205 Fluch〜禁忌の恋愛村〜
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ン、だよ?
[唇の端にへばりつく羽根を拭い遣りながら、彼等を睨みつける。 二人組は嗤い、問うた、
思い出したよ、 革命しに帰ってきたのか?
多重禁忌とは お前は顔も趣味も父親そっくりだな
堕天使
群衆は悲鳴を上げる。穢らわしい目付きで自分を見下ろす。 無理矢理執政官に腕を掴まれ、立たされ、更に二度三度殴られる。]
(147) 2014/12/11(Thu) 02時半頃
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革命? ―――……何の事だ。
[久しぶりに父の事に触れられた気がする。背筋が泡立つ。 しかし、多重禁忌を口にすると云うコトは。]
あー お迎え、ですかネ。
[小さく肩を竦めて、目を閉じる。 どうせ残り二年の命なのだ。然し、
それは早送りで、今、 終えよう、 と、]
(148) 2014/12/11(Thu) 02時半頃
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――――――ッぐ、ぁあ゛っ、アアアアッ!!!!
[頭に風穴が開く事は無かった。その代わり、肩が千切れそうな激しい痛みを訴える。見やれば、真っ赤になるまで熱された鉄を宛がわれていた。肉が焦げる小気味よい音が、却って不気味だ。異臭が鼻腔をつく。]
は、ぁ、 ……っ、ぐ、 う゛、
[涙に視界を滲ませるなか、顎を掴まれる。
悪魔の男は、 どこだ? 吐け、
どうやら、旧友はまだ捕まっていないようだった。それで良い。こんな苦悶は、やはり、味合わせてはいけない。]
知らねェ、
[一言吐き捨てるように言い、執政官に唾を吐きかける。刹那、]
[絶叫。]
(149) 2014/12/11(Thu) 02時半頃
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[ 多重禁忌者が簡単に死ねると思うなよ―――――
意識を失う事も叶わず、ただ、只管。 灼熱の焼き鏝を押し当てられなら、自分は叫ぶ。 永遠の拷問を、その身に受ける。
嗚呼、来てはいけない。*]
(150) 2014/12/11(Thu) 02時半頃
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[不意に店の入り口が開き、男が一人入ってきた。 腕に怪我を負っているようだが、それでも鍛えられた体躯は目を引いた。 最初に思い浮かべたのは警察でも兵士でもなく、執政官]
……同志?
[だから予想外の問いかけをされ、怪訝に聞き返してしまう]
ええまぁ。学生運動はやってますが、それが何か?
[足元の物資に忍ばせている拳銃のことを、そっと意識の片隅に登らせる]
(151) 2014/12/11(Thu) 03時半頃
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ああ、あなたがヒュー・バートさん。 初めまして、フレデリカです。 リッキィで通ってますので、そちらでも。
[自己紹介もそこそこに。 自分たちの活動について問われれば]
禁忌なんてものがあるのはこの町だけですからねぇ。 外の学生には外の学生なりの主張があるとは思うんですけど、じゃあ私たちと連帯できるかと言われると。
外に訴える? 人間族が大半を占める外の世界に、禁忌のことを? ――人間族に対する扱いだけは改善されるかもしれませんが、それで禁忌が無くなるかと言われると、甚だ疑問ですね。
(152) 2014/12/11(Thu) 03時半頃
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[ジャーナリストを通じて、世論を動かすと目の前の男が言えば]
いなくもないですが、世論を動かせるような大物じゃないですね。 というか、そんな大物と知り合いなら運動するまでもないです。
[そう答えながら、そもそもそれでは遅すぎると内心思う。 仮に世論が動いたとして、世の中はいつ変わる? 50年後だろうか? 100年後だろうか? そしてそれまでに、禁忌の犠牲者は何人出ることだろう。
『現下の大問題の解決は演説や多数決によってではなく、鉄と血によってなされる』
古い時代のとある国の宰相の言葉だが、真理だと思う]
(153) 2014/12/11(Thu) 03時半頃
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――ああ、軍の方でしたか。 道理で鍛えてらっしゃる。
警戒心が跳ね上がる。 先程の男の言葉は本心からのようにも思えたが、……優秀な調査官なら、笑顔と共に嘘を吐き出すことだろう。
だから自分も、そうすることにした]
ん、お互いこの町のルールを変えるため、頑張りましょうね。
[連絡先を尋ねられれば、電話番号を教える。 自宅の電話番号によく似た、後から確認されたら「すみません間違えました」で済むような、……存在しない架空の番号を]
それじゃ、またいずれ。
[本心と真逆のことを、笑って言い放った]
(154) 2014/12/11(Thu) 03時半頃
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[ヒューを見送った後、物資に再び目を落とす]
クシャミさんとあの男が繋がってたら、あれは無事に届いてないわよねぇ。 考えすぎだった、……かな?
