164 天つ星舞え緋を纏い
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[明之進>>+34に、それ以上言葉は重ねず、頷く。 彼が笑ってくれたこと>>+35に、少しだけ表情を緩め。 勝手に歩き始めた背中、掛けられた言葉>>+36に]
そうか。 ……なら、いい。
[あっさりと返る答え。 首を傾ぐ仕草に、訝しがられたかとも思ったけれど、それ以上は何も言わなかった。 そうして立ち去りかけたけれど――呟き>>+37につい、足を止め振り返る]
明にい……?
[彼に笛以外の楽の素養があることを、日向は知らない。 だから彼が舞う様を、目を円くしたまま見詰め]
すごい……。きれい、だ。
[彼の身に何が起こったかはわからぬまま、素直な感想だけを呟く]
(+39) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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― 少し前 ―
[狸の人形を取り出した坊主に、雪客が小さく声をあげたのは聞こえていた>>39 こどもの頃の、僅かな記憶を寄せ集めれば、琥珀は多くの里の子に慕われ、雪客もそのうちの一人であった筈だと思う。
光と闇に分かれたとはいえ、思いはそれとは別であろうと]
...
[けれど、紡ぐ言葉は見つからぬままだった*]
(47) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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明之進さまも ひかりやどされた方ですから
じかに ふれるは どくやもしれませぬが
どなたかが ささえていただけるならば
だいじょうぶだと おもいます
[沼太郎も華月斎も、影が直接触れねば運べない状態だったけれど。 今ならば、明之進を抱えた人ごと影に乗せることが出来るから、と。 法泉>>46に頷きを返し、影を用いて傷ついた人を運ぶ。 雪客の姿を見止め、彼女にも頭を下げて。]
雪客さま も おなじ星を やどされていたのですね
(48) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[雪客にも会釈を向けるうち、話は進んで。 夕顔の言葉>>45に悩む間が開く。 頼ってしまって良いものか、彼の家でなくて良いものかと。 けれど己が口を開くより先に、肯定が返っていた]
……はい。
[少し未だ迷ったけれど、念押し>>46に頷いた。 どの道、己一人では運びきれないと思ったから]
力、なくて、ごめんなぁ。
[夕顔と、友とに謝罪を向けつつ。 再び運ぶ為触れた身体は降ろす前に比べて、少し熱が戻っているようにも思えた]
(49) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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― 少し前 ―
[頬に触れる気配、囁かれた言葉。>>40 肉体にまだ魂が繋がっているからか、それは風の囁きのように日向の耳に届く]
……ああ。 全部諦めるのは、まだ先だ。 そう思わせてくれたのは……あんたらだよ。
[雪客に一平太、それからまだ顔も知らぬが、自身に力をくれた闇の星宿す者へ。 聞こえぬだろうと思いつつも、そう呟いた*]
(+40) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[雪客とは然程顔を合わせたことはない。 祖父に連れられて、数度織られた反物を受け取りに行ったことがある位。 大人になったらこんな風に綺麗になれるかしら、と。 そんな仄かな憧れを抱いていた程度の、見知り。]
雪客さまも いっしょにまいりませんか
[一人は寂しい、と。 そう思う胸の内、申し出に返された答えはどうだったか。]
(50) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[舞いたくなったのは、衝動的なもの。 唱えられたものが何かしら、呼び起こしたのやも知れぬが、それは知る術もないままに]
……まだまだ、だよ。
[目を丸くする日向の言葉>>+39に、浮かぶのは苦笑。 かつて見た、母の舞姿に比べたなら、その足元にも及ばぬ……との想いがあるから]
それより。 ここでぼんやりしてるわけには、行かないだろ? ……ちゃんと、最後まで、みないと、な。
[刹那過ぎった母の最期の姿を振り払うように首を振った後。 闇感じる方へと視線を向けて、移動を促した]
(+41) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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では もうしわけありませんが
明之進さまを かかえていただけますか
[一平太の答え>>49に、頷きと共に頼みを返し。 彼が抱えるを待って、生み出した影で二人ごと持ち上げ、屋敷へと向かった。]
[力の対価。 身の内押し黙る心が、それを払っているとは気付かぬままに。]
(51) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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[再び唱えられた真言と。散る灰。 それが対価とまで女は気付かないけども。
焦げた左手の先が、先より短くなっているのを見れば、む、と唸る。 火傷なら冷やせばどうにかなるし、冷やすだけなら女にも出来るが、焦げてしまったそれを元に戻す術など女は知らず。 散る灰の行方を視線で追いながら、3人へと歩み寄る。 夕顔が頭下げるのが見えれば、女も軽く手を上げた。]
……ふたりも、……だったのね……。
[夕顔の問いかけにこくと頷き、先に、とその背を軽く押してから、女も続いて屋敷の中へと。]
(52) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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― 長の家 ―
[沼太郎の傍らにも、狸の布人形を置き、錫杖をかざす]
オン アラハシャ ノウ...
