8 DOREI品評会
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記者 イアンは、柔らかな白い包帯越しに、夢にしては剣呑な響きの声を聴いたような気がした。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
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…えぇ、生きております。
[不躾にかけられた勇ましげな女の声に、小さく頷いて答えた。 彼女の強い眼差しは、この場にはあまりに場違いに思えて、 それだけに…この先酷い目に合うのではないかと、そんな不安を僅かに抱く。
蹴り開けられる棺。 中に収められた大柄な包帯の固まりに、わずかにぎょっとするか。 けれども、死臭はまとっていないように思えた。]
(369) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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―少し時は遡る― [>>186突然、掛けられた声に、目を見開いた。 映ったのは黒い豪奢なドレスを纏った女性]
(…貴女【も】?…他に誰かいるの?)
[足元から強く流れ込む冷たい空気。身震いする。思うように動けない身体では 自分の目からはどうなっているかは確認できない。 だがだんだんぼやけた頭がはっきりしてくると、なんとなく恐ろしい予感がした。
自分を見下ろす女性から掛けられた言葉。 髪を梳かれてもよけることはなかったが 別の意味でいやな予感が膨れ上がってくるのをうっすらと感じつつあった]
[少し時間がたって、入ってきた男たちに身震いした。 思わず抵抗しようとした身体を押さえつけられ悲鳴を上げようとしたが、 それは声にならず。 しかし辛うじて動ける程度には枷は解かれた。 両腕に一つずつ、鎖と鉄球が付いてはいたけど。 暫く後にはいってきた少年?>>238には気がつかなかった。 彼女が動く気力を取り戻せるのは*さて*]
(370) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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(敗者……?)
[食事をとりつつも、警戒と聞くことは忘れない。 ルーカスと少年が交わす会話は、黒い瞳だけをきょろりと動かして、猫のようにじっと眺めていた。 滑らかな異国の言葉はやはりすんなりと理解は出来なかったが、学んだ事のある言語が主流となっていたのは不幸中の幸いか。 そしてふと、険しい顔の青年を視界の端に捉えれば]
『空腹 言ってました。 ……貴方は 食べない?』
[金色の青年にだけ聞こえるよう、ぼそりと囁いた。]
(371) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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― 客室 ―
嗚呼、なるほどね。
[異国の女の窺うような視線は、今この時も続行されているのだろうか。そうだとしても、ルーカスは気にする様子は見せない。上品に咀嚼する様を、好ましげに見さえした。
子爵と名乗る少年(以下少女と記す)の言葉に、思い当たる案件があったのか、そうでないのか、どちらにしても理解を示すように、一つ男は頷く。カシャンと鳴る食器の音には、やや窘めるような視線を向けるも、声を荒げたりしない。
――表面上は英国紳士を気取っている。 (英国生まれかは、さて……。)]
まぁ、私よりは、姉さんの方が君の望みを叶えてはくれそうかな? 姉さんの機嫌を取るのが、近道だろうね。
[上から目線を慎むという言葉に、僅かに唇の端をあげる。]
(372) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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大して面白い話題も提供できず、 恐縮だ……です。
[慌てて言い直す。 その存在だけで充分面白がられているとは、本人は知らない。 風変わりな女性の食事風景を一瞥。 東洋では、箸と呼ばれる二本の棒で食事をするのではなかったか。 その作法を注視する。意外と見苦しくはなかった。]
(373) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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家の復興を願うならば、君が君でいなければならないのだろう?