[その警戒に腐心していたせいで、もうひとつの違和感……男のバートという姓については、結局何も聞けずじまいだった]
――早く帰ってきなさい、クシャミさん。
[官憲も執政官も気になる。 チアキのかわりの運び屋の手配もしなくてはならない。 何より、恋人の身が心配でしょうがない。
やきもきするような気持ちで店主の帰りを待つ。 戻れば礼も文句もそこそこに、注文の品を抱えて店を出た。
この店に何があるのか>>146など、最後まで知る由もなく**]
(155) 2014/12/11(Thu) 03時半頃
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教育を受けたいって 小さな女の子が銃撃受けただろ あれで何も変わらなかった?
外からの介入が一番の早道だよ
[外との関わりをこれまで彼らは試したことすら無い様だった。それとも彼女が知らされて無いだけかもしれない。自分でも思いつく様な方法を、他がしてないというのはおかしな話だ。
もしかしたら、暗黙の了解として、自分の考えたひどい仕組みは本当にあるのかもしれない。天使と悪魔、珍しい生き物を絶やさない様に。]
それに自分の代で 全部片付くわけないだろ それならすでにこんなルールなくなってるよ
[自分が助かりたくて性急に、世界を変えたいわけではない。叶うならそれは幸いだろうが、どうせ友人はあと二年で死ぬ
終われ逃げる生活をするのなら、 抵抗を続けたいだけだ 目の前の少女に自分の言葉は届かないまま*]
(156) 2014/12/11(Thu) 04時頃
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ー商店街ー [高い塀に囲まれ、 町のものが覗き知ることのできない 軍の駐屯地まで行ければ 町のルールが届くことはない]
あいつ、ふらふらしてないだろうな とりあえず一緒に連れていって 保護してもらうしかない
[そう考え自宅へと 友人を迎えに行こうとした最中>>149 街中で悲鳴があがる
女や子供の叫び声と 男の苦しむ声]
(157) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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・・・!
[まさかと、声の聞こえる方 人だかりの方へと走るとそこには
地面に押し倒され、棒の様なものを 押し当てられ苦しむ友人の姿
怒りで、声をあげそうになったが それは耐えて、 人だかりの中をこっそりと彼らに近づく
下卑た笑いで、友人を見下ろし 彼を苦しめる執政官たち]
(158) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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その人なんかしたの?
[その瞬間、邪魔だと振り返りかけた 焼きごてを押し当てていた方の背に 左肘を全体重を込めて振り下ろす
ゴキリと嫌な音とともに 一人は崩れおち、焼きごてを取り落とした
友人を見下ろしにやにやと笑っていた方が 一歩遅れて、顔をあげ、 臨戦態勢に入ろうとするが
手順どおりの想定で、 容赦なく、腹部を狙って蹴り上げる
股間にでも当たれば万歳だが 腹でもいい]
(159) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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大丈夫、。。じゃないな 立て!!
[苦しむ友人を無理やり立たせ その間に、うずくまる執政官ふたりの 足首を踏みつけそれを折っておく
上がる絶叫
人混みもそれをみて散っていく 自分が何をするかわからないと 恐れたのだろう]
(160) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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いくぞ
[焼け焦げた衣服とむき出しになった やけどのあとが痛々しい
苦しげに走る彼をむりやり引っ張って あまり急がずとも、執政官二人が 自分らを追うことはできないが
それと反対側の肩を掴んで 彼を急かす]
あれを借りよう
[ちょうど、納品するために 止まっていた宅配の軽ワゴンに 未だエンジンがかかったままだった
助手席に友人を乗せて走り去る。]
(161) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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[駐屯地は、何箇所かのゲート以外からは 中へ立ち入ることはできない
自分はここにくるつもりでいたから パスも財布に入れたままだ]
入れて!
[門主にパスをかざして頼み中へといれてもらうが 部外者はと、門の前で止められてしまう]
なんだ、うーん 亡命みたいなもん!!!
[外にいたらこいつは殺されると訴えて 大怪我をしていることや、殴られた後をみて、 医療室へは通された]
(162) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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[医師たちが、肩の重度の火傷をみて ここでは治療できないなどと言っている
では、自分と彼を外に連れ出してくれと 彼らに頼み込む
すると、自分の骨折の原因となった同僚が あの時の借りを返すと、 自分たちを車に隠して運んでくれるという]
(163) 2014/12/11(Thu) 04時半頃
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[自分は、 間抜けにも、それを信じて]
(164) 2014/12/11(Thu) 05時頃
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あ・・
[そこは薄暗い車庫の一画 友人に肩をかし、同僚の後をついて その場所へ向かった。
そして、その、同僚が 嫌な笑いを浮かべて、
ーー自分を撃った]
(165) 2014/12/11(Thu) 05時頃
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「大嫌いだったんだおまえが!」
「ミナカタの親友づらして そばをウロウロしてるのが!」 「で、連絡があった おまえたちが禁忌を犯してるって」
「ミナカタおまえもだ!