[唱えたのは知恵の象徴たる文殊の真言。 じゃらん、と錫杖が揺れ、左腕の肘から先がさらりと崩れた。 これで、力は仕舞いだと、いうように、揺れていた夢幻の焔も虚空に消える]
(53) 2014/02/22(Sat) 00時頃
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― 通り ―
[まだまだ。 そう答えられたことに、彼が『この先』を諦めていない事を感じられ]
ん。行く、よ。
[促されるまま、闇の気配感じる方へ向き直る]
[それから程なく、先よりも顔色を戻したように見える明之進と、その傍らに四つの闇星を見付ける]
夕ちゃんに、坊さん……か……。
[少し前、数少ない生き残りと思い救おうとした相手が、闇の星宿していたこと。 それにも胸が苦しくなったが――もう一人、先に擦れ違った坊主の所で、視線が止まる]
坊さん、さっきより怪我が酷く……?
(+42) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[失われた、先にはあったはずの左手先。>>35 火傷のせいかとも思ったが、それにしては傷口が不自然にも思え]
……まさか。
[何かを予感しつつも、屋敷へ向かう彼らを追う]
[そして目の当たりにした法泉の姿>>53に、予感は確信へと変わった]
(+43) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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はは...!
[己の内の闇星が、次第に力を失うのが判る]
...これで、終わり、じゃ。
[がくりと、坊主の膝が崩れ、畳の上に尻餅つくようにして、腰を落とした]
(54) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[抱え上げた腕に圧し掛かる重さは変わらないけれど、自分で歩く必要が無いだけ随分とましだった。 明之進が影に触れぬように気をつけつつ、ふとその顔を見て]
お母様似、だなぁ。
[そんな事を呟く。 最初に女子と間違ったのは、口調だけでなく見た目そのものにもあった――等と言ったら、多分怒られるだろう。 闇に属す力に安らぎを覚え、己の宿す闇を自覚しながら、 けれどもう、それへ逆らうことへの謝罪の言葉は向けなかった]
(55) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[歩き出そうとした矢先。 ふと、触れられるような感触を覚えて、微かに眉を寄せた]
…………。
[透き通る感情込めた、問い>>36と、悲しみ込めた問い>>37と言葉>>44。 それが届いたのは、刻まれる『時』の繋がりが強くなったがためか。 理屈はわからない、けれど]
……ん。 まもれた、よ。
[ひとつめの問いかけへの答えは、ごくごく小さく呟いて。 けれど、ふたつめの問いかけへの答えは言葉にならず、苦い笑みが過ぎるだけ。 幼き頃より抱き続ける、闇への畏れ。>>3:98 それを言葉にするのは、少しだけ、難しくて。*]
(+44) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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一平太よ...
[汗の滲んだ顔を、ついてきた若者に向け、狸の布人形を拾って差し出す]
琥珀に...狸にこれを返しておいてくれ。
(56) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[図らずも闇星が揃った場。 弟、幼馴染、里長の孫。 雪客がそうと知ったのはつい先程のこと。 日向を喰らったのが雪客であることも法泉の言葉で知った]
[狸に引き摺られるようにして里長の家へと辿り着き、ぶすくれた顔で法泉が為し行くこと>>53を見詰める。 真言を上げたそれぞれの鼓動を感じることが出来たなら、法泉の行動の意味も知れようが、喰われたせいか力が発現してくれない]
(+45) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[雪客に背を押され、入った屋敷。 沼太郎を寝かせた祖父の寝所へと法泉を案内してから、明之進を客間に運び、寝かせて。 再び沼太郎の元に戻ってきて、異変に気付いた。]
お坊 さ ま
お手 が
[先刻まではあった、左肘の先が消えていた。 そこに手を伸ばし、触れて]
(57) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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― 雷門の屋敷 ―
坊さん、あたしを……いや、みんなを。
[身の内に在る風の力。 失われた法泉の左手。 見比べるようにしながら、鼓動を止めぬ肉体を感じるかのように胸に手をやる]
ありが……と……
…………あ……
[礼を言うか言わぬかの内に、法泉は畳の上に座り込む>>54]
坊さん……?