[ジェレミーやヴェスパタインが、どのような趣向の持ち主かはハッキリしていないが、少なくともルーカスの元に来れば少女は作品として生まれ変わらざる得ない。それを踏まえての言葉。しかし、今の段階では少女に取って意味の判らない言葉に過ぎないか。
あえてはっきりと彼女の立場を謂わぬのは、知った時の表情を愉しむ者も居る為。この段階で、その嗜好を持つものの愉しむを奪うことはしない。]
手持無沙汰なら、出ていっても構わないよ? 不作法だとは、謂わないさ。
[少女のある程度の情報が得られれば、そわそわする相手に自由にすれば良いと、穏やかな口調で告げた。]
(374) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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−控室 >>367−
……白い芋虫。 なあにコレ。死体にしてはよく動くじゃない。
ねえイアンなんたら言うヒト。 残念なことに、アンタを解放してあげるにも自由に手が動かないのよね。そこのマリア像は、アタシの言葉じゃ動かないみたいだし。
アンタがイケメンだったら許してあげなくもないけど、不細工だったらハラワタ引き抜いてぶっ殺すわよ。
……なあんて、冗談だけど。 アタシはアンタを殺せる「立場」にはないし、ねぇ。
ま、これやった人間は、アンタの面構えなり身体なりを想像して楽しめって趣向でもお持ちなのかしら。
……趣味悪ぅ。
(375) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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[イアンの両手は胸の前で交差する形に固定され、上から丁寧に包帯で拘束。両足は揃えられている。素材は柔らかな布で有っても、ここまで丁寧に巻かれては身動きが出来ない。
鼓膜に届く音は霞んで遠い。 遠いけれど、何かしら道中、悪夢の中で聞いていた音達とは異なる意識を伝えているような気がした。
柩の中、ミイラの足元には手のひらに収まる程度の大きさの丸い透明な分厚い硝子と、何か強い力でプレスされて出来たような小さな黒い金属塊が入っている。その事はイアンはまだ知らなかった。
道中と変わらず、熱をおびたままの身体。しかし浮上する疑念。 ──だ れ だ? そう問いたい意識とは裏腹に、その白い塊はピクピクと胴を動かすだけ。]
(376) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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良家の息子 ルーカスは、小僧 カルヴィンが語尾を謂い直すのを聴いて、また一つ喉を鳴らす。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 00時半頃
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はい、気に入っていただければ。
[乳白色の顔色が、食事を摂って随分と良くなった。 ルーカスの助言には、これも素直に頷く。 大分棘の取れた態度は、この姉弟に対してのみ向けるもの。 誂えられた衣装や、重たい足枷を一巡した後、きちりと膝上に両手を揃えて、何とも奇妙な空気のお茶会の一端を担っている。]
(377) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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― 客室 ― [食事を終えた男は階下の使用人に連絡を取る。 勿論ワゴンを下げさせる為。 身分の高い男が 商品と食事をしているとは、露ほども知らない。 やがて男の部屋の扉が開かれ、使用人が顔を見せる]
(378) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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[──女? 米語? 道中よりは幾分酔いから醒めてきているものの、イアンは極当たり前の事から反芻しなくてはならない状態だった。
両目を覆われた視界は暗く、自分は海を渡って取材に来たのではなかったか。パーティーの行方は如何なって、自分はこうなっているのか。]
(379) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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−控室 >>369−
ハァイ、麗しのマリア様。 意外と素敵な声をしているのね。 もっと喋ればいいのに。
[この趣味の悪い部屋に、過剰なまでに馴染んでいる修道女姿の「ヒト」をまじまじと観察する。おそらく彼女は「自ら喋る」ことに慣れていないのだろう。なんとなくそれを肌で感じる。]
まあいいわ。 ここで何が起こるのかは「知らない」けれど、スーパーマンが来ないことはよくわかるわ。だってここには電話ボックスが無いのだもの。
[ちらりと女神像を見る。 彼女の「世間に対する知識量」と「反応の仕方」を確認するかのように。]
(380) 2010/04/03(Sat) 00時半頃
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琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2010/04/03(Sat) 01時頃
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― 客室 ―
[少女が云い直す様に、少しの微笑を贈る。また、異国の女と金目の青年が互いに想いやる様も、灰青に時折収めたか。
奇妙な茶会。 しかし、ルーカスは、何気に何も口にしては、いなかった。 そのことに気が付くカンバス候補は居たか否か。
時が来て、彼らが居なくなれば、 男は改めて温かな紅茶とスコーンを所望するのだった*]
(381) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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僕は僕で……ええ。 だから舌を噛むこともできない。
[ふと、双眸に翳が過ぎる。それも一瞬。 咎められないようなので、一礼してまた鎖の音をさせながら、退室する。 どこをどう通ったかは覚えていないが、なるべくヴェスパタインやあの金髪の男が居なさそうな道を選んで。]
……どこへ行こうと言うんだ。 出口なら、そこにあるのに。 枷を抱えたまま、警察に駆け込む、か……?
