237 【リアル人狼RP村】蜉蝣の村【半身内】
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―アナウンスと邂逅と―
[小さな容器をすっかり空にしてしまえば、もう一本ぶんの灰を作って。 それから自身も、個室へと戻っただろう。
そうして聞こえたアナウンスに。 どこか億劫げに閉じていた目蓋を、ゆるりと持ち上げた。]
…副作用? まあ付き物といえば付き物か。 僕らに任せずに、さっさと向こうで調べれば良いのに。
[文句は言いはするものの。そう"頼まれた"のであれば、強く反発する事もなく。 にわかに騒がしくなった廊下を思えば、他のモニター達も同じく行動を始めたのだろう、と。重たい身体を動かして、渋々と廊下へ出た。]
(7) 2015/08/25(Tue) 09時半頃
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……、 ヨアヒム、…さん?
[初めに聞こえたのは物音と悲鳴>>1。 自分の聞き慣れぬその声は、直接会話を交わしたことの少ない男のものだっただろうか。 気弱げな姿を思い描くも、こうまで声が乱れることもそうないだろう、と。
ただならぬ気配に僅かに足を早めて近付けば、更に数人>>0>>2>>4が集まってきていたか。]
いったい何の騒ぎです? すみません、入らないなら失礼しても…?
[立ち竦むレティーシャの背中>>4に声を掛けて、横へ退いて貰おうと。 けれど彼に道を開けて貰うまでもなく。その奥に見えた異質な色に、俄かに動きを止めた。]
(8) 2015/08/25(Tue) 09時半頃
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………、は、?
[放心する数名の間から視線を巡らせて、けれどそれでもはっきりと見て取る。 褒めそやされた理解の速さは、こんな時でも健在だったか。
部屋を染める赤に。 その色の元に。 不自然に減った"彼"に。
順繰りに丁寧に、目を通すことはできた。 理解も――できてしまったと言うべきか。]
(9) 2015/08/25(Tue) 09時半頃
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――……ッゔ、
["悪食"。 思考の奥には、先のアナウンスの言葉が蘇る。 とうてい普通の状態に見えないこの場所が、ならば何によって作り出されたか、想像するのは容易い。
ぱし、と。口元を手で覆って。 そのまま数歩、ゆっくりと後ずさる。
異質さに疑問やら文句やらを叫ぶよりも先に、喉の奥から込み上げる吐き気に押し出されるように。 僅かに歪む足取りで、その場を離れようと。
人前で粗相だけはしたくないと、もはや意地にも近い。**]
(10) 2015/08/25(Tue) 09時半頃
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―自室―
[一杯まで開いた蛇口から溢れる水流を、茫洋と眺める。 胃に入れた物は粗方戻したか。それでも血中まで溶けて染みた即効性の薬は、未だ残ってはいるのだろうけれど。 痙攣じみて震える胃を服の上から抑え込んで、収まらない呼気を無理やりに吐き出して。 苛立ちめいてひりつく呼吸器官を叩けば、更に数度咳き込んだ。]
………ッ、は、……ゔ、
[真っ白なシンクの中で渦巻く水流さえ気色が悪くて、嫌に力の抜けた指先で蛇口を捻る。 閉じ切らない水栓から漏れる水音の中で、そのままずるずると脚の力を抜いて、洗面台に凭れるように膝を落として。 喉に残った苦い味を飲み込む気にもなれずに、縋るように喉に爪を立てた。]
――――…くそ、…なんだよあれ、
[見るんじゃなかった、なんて、いっそ楽観的な思考で脳が埋まっている内はまだ、幸いかもしれない。 空になった胃が収縮するのに苛立ちめいて奥歯を噛んで、けれど噛み合わぬまま、薄くかたかたと鳴った。
しばらくそのまま。 遅くとも、空腹に耐えきれなくなるまでは。**]
(24) 2015/08/25(Tue) 14時頃
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[眩暈めいてぐるぐる、先のシンクに似て渦巻く思考が僅かなりとも収まったなら、ようやく壁に手を付いて立ち上がる。 残る吐き気と不快感と、空になった吐瀉物の代わりに込み上げるのは――憤り。]
――そうだよ、わけがわからない。 なんだよ、……なんでだよ。
[何一つ理解できない。 理不尽で堪らない。
耳の奥に残るアナウンスも。 網膜に焼き付く鉄錆の赤も。 ――そのふたつが示すところも。
理解できないし堪らない。 自身が巻き込まれているのなら、尚更。]
(28) 2015/08/25(Tue) 18時半頃
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―自室→広場―
[息を切らして広場へ辿り着けば、先客を一瞥――する余裕もない。 脇目もふらずに、常より大きく靴音を鳴らして。 広場の入り口、扉の方へと。]
――おかしいでしょう!? どうしてまだ実験が続けられてるんだよ!!
