52 薔薇恋獄
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あのな、珀も耀も、 、お前なんかいなくたって生きていける。 そりゃ最初は哀しいだろう、辛いだろう、死にたくなるかもしれない。 だけど、人は、そんなに簡単には死なない。 でも、あいつらだって、しっかり辛い環境の中、今まで生きてきたんだ。 だから、一時期はつらいかもだけど、 でも、お前なんかいなくたって、生きていける。
[それは厳しい顔で言い放っただろう。そして、すうっと息を吐いてから…。]
(72) 2011/05/23(Mon) 16時頃
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それよりお前、 マドレーヌ、食ったろ?
あれを作ったのは、誰だ? お前がいなくなって、本当に絶望に立たされるのは誰だ?
[睨みつける。]
よく、考えろ。 そんなことも考えず、珀も耀も置いてかない云々いってるお前なんて、 何の役にもたたない。
(73) 2011/05/23(Mon) 16時頃
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役に立たないくらいなら、向こうで一人になってる珀の元に早くいってこい。 ここで、お前が残るっていってることは、珀を今度はひとりぼっちにするだけだ。 わかってるだろう?
耀は俺が必ず帰す。 耀だけじゃない、けーまも静谷も織部も文先生も、 絶対に生きて帰す。
[それから少し、間を開けて。]
置いてくの置いてかないの、そんなこと考える暇があったら、日向(ひなた)に日向(ひゅうが)の呪いがどんなものか聴いてこい。 呪い殺す類か?それとも…。
[少し黙って、雨風を聞いた。]
死ぬぞって宣告されて、はい、そうですか、なんて、 承服なんて絶対しないからな。
[それは宙に向かっても言い放つように…。]
(74) 2011/05/23(Mon) 16時頃
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[そう、たとえ逃れられない運命だとしても、 だからといって、大人しく目を背けているなんてできない。
最後まで、あがく。
将棋だってそうだ。 もう負けたと思った局面でも、 完全に負けではないなら、あがく。
起死回生がない、とわかっていても。 絶対にあきらめない。]
(75) 2011/05/23(Mon) 16時半頃
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……何様とも、思ってませんよ。
[感情を決めつけるとか、何様と思われるとか……。 人付き合い下手と一人っ子属性が混じり合って、誤解を受ける。 だから余計に対人が苦手になった――引き籠りかけた意識を、厭と無理に叩き起こせるようになったのは、少しは成長したんだろうか。]
ええ、そう、思います。 俺が居なくなっても、2人は生きていける。 だから、耀は戻してやりたい。 こんなところで死なせたくない。 [母のことを言われるのは辛いが、けれど母には父が居る。 とても、とても申し訳ないとは、思うけれど。 それに、同じ力を持つ父には、もし死んだとて、話せる可能性もなくはないと思う。]
(76) 2011/05/23(Mon) 16時半頃
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俺は、貴方以上に考えてますよ。 考えた末に、此処に居ると言っている。 俺は、教師ではないから、どうしても、貴方と耀を逃がすことが1番になる。 俺は、視えるから、状況の悪さは貴方以上に判っている。 貴方のように楽観視できない。
――……貴方には、視えないでしょう? この庭にある、薔薇に宿る想いの残滓が。
[日向(ひなた)に、日向(ひゅうが)が勝った時の末路はうっすらと聴いている。ずっと此処に囚われると。その結果があの薔薇であることは想像するは簡単だ。]
(77) 2011/05/23(Mon) 16時半頃
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彼女と話ができない人達が残ってどうするんですか。 今、ここで話ができるのは俺だけです。 話ができれば、彼女も救えるかもしれない。 彼女の魂が落ちつけば、皆助かるかもしれない。
――……勢いだけで、全て片付くと思ったら間違いです。 貴方こそ、何様のつもりですか?
[大事に思うからこそ、睨み返した。]
皆、助かりたいと思うなら、貴方が先に行って下さい。 もう、あまり時間がなさそうなんです。
[ぼそり、雷の中で聴いた声を思い出し、告げた。 視えるから、聴けるからこそ苦しい。眉間に皺を寄せた。]
(78) 2011/05/23(Mon) 16時半頃
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>>77 視えないから何だ。 何が逃がすだ。 やっぱりお前、勘違いしてるだろう?
耀は死なせない。 お前も死なせない。 大事なら、珀のことも考えろ。 >>78 [睨みつける甲斐にはまた睨みを利かせたが、今度は逸らし…。]
俺が先に行ったら、誰が引っ張る。 お前はアテにならん。
(79) 2011/05/23(Mon) 17時頃
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[そして、けーまに振り返る。]
けーま、珀は甲斐が好きなんだ。 お前は珀に恋してるんだろう?
