114 bloody's evil Kingdom
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ひぃっ――……
[不用意に近寄ってきた男の胸に パイプオルガンの管の先が刺さった。
手に伝わる感触。 噴出す血。
鋭い悲鳴を上げ管を手放す。]
(1) 2013/02/21(Thu) 00時頃
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[>>2:583手を伸ばすのに、慄くように離れる。 焦点の定まらない男の瞳に映るのは、 恐怖に青白く唇を振るわせる顔。]
きもち、わるい。
きらい、きらい、きらい。
[>>2:584未だに笑みを作る口元に狂気を感じる。 もう、男の顔を女は見ていない。
流れる涙、一つにと言う声。 見たくない、聞きたくない。]
(8) 2013/02/21(Thu) 00時頃
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もう、何も言わないでよ――……。
いや、なの。 あなたの声、何もかも嫌なの。
大嫌い。
[>>2:585あたしから奪ったもの――。 あたしに注ぎ込んだもの――。
全てが怖く、全てが嫌。
ずっとの声が呪詛のように響いた**]
(9) 2013/02/21(Thu) 00時頃
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――教会――
[近寄ってくる騎士>>40の姿はまだ視界に入らない。
今の姿は、赤いドレスを着ているかのように、 返り血で染まっている。 乱暴に裂かれた衣服の切れ端が、、 拘束していた痕跡を残すように腕に絡まっている他、 着ている物は何もない。 よく観察すれば、陵辱された強く握られた場所は赤く。 股間から股にかけて、 破瓜の血と横たわり死んだ男の吐き出した精で、 汚れている事が分かるだろう。]
あっ、あっ、いや、いやぁああっ。
[騎士と最初は気がつくことが無かった。 大丈夫と声を掛ける言葉に、瞳が僅かに反応する。 男の声に、怖がり、震え、怯えるように、 しゃがんだ女は腰が抜けたように後ずさった。]
(77) 2013/02/21(Thu) 03時半頃
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[先程まで共にいた男を恐れていたかのように、 此方には向かってこなかった化け物。 それらを>>41大剣で薙ぎ払う様。
かけられた言葉は理性ある人の声。 よく顔を見れば、王国の騎士団の団長と、 一度、豪商である父と共に城に上がった際、 遠くからだけど父から教えられた事があった。]
フ、フェイエン様――……。
ああぁ。
[安堵の声を漏らしたのも束の間。 背に乗れというけれども、 今の姿で背に乗るなんて、できそうにない。 声に急かされるように、周囲を見渡せば。 まだ何とか着れそうな修道女の外套が目にとまった。 股間から流れる穢れが気持ち悪かったけれど、 そのまま羽織るだけにする。]
(78) 2013/02/21(Thu) 03時半頃
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た、助かりました……。
ああ、助けて頂いて――……。 フェイエン様、感謝致します。
ああ、あの狂った男は――……。
うっ、ぅっ、――……。
[自分を穢し陵辱した男は、 満足そうに微笑んだまま死んでいる。
その顔をみれば、また思い出してしまう。 なるべく顔を死体から背けたまま外套を身に纏い、 指示された通りにドナルドの背に乗った。
下着を身に着けていない外套だけの身。 羞恥に染まりつつも、裸で背に乗るよりはまし。
ようやく人心地が着いてぽろぽろと涙が零れた。]
(79) 2013/02/21(Thu) 03時半頃
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お城に……向かってください。
[家族の安否を確かめたかったけど、 既にアイリスに告げたように悲しい現実があるだけだろう。 そして、今、それを確認する気力は失われていた。]
あの男が化け物を手引きしたに違いませんわ……。
[道中、城内でヨーランダの魔法を破った事や、 教会でも化け物を寄せ付けなかった振る舞い、 それらを根拠に、今回の騒動の原因かもしれないと――。
騒ぎを起こしている当人であるとも知らず、 助けてくれたと信じているドナルドに告げるだろう。
無事に城に着けば、身体を清めたいと願い。 アイリスの所在を尋ねる心算**]
(80) 2013/02/21(Thu) 03時半頃
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――城へ――
はい、フェイエン様……。
[>>96確り捕まっていろとの言葉に、 続くドナルドの言葉を聞いて、 恥ずかしながらも、その背にしがみ付く。
言葉通りに勇猛さを発揮する様に、 さらに腕に力を入れる。
でも、外套一枚だけの身で強く抱く事。 胸が自然とドナルドの背に押し付けられる事になり、 背の上で顔が赤く染まる。]
(176) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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あの男が……。 あたしを攫って……。 ぅぅっ、――……。
ヨーランダさんやアイリスも……、 きっと証言してくれると思います。 あの異常な男の振る舞いを。
[>>97道中、尋ねられたあの男にはこくり頷く。 攫われたとの言葉に、涙を流しながら。 騎士団員を代表して謝罪するとの言葉には、 ふるりと首を振った。
普段のクラリッサなら我侭を言い、 ドナルドをうんざりさせるような言葉を吐いただろう。 でも、ムパムピスによって陵辱され、 精神も肉体も疲労が募っていたので、 そこまでの気力が無かった。]
