊張を和らげた。〕
……へーきよ。
〔腕は、という言葉にふいと首を振ったのは 狼にやられた、と言えば 帰れといわれてしまうかもと危惧したからで
それとなく差し出されたハンカチを、 躊躇いながらもありがとうと受け取った。〕
イアンさん、 ……ありがとう
〔なんといっていいかわからなくて、 彼の提案にただただ感謝の言葉を告げる。〕
(3) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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〔と、彼の視線が向いた先に、赤毛が見えて――〕
キャロライナ! 追ってきたの
〔危ないわ、と続けようとして、 そんな事を言えたものではない、 とシェリーは気がついた。
小さく、ごめんなさい、と零した。〕
(4) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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〔やがて〕
……四人で行きましょう。 見届けましょう。
〔その提案は聞き入れられただろうか。
……もしかしたら五人に増える、 なんてこともあるかもしれないが。**〕
(5) sane 2015/12/03(Thu) 10時頃
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〔己でも苦手な夜に飛び出していくとは思っていなかった。 シェリーはキャロライナの言葉を聞いて、俯く。〕
…………冒険、じゃないわ。 でも……
〔危ないよ、という彼女の言い分は尤もだった。 それに、あの少年がどうなっても シェリーが今すぐ死ぬわけではない。 そう心の中の大人が囁くのに、 まだ心の中の子供は飲み込めないままで。
ペラジーが>>14傷口を確認した方がいいのでは、という。 イアンの体調も確かに心配だった。〕
…………ごめんね
〔少年の顔を思い浮かべながら呟いた。 傷口から血がぽたりと落ちた。〕
(24) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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〔枯れ草を見下ろしたシェリーの耳に、 キャロライナの「ごめん」が入ってきて、 面をあげて頭を振る。>>23〕
ううん、キャロライナは何も悪くないわ。 ……そうね、 ペラジー君の言うとおり、戻りましょう。
〔傷ついていない方の袖を引かれて、 ぱちりと瞬きをすると、 夜風に少し冷たくなったキャロライナの手を握り、 漸う、頷いた。〕
(25) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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〔ざわざわと枯野がゆれる。 人々が持つランタンの火がゆらゆらと揺れて 少し遠くに、 静かに雪燕が佇んでいるのが見えただろうか。*〕
(26) sane 2015/12/03(Thu) 21時半頃
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ちゃんと洗って返すわ。
〔しかし血は中々落ちないものだから、 どうしたものかと内心で考えている。 イアンがくしゃみをした>>36ので、 心配そうに其方を見た。
やれやれ、という言葉に眉を下げる。
麦畑にぽつりぽつりと響く声。 運び込まれていく人影。 きっと狼にやられた人間も、それ以外もいるのだろう。〕
〔聞こえた呟きに複雑そうな顔で彼>>51を見て〕
(58) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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〔雪燕の鳴き声が夜空に響き渡る。〕
(59) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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…………いっけない!
〔そろそろ出発するぞと、そう報せる様なその声に シェリーはハッと顔をあげた。 傍らのキャロライナの言葉に苦笑した。〕
二度ある事は三度ある、ってね…… 置いてかれないようにしなきゃ!
〔大丈夫。腕は痛むが、ちゃんと走れる。 シェリーはキャロライナに手を握られながら、 置いていかれないために精一杯走った。
最後に、もう一度だけ。 狼が消えていったほうを振り返った。*〕
(60) sane 2015/12/04(Fri) 09時半頃
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― 雪燕 ―
〔やがてたどり着いた雪燕にて シェリーはキャロライナの手を改めて握り返しながら ラウンジ車へと向かう。 傍に居てくれるのが嬉しかった。
「温かい飲み物のサービス」>>#3も 開始されていただろうか。
キャロライナが苦笑するのに対して 「車掌室にて行っておりますが、今は……」と ラウンジの者は言葉を濁した。
怪我人が多いのだ。 騒動に紛れて、東国の娘も気絶したらしい、 という事をきけば キャロライナは一体どうしただろうか。〕
(61) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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大丈夫よ。ありがとう。 傷口、洗ってくるね
……それより 手当てが終わったら 蜂蜜入りの温かいミルク、飲みなおさない? すっかり体が冷えちゃったでしょう。
〔冗談めかしてそういえば彼女はどう答えただろうか。
一等車か車両間のトイレには洗面器もあるだろう。 そこで傷を洗うと、どろりと血が流れていった。
それを蒼褪めた顔で眺めてから、己の個室に一旦戻り やたら重い荷物から消毒液の類を出して塗りつけ、 布を巻いてとりあえず処置を完了する。 それ以上はきっとスウェルグについてからだ。〕
(62) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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〔ハンカチについた血は洗ってもとれそうにない。
どうしたものか、と悩み 新品のハンカチと貸してもらったもの、両方持っていく。
もしイアンに出逢うことがあれば、 血が落ちないことを説明して 新品の方を渡そうとするだろうが、さて。
それからはラウンジ車にて時間を過ごした。 ミルクから立ち上る湯気は、 宵闇の恐怖を夢と錯覚させるような柔らかさだ。
忘れないために、布の上から傷む腕を押さえた。〕*
(63) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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そういえば、何故私にオルゴールを?
