208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】
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[折り紙三つ目。 「館の窓にはハワードさんが夜になる前にカーテンを閉めて回る。或る時、月が急に見たくなって廊下の窓のカーテンを開けた。 窓には”自分の姿しか"写って居らず月は見えなかった。その時、”後ろから”声を掛けられたので振り向くと主様が居てカーテンを閉めるように言われた。」]
二つ目の疑問は兎も角、三つ目の此れはなんだい……? 何であっしはこんな如何でもいい事を態々書いたんだ?
[首を傾げてじぇれみに意見を求めてみる。]
(250) 2014/12/29(Mon) 00時半頃
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[四つ目の「隠し事」がないかと思って部屋を更に探していると、屑篭の中に捨てられている折り紙が目に入った。 くしゃくしゃに成ってしまっているが、赤を基調とした和紙で折られた其れは紅い薔薇を模しているように見える。
ヒューに掃除をしてもらった時に壊されてしまった物だ。此れは滅多に手に入らないほど高価な紙で折ったのだった。 もしも此れの裏側に何か記してあるとしたら其処にはあっしにとって最も忘れたく無い事が書いてあるのではないか…? あっしは屑篭から其れを取り出して解いた。]
あっ、嘘!
[その内容を見るなりあっしは叫んで其の折り紙をくしゃくしゃに丸めて、屑篭に放り捨てて仕舞った。]
な、何にも書かれて無いごみだったよ!
[じぇれみにそう伝えるあっしの顔は赤い。 冗談じゃない、あの紙くずに書かれていた内容を読み上げたら主様向けに吐いた嘘が真実になってしまう。
だってこう書かれていたんだもの。 「絶対に忘れてはならない事:あっしは美しい金の長髪を靡かせる彼のことが愛しいって事。」 **]
(252) 2014/12/29(Mon) 00時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/12/29(Mon) 00時半頃
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ん、誰かが、なんだって?
[折り紙を開いては放り捨ての作業をしている最中に彼が何か呟いた>>268気がしたが、よく聞き取れなかった。]
あの薬を飲まないと……さあねえ。 衝動を抑えるという効果も怪しい物だね。
[三つ目の折り鶴に関するじぇれみの意見には成る程とうなづいた。]
ああそうか、後ろから話し掛けられたのに 自分の姿しか写ってなかったのだものねえ。
あっしらは、主様とは 違う存在なのかもと思えてくるよ。
[いち。主様とは違う存在かもしれない。 に。外の世界では何百年も経っている。 さん。薬の効果は記憶を朧げにさせる事と…?]
若しかして……薬の効果って、
(276) 2014/12/29(Mon) 09時半頃
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[その考えが頭の中で形作られようとしたところで、>>252紅い薔薇の折り紙を屑篭の中から見つけたのだった。 ちなみにあっしの知る限り、紅い薔薇の花言葉は「あなたを愛してます」]
見ないでおくれよ! 見な、あ、あー!
[屑篭を守ろうとするもその努力も虚しく、あっさりと紙切れを取られてしまう。 彼がかさかさと紙を開いて行く中、あっしは袂で顔を覆い隠していた。]
手管ならお前さんの 目に付く所に置いておくよ……
[暗に紙に書かれている内容を認めて。 僅かに袂をずらして彼の様子を確認すると、其処から見える表情に驚いた。]
なんて顔してるんだい! そんな……泣きそうになって!
(277) 2014/12/29(Mon) 09時半頃
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[その瞬間自覚したのだけれど。
若しかしてあっしが今迄彼に想いを打ち明けなかったのは、彼の想いが本当であるか不安だったからでもあるんじゃないかって。
人に想いを抱く者なら誰でも感じる不安。でも普通の人間なら時間の限りに急かされて何処かでぶつかって行くのだよね。
悠久の時に身を任せて何時迄も向き合わなかったあっしは、全く酷な男だよ……]
(278) 2014/12/29(Mon) 09時半頃
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ああもう、あっしはお前さんの事が確かに愛しいよ! これでいいかい、全く。ふん!
(279) 2014/12/29(Mon) 09時半頃
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嗚呼……いいよ、あっしの愛しい人。
[抱き寄せる腕の温かみに、 逸らしていた顔を真っ直ぐ彼に向け、彼を見据える。 そして、愛の言葉でも囁くかのように麗しく目を細めてその言葉を発した。]
死ね。
(287) 2014/12/29(Mon) 16時半頃
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但し、あっしと一緒に。
[そう命じる唇の端はぐいと曲げられている。]
ふふ、死ねと命じろだなんて無粋な言い方だねえ。 共に心中しようだとか風雅に言えないものかね。
[何時もの人を馬鹿にした薄い笑いを浮かべて、あっしは彼の腕を引っ掴んで、部屋の外へと向かおうとする。]
行こうか、竜宮城の竜王様に玉手箱を貰いに!
