224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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[予定通り辿り着いた店で、店主自慢のボルシチを。]
何故わざわざこんな毒々しい赤に染めるんだろうな。 …旨いけど。
[よく煮込まれた肉野菜のスープは、冷えた身体に染み渡る。 ビーツの赤に染まった煮汁とサワークリームを共に口にして…]
そんなこと言っていいのかね? 俺の人使いの荒さは相変わらずだぞ?
[皮肉めいてそう言って、匙を口に運ぶ。 最後の仕上げは寝ずにやらねば間に合わないと思っていたから好都合だ。 猫の手でも悪ガキの手でも借りたい。]
ま、終われば休める、さ。
(14) 2015/05/25(Mon) 09時半頃
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[押し掛け弟子の分も当然のように支払い、あれこれ買い出しを頼んで工房へ戻る。
帰路。吹き抜けた、やけに冷たい風。 下半身の芯まで冷えるようなそれに思わず身を竦めた。 肉付きの薄い身体には、そんな寒さは殊更堪える。 今年は荒れそうだ。そんな予感がした。
工房へ戻り、炉へと火を入れ、 最後の仕上げ…と、長い髪を結わえて作品へと向かう。 太陽の代わりに街を照らす灯りを…]
(15) 2015/05/25(Mon) 10時頃
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[ピシリ]
……くっ!?
[木々の根元に飾ろうとした、黒兎の七宝細工。 その尻尾のあたりにヒビが入り、剥げ落ちた硝子のかけらが指先を傷つけた。 白いヒビに曇った兎の尻は、まるで凍りついたかのよう]
雪鬼《スニェク・ディアボル》……。
[思わず口にしたのは、古い伝承の名]
まさか、な。あんなものはガキのしつけのための作り話さ。
(16) 2015/05/25(Mon) 10時頃
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[結局明け方まで作業は続き、何とかギリギリで仕上げた祭り用の盛大なランタン。
ここ数年の物よりも更に美しく、見事なものに仕上がったはずだ。
一か所、撤去された兎の場所に有り合わせの小さなナイフを飾ったのだけが納得いかないものだったが。]
(57) 2015/05/25(Mon) 22時頃
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[眠い欠伸を噛み殺し、祭りの会場をぷらつく。 コートのポケットに突っ込んだ指先には、シミーシカが巻いてくれた白い包帯。
スジは悪くないし器用なのだろうと思う。 だか、そこがきっといけない。 小手先だけでうまくいくから、基礎もなってないのに誤魔化すような派手なものばかり作りたがるところがあるから…]
…ねむ。
[流石に根を詰めすぎた。黒スグリのジャムを落とした濃い紅茶を屋台で買って。 温かい湯気に、目を細めた。]
(63) 2015/05/25(Mon) 22時頃
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ヴェスパタインは、満足げに飾られた灯りを眺めた。
2015/05/25(Mon) 23時頃
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……さむ。
[こういう日に体を温めるのはやはり酒精に限る、のだけど…… 今呑んだら寝る。絶対寝る。
肩すくめつつ暖を取りに行こうかと足を向けて……]
…おぅ。 [昔馴染みの黒い姿に片手をあげた。]
(76) 2015/05/25(Mon) 23時半頃
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ん、なんとかギリギリ間に合わせたぜー。 今年のは割と自信作。
[眠いなりに誇らしげに出来を自慢して。]
アリーニャも大変さなぁ。 折角の祭りなのに、アレのお守り、だろ?
[手紙に書かれてた事情を思い出し、あの肉包子のことをやんわりと揶揄ったりとか。]
ま、久しぶりだし楽しんでけよ。 天気は…ちょっとアレっぽいけどさ。
(81) 2015/05/26(Tue) 00時頃
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そうさなぁ…。
良くガキの頃は親に言われたもんだ。 夜になったらあったかくして寝なさい。 寝る前にジュースを飲みすぎちゃダメよ。 そんな夜には悪い子のところに雪鬼が来て、お尻を凍らせてしまうんだからね、って。
[寒い日に子供がお腹を冷やさないように。おねしょをしないように。 そんな感じで親たちが躾の為に語る迷信。 おねしょで濡れた下着が冷たくなったら、きっと尻も凍るだろうと。]
お前んとこの大将ンとことかに来なきゃいいねぇ……雪鬼。
(88) 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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……言えてら。
[なかなか凍らない大きなお尻を思い浮かべ、小さく噴き出した]
いっそあの大将を差し出して、凍らせるのに手間取ってるうちに、雪鬼の奴を溶かしてやりゃいいんじゃね?
暖炉《ペチカ》の、火かき棒《デレッキ》でさ。
[雪鬼《スニェク・ディアボル》を倒すにはペチカで熱したデレッキで叩け。 そう言いだしたのは誰だったか。 そりゃまあ確かに、熱いデレッキでなら倒せそうな気がしなくもないか。]
さて、寒いから中…入ってるよ。 [軽く片手を上げて、暖を取りにいった。**]
(95) 2015/05/26(Tue) 01時頃
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[宿に入って、知り合いたちに御苦労さんと労われて。
ホットワインを奢られたのは、非常にまずかった。 いや、味は最高だったし、酒は強い方だ……普段、なら。
まだ無理は効くと思っていたが、やはり不眠不休の精密作業は思った以上に負担になってて……。
よもやホットワイン一杯で突っ伏して眠り込んでしまうとは、一生の不覚。]
(124) 2015/05/26(Tue) 20時半頃
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ヴェスパタインは、テーブルに突っ伏して、完全に寝入ってる。
2015/05/26(Tue) 23時頃
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……ぅ。
[やたらとやかましいヒステリックな叫び声に、長い髪の頭をむくりと上げた。
寝起きの機嫌の凄まじさは、弟子ならきっと覚えているだろう。]
…うっせぇ。
[ふらりと立ち上がると、手近にあった水差しの中身を肉包子に向かってぶち撒けた。]
(171) 2015/05/26(Tue) 23時半頃
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…おぅ。 うるせぇ、つってんだこの肉包子。 こちとら祭りの準備で疲れてんだよ。
[ひっくり返した水差し持ったまま、完全に座った目で転がり落ちたゴムまりを見下ろす。 周りの事情とか色々は、知ったこっちゃない。]
(183) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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[「女みたいな」
その言葉は完全に地雷だった模様。 雪道仕様のブーツの踵は、誰か止めないと豚肉をミンチ肉にしちまいかねない勢いで、肉包子の鼻先へ]
(186) 2015/05/27(Wed) 00時頃
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ええい退けっ! そこの失礼な口を潰して一生ブヒブヒしか言えんようにしちゃるっ!!
[体格の良いアランに抑え込まれれば、流石にそれ以上の物理的御無体は届かない。 じたばた暴れてるうちに疲れりゃ、またへたり込んで寝ちゃうんだろうけど。]
(198) 2015/05/27(Wed) 00時半頃
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ヴェスパタインは、流石に二人掛かりでは鎮圧されますにゃ。
2015/05/27(Wed) 00時半頃
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[騒ぎの元凶は取り押さえられて、腕の中でくたんと眠りに落ちる。 本人は多分寝ぼけてた時のことは、起きれば綺麗さっぱり忘れるんだからまたタチが悪い。 黙って寝てればお綺麗なのにね。]
(204) 2015/05/27(Wed) 01時頃
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