〔そこに居たペラジー>>57に、 改めて聞きなおすこともあったかもしれない。〕
〔ラウンジの人もまばらになった頃。 個室にてオルゴールの蓋を開けた。
車窓から外を見れば 傾いた望月が地平線に消えていった。 暁の色が空ににじんだ。 遠く、海が見えるような気がした。
時計を確認する。 腕の痛みを堪え、ノートを鉛筆をとった。〕
(64) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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― 22項目 ―
『5時56分』
『二時頃。鉄道警察の人が来たの。 家出の子を――私が三等車で会った子を探しているようだったわ。
眠れなくなったから、赤毛の子、キャロライナと、それから東国の紳士さんとラウンジでお茶してたの。 そしたら、雪燕が急に停車して 『化け物』を追って鉄道警察の人が駆けていったわ。 ペラジー君からオルゴールを託されたり、して。
私もね、 どうしても堪え切れなくて雪燕を降りたの。 だってあの子が化け物とは思えなかったんだもの。 でもね、 月を背にして私を襲った、あれは確かに狼だったわ。
それからイアンさんと、キャロライナと、ペラジー君と一緒に雪燕に戻って……』
(65) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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『おばあちゃん。 世の中には不思議なことってあるものね。 あの子は結局どうなったのかな。 家族のところに戻れたらいいのに。』
(66) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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〔そこまで書くと、溜息をついてノートを閉じた。〕
〔オルゴールの子守唄の様な旋律が、 疲れきった人々の夢に溶けていくように、 静かに流れていった。〕**
(67) sane 2015/12/04(Fri) 10時頃
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― 回想 ―
〔キャロライナが一等車に向かうというのであれば いってらっしゃいと手を振って見送り 己は傷口を洗いに行った。>>74〕
〔それから、イアンの姿を探していた。 彼はラウンジで、紅茶からゆらりゆらりと湯気が立ち上っていた。 新品を差し出すと、「いいよ」と彼は笑って断ったが いけないわと渋ると、苦笑しながら受け取ってくれた。 人の好い青年なのだ。>>81
その後貰った「ほんとうに」というお咎めには眉を下げて、 反省した風に「はぁい」と答えた。
飛び出した事を後悔はしていないけれど 怖かったことはたしかだから。〕
でも、イアンさんだって無茶しちゃだめなのよ
(89) sane 2015/12/04(Fri) 22時半頃
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〔風邪ひいたら大変、と コートを着ていなかった彼に対して小さく言い返した。
彼が何故狼をペラジーと追っていたのか、 詳しい事はしらないままだ。 彼ももしかしたらあの少年の事を知って――――〕
…………? 弱い?
〔イアンの口からでた不明瞭な言葉に、 こてりと首を傾げた。〕
キャロライナがその場にいたなら、 温かいミルクを蜂蜜入りで頼み一緒に飲んだことだろう。
それから席を立とうとしていたペラジーに声をかける。〕
(90) sane 2015/12/04(Fri) 22時半頃
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「よろしければ、持っていてください。 『月のゆりかご』という子守歌です。」
〔彼はそれだけ答えた。>>70 ミステリアスな微笑みに シェリーは再度首を傾げることになるが 答えない、というならそれもまた答えだ。
けれど、 ハート型の装飾が施された素朴なオルゴール そこにどんな物語があったのか いつか、知れたなら、とも思った。〕*
(91) sane 2015/12/04(Fri) 23時頃
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― 午前7時40分の少し前 ―
〔起きて静かに廊下を歩いていたシェリーは 二等車の一角で小さく軋る何かがあるのに気がついた。 そちらに近づくと、どうやら扉が開いているようで 部屋の中ではらり、はらり、髪を揺らしながら 男性>>86が酒瓶を抱え込んで眠っていた。
お疲れなのね。
シェリーは覗いてしまったことを内心謝りつつも その扉を静かに閉めた。〕
(130) sane 2015/12/05(Sat) 20時頃
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― 午前7時40分 ―
