231 獣ノ國 - under the ground -
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[ゆらり、徒花の花弁が揺れた気がした。]
……そうだね。 ある時は、彼らを獣と罵り ある時は、彼らに”ひと”を重ね合わせ……
[随分と身勝手だ、と苦笑しては、]
――お前さんはどうして、ここに、
[いいかけた問いは、マイク越しに聞こえた声に遮られる。 彼はぱっ、と身を起こすと、 こちらを見たヴェスパタインの瞳を見返して]
行こう。
[そう云って、駆け出した。 アマルテアの切羽詰った声。 ――酷い胸騒ぎがした。]
(135) 2015/07/16(Thu) 00時頃
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[ 僕は鍵束を、 彼の布団の上に投げ出した 。 ]*
(136) 2015/07/16(Thu) 00時頃
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――→医務室
やめなさい!!!
[がらり、扉を開ければ、 地獄でもないのに濃い血の馨が漂う。
彼は惨状を目撃するや否や、 ジリヤとアマルテアの間に割って入り ひとまずジリヤを突き飛ばそうとした。
その血にぬれた髪が、 彼の腕に突き刺さることはあるだろうか。 それでも、一先ずアマルテアを守らねばと*]
(137) 2015/07/16(Thu) 00時頃
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や、め……。
[必死に腕で、ジリヤの攻撃から両目を守ろうと防御する。 これは、ケモノの瞳だ。と、アマルテアは思う。 ヒトではない。怒りに我を忘れた。ケモノの瞳。 腕からも血がとめどなく流れ出して。 段々と感覚も麻痺して行くのが分かった]
……っ。
[これは報いなのだ、と思った。 命を粗末にしてきた女には。当然の報い**]
(138) 2015/07/16(Thu) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/16(Thu) 00時頃
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…ぐっ…!
[突き飛ばされて、女医から引き剥がされる。その針の何本かは、月見の腕を傷つけて]
猿がッ!邪魔をするなッ!こいつはッ!こいつは殺さないといけないンだッ!どけッ!
[ふらふらと、立ち上がろうとする。突き飛ばされた時に足をくじいたか、その動きは鈍く簡単に止められるだろう]
(139) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/16(Thu) 00時半頃
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[やめなさい>>137、と誰かの声が聞こえた。 朦朧とする意識の中で、 彼女の瞳は確かにアキラの姿を捉えた]
……あり、がと。アキラ。
[助けが来たのだ。 安堵を感じると同時に、緊張の糸が切れるのが分かった。 もう限界だった]
ぜんぶ。急所は、外れてる。から。 地上の病院、へ。手配を。お願い―――
[小さく呟くと、アマルテアは自分の意識を手放すだろう**]
(140) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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―― 庭 → ――
[ むかし。 と、紡がれた声が鼓膜を叩いた。 男は彼のその前、――昔をひとつ、心に掛けながら、同僚の笑みを視界の端に押さえる。 男からすれば余裕を持っているように思える彼の ……昔とは。 そうして、男は次なる質問に首を傾げた。ああ、俺は何しに此処へ来たのだったか。 ]
私は、始めはただの ―――
[ エゴ、だった気がする。と言い掛けて、唇を閉ざした。寧ろ何故あなたも、と聞こうとした矢先に飛んだ音声と、 ]
―――急ぐのはあまり好みでは、……無いのですがねえ…
[ 視線の先>>132、彼が先に飛び出したなら、その影に続いた。 ]*
(141) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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―― →医務室 ――
[ 穏やかではない、と男は思った。 以前にも同じことを思ったことが、有る気がする。 同僚が間に入る手前、開け放された扉に手を掛け、中の惨状を伺う。 ―――そうして見つけた” 人 ”には、ほうと嘆息さえ流し込みながら。 ]
―――ジリヤ。
[ 同僚に刺さる「 針 」。 成る程鋭利な武器であると男は呑気に思った。 ―――そうして、彼女の名を、低く呼ぶ 。 ]
(142) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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…ッ!
[名前は、世界で一番短い、呪詛であるという。名を呼ばれて>>142、一気に引き戻される。…上着は、当然ながら、ボロボロになっていて。上着が一気に重苦しくなる。止めていないはず首のボタンが、絡んで首を絞めるような感覚がする。その香りが、体を責めさいなむ]
…ぁ、ぁ…!
[その声に縛られる。その声に縛られることを求めてしまう。もう求めれないことに、気づいてしまう。]
[下を向いて、やっと、動くのを止める。床に血以外の液体が、二三滴したたる]
(143) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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( はじめは、ただの?)