[霊体の身では支えることなど叶わない。 なれど、咄嗟に彼に駆け寄り、背へ手を伸ばしていた]
(+46) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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―長の家―
[ふたりも、という言葉>>52にはやはり頷きを返していた。 運ばれ辿り着いた長の家にて、明之進を隅へと降ろす。 己の膝も限界近かったので、その傍に座り込んで]
ありがとう、ゆうちゃん。 ……助かった、よ。
[夕顔には礼の言葉を向けつつ。 先と同じに紡がれる声を聴きながら、やはり置かれた狸>>53に眼を向けて]
(58) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[救おうとしたわけではない、ただ選ぶための力を送っただけだ。生きるか死ぬるか、星に呑まれた意志では無く、人として自分の運命を選べば良い、と]
[人を殺しても生きるのだ、と、そうしてきた坊主であるからこそ]
(59) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[一時、浮かんだ想いは横に置き。 進んだ先、見えた闇星の姿に目を細める]
……雪客、さん?
[知れなかった最後の一人の名を小さく呟く。 ふと、思い返したのは山車を彩った鮮やかな織物のいろで。 それは、日向の呟き>>+42に途切れた]
……怪我が酷く?
[その意は知れぬものの、移動するらしき闇星たちについて先へと向かい]
…………やかましい。
[途中、聞こえた呟き>>55に、ぼそ、と突っ込んだ。 そこは密かに、気にしている部分。 間違えられた理由も、知ったら怒るは必然か]
(+47) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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大事ない、枯れて崩れたのだ。すぐに痛みも収まるさ。
[手を伸ばす夕顔に、笑みを向ける>>57言葉の通り、崩れた腕の付け根は枯れて乾いた木の根のようで、血も傷も残ってはいない。もう一方の生きている腕の火傷は、相応の治療をしても、痕が残るは避けられまいが]
(60) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[直後、坊主が崩れ落ちた>>56]
……、御坊様っ、
[駆け寄ろうとするも上手くいかず。 よろめき、転げてしまう。 痛みを堪えつつ、顔を上げれば]
…… 琥珀、兄様、が。
[差し出される狸の人形。 すとんと、胸の奥で何かが落ちた]
(61) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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嗚呼。 貴方様が、狐、なのですね。
[狸は兄、では狐は誰だろうと、ずっと思っていた。 彼の顔を見る時、狐人形がちらついたのはきっと、そういう事なのだと。 這うようにして、そちらへと手を伸ばす。触れて、掴んだ]
(62) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[一平太の礼>>58には、いいえ、と頭を振った。 助かったのは自分も同じ。 光を喰らいはしても、その命まで失いたくはないのだ、と。
それは、光も闇も、変わらぬものだから。 法泉からの笑み>>60を受けても、表情は晴れぬまま。]
すぎる力は みを ほろぼすと
おじいさまが おっしゃっておりました
[泣きそうな顔で、小さく呟いた後]
いたみは からだ だけに感じるものでは ございませぬ
(63) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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― 長の家 ―
[真言唱える邪魔にならぬよう、女は襖の傍、立ったまま。]
……。
[灰がまた溢れてく。 やはりそれが対価そのものとはわからずも、無茶をしてるのだろうとは予想はつく。 けども止める事はない。]
[ただ、見届けてから、腰落とした法泉へとつかと歩み寄る。]
……馬鹿じゃないの。
[表情には出ずとも、声には不機嫌さが現れていたか。]
右手、貸しなさいよ。 そっちはまだ、使えるんでしょ?
[刀を傍ら置いたなら、法泉の右手を半ば強引に取って、せめて火傷が少しでも軽くなるようにと、自身の左手、氷をまとってやけどの後を軽く撫ぜていく。]
(64) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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─ 雷門邸 ─
…………。
[たどり着いた先で見たもの>>53に、言葉は出なかった。 ただ、ひとつ、息吐く仕種を落として。 そのまま静かに、場の様子を見つめる。
たどり着く先、時の向かう先。 それを、見届けるのが、『時』の力宿した身の役目、とも思うから]
(+48) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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[狸が法泉から一平太へと渡される]
……わいが居らん時だけ兄呼びしとんやないで。
[顔を合わせれば芸名で呼ばれること数年。 その間「兄」と呼ばれるのを直接耳にした事はない。 呼ぶ声を耳に出来たのは嬉しいが、居ないが故の呼び名のように聞こえて、小さく笑みながらも寂しげな色が表情に混ざった]
(+49) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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死にはせん。
[夕顔の言葉には>>63そっけない口調でそう応じる]
命も、心も、やるものかよ。
[ただ、最期までそれだけが、坊主の戦う意味だった]
(65) 2014/02/22(Sat) 00時半頃
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