人が――…、死んでるんだぞ!?
[外部と通信できる――はずの手段は、その程度だったろうか。 僅かに痛む喉を張って叫んでは、幾度かインターホンのボタンを押して。 それから切羽詰っては、握った拳で扉を叩いた。 反応はあったか、なかったか。]
(29) 2015/08/25(Tue) 18時半頃
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――――…っ、くそ、 僕達はモルモットでも――ラットでもない。
[どのみち理解ったのは、この実験が未だ終了しないということか。 ――理解したくもなかったけれど。
未練じみて扉を緩く叩きながら、短い爪を立てて。 ふざけるなよ、と毒吐いては。 口内に残る苦みに込み上げる嘔気に、軽くむせ込んだ。]
(30) 2015/08/25(Tue) 18時半頃
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[聞き覚えのある声で返ったのは、如何にも申し訳なさそうな言葉>>#3。 その内容は、そう騒がしくもない室内にも聞こえはしただろうか。
言い訳じみた言い回しも、変わらない事実も。 全てが耳を通れば、変わらず溢れるのは腹立たしさ。]
何を呑気なことを、………っ、?
[握った拳に力を込めれば、爪が手のひらに食い込む。 それすら気にも掛けずに、尚も言い募ろうとした文句は。 一転変わった声色に、語られる言葉に>>#4。 反射的に呑んだ息と共に、霧散した。]
(46) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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……は、え、 なにを、……?
[続ける言葉を失っては、代わりに震える息が漏れる。 嫌にはっきりと告げられる言葉は、確かに思考を通って意味を成していっているのに。 理解ができないとばかりに、相手の顔も見えないインターホンを開いた瞳で見つめた。]
……それは、つまり。つまりさ。 ひとを殺せって言ってるのか…?
[震える声は、殺せ、と。自ら絞った言葉に、更に大きく揺れて途切れた。]
(47) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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[返答の代わりに、かたりと音を立てて差し入れられる"器具"の箱。 それを確かめる気にもなれずに、扉の前にずるずると屈み込む。
獣に襲われたくなければ、と。 どこか愉しげな女の声は答えたけれど。]
――――…っ、 ……僕達は獣じゃない、…人間だ。
人間の世界に。 食物連鎖なんてあってたまるかよ…!
[こんな場所で、こんな理由で。 命を脅かされるとは誰が思おう。 しかも人道的とは到底言い難いやり方で!
空っぽのはずの胃が震えるのは、決して嘔気だけではない。 止まぬ不快感に口元を覆って、代わりに滲んだ涙は喉を鳴らして呑み下した。]
(48) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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フィリップは、ヨアヒムに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 21時頃
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[女性――青山からの返答は、広場の他の人物にも聞こえはしただろうか>>44。 そうでなければ伝えるべきだとは思えど、冷静に報告をする余地は未だどこにもない。
ただ、蹲る背中に聞こえたヨアヒムの声>>45だけは、耳鳴りめいた聴覚も拾っては。]
―――…おかしい、 狂ってる、………っ、
[震えた声で、変わらぬ詰まった声で、それなのに。 暗に自己犠牲を仄めかすような、その声が。
自分には到底理解が出来ないと、八つ当たりめいて呟いた。]
――――いやだ、
[何より一番苛立ちを覚えたのは。 自分の代わりに彼が犠牲になってくれるのならばその方が良い、なんて。 一瞬でも過ぎった、潔癖とは程遠いその思考。
もはや何に対してか、誰に対してか。――吐き気は止まない。*]
(51) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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フィリップは、リーに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 21時半頃