[だからといって、債務が消えるわけでもない。 あらぬ希望を打ち消す。 少女の幻想――白馬の王子様は、現実世界には居ないのだ。]
(382) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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−控室−
[白い包帯に丁寧に「梱包」された身体がビタビタと撥ねるのが、視界の端に映る。]
イキが良いのね。 見た目は全身ペニスみたいだけど。
[柩の中身には、触れない。 あくまで自分は、「買われる」側の人間なのだということを忘れてはいけない……というよりは、包帯に巻かれた巨大なペニスを観察するのが楽しそうだなぁと思ったのが正解なのだが。]
(383) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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―客室―
さて、そろそろかい?
[扉を開けてやってきた使用人に首を傾ぐ。 低い声は近辺の廊下程度になら届いていた]
しかし 性奴として連れて来られているのがわかってる子は 何人いるんだ?
[詳しい数は返って来ない。 まあいいさと呟いて、皿がワゴンに乗って戻っていくのをただ何となくみていた。 食事の三分の一は食べ残されている。 否、量が多すぎるのだ。 この館の主が恐らくひとより三倍食べるのだろう]
(384) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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…いえ、わたくしなど。
[恐縮するように身を竦めて、一歩下がる。 続いた言葉にはよくわからないというように、眉を下げた。
娯楽を与えられる立場にはない。人とみなされぬただの調度品には、必要のないもの。 ものを知らずとも支障はない。 相手の語る言葉に聞き入って頷くことが出来れば十分。 大抵の偉そうな人間は、講釈を聞くよりも己の知識をひけらかす方がお好みなのだから。]
(385) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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―― 控え室 ――
やれやれ、残ってるのはこれだけですか。 従順な、と褒めるべきでしょうかね。
さて、脱走したモノたちも連れ戻さないと。 この趣向が、お客様のお気に召したらいいんですけど。 まさか窓から逃げたりしていないでしょうね。
[パンパン、と手を叩いてガタイの良い男たちを集める。 『商品』を舞台に運ぶようにと指示して、正体不明の道化師は自らの持ち場へと向かうのだった。]
(386) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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[芋虫 死体 マリア ぶっ殺す
手が動かない?
芋虫が自分だと言う事に、即思い至るほどにおつむは働かない。 剣呑な声の主に「死んでいない」と伝えようとして、イアンはおのれ口には喉を詰めすぎない程度に布が詰め込まれており、動かそうとしても手足の指一本動かない事に気付いた。
自分は取材先のパーティーで乱闘騒ぎでもしでかして袋詰めにされたのだろうか。幾ら高級なシャンパンを浴びるように飲んだとして、アルコールで簡単に酔うとは思えなかったから、薬物でも振る舞われたか。キラキラのシャンデリアとシャンパンタワー、屋敷中に飾られた動物の剥製とパーティーの時に配られた本革のマスク、イアンはシマウマを被った以外に記憶が無い。
イアンの纏められた両足を誰かが引っ張る。 それはイアンを詰めた柩を運んで来た屈強な男の一人だったが、イアンは声の主の女に引っ張られたのかと勘違いする。]
(387) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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[ペニス
こういう単語は聞き逃さない。
──セックスなら出来るが、勃起して痛いから歩く気は無い。 やりたいなら俺を解いて、ベイビーが乗ってくれ。 そうだ、これを解いてくれ。
しかし、準備を整えようとラッピングに掛かる下男達が黙々と作業を行おうとしているだけだ。]
(388) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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>>385 ……ふうん。
[短く答えて、眉をしかめる。 猛禽類のような目が、上品な女神像を観察するように眺め回し、そして視線を逸らした。]
いいえ特に問題は無いわ。 ま、お互いに「良い御主人様」に買われるように、祈りましょうねぇ。
(389) 2010/04/03(Sat) 01時頃
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