(177) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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――城内――
[>>98城内に戻った事に、無事に生きて帰れた事。 それを感謝するように主への祈りを奉げた。 あまり信仰心があった方ではないけど、 助かった奇跡に感謝したいと言う様に。
それでも、城内で悲劇的な訃報を聞けば、 再び、気を失いそうな程、動揺を受けたけど、 ドナルドの護衛の提案と、手の甲に落とされた口付け。 それで辛うじて身体が崩れるのを防いだ。]
あぁ――。
フェイエン様に護衛して頂けるだなんて、 身に余る光栄ですわ。
お忙しい騎士団長の御身なのに。
(178) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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[護衛については、それでも時間の許す時でと、 一応の配慮を見せる。 他の騎士、見知らぬ男が傍にいるのは怖い。 ムパムピスによって抉られた心に見知らぬ男への恐怖。 忌避する感情が生まれていた。]
フェイエン様、いいのです。
この事件を解決する為なら、あたし……。
[>>98改めて、男の事を聞きたいとの言葉に、 表情を凍らせながらも、震えるように小さく。
医師の部屋へと向かったドナルドを見送ってから。 道案内を任された騎士によって、 身を清める為に用意された部屋へと向かう。
後ほど、再び――。 あの男の事を話せねばならないのかと思うと憂鬱になる。 今はこの身の穢れを洗い落としたかった。]
(179) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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――城内・洗い場――
[案内する騎士から僅かに離れつつ移動する。 以前案内された客間近く。 滾々と沸く泉がある小さな洗い場で、 強く、あの狂った男の痕跡を流すように、 露になった肌を洗う。 どれだけ、泉の水で流しても、流しきれない。 そんな思いに包まれる。 洗わないとそこからあの男の狂気に染まりそう。 そんな考えに痼疾しそうになる。]
(181) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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[ムパムピスの顔が時に脳裏に浮かびあがる。]
ひっ、いやっ――……。
[肌を洗う手が凍り、身体が縮こまる。]
[暫し凍ったまま荒い息を吐く。
でも、それと共にアイリスの事。 ヨーランダに向かって投げ飛ばされた様。 自分が攫われた時の鮮明な記憶故に脳裏で瞬き、 怪我は無かっただろうか。 あの後、別の化け物に襲われなかっただろうか。 そんな不安が頭に浮かぶ。]
(183) 2013/02/21(Thu) 21時半頃
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[かなりの時間が経過してから、 ようやくクラリッサは洗い場から離れる。
機転が利く騎士だったのだろう。 老婆がクラリッサが最初に通された部屋から、 クラリッサの衣装を用意して持ってきていた。 老婆が着付け、身支度を整えるのに身を委ねる。]
探さないと、――……。
[護衛故にと言う騎士に、一言告げ、 アイリスを探しに、廊下を歩き始めた。]
(196) 2013/02/21(Thu) 22時半頃
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――城内廊下――
[攫われた時に廊下にいた低級なスライム。 >>2:260のヨーランダの魔法で処理されたのか、 スライムの痕跡は無く焼け焦げた痕が残るだけ。]
フェイエン様もあれを、 懸命に食い止めてくださっていたわ。
無事よね。 きっと、きっと。
[城門の脇の地面に、此処は通さないという意志。 それを見せるように刺さった大剣を心強く思う。
今の城内の様子ならアイリスに危害が迫っている、 逼迫した状況は過ぎ去ったと見てもよさそう。 あのような狂気に満ちた人が何人もいるとも思えない。 でも、やはり無事な顔を見ないと落ち着かない。]
(219) 2013/02/21(Thu) 23時半頃
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――城内廊下――
あっ、フェイエン様。
[廊下をアイリスの居場所を探すように歩いていると、 >>220向こうからドナルドの姿が視線に入った。]
改めて、感謝いたしますわ。 こうして、生きて此処にいられることを。
[ドレスの裾をつまみ、膝を折り身を低くして、 元の豪商の娘らしい礼儀で、お辞儀をした。]
あと、その――……。
[でも、確かドナルドは事件の詳細をと言っていた。 アイリスを探せないままなのは不安、 そして、嫌な記憶に再び触れる事になるけど、 ドナルドの頼みも無碍にはできない。 命の恩人と思っているから。]
(230) 2013/02/21(Thu) 23時半頃
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[>>237向けられた笑みに、 硬くぎこちなかった顔の表情が緩む。]
ああ、フェイエン様。 護衛の為にあたしを捜していてくれていただなんて、 身に余る光栄ですわ。嬉しい。
[忘れる方が先との声に、さらに表情が和む。 ドナルドのような立派な騎士がいれば、 王族の不幸は耳にしたけど、この城も安泰と思う。 真実を知らないまま。 そっと頬に伸びる手を、 ドナルドの言葉に癒されるよう。 涙がうっすらと浮かぶ瞳を細めて受け入れた。]
もう、安心していいのですわね。
[触れた手 ――触手―― から首に媚薬が注がれると、 少しだけの刺激に微かに吐息が漏れた。]