〔こん、こん。 まどろみの中、ノック音で目を醒ました。 扉を開けると、老齢の車掌が廊下を回り 乗客を起こしていた。〕
む〜……やっと、ついた、の……
〔シェリーは眠い目をこすりながら、出る支度をする。 やがてくろがねの圧力が抜け、 劣化したプレートが見える頃 重たい荷物を提げて、スウェルグの地に降り立った。*〕
(131) sane 2015/12/05(Sat) 20時頃
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〔風が ふわりと、潮の匂いをここまで運んできた。
靡いて邪魔になる髪を思わず手で押さえながら シェリーはスウェルグの駅構内を見渡した。
あの少年も、何事もなければ今頃は―― ……考えていても詮無いことだ。
近づいてくる軽食屋などを、「今はいいわ」と断りつつ 駅のホームを歩いていく。
トヨタの姿を見たなら、 「おはよう」と明るく挨拶をしただろう。>>129
歩くうちにペラジーと出逢うことができただろうか。 イアンの鳩が不機嫌に鳴いていたかもしれない。>>110〕
(135) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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おはよう! 私は大丈夫よ。この通り元気元気! …………うん、そうね。
〔空元気はすぐにしゅんと萎んでしまうが、 ペラジーに声をかけられ>>124 俯いていた顔をすぐにあげる〕
ちょっと引き攣るけど、もう平気よ。 えっ。うーん……悪いわ。
〔どうやら荷物を持ってくれる、という提案らしいが そこまでさせてしまうのは、と渋ると、 「宿を決めていない」という言葉が出た。
シェリーは朗らかに笑い〕
(136) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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ああ、そういうことなら、 うちに泊まればいいんだわ 大丈夫、おばあちゃんは口は悪いけど根はいいひとよ
〔そうしてイアンの手荷物の方を、といおうとしたところ、 彼が断ったので、>>131 ペラジーとイアンのやりとりのあと、 じゃあ、ちょっとお願いしてもいいかしら、と 彼に荷物を運ぶ手伝いをお願いしてみたかもしれない。〕
(137) sane 2015/12/05(Sat) 20時半頃
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〔キャロライナが来たとわかれば、 シェリーはぱっと顔を綻ばせただろう。 新聞を読みながら軽食を食べる様子に、 「おじさんみたいよ」とちょっぴり苦笑したものの。
イアンとペラジーのひそひそ話はきこえない。 東国の紳士を見上げて、「おはよう」と挨拶した後、 彼の口から飛び出た言葉に首を傾げた。〕
さくらこ、さんに会えたのね。よかったわ。
〔結局彼がおつきの人だったのかどうかは分からずじまい〕
ペラジー君は女の子だったのね? 気づかなかったわ
〔勘違いに勘違いを重ねた。〕
私、シェリーっていうの。貴方のお名前は?
〔そんなことを聞きもしただろう。〕
(152) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔ペラジーに荷物を渡したのは、 彼がイアンと話を終えた後。>>151〕
……あのぅ、重すぎ、とかだったら、遠慮なく言ってね。
〔荷物を持たせることにまだ抵抗があるのか そんな事をいって――目を見開いた。 両手で手を握られた。いつかのやりとりを思い出し〕
いいのよ! 困ったときはお互い様よ。
〔気恥ずかしさに頬を薄ら染めながらも、 にっこり笑って、その手を受け入れた。*〕
(155) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔ホームを出る際、〕
スウェルグに 「青いうみねこ亭」って料理屋があってね、 まあ、気が向いたら来てちょうだい。
〔キャロライナやイアン、トヨタの姿を見たなら そんなことを伝えたかもしれない。
振り返った先には仕事を終えて静かに佇む雪燕。
「ありがとう」と小さく呟いて、 シェリーはホームを後にした。*〕
(156) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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― それから ―
〔「青いうみねこ亭」
蒼い海の波音が耳に届きそうな街の一角。 鮮やかなゼラニウムやパンジーの花が、傍らで零れるように咲く扉をくぐれば、古めかしくも小奇麗な料理店がそこにはあって、白髪の少し気難しそうな女主人が、最高の笑顔を振りまいて客を出迎えてくれる。〕
おばあちゃん、ただいま!
