231 獣ノ國 - under the ground -
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人
狼
墓
少
霊
全
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、チェビイ、明之進、ジリヤ、アマルテア、フィリップ、ノア、ヴェスパタイン、マユミ、クラリッサ、モスキートの10名。
―――白亜の箱舟、” たのしくない ”楽園。
シンと音の消えた狭いせかいで、ひとり。 彼方見えない宙の、暗いいろを混ぜた彼の瞳が、なにかを捉えた 。
―――使命じみて、 守らなければいけない、規律を。
(#0) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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ねえ、ねえ、―――僕とおはなし、しないかい。
[ 暗がりの中で、僕は ” ノア ”のいる部屋を拳で叩いた。 曲げて骨ばったそこが、こんこんと扉と頭をぶつけ合う。
おはなし。
おはなし。
ひみつのおはなし。
僕は亀だから。
かの海の底、人魚の園。 何処かにあるという竜宮城でも、 ―――所詮「使者」にしかなれない、亀だから。
ぶく。ぶく。
泡沫が水面に昇って、ぱちんと弾けたあの感覚を、 こころの奥に、閉じ込めた。 ]*
(0) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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[
そしてもう一つ、落とすのだ。
意図して作られた” 僕 ”の声が、 機械に呑まれて淡々として、不気味なノイズが態とらしく、さっき話したばかりの、” モスキート ” にのみ聞こえるように、幻聴じみて、 紡ぐのだ 。
―――海に焦がれる、彼が。 その体躯をしならせて、 潮水に肌を撫でさせ泳ぐのを想い描きながら。 ]
きみの、すきに。 いきたいとは、おもわないか。
[ 微睡みの奥、かなたの夢を。 ]*
(1) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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― 第一図書室 ―
[どれほど経った頃か、本をぱたりと閉じて 図書室の棚の方に向かったところ
羽が見えた。 今日はよく鳥を見る日だと思う。 見下ろせば女の黒髪>>259が柔らかく揺れた。 第二棟の方へよく行く獣人だと記憶していた。
図書室で特段、騒ぐ事はない。]
本は好きかな。
[それだけぽつりと落とした言葉は聞こえたかどうか。 背表紙に書かれた題字を追う。]
(2) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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[彼は「月夜のけだもの」と書かれた本を 手に取ると、ぱらり、捲り、 それから本棚に戻して、
くるり、踵を返し、暖炉の方へと歩いていった。 暖炉を潜る姿を目撃されたとしても きっと、気づかないままで*]
(3) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 02時頃
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― 宵の口:食堂前 ―
[ かっちゃかっちゃ、どんなに忍び足をしてみせたって 足の爪は勝手に硬い音を立てる。
( うう……、ほんともう… )
腫れて赤い目元をぐいぐいともう一度拭って ちらちらと食堂の様子を伺うのは図書室との境界。
神様とやらが無情なのは、僕も身を以て知っているけれど 見るからに怪しげな動きの僕を、
珍しく第一図書室で 今夜の伴侶を見つけた梟や 他の誰かが 見かける事もあったかもしれない。**]
(4) 2015/07/12(Sun) 02時頃
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―→第三棟 管理人室 ―
[梯子を上り、第三棟へ。 梯子は棟の真ん中にあり、そこから真っ直ぐ見れば そこからはふわりと夜風が薫る。
第一棟にあるそれとは違い 施錠も何もない大扉は、 指紋認証さえ行えば出ることが出来る。
……獣人が出るには、 そこから更に警備を潜り抜けなければならないが。]
……。
[彼は口を開きかけて、閉ざし 何も言わずに右手の方へと歩いていく。
袂に入れていた赤い羽根を、 部屋の机の上にそっと置いた。**]
(5) 2015/07/12(Sun) 02時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 02時半頃
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―第一図書室―
[声を掛けられて>>2気づかれた、と悟る。もっとも、私の梟の聴覚は、書棚へとやってくる気配を察していたから、それもまた、予期していたことではあった。 向き直り、私はそっと頭を下げる]
はい。
[投げかけられた質問は短く、返した私の言葉もそれ以上に短い。 月見は、それ以上私に話しかけなかった。煩わされなかったことを、ありがたく思う。他の人間たちは、こんなにも私のことを放っておいてはくれないから]
…………え。
[それは、本当に偶然だった。 月見が手に取った本が何だったのか、少し気になって、本棚に戻された>>3背表紙に目をやり。 そしてついでのように、立ち去る背中に顔を向けた。それだけ、だったのに]
暖炉……?