(244) 2013/02/22(Fri) 00時頃
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[忙しい身である騎士団長が、 約束したからと言ってくれた事に感激する。 今、城内で頼れる人との思いを強くする。 頬をそっと撫でる手。 注がれる媚薬の熱に気づかない。]
……はぁ、……。
[言われて気が付く。吐息が熱い事に。 身体が経験した事の無い疼きで重いような。]
(259) 2013/02/22(Fri) 00時半頃
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あたし、――……。
ああ、フェイエン様の仰られるとおりですわ。 無理してはいけないのかも。
お部屋まで、お願いできますでしょうか。
少し横になれば、熱も――……。
[そう言い掛けた時、僅かに腰が落ちる。 陵辱の記憶を肉体はしっかりと覚えていた。
確実に注がれる媚薬の刺激で――、 *さらに身体が熱くなった*]
(260) 2013/02/22(Fri) 00時半頃
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――城内廊下――
いいえ。お気になさらないで。 フェイエン様は悪くないのですから。
……。
[>>264陵辱の事を思い出させる言葉に、 顔が強張り、さらに気分が悪い様な有様となる。
あの時のムパムピスとの行為は、 痛み、苦しみ、絶望、恐怖、様々な負の思い出。 それでも、咄嗟に伸ばし抱きとめられれば、 弱弱しく、ドナルドの所為ではないと告げた。]
(325) 2013/02/22(Fri) 11時頃
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――……。
悪い気、そうなのかもしれません。 ああ、きっと、そう。
[性の快楽は未だ知らない。
だから、注ぎ込まれた媚薬が起こす、 熱い疼きに理由を付けるドナルドの言葉を、 クラリッサは素直に受け入れ抱えられるまま、 部屋へと運ばれた。]
(327) 2013/02/22(Fri) 11時頃
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――クラリッサの部屋――
今は、大丈夫です。
――――はぁ、……んっ、……。
[ベッドに降ろされると、 クラリッサにとっては払う術を知らない、 この熱を追い払うように顔を左右に振る。 湧き上がる熱を吐息として漏らしつつ。 欲しいものはとの問いへの返事ともなった。 ベッドで休めばとの思いもあって。]
フェイエン様……。 勿体無いお言葉……ぁ……。
[相手は一国の騎士団長を勤める人物。 豪商とは言え庶民である身。 告げられた美しいとの言葉に、 騎士らしく口付けようとするドナルドに瞳を閉じ赤面する。]
(328) 2013/02/22(Fri) 11時頃
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ひっ――…。
[でも、まだ――。 あの陵辱の記憶が生々しく残っていて。 今は、未だ注がれた媚薬の効果よりも強く。 ベッドに横たわる身体。 感じるドナルドの重みに、身体が強張り。 思わず、手で強く拒否してしまう。]
あぁ、っ。
フェイエン様……その……。 お許し下さい。 お気持ち、感謝しております……。
でも、でも、怖い……、怖いの。 [怖いのは、あの時の記憶か、 それとも、まだ理解できない媚薬による疼きなのか。 クラリッサ自身にもわからない。]
(329) 2013/02/22(Fri) 11時頃
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クラリッサは、ミナカタ医師に後で身体の変調を見てもらうべきかと思った。
2013/02/22(Fri) 11時半頃
クラリッサは、ピッパ、あのヨーランダと一緒にいた騎士は恙無いきや。
2013/02/22(Fri) 11時半頃
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フェイエン様は、……。 あたしの、あたくしの事を思って、 そう、思って接して下さったのですから……。
[ああぁ、と小さく声を漏らす。]
――、お顔をお見せ下さい。 その方が、きっと安心できます。
[着席したドナルドに、涙で濡れた瞳を向ける。 伸ばされた手に、それでも微笑んだ。 顔が見えなかったら、あの男の顔が浮かんでしまう。 嫌なのに、あの顔は嫌なのに。]
朝まで――……。 フェイエン様が傍に頂けるのなら、 怖い夢も、見なくて済みそう……。
[伸ばされた右腕に、怖ず怖ずと手を伸ばした。]
(336) 2013/02/22(Fri) 12時頃
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[冗談交じりのドナルドの言葉に赤面する。 握り締められた手に手を包まれ、 安心して欲しいとの言葉にこくりと頷いた。]
フェイエン様――……。 あたしも、フェイエン様のような勇壮な騎士と、 共に過ごせ、身に余る僥倖でございます。
でも、あまり見ないでください。 月の明かりとは言え、寝顔を……その。 恥ずかしいのです。
[恥ずかしさの赤か、 それとも媚薬の赤か顔を火照らせる。]
(342) 2013/02/22(Fri) 12時半頃
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もう、そんな言葉は忘れてください。
でも、そう我儘なら――
あたしの事は貴女でもお嬢さんでもなく、 クラリッサと。
そう名で……呼んでくださいませ。
[ドナルドの思惑に世間知らずのクラリッサは、 気がつくこと無く。
その常時のような冗談に、 目を細め、くすっと微笑んだ**]
(343) 2013/02/22(Fri) 12時半頃
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