大事なやつが死ぬとこを ただ、じっと見てるといい 一緒に殺してやるなんて・・・」
[崩れ落ちる自分と、走り去る同僚の足音 今頃思い出す、彼も町の出身だったこと そういえば仲間のそばをうろうろしていた]
(166) 2014/12/11(Thu) 05時頃
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・・・まあ [自分が先でよかったとか そんなひどいことを考えながら
ぬるい血が辺りを覆って行く
死んだ後のことなんて 自分にはもう何もわからない
友人の声が遠いーー*]
(167) 2014/12/11(Thu) 05時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2014/12/11(Thu) 05時頃
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[ かみさま。]
[あなたがいるなら
その御心はなんて無慈悲なのでしょう。]
[ きっと神様なんか、この町にはいない。]
(+30) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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[男と二人折り重なって命が絶えてから 急速に時間は速度を増した。
霊安室で兄が泣いていた。 それからあれは葬儀だろうか。 わたしの おそうしき。]
―――、あぁ
[まぁるい瞳は、速く速く流れゆく景色を 幾つもの流星群のように、眺めていた。]
お兄ちゃん、ごめん。
[私は家に帰ろうとしていたんだ。 その前にクシャくんのお店に寄ろうとして そして、でも誰のせいでもない。 強いて言うなら自業自得。
参列した人々の喪服は 余計に哀愁を誘う。]
(+31) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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ばか
[ないてるじゃない]
わたしの、ばか
[かなしませた]
きらい
[うそつき]
でも、すき。
[わたしはさいごまで、利己主義だった。]
(+32) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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[終わってしまった命が これ以上何を出来るわけでもなく
生きられなくまで足掻くつもり、だなんて 足掻いたつもりが ただのバタ足で全然進まない感覚。
だけど、それでも 私は足掻いたんだ。 何も変えられなかったけれど 何も出来なかったけれど
私の生は、短かったけれど、それでも
生きたことに、意味はあった。]
(+33) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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[ああ、流れ星は映していく 生きている人々の命すら 潰えていくさま。
寒い寒い山の中、目を閉じた二人の光景。 お兄ちゃんがミナカタさんが、……]
ばか。 でも愛を貫いて死ぬなんて 自慢の兄だよ。
[愚兄だと罵ることなんて一度もなかった。 私はお兄ちゃんのこと、肉親として 本当に大切に思っていたから。]
(+34) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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[家に帰らない兄を憎んだこともあった。 私を騙して遊びに行った兄を恨んだこともあった。 小さな頃はお兄ちゃんお兄ちゃんと何度も呼んで それに応えてくれない兄に何度も泣いた。
それは兄が本当に好きだったから。 変な意味じゃない、私の感情は禁忌ではない。 これが誠の兄妹愛なのだろう。
兄を認め、兄を許し、兄をおもうこと。]
(+35) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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あれがクシャくん。
[私の葬儀に出てくれた、 大して私のことを知らないはずなのに。 なんだか可愛らしいひとだ、なんて少し笑う。
私が彼の人となりを知ることはないだろう。 最期まで会話するタイミングすらなくて もし運命が違っていれば、 彼を想うこともあったのかもしれない。 ――それは禁忌だけど、どうせなら 誰かを愛し貫いて死にたかったなんて我儘か。]
(+36) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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リッキィさんは、いきてください。
[細まる瞳。 この流れ星は見たくないものまで映してしまうらしい。 シメオンさんと、想いを交わす姿。 私はそぅっと目を閉じて、 だけど否定するわけじゃない。]
リッキィさん。リッキィさん。
[さいごまで言えなかった言葉を 今、伝えよう。]
(+37) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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貴女のことが、すきでした。
[届かなくていい。 届かないから言える。 彼女の幸せをただただ 願いたい。]
どうか、貴女は 生きてください。
[叶わぬとしても、希う。]
真摯に活動に取り組む姿、 世界を変えてしまいたい、ってそう思う貴女が 格好いいから、いつからか目で追っていたんです。 だから―――貴女の選択が私は嬉しい。
[革命を。起こせるのかどうか。 私にはわからない。だけど、そうしたいと思った意志は]
やっぱり素敵。
[微笑む。]
(+38) 2014/12/11(Thu) 07時頃
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