[それは、屋上でのやりとりと、珀を部屋に運んだときのやりとりから予想がついて…。]
珀が大事なこいつを、お前も大事に思ってくれ…。 俺も、こいつが、今は誰よりも大事だ。
[それは甲斐に視線を送りながら。]
じゃ、俺は、耀と静谷にあってくる。 お前は甲斐から、日向(ひゅうが)の呪いについて聴いておけ。
[そして、今度こそ、台所から出て行った。**]
(80) 2011/05/23(Mon) 17時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/23(Mon) 17時頃
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では、どうやって、貴方は日向を救ってくれますか。 皆の中に、彼女も入っていますか?
――……貴方が言っていることも、俺と対して変わらないですよ。
[溜息を吐く。鳴瀬の唯がむしゃらに皆を生かすという想いだけで、具体的な計画が視えない話より、日向と例えば永久と言われるほどの時間をかけても話すことでどうにかしようと思う自分の方が、いくらか現実性がある気がするのだけれど、いかがなものか。] ――……。
[そして、鳴瀬の口から暴かれる浜那須の気持ちに、眼を見開いた。まず、浜那須を視て、鳴瀬を見返した。 実際の行動として、頭を抱えた。去る鳴瀬に何も言えない。]
踏みこんではいけない気持ちの領域はあるんですよ。
[姿が見えなくなった後、ぼそっと呟いた。 その後、沈黙を作る。この状況で、どう浜那須に話しかけていいやら判らない。新たな生徒虐めかと、鳴瀬に思った*]
(81) 2011/05/23(Mon) 17時頃
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ディーンは、むっつりとしたところで、鳴瀬の言葉の1つの意味に気がついて顔を赤らめた*
2011/05/23(Mon) 17時半頃
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―― 1階廊下 ――
……無駄かどうかなんて、分かんねーじゃねえか。
[廊下の壷を退かし、ぺたぺたと床を撫でながら。 背中の気配に、振り返らず応えた。
外へは出られない、あの別荘にも戻る事は出来ない。 もう8回ほど繰り返された。
新たにこちらへ来たのは、調音と成人。 そう伝えられて、無言で部屋を出た後。 彼女はずっと付いて来る]
触れらんなかったけど。何もしてやれなかったけど。 ……オレは、日向の頑張りを生かしてやれなかったけど。
オレは居なくなりたがってたのに、日向は助けてくれた。 ならそれは、オレが何かしたんじゃなくて、蛍紫や、蘭香や、……誰かのお陰なんだ。
(+44) 2011/05/23(Mon) 17時半頃
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[克希に話を聞いた。 夢見心地のような、彼の言動は怪しいものがあったが、必要な話は聞けた。 気づいたら此処に居て、少なくともこの場に、彼の想い人は居ないと。
何の条件もなしに、ひとりずつ助けられるなら、日向はあんな話をしなかっただろう。 実際、自分と彼以外は、恋を失わなかったふたりが送られてくる。 新しいふたりも、そうである筈。
自分と克希。 格差のありすぎる経済力とか、違うところしか思い浮かばないけれど。 何か、共通点がある筈で。 どうしても見つからないならそれは、内でなく外に。 周りのひとに、あるんじゃないか と]
調音と成人が来たんなら、日向は、別荘のみんなは、まだ頑張ってんだ。 だったら、助けられたヤツが、いつまでもメソメソ引き篭もってたら、何のためにあいつが頑張ってくれたのか、誰かが助けてくれたのか、分かんなくなっちまうじゃねーか。
(+45) 2011/05/23(Mon) 17時半頃
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[断定的な口調は、言い聞かせるような響き。 表情は晴れないし、今は笑顔ひとつ作るのも難しそう。
だけど。だから。 時折、背後の声に応えながらも、基本黙々と動かし続けていた手が、ふと]
……?
[呼ばれた、気がした。 あちらが夜明け前なら、さして時間は経っていないのだろうに、ひどく懐かしく―― しい声に。
はっと顔を上げるも、当然、其処には誰も居ない。 表情を変えぬ少女が、こちらを窺っているだけだ。
その存在も、生きているのか死んでいるのかすら、曖昧で掴みがたい]
(+46) 2011/05/23(Mon) 17時半頃
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…… っくしゅ。
[寒さで耳鳴りでもしたのかもしれない。 頭をふるふる、軽く振った。
そういえば夕輝が、風邪フラグとか自分を棚に上げたことを言っていたけれど…… まあ、彼の心配は自分がしなくとも良いハズ。 生来のお節介はどうしようもないから、広間の前でドスの利いた声を掛けられた時の二の舞は避けたいものだが、これからは大丈夫なんだろう。 大丈夫じゃないと困る。
シャツと包帯越しの腕を擦って、はあ、と両手に息を吐きかけ。 再び、床へ手を伸ばした*]
(+47) 2011/05/23(Mon) 17時半頃
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自分で言って、何照れてんだよ。
[普通でない方のホテル、実はそういう所を利用したことだってある。 甘い空気には慣れなくていつも通りツッコミを入れて、室内を見回った事、クローゼットの中に衣類が使えそうな事、風呂にはもう湯を張ってあることなんかを伝えたら驚くだろうか]
俺はいいよ、お前の方が、男とで大丈夫なのかなとは思うけど。流石に無いだろ?