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[非現実めいた現実は到底受け容れ難い。 もはや何も聞きたくないと、耳すらも塞いでしまいたくて、 けれどそこに聞こえた張り上げる声と、自身を追って叩かれる扉の音>>59。]
……グレッグ、
[扉伝いに伸ばした手は、彼の袖なり何なり、掴むことは叶っただろうか。 誰かに縋り付くなんて――今まで一度も、した事はなかった。許せなかった、のだけれど。
何にせよゆるりと顔を上げれば、何度も見たはずの笑顔の面影も無く。
――だけれど。 彼の姿は誰よりも、正しく思えた。 人間の心理なんて単純なもので。自身と同じ行動を取っていただとか、そんな些細で都合の良い理由だとしても。 初めにどこか眩しく感じた、瞳の光はそのままに。
彼は"まともである"と。 ――願望か確信か、それでもそう思う。 そう思いたかっただけかも、しれないけれど。*]
(64) 2015/08/25(Tue) 22時頃
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[誰か一人を、と、言われたのならば。 【イアン】を選ぶことになるだろうか。
全員と等しく言葉を交わした後では、こうなるならば誰とも視線を合わせず、社交辞令すらも捨てて、関わりを断つべきだったのかと――思いはするけれど。 それもどの道、たらればの話。 何より自身の矜持が、きっとそれを許さない。
――ならば、ただ "被害者の部屋の前でかち合うことがなかった" なんて。 チープな推理小説よりも安直な理由で選んでしまう自分に。 矜持なんてものが適用されるのかと問われたなら?]
……やった、なら。 この中にいるなら。 自首のひとつも――してみせろよ…。
[結局は責任逃れめいて、もしも自分だったなら果たせないような進言――否、文句を。*]
(65) 2015/08/25(Tue) 22時頃
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[祈りめいて吐き出した声に弱々しい反応が返った>>66なら、弾かれたように顔を上げた。]
ふざけッ、――…ないで、ください。 僕にあんな、………っ、
[何度でも甦る、"犠牲者"の惨状。 あんな獣じみたことを自分がすると思われているのか、と。 未だ残るなけなしのプライドに、水の膜の滲んだ瞳で睨めつける。 目蓋の裏のフラッシュバックに、憤って上げた声はだんだんと勢いを無くしたけれど。]
――――ッ、 …、その、箱は。
[見つめた表情は、自身に負けず劣らず酷いものだっただろうか。
――疑心と、生存欲。
睨む視線は力を失くして、そのまま彼の近場の箱>>60へと落とされた。 代わりに覗き込む勇気なんて、ありはしないけれど。]
(70) 2015/08/25(Tue) 22時頃
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フィリップは、ネルに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 22時半頃
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―アナウンス前/グレッグと―
[伸ばした手は袖を掴んで、見上げた視線は腕の向こうで黒い瞳>>74に辿り着いた。 初めは軽んじて敬語すらも挟まなかった彼に、いったい今更何を求めているのだろうかと。]
……ごめん、
[視界の隅で、僅かに血色を失くして白む拳と。 強張った表情は、笑顔のなり損ないだろうか。
明らかに無理をさせていると知れば、ばつの悪い心地で謝罪は落とすけれど――それでも荒いだ呼吸は多少なりとも落ち着く。
はくりと呼気を鳴らしながら次ぐ言葉を探して、だけれどどのみち。 無情なアナウンスに、掴んだ手は自然と離れることになったか。*]
(82) 2015/08/25(Tue) 23時頃
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―レティーシャと、それから―
[返った謝罪と、絶え絶えの言葉>>73。 いっそ耳を塞いでしまいたかったけれど、結局それは叶わずに。]
わかってる、……わかってます。 ……でもそんなの、
[彼の言うことはきっと正論で、そうして今も消えぬ"悪食"を残した誰かが、この空間に必ず居る。 考えたらそれこそ気が狂ってしまいそうな恐怖と、絶望とに。耐えられる気なんてしない。
力無く繰り返される謝罪は、それを癒してはくれたか――もしくは助長させるだけ、だったか。]
……誰を、……"選ぶ"のか。 決めないと、
僕はまだ、……死にたくない。
[彼の言う"色々"が何かなんて、考えたくもなかったけれど。 何より自分の保身で、箱の方へと視線を向けた、とき。]
(83) 2015/08/25(Tue) 23時頃
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……っ、イアンさん…!?