[月見の姿が消えていった先を見つめ、私は瞬きを一つした]
(6) 2015/07/12(Sun) 02時半頃
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[それは、もしかしたら、私たちには知らされていない、秘密の。 ……だとしても、それを知ったからといって、そのまま暖炉に飛び込むほど、私は愚かではない。 新たに得た情報を胸の奥にしまいこんで、私は本選びを再開する。 いつもより時間がかかってしまったのは、なかなか興味を引くものが見つからなかったからだ。 ここには、禁止されている本はない。ということは、第二図書室で私が興味を魅かれて読んだ本の中には、少なからず禁止された本が混じっていたのかもしれない。 そうして、ようやく見つけた一冊を手に、私は図書室を後にしようとして]
……どうしたの。
[私の耳に、その足音>>4を拾うことはとてもたやすくて、実のところ姿を認める前に、私は誰だか気づいていたのだけれど。 本を一冊、胸に抱えて。私はいつもより一つ色の多い……赤い目元というそれは、彼自身にとっては不本意なことなのかもしれないけれど……フィリップに向かって、静かに首を傾げた]
(7) 2015/07/12(Sun) 02時半頃
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[私の得た情報は、獣たちに共有されるべきだろうか。
しばし悩んで、結局答えは出せない。
確かに月見は暖炉の中に消えたけれど、そしてそれは、獣たちには知らされていない“どこか”への通路なのだろうけれど、必ずしもその行き先が、外の世界とは限らないのだ。
考えなしにその情報を伝えて、例えばジリヤが、例えば“誰かと出て行く”ことを呟いた鮫が、暴走した挙句捕獲され、殺されてしまったりしたら。
私はそんなことに、責任を持てない。
自分が無表情で、無感動でよかったと思うのは、こんな時だ。
私は、とても隠し事をするのに向いている]
マユミは、フィリップの目元にそっと手を伸ばして、「擦ってはいけないわ」と静かに言った。**
2015/07/12(Sun) 03時頃
[ひとまず、保留にして、口をつぐむことにした私は、まだ気づいていなかった。
いつも自分が通う第二図書館に、この施設の地図があるということを**]
―― 一間 ――
[ 独り感想じみて投げていれば、返答がなくとも構わなかった問いに。聡明な梟の声が届けば、これまた無意味かもしれないが、ぐる、とそちらを向く。]
…――あたまは、多い方がいいから?
[ 大人しくここで過ごすことも、抗うことへも。誰かに口出しなんてするつもりもなく。また自ら“うみ”をのぞむからと、力添えを貰うだとかそういった事も毛頭、期待して投げたつもりもない。
単に同じ目的を持つ者がいるなら、1人で動くよりは、と。疑問を口にしたのみだった。
――ふ、と流れでゆるく、梟へと意識を向けかける。無感情な奥、彼女が口を噤んでいることには気付かないまま。]
一緒にでてみる?
[ ――そらへ、と語る先ほどに噓は見えなかった。
ただ、といつかどこかで聞いた”愚か”の響きを思い返しながら。勿論、容易なんて考えもなく、その先の保証すらできず。種族的な問題も自身あれば、本気で誘い込むつもりもなかった。断られたにしろ、そうか、と頷いたのみだろう。
――もし梟との会話が続いたなら、そういえば、と。”かあさま”の響きを思い返しつつ。以前誰かを呼んでいたか、と。聞き慣れない「なまえ」に首を傾げては、軽く投げながら。]
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― 翌 自室 ―
[薄く目を開ける。 真っ暗に閉ざした部屋の中。
袖から骨ばった腕がのぞく。 割り当てて貰った和室の畳に、 かり、と小さく爪を立てた。
そこから更に小さな時計を手に取ると、 暗がりの中彼は気だるげに目を凝らす。
――……あゝ、鐘の鳴る時間だ。]
(8) 2015/07/12(Sun) 08時半頃
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[起き上がり首裏に手をやると、 乱れた髪を軽く背へやって 着物の合わせを整えた。
髪を結ばぬ侭に煎茶を淹れると、 温かさを喉に流し込み、机上の赤い羽根を一瞥。 問いに「はい」と答えた梟>>6は 目当ての本を見つけたのか。 第二図書室で眠りこけていた同僚は、はてさて。
彼はそっとマイクに手を伸ばす。*]
(9) 2015/07/12(Sun) 08時半頃
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――おはようございます。
[我々は「今日も今日を守」っていくのだろうか
――それとも?