[二年の頃に自暴自棄になっていた時期があって、女性だけでなく男性とも関係をもっていたりもした。恋人なんて甘い関係ではなく、互いの欲を発散させる為の都合の良い、なにか。 三年になってからは落ち着いて、最近では清く正しく麻雀ばかりしていたから気づかれる事は無かったと思う]
とりあえず、試してみよっか。
[挑発するようにちろりと唇を舐め、ベッドから降りてバスルームに向かう顔は学校では見せない種類*]
(+48) 2011/05/23(Mon) 18時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/23(Mon) 18時半頃
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― 珀と耀の部屋 ―
[そして、二階にあがれば、耀の部屋のドアをノックする。]
耀……大丈夫か? 鳴瀬だ。
[声をかける。]
(82) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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─ 庭 ─
[薔薇の香に、雨と土のにおいが混ざる。 歩くたびにくっきりと付く足跡は、けれど暫く後には雨に消されてしまう]
晴れた時に見られたなら、どれだけ綺麗だったでしょうね。 …………。
[恋獄の薔薇。 これをすべて摘み取ってしまえば、もしかしたら呪いが解けたりするのだろうか……。 ふと、そんな馬鹿なことが頭を過ぎり、薔薇の花に手を伸ばし───ぽきり。
4本の薔薇を、摘み取った]
(83) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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[呼ばれる、名前。 この身体で生まれてきてからずっと変わらない名前。 おれがおれなんだって意識できる、名前。 何度も、何度も、その名前を、哲人が呼んでくれた。]
てつ。……てつひと。
[多分、今初めて、この人のことをおれはそう呼んだ。 少しでも長い間、その響きの色を感じて居たくて……。 時間を掛けて、最後までその名前を呼んだ。]
(+49) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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[抱きしめられるがまま、哲人の腕の中に身体を預けて。 胸が苦しくなるくらい、ひたすらに抱き合った。 彼の体温と自分のそれが合わさって、温め合う。 ……確かに彼はここに居て、そしておれも、ここに居る。]
哲人、てつひと……っ。
[俺の、と言ってくれた人。明るく笑ってくれた人。 だからおれも、屈託なく笑み返そうとした。 けれど胸の奥から、形にならない熱さがたくさん込み上げてきて……。 また涙が止まらなくなって、それでも、安堵に表情が緩んだ。 掛かる彼の重みが心地良かったり、くすぐったかったり……。 おれもそれがすごく嬉しくて、夢中になって、じゃれついた。
何もこわいものなんてなかった幼い子供の頃。 一度その時代を失くしてから、ずっと忘れていたように思う、その感覚。 まるでその時みたいに無邪気な心で、]
(+50) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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好き、大好きっ、哲人……!
[泣きながら、そう叫んだ。 今のおれは、他の誰でもない夕輝。 そしてそう認めてくれる哲人が今、ここに居る。 その人の存在を。彼を通して自分の存在をも。 もっともっと、確かめたくて。
小さく吐息を零しながら、額を寄せて。 それから唇をもまた、寄せた。]
(+51) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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[手折った4本の薔薇を持ち、また別荘の中に戻る。 傘のおかげで、上半身はそんなに濡れずに済んだが、下はかなりびしょ濡れになってしまった。
そういえば、昨夜は風呂に入り損ねてしまった。 もしも本当に死んでしまうのであれば、今更な気もするけれど、あとで着替えのついでにシャワーくらい浴びておこうと思った]
どうしましょうかねぇ、この後……。
[せめて、いま誰が残されているのか。 最低でもそれくらいは、知っておく必要がある。
そう考え、ひとまず大広間へ足を向けた]
(84) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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―― 自室 ――
…………っ。
[一人しかいない部屋に響く嗚咽。 悲しい。苦しい。抑えきれない想いが零れていく。 泣いて、泣いて、泣きはらして]
[パンッ!!]
[自らの頬を両手で挟み、顔を上げる]
……うん。ちょっとスッキリした。 泣くのって、大事だったんだね。
[ずっと涙を堪えて過ごしてきた。 でもそれはその分だけ、暗い気持ちを心の中に残す。 泣く事を思い出した蘭香の顔は、どことなく晴れやかで]
(85) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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おいで、紅子さん。
[呼べば、賢い鳥はすぐに寄ってきて]
『ランカ、ランカ! ゲンキデタ? ランカ、ワラッテルホウガ、カワイイ!』
[周りを飛び回り声をあげる。 蘭香の心境の変化も察しているのだろう、その声色は嬉しそうで]
紅子さんそんな言葉どこで覚えたの? そういうのは女の子に……ああ、でも、二人に言われたら僕は嬉しいか。 ……いっそ、紅子さんに乗り換えちゃおうか?