[背後から聞こえた叫び声と足音と――箱に伸びた手>>77。 びくりと肩を揺らして、驚愕めいた声を上げることこそすれ。 それを止めることなんて、自分にはできやしない。
反射的に伸ばした力無い手は随分と遅れた上に――自身だって同じく。 誰を疑うかと問われれば、彼を疑ってしまいそうなのだから。]
――――、くそ、
[照明を浴びて閃いた刃物の銀の光と、それを持った男の切羽詰った絶望の顔。 穏やかに会話を交わした面影は、何処にもなくなってしまったようだと。
呆然としたレティーシャ>>80の声が追い打ちをかけるようで。 中途半端に上がった手は、結局ゆるゆると降ろされた。]
(84) 2015/08/25(Tue) 23時頃
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[レティーシャに近付くリー>>86と、呆然めいたレティーシャの声>>87と。 イアンの去った方を見遣ったなら、ネルの姿>>89も視界に飛び込んだか。
どこか心をざわめかせた"綺麗な"表情は、もはやそこにはない。 彼が美徳とするもの。彼が嫌うもの。 そんな事知る由もなかったけれど――今まさに仮面を払ってを感情に染まる彼の、何と皮肉なことか。]
……あなた、らしくもない。
[呟いた言葉は決して侮蔑ではなかったけれど。 もしかしたらどこかで、彼がこの状況でも変わらずあることを、期待していたのかもしれない。 一度崩れてしまったヒトは、余りに脆い。*]
(90) 2015/08/25(Tue) 23時半頃
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…何か、…そうだ、なにか。 止められる物でも、あれば。
[恐る恐るようやく箱へ近付いて、ようやくその中を見る。 並ぶ凶器に、奇妙な色の瓶に。 渡された目的を――"使い道"を想えば、眩暈に似た戦慄を覚えたけれど。
震える息を吐きながら箱へ手を伸ばして。 けれど、その中に。 拘束具に使えそうなものは、到底見つかりはしなかったか。]
(91) 2015/08/25(Tue) 23時半頃
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[傍から伸ばされたリーの腕>>93に、荒げられた彼の語気も相まって、僅かに肩を揺らした。 武器目的ではなかったとはいえ、彼より先に得物を探ったのは自分だろうに。]
り、…リーさん。 …大丈夫――なんです、か。
[それが自身へ振り下ろされる事などないだろうに、思考の内で繰り返される"処理"なんて言葉>>#4を思い出して身構えては。 意識して、それを解くように努める。
――彼がやってくれるなら。 それは余りに狡い思考だとは知りつつ、止める言葉などある筈がない。
インターホンへ近付く背中>>97に、期待と不安を籠めた視線を向けて。 小さく繰り返された呟きの内容は聞こえども――それがどこか恐ろしく思えたなら、咄嗟に声を上げた。]
――ぼくも、
[行きます、と。 もう一言だけ続けるだけ、で、済んだろうに。 震えた声は、終ぞ掛けられないまま。]
(100) 2015/08/26(Wed) 00時頃
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[そうして、ネルの笑顔の下で留まった言葉>>94>>95を、自身が知る術は無い。 それでも淀んだ言葉の、その空白に収まるのは――果たしてどんな感情か。]
……、心配なんて。 する余裕、ないです。
[向けられた視線がどこか自身を責めるようにも思えたのは、ただの被害妄想に過ぎなかったのだろうか。
ここへ来てからの短い間で。 彼から何度、礼の言葉を聞いたかは覚えていなくとも。 少なくともこの時の言葉に、感謝の気持ち>>96が返るはずがない。 ――返せるはずが、ないと。]
それとも貴方は、あるんですか。 僕の言葉を気遣いだと受け取って喜ぶ余裕が、あなたに、あるんですか。
(101) 2015/08/26(Wed) 00時頃
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――…俺は、
[そんな出来た人間ならば、それこそ先を切って立つべきだと、思う、けれど。 彼に、"そう在って欲しい"のか。 自身を越えて、"そう在って欲しくない"のか。 それすらも理解らないまま向けた言葉は――願望と、それから嫉妬。]
――――ッ、
[八つ当たりめいた感情は、それでも今更取り消せなどしない。 止まらぬ口元を止めるように手で覆って、そのまま背を向けた。*]
(102) 2015/08/26(Wed) 00時頃