そんな事を考えながら
マイクに向けて朝の挨拶をごく小さく呟いた後。
こくん、と煎茶を飲み干した。]**
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!? …ひゃ、 ……………はぁ…。
[ いっそ摺り足で行って、水と持って帰れそうな食べ物を なんて画策していた僕は 背後からの声>>7に、変な悲鳴を漏らして振り返る。
でも僕のちょいと滲んだ目が、黒鳶色の真ん中に浮かぶ 表情の動かない色白の顔と白いブラウスを見れば 小さな安堵の溜息が漏れた。
彼女なら、僕の無様な何かを知ったとて 笑わないし、誰かに言う事も無いだろうと思ったから。
僕は目元にそっと伸びてきた白い手を ちょっと肩を竦め 擽ったそうに目を細めて受け取って ばつが悪そうに目線を逃して、頬を掻いた。]
(10) 2015/07/12(Sun) 09時頃
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『 フィル ナキムシ! ナイショダヨ! コッソリ ゴハン! オナカスイタ! 』
[ ほーらやっぱり兄さんは、いつだって僕の許可なく 言ってほしくないことばかり言うんだから。
兄の声を追うように ぎゅるるるるる、っと鳴るおなか。 耳の良い彼女でなくても隠せないだろう音量に 僕は恥ずかしくて 目元以上に耳先が赤くなる。
さすり、と悲鳴を上げたおなかを撫でて ]
……いけない、… 中、誰も居ない?
[ 僕よりずっといろんなものが見えて聞こえる彼女へ 食堂の中を指差した。 秘密>>6を抱えた彼女の機微は、僕に拾えただろうか。 垣間見えれば きっと 普段と違う様子について 一生懸命「どうしたの?」と聞こうとするだろう。*]
(11) 2015/07/12(Sun) 09時半頃
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―― 食堂 ――
[ 短に帰ってきた梟からの返事>>1:243に、男はそうですか、と微笑い返した 。それは良かった、と。 何が良かったか、などは。 所詮管理人都合上のエゴに過ぎないことは、心底知りつつ。 されど一先ず、普段と寸分変わらぬ――ように見える、無表情な彼女の。 首を傾げる姿さえ、尻目に止めた。 ]*
―――はいはい、良く出来ました。
[ そうして、音にしてなぞられた自分の名を――男は薄く笑みを浮かべたまま、からかい気味に返した。 自分から振ったにしては軽すぎないかと言の葉の棘を投げられることもあったかもしれない。 されど男はあくまで戯けて返すのだ 。 その心中、彼女が何を知りたがっているのか。 ――薄く気付いては、適切な距離を保ちながら。
随分と投げ出したような名の呼び方ではあるが、猿から進化したのだ 。それだけで良い 。 ――脳裏、思考の端でちらついたのは、青年期に見た歴史の教科書だった。 アウストラロピテクスに、クロマニョン人、 他。 さて、男は今や彼女にとって、 ” 何れ程 ”進化を遂げているのだろうか?