[ヴェスパタインの口から漏れた言葉を 追おうとして、 心の中に一つ留めた。 走り出してしまえば質問を重ねることはできず 「急ぐのはあまり好みでは無い」という言葉に 思わず、苦笑を零したけれど 同感だった。*]
― 医務室 ―
[ジリヤ>>139の華奢な体は男が突き飛ばすには容易く きらり、煌めく雪原の色の髪は 今は毒々しく血塗れていた。
――腕に突き刺さった何本かの針が痛みを齎す。 ぽた、ぽた、ぽた、と白に朱を塗りたくるように 薬臭いはずの医務室に凝る血の馨。
視界の端、アマルテア>>140が倒れ その唇が「ありがとう」と紡ぐのが見えた。]
(144) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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メティス先生……。 ご無理はなさらずに、って……言ったじゃないか。
[どうして、という問いは届かない。 意識を手放す彼女に、彼は険しい顔をして、 こくりと頷いてから] (……それじゃあ同じだ。まるでおんなじなんだ。 お前さんが嫌う”猿”と。 お前さんはそれでいいのか。)
[ふらふらと立ち上がるジリヤに向けて 苦虫を噛み潰すように思って
――ヴェスパタインが低くジリヤの名を呼ぶならば そちらはお任せします、と一つ、視線を遣り
彼は腕を止血することすらなく ふと表情を消して地上へと連絡を済ませていく。]
(145) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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[足音がしたと思えば、扉が勢いよく開き、叫び声が聞こえる。
一体、何が起きているのだろうか。
分からない私は、ただ茫然とそれを"眺めて"いるだけで]
(146) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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……クラリッサ君? 大丈夫かい
[そうして、その途中。 実験の副作用に見舞われた獣人に 針の刺さらぬ手を差し伸べれば 彼女が視力と手の感覚を失っていることに 気づけただろうか。定かではない。
もしもそうだと知ったなら、 酷く哀しげな顔をしただろうけれど。
……そうして、地上からの救援を待つ*]
(147) 2015/07/16(Thu) 00時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/16(Thu) 00時半頃
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はい、大丈夫です。
[ふと声をかけられれば、それがした方に顔を向ける。 差し延べられた手に気が付くことは無いけれど]
ありがとうございます。
(148) 2015/07/16(Thu) 01時頃
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……そう。大丈夫なら、いいんだが。
[ふと、クラリッサの掌を見た。 人間のそれになっている。
実験は成功したのか。 ……けれど、「それだけ」なら ジリヤはきっとあそこまで激昂しない。
きっと何かを代償として支払ったのだろうと―― 彼はクラリッサの様子に小さく溜息をつくと、 気づかれぬ掌を静かに下ろして 気を失ったアマルテアを心配そうに見遣った。
いずれ救援が来たならば、 それらを医務室まで案内して 運ばれるであろうひとびとを見送るだろう**]
(149) 2015/07/16(Thu) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/16(Thu) 01時半頃
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[それから、どれくらいが経ってからだろうか。
駆けつけた救援に案内されながら、私は――
中央玄関の、鉄扉をくぐった]**
(150) 2015/07/16(Thu) 01時半頃
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[ 塔に登る前 ]
[ ――>>117” たすけ ”を呼ぶ声が、聞こえた。 僕はかつりと踵を返して、開け放されたばかりの――もうすぐ閉じてしまいそうだけれど――扉を見る。
実験。 …アマルテア、の。
―――” 人 ”が、 ……できた? ]
―――……
[ 僕は急いで本部に連絡を取った。 これで間も無く、地下に” 救援 ”が行くだろう、けれど。 鶴の野望と、 あるひとりの獣人の願い――が叶って、僕は
とても複雑な、気持ちだった。 ]*
(151) 2015/07/16(Thu) 01時半頃
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[返事は戻ってこない。唇を噛み締めて、白いカップの中の黒い珈琲を見つめる。 私は、心から、クラリッサの無事を願っている。 けれど……けれども]
獣を人間にする薬が、完成したとしたら……?
[獣は、人間に迫害されている。その根底にあるものは、結局のところ恐れだと思う。 自分たちと違う生き物。けれど限りなく人間に近い生き物への、恐れ。 それなら、薬が完成したなら……使われる、だろう。恐怖の対象を、自分たちと同じ人間に、しようとするだろう]
そんなの、ごめんだわ。
[私は、人間になることなんて、望んでいない。 翼を失うなんて、真っ平だ。 私は……とうさまとかあさまの子どもである私は、こういう生き物なのだ。 冷たくなった珈琲を、一息に飲み干した**]
(152) 2015/07/16(Thu) 02時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/16(Thu) 02時頃
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