185 恋愛ラボ―橘の咲く頃に―
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[思い出すのは「施設」での光景。 同じ学年の子がいなかった僕には、「お兄ちゃん」や「弟」。「お姉ちゃん」や「妹」は……まぁ、いたけれど。 横の繋がりなんてものは無かった。
友達について弟に相談されても、分かるはずがないし。
同じ学年の友達が欲しいと、兄に相談なんて出来なかった。 僕はいつも、顔に笑みをたたえて。
敵を作らないように、出来るだけ争わずに済むように。 そうやって生きてきたつもりだったから。
だから、何も持ち得ない。]
(+90) 2014/07/21(Mon) 20時半頃
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[中学の時に、1人だけ付き合っていた女の子がいた。 後輩で、僕の雰囲気に惹かれたのだと言った。
幾つかの話をした。両親の話や家の話は…躱していたけれど。 傷をつけないように。笑えるように。僕としてはそう思っていた。
少しずつ、僕はバイトが。彼女は部活が忙しくなれば。携帯さえ持っていない僕との交流は、自然と薄いものになって。
気がつけば何事もなかったかのように、僕は中学を卒業していた。
同じ学年の中では「施設」にいることは秘密裏に流れていたから。 それはそれで色々なことはあったけれど。それは言っても仕方はない。思い出したくもないけれど。]
(+91) 2014/07/21(Mon) 23時頃
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[後片付けをしながら、ご機嫌の鼻唄を歌って。 夏らしいワンピースに着替えて、お化粧もすれば。 あとはみっちゃんの用意を待つだけ――。]
……、
[――になって、栗栖は鼻唄をやめて。 楽しそうな様子は、急に静かになった。]
(+92) 2014/07/21(Mon) 23時半頃
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可愛いって、言葉も むず痒いけど、嬉しいな。
[幸せの意味。幸せの理由。 彼女の瞳に自分が映ることだけが、ただただ嬉しい。]
――君と出逢えて、本当に、嬉しい。 うん。乾杯しよう!
[コーヒーカップを掲げて]
梨月。 "大好きだよ。"
[乾杯の音頭なんて思いつかなかったから 素直なありのままの想いを口にして カップを、かつんと触れ合わせた。]
(+93) 2014/07/22(Tue) 00時頃
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[そう言えば、と呟いて。僕は再び掲示板を開く。
映った言葉>>8>>9>>10>>11。その言葉の一つ一つに息が詰まる。 ドキリとする。
僕は最初の段階から、彼女に嘘をついているというのに。 会いたいと、彼女は発言している。 僕は僕で、言わなくてはならない事がある筈だ。尋ねなくてはならない言葉がある筈だ。
けじめを付ける、必要がある。 此処を、離れることが正式に決まってしまえば。直接の声を伝える事など出来ないのだから。]
(+94) 2014/07/22(Tue) 00時頃
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か、
[乾杯、と口にしようとして、告げられた言葉に、口が「か」の形で固まる。 何度目かの告白に、頬を真っ赤に染めながら笑った。]
渉が、"大好きだよ"っ!
[勢いのままにカップが音を立てて、コーヒーが飛び散りそうになり、慌てて唇を寄せる。 間に合わずに飛沫がメガネを汚して、情けない顔で笑った。 こんな些細な出来事、失敗さえも、笑顔の――幸せの源になる。
――傍に、君がいてくれるだけで。**]
(+95) 2014/07/22(Tue) 00時頃
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