……「 なぜ 」を教えるのは、まだ早い 気がした。そう、また誰かに拒絶されても、困るのだ 。 ]
(12) 2015/07/12(Sun) 09時半頃
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……――それはそれは、 自由で良い事ですねえ…
[ 男は頬杖を付きつ、気の向くまま>>1:236を明言した彼女を見遣った。 恐らく女医の方へ足を運ぶか、脱走を謀るか 。はたまた、悪さでもするのか? ――それはそれで、勘弁してくれとごちる。 ]
「 悪さ。」をしたら、もう撫でませんよ。
[ ―――まあ、幾ら強く牽制しえど、彼女の動きを止めることは難しいのかもしれない。 故に咎めることも、しなかった。好きにしたら良い。でもそれが「わるいこと」なら、先のことはしない。 ……之に効果など微塵たりとも期待しては、いないが。 言うだけタダだろうと、男は自らの髪を梳いた。
…して、ぼろぼろの白衣は見るに耐える。 これから夜も更けて行く頃だろう、風邪など引きはしないか。 男はがたりと席を立って、羽織っていた上着を脱いだ。 脱いだそれを、ふわりと宙に踊らせながら、彼女に掛ける。 ]
(13) 2015/07/12(Sun) 09時半頃
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―――「 綺麗なまま 」、返してくださいね。
[ 動き擦れて汚れ、傷付く分には良い 。貫通穴などがあれば、つまり「そういうこと」。 彼女の身を案じて。 また、管理人としての役目も含め。 ――被せた上着を彼女は受け容れてくれただろうか。 ]**
(14) 2015/07/12(Sun) 09時半頃
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ええ、ええ。 …おはようございます。
朝ですねえ……。
[ かちりと鳴った機械のそば、男は眠た気に挨拶を返した。
今日も今日とて大扉の前、犬と戯れつつ 。――ああ、久々に上に出るのも良いかもしれないと、思う。 ]
―――変わらない、朝だ。
[ マイクの奥、向こう側。 食事を共にした輩が何を思っているのか知らずに。 管理人の上、総監の昨日の声などとうに忘れた。
―――どうせ、今日も今日は、変わらないのだろう。
諦念じみて、また怠惰に思考を侍らせる。 ]
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― 翌 医療室 ―
……あ、ふ。
[新しい“薬”のサンプルを作っているうちに。 いつの間にか眠りこけてしまったらしい。 こうやって医療室に泊まり込んでしまうのはよくあることだ。 さて、クラリッサは自室に戻っていただろうか否か]
これじゃ、いつか体を壊すわね。 医者の不養生は笑えないわ。
[くすり、と苦笑して。 今日も管理人としての仕事が始まる。 とりあえずマイクでも手に取ろうか**]
(15) 2015/07/12(Sun) 10時半頃
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おはよう。今日も頑張っていきましょう。
[いつも通りの管理人たちの朝の挨拶。
アキラとヴェスパタインの声に、頬を緩ませた]
あら、今朝はお寝坊さんがいるのかしら。
[未だ聞こえぬノアの声に、
嫌味のひとつでも言ってやって。
今日も変わらぬ1日が始まる]
[耳を澄ませば聞こえてくるは同僚の声。
彼は眠たげな声に引きずられるよう一つ目を擦った後、
繰り返される「朝」の単語にゆるく、首を傾げる。]
アーロン君は……大扉の前かい?
[今日もあの同僚は「朝が来た」と思いながら
扉の前にいるのだろうか。
昨日の言葉を思い出しながら
小さく笑った。]
地面に潜っても朝はやはり朝だからねえ……。
[諦めたような言葉を吐けば、
アマルテアの声が響く。]
そうだねえ。頑張ろうか……。
メティス先生はご無理なさらず。
[いつも真面目だからとつけたして]
……。
寝場所が悪くって風邪でも引いたかな。
[嫌味に、ぽつりと続け、よっと立ち上がった**]
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[――結局、痛みがその日の間に収まることは無く。 自室に戻る気力が無かった私は、そのまま医療室で休むことにした。
先生の作業する音しか聞こえない静かな空間の中で、痛みに耐えながら長い夜を過ごしていると。
いつの間にか、その意識は眠りに落ちていたのだった]
(16) 2015/07/12(Sun) 11時半頃
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――
[目が覚めると、不愛想な人工の光。見慣れた自室のそれよりも心持ち光量が強いように感じるそれが、起きたばかりの私の瞼を刺激した。