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[先程手に取った、濁った茶色の瓶。 レティーシャの焦った声>>99は聞こえど、それを手放すことがなかったのは、先の視線>>96ゆえか。]
…だ、駄目だったなら、 ――眠らせる、くらいなら。
[落とした視界に映るのは、睡眠薬のラベル。 適切な量なんて。知るはずが、ないけれど。
――だとしても。 先立って"誰かを殺す"のが。 模範であってたまるものか。
蓋には未だ、手は掛からない。]
(103) 2015/08/26(Wed) 00時頃
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[リーからの返答>>104は、思った以上にはっきりとした肯定。 続くことのできない言葉は飲み込むまでもなく。
伸ばされた手のひらへの反応は遅れたけれど――それでも触れられる事はなかったか。]
…………ぁ、
[手にした瓶を取り落としては、無機質な音を聞いた。 目的を果たさずに離れた腕に向けた名残惜しげな視線は――決して認めたくはなかったけれど、彼への無意識の甘えは――行く先を失くして彷徨う。]
なんでだよ、……、
[離れ際に向けられた笑顔が。 今まで見た中で、一番それらしい物に見えて。 それだって全く何も理解できずに――零した声はこんな時でも、八つ当たりめいた。
随分と遅れて持ち上げた腕は、半端な申し出と同じく、その背に届くこともない。*]
(110) 2015/08/26(Wed) 01時頃
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[空になった手を握れば、椅子を手に取るグレッグの姿>>105。 同じく――否、"自分とは違って"続こうとする彼と、視線を見合わせる事になったか。]
……っ、グレッグ、 どうすれば、
[困惑めいて名前を呼んでは、けれど彼に応えを求めるのがどんなに無責任なことかも、理解ってはいる。
自分はいつだって正当な正解を導き出してきた、はずなのに。 結局こんな時、ろくに言葉を選ぶ事すらままならない。 だって、誰にも教えられなかった。]
……大丈夫って、言って、…た、けど。
[なんて、人の言葉を盾にした言い訳は、震えて途切れる。]
(111) 2015/08/26(Wed) 01時半頃
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[どれ程の間、そうしていただろうか。
大分の間を置いて、ようやく覚悟が決まったとばかりに――実のところ覚悟なんてある筈もないのだけれど――リーの背を追ってイアンの部屋へと向かう事にした、はず。
グレッグへの同行は、無理強いはしないけれど。 彼から離れるとなれば更にもう少し、時間が掛かったか。*]
(112) 2015/08/26(Wed) 01時半頃
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―イアンの部屋近くにて―
[想像以上に脆く柔らかいヒトの身体が、 凶器によって潰れる音>>109。 戸惑いを孕んだ、生存者の声。 無音の断末魔。
何処まで聞き届ける事が出来ただろうか。 何処まで聞き届けて、しまっただろうか。]
――――…ッ、
[少し離れた廊下の端から見届けた――もしくは目撃した事後の光景は。 何にせよ、紛れも無い"殺人現場"。
たたらを踏んで、忌避するように壁に背をついて。 たとえそっと追って来ていたにしても、もはや隠れる意志すら二の次。]
(114) 2015/08/26(Wed) 01時半頃
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う、……、
[正当防衛。必要悪。 ぐるぐる巡る言葉は、無意識での彼への弁護か。それとも自身への言い訳か。
同行者には、ろくに言葉も交わせずに背を向けて。 そのまま足音を立てて廊下を走り去っては、適当な曲がり角で膝をついた。]
(115) 2015/08/26(Wed) 01時半頃
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――くそ、なんなんだよ、 いやだ、もう、……かえりたい、
[絶えず繰り返した現状への否定。疑問。不満。もはや常套句。
その後ひとり離れたグレッグの行く先>>106も。 道中空の手を携えて、震える声を漏らしていたレティーシャ>>113のその後も。 執行者になってしまったリーの、その先も。
見届けることはないまま、顔を腕で覆っては暫し目を閉じた。
暗い視界の奥。 快活に笑うイアンの顔ばかりが、
巡る、 巡る、 ――巡る。**]
(116) 2015/08/26(Wed) 01時半頃
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