[首をかしげ。 冗談を言える程度には落ち着いた。 そんな折か、ノックとそれに続く声が聞こえたのは]
鳴瀬、先生? あいてますよ。どうぞ。
(86) 2011/05/23(Mon) 18時半頃
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― 珀と耀の部屋 ― >>86 [耀から応答があれば、中に入る。]
耀、さっき、甲斐が来たと思うが、 手短に話す。事情は知ってるか?
[きっと甲斐が話したと思うが…と、耀の姿をみて、瞬いた。 それは、泣き腫らした目であり、そして、それまでにない清清しい表情であり…。]
――……
(87) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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─ 大広間 ─
[着いたのは、おそらく鳴瀬が去ったあとだろう。 浜那須と甲斐は、そこにまだ居るだろうか]
あれ?
えーっと、おはようございます?
[時間的にはそれくらいだろうと、にこりと笑顔を向ける]
ここ、花瓶か何かありませんかねぇ。 無ければ適当な瓶かグラスでも良いんですけど。
(88) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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セシルは、ディーン(甲斐)は耀を泣かしたのか・・・と、思った。
2011/05/23(Mon) 19時頃
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[蛍紫的に、いたたまれない時が流れていた。 浜那須との会話は、あったか、なかったか。
雨が降りながらもうっすらと明るくなってきた頃合。 栖津井の姿が見える。]
……おはようございます。ですかね。 先生、外に出られたんですか?
[ズボンが濡れている様子に、そう言えば鳴瀬も濡れたまま行かしてしまったと思い出す。 視線はあがって、手元の薔薇に、うっすらと視える想いの残滓に眉間に皺を寄せた。 視えるからこそ、それを取ろうとはしなかった。 彼は視えていないから、刈ったのだろうと思う。
刈られたそれらがどうなるのか……ふっと疑問が起こるも、尋ねたい相手は今は視えず。]
花瓶の場所は、俺は知らないので……。 グラスなら、そこに。出しましょう。
[グラスに水を汲み差し出した。]
(89) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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[部屋に鳴瀬を招き入れる。 話す間も紅子さんを抱いて離さないのは、やはり寂しいからなのだろう。色々と]
はい、聞きました。 ということは、先生も聞いたんですね。 ……まあ、正直あんまり実感、ないですけど。 幽霊?見たことは確かに、ありますし。
[そして一時は、自分もそれに近いほど酷い顔をしていたことは自覚はないけれど。 今はその影もなく、泣きはらした目で微笑みを浮かべ]
死ぬ、のかな。やっぱり。 実感全然ないですけど。 でも、紅子さんは……楓馬君に、返してあげたい……
[最後だけ残念そうに、言った]
(90) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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ヨーランダは、セシルに話の続きを促した。
2011/05/23(Mon) 19時頃
ヨーランダは、スティーブンに話の続きを促した。
2011/05/23(Mon) 19時頃
ヨーランダは、ディーンに話の続きを促した。
2011/05/23(Mon) 19時頃
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はい。 少しだけ、門の外の様子を見てきました。
[力無い笑みとともに首を振り]
ひどい有様でした。 あれではおそらく、迎えも来られはしないでしょうね。
……あぁ、すみません。 有難うございます。
[そして、グラスを運んできてくれた甲斐に礼を言い、そこに薔薇の花を生け]
……そういえば。
話、聞きましたよ。 ここは、本当に恋獄だったんですねぇ。
[まるで他人事のように。 世間話でもするかのように]
(91) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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>>90 そうか。訊いたか。 実際、ここに来るまで先生も幽霊なんて、だが、 今、状況そうも言っていられない。 ただ、消えた連中が無事というのならそれは何よりだ。 そして、それによって、救われているというのなら、今、いる連中を一人でも多く、逃がしたい。
[そして、トリと仲よさげな様子もみて、少しだけ、口端をあげ…。]
そうだな、そのトリ、珀の元に行きたいだろう。 そして、お前も、甲斐もな…。
[そう言葉を続けたあと、息をふうっと吐いて…。]
話を聞いたならわかると思うが、その日向は、 想い通じ合ってる者、または、深い想いを向けている者に対して、救いの力を発揮できるらしい。
(92) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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――……耀、お前、甲斐、好きだろ?
[その言葉は少し掠れて…でも、笑みを作りながら。]
(93) 2011/05/23(Mon) 19時頃
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