〔そう言って、シェリーは出迎えた祖母に突進する勢いで抱きついた。 少々遅れてやってきた孫娘に、祖母は驚きながらも、口元を綻ばせる。
遅かったじゃないか。列車の旅は疲れただろう――大丈夫よ、楽しかったわ。話す事もたくさんできたの――そうかいそうかい。まあまずはお上がり……おや、そちらの人は――〕
(157) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔孫娘といくらかやり取りした後、ペラジーが共にやってきていたなら、彼を見て老婆は訝しげな顔をしただろう。 シェリーが幾らかの経緯を話すと、ふふんと鼻を鳴らし〕
「泊めろ、だって? また急な話だねえ。 マ、おまえに免じてこの子を信用するとして、だ。 ゆっくり朝飯でも食いながら この子とおまえの話をじっくり聞かせてもらおうじゃないか」
〔ペラジーを「この子」と呼びながら、 老婆は短い列車旅で出来た娘の友人の宿泊を許可したのだった。*〕
(158) sane 2015/12/05(Sat) 22時頃
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〔ミス、で途切れた言葉を追うと、 紳士はなんとも言えない微笑を浮べていた。 そこにある意味も知らないシェリーは、 ただ彼を見上げて言葉の続きを待つ。
と、後ろから「ペラジーは私ですが……?」と 彼>>161の声が聞こえた。 キャロライナの訂正を聞いて漸く理解する。>>163 やっぱり男の子だったらしい。〕
そうよね。
〔まあ、外国の人からすれば色々とわかりづらいのかもしれない。顔の違いだとか、名前の違いだとか。〕
(169) sane 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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〔そこは軽く流すことにして、 トヨタ・ココノエと名乗る紳士の言葉に、 「まぁ」とほんのり驚いてから>>159〕
お仕事、って、そういうことだったのね。 かっこいい。
じゃあ本当に貴方の名前が歴史に残るか、 三十年後に確かめることにするわ
〔そういって、 こちらは能天気にころころ笑ったのだった。*〕
(170) sane 2015/12/05(Sat) 22時半頃
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わかったわ。 その時は、皆に自慢しちゃう。
[手をとられたので、きょとんとして彼を見上げた。] [それから、彼がしたことにはびくりと体を固まらせて あわあわと取られた手の指先を屈めもした。]
……もう!
[恥ずかしいやら、なにやらで半ば怒りながら するりと手を引くと 複雑そうな面持ちで彼を見ては]
お元気でね。
[そういって、”西洋式”の挨拶を ――きちんとした作法で――返したことだろう。>>173*]
(192) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― 青いうみねこ亭 ―
[柔らかな微笑みと会釈に、 シェリーの祖母も気をよくしたようで>>174 おいしい朝飯をつくるから待ってなさい、と やる気のよう。
ペラジーに問いかけられたシェリーは]
そうね。まずは、そこから話しましょう。
[雪燕に乗るまで。乗ってから。 その短くも濃密な時間を語っていきましょう、と 彼の言葉に同意した。>>174]*
(194) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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『きょうは おみせがおやすみです。 いいてんきだから おばあちゃんといっしょに おでかけができます。
かえりに おいしい おかしをかってもらうんだ』
(198) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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― エピローグ ―
[キィ、と扉が開く音。 からん、とベルが鳴る音。 こつん、と杖を突く音。 かちゃり、鍵を閉めた音。
陽射しが柔らかに差し込む店の中。
「いくよ」
老女は静かな声で 二階の居住スペースに居る人に声をかけた。
「はぁい」と返事をして日記を閉じた少女が駆けてくる。 丸い目に、柔らかな茶髪が印象的な少女だ。
少女が掌を差し出すと、 小さな手を皺くちゃの手が握り返した。*]
(199) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[記念公園の一角に、それは安置されていた。]
「おばあちゃん、ここがおばあちゃんの来たかったところ?」 「そうよ」
[そう答えた老女の視線の先には、 黒い古びた車体がある。 かつては黒く光っていたボディも、今は煤けて、 老兵のような趣をかもし出している。]
「今の列車と全然ちがうね、おばあちゃん」
「そうね。私はこれに乗って来たのよ。 この重そうな体が、 たくさんの人を乗せて、寒い中を走ったものよ 走るときに鳥のように囀りもしたわ。」
(200) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[老女は懐かしそうに車体を見上げながら言う。]
[たった一晩の旅でも、沢山の出会いが詰まっていたと。 リコリスのような赤毛の少女に、 人の好いやさしい青年。 気立ての良い紳士は、 老女の実家でとある酒を購入してくれたそうだが、 その後の行方がわからなかった。
東国の紳士に、異国のどこか寂しげな少年。 金髪の物憂げな青年。 それから――…………]
「スウェルグでもいろんなことがあった筈だけど…… どうしてかしらね。 何十年経った今も、たまに夢に見るのよ。 あの列車の旅を」
[そういってガーベラの花束を列車の傍に添えた。 海風が深く皺の刻まれた顔を撫でていった。]
(201) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[瞬きを一つ、二つ。 老女は少女の方に向き直り、笑顔で言う。]
「帰りましょうか。 途中でおやつを買ってあげる。 それで、暖めたミルクに蜂蜜をいれたのと一緒に頂きましょう」
「わぁい!」
[喜ぶ少女の手を引いて、
「雪燕」に一礼すると、その場を去った。*]
(202) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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[家に帰り着いた少女は、 ポストの中に封筒が投函されているのを見つけた。
指輪などが詰められた小さなオルゴールを 鳴らしては撫でている老女にそれを渡す。
老女は差出人欄をしげしげと眺めると]
あら、あら。
[ふふ、と微笑んで、懐かしげにその名前をなぞった。 差出人は――。 **]
(203) sane 2015/12/05(Sat) 23時半頃
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