[どうせだったら愉しい死に方をしようじゃあないか。 其れが風流というものだ。]
(288) 2014/12/29(Mon) 16時半頃
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へえ、誰にも言えない? じゃあ言ったあっしのものだね、お前さんは!
[部屋の戸を開け放ちながらくすくすと笑う。]
あっしだけのもの、ふふ。
[その響きが心底あっしには嬉しかった。]
この時間なら主様は厨房にいらっしゃるだろうかね。 ああ、矢っ張り死にたくないと言うなら今の内だよ?
[容赦無く腕を引っ張って行きながらそんな揶揄いを。]
(297) 2014/12/29(Mon) 17時半頃
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ー厨房ー
[厨房に顔を出すと狙い通り彼は其処に居た。]
珍しく手が止まってるじゃあありませんか、 手際の良い主様が。
いや。
吸血鬼殿?
[ぐいと上がった口端は蔑称のように その者の種族を強調する。]
(298) 2014/12/29(Mon) 18時頃
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[此処からはハッタリだ。 薄い笑みに僅かに緊張が走る。]
はっきり言うよ。 この館で吸血鬼なのは本当はお前さんだけだ。 そうなんだろう?
[もしも扇子を持ってきていれば 彼に突きつけていた場面だ。
さて、吸血鬼殿はどういう反応を示したか……?]
(299) 2014/12/29(Mon) 18時頃
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[此処まで綺麗にハッタリに引っ掛かってくれると申し訳ない気持ちになってくる。>>300然しそれはそれとして此方の要求は通さねば。]
あっしらと取引をしないかい、吸血鬼殿?
あっしら二人をクランの外に出してくれよ。 そうでなければ、この事実をクランの入居者 全員に知らせるよ。
さあ、何方がいい?
[あっしが此の要求をするのには勿論理由が有る。 死ぬ時には祖国の海を見ながらがいい。 そう思っていた。
しかしながら吸血鬼の選び得る選択肢には第三の道が有るだろう。其れは口封じの為にあっしら二人を殺してしまうという道だ。
それはそれでじぇれみと共に死ぬという願いは叶えられるのだからいい。真っ赤な花を散らして死ぬというのも乙なものだね。]
(301) 2014/12/29(Mon) 19時頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/12/29(Mon) 19時頃
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[吸血鬼の白い牙が剥かれた瞬間、死を覚悟した。 だが、その牙は自分たちではなく吸血鬼自身の手首に突き立てられる。]
……っ!?
[「主様!」思わずそう叫びそうになるのを歯を食い縛って防いだ。]
一年分て、記憶を保った侭 生命を永らえさせる薬が一年分?
[信じられない言葉を聞いたような心地で聞き返す。 その時、吸血鬼の紅い瞳を目にしてはっとする。その瞳に孤独の色が見えたから。 初めて彼と出会い、思わず助け出そうと思ってしまったあの目だ。]
(313) 2014/12/29(Mon) 21時半頃
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大丈夫、一年も掛からないよ。 ただ祖国の海まで行きたいだけさ。 其れくらいは付き合ってくれるだろう?
[じぇれみに尋ねる。
其れから、吸血鬼に向き直ると恭しくこう言ってから袂を捲って札束と薬とを拾い始めた。]
有り難う御座います、お優しい吸血鬼様。
(314) 2014/12/29(Mon) 21時半頃
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ふふ、未練なんて抱くのかい。案外可愛いのだね。
[瓶に錠剤を詰め終わり立ち上がる。 其れから懐から巾着を取り出すと、海まで行くのに必要であろう分だけ錠剤をその中に移す。]
さて、悪戯をちょっと思い付いたんだけどね。 この瓶をこのクランの食堂に置いておかないかい?
[二人で一年分だから一人で二年分か。 誰が手にするか、記憶を失わないこの錠剤を飲んでどんな変化が起こるか分からない。でも、]
変化が起こるのは定めだと 誰かが主様に教えてあげなくちゃ……。*
(319) 2014/12/29(Mon) 22時頃
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[こつり。瓶は食卓に置かれた。 次いでに其処に放置されたまま 鳴らされていない鈴を手に取り、鳴らした。
リンリンリン。]
さあて、行こうか。えすこぉとは要らないよ。 ……ただ、あっしの隣に居ておくれ。
[其の晩、吸血鬼のクランを去る影二つ。 吸血鬼の血によって繋がれたクランを──*]
(320) 2014/12/29(Mon) 22時半頃
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半の目 丁助は、メモを貼った。
2014/12/29(Mon) 23時半頃
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