全身を苛んでいた痛みは、もうほとんど無くなっている。昨日の影響がまだ残っているのか、頭はまだ少し重いままだけれど。そのくらいならば無視できた。
机を見れば、先生もちょうど起きた所のようで。マイクを手に取り何かをしようとしている所であれば、それが終わるのを待ってから]
おはようございます、先生。
[そう、声をかけるだろう]
(17) 2015/07/12(Sun) 11時半頃
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……おはよう、クラリッサ。
[声の主に振り返ると、にっこりと微笑んだ]
昨日よりは体調が良さそうね。 顔色がいいもの。
[気遣うような口調でクラリッサを見つめながら。 その実、何か彼女の体に異変がないか冷静にその姿を観察しているにすぎない]
何か体におかしいところがあったら。 すぐに私に言うのよ。
[口許に浮かぶ笑みは、虚飾にまみれていた**]
(18) 2015/07/12(Sun) 12時頃
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[フィリップの足は、忍ぶことにはとても向いていなくて。 声を掛けられて悲鳴を漏らすフィリップ>>10の様子に、私は微かに眉を下げた。 きっと、見つかりたくなかったのだということは、言われなくてもわかる。 それはきっと、赤く腫れた目元と関係があるのだろう]
擦ると、余計腫れるわ。
[私の体温は人間のそれより高い。きっとそれは、鳥であるフィリップも同じだと思うけれど。 冷やすのに向いてない自覚はある。だからたしなめるように目元にそっと触れたけれど、すぐにその手を離した。 大声で内緒話をする彼の兄>>11は、困ったものだと思う]
私は誰にも言わないわ。 だから……内緒にしておきたいなら、あなたも言っては駄目。
(19) 2015/07/12(Sun) 12時半頃
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[今度は彼の兄をたしなめる番のようだ。 もっとも、フィリップと違い、その話を聞き入れてもらえるかは怪しいものだったけれど。 内緒話を後押しするようにフィリップのお腹が鳴って、私はどうだろうと首を傾げた]
さっき私が食事した時は、ジリヤとアーロンさんがいたけれど。 今は……どうかしら。
[私は、いつも通り振る舞えているだろうか。 隠し事には自信があるけれど、フィリップは歌をたしなむ鳥だ。 声の僅かな変化に、気づかれてしまったかもしれない。 心配をしてもらっても、まさかこんなところで打ち明けるわけにはいかないけれど]
(20) 2015/07/12(Sun) 12時半頃
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…ったく
[よくできましたと>>12軽く返されれば、ため息をついて。本当に調子を狂わされる。なんだか反抗する気力すら削がれた]
そーだよ。アタシは自由にやるンだ。それはどこに行ったって変わらねー。
[自由。何よりもハリネズミが欲する物。…欲している、はずの物。特にその中でも、心の自由。それだけは、侵されたくなかった。はずなのに]
…ぅ…ぁ…撫でているかよ!
[撫でる。それは、恐怖する行為。そのはず。明らかに、欲するはずもなく。なのに、逡巡してしまう。迷ってしまう。今度は、自分の心に、困惑する。結局、答えの出ないまま、そのはずだ、と声を紡ぐ]
き、綺麗なままって、出来る、訳…
[突然の事に、慌てるも、前の発言から推察すると、言いたい事は理解した。つまりは、穴の開くような『悪さ』をするな、ということだろう。とりあえず、ゴムで髪を結び、受け取る]
…アタシがニンゲンとした約束を守ると思うのか?言葉でしばれるとでも?
[なぜか、猿とは出てこなかった]
(21) 2015/07/12(Sun) 12時半頃
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…貸すって言ったんだからな!もらってくぞ!
[白衣を一旦脱いで。作業着の上に上着を羽織り、その上にまた白衣を羽織る。ボロ布でも、ないよりマシだ。…はて、何をするのに?何をするのに、ないよりマシなのだろうか]
ったく、調子狂う…
[困惑の対象を自分の心にまで広げながら、呼び止められなければその場をあとにしようとしただろう。自分は自由を求めてるのだと、言い聞かせる為に]
(22) 2015/07/12(Sun) 12時半頃
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……ええ、大扉の前に。
[ ―――昨日の出来事から、幾許か。 針鼠の彼女と別れたのち、暖炉を潜り抜けたその先。 身構える大扉の横、尋ねられたことに答えながら、くうんと鳴いた犬を撫ぜる 。 ]
本物の畜生ならば、情も掛けずに済んだものの ……。
[ ――完全なる人と、不完全な獣人。
互いを結び付けるのは、大きく異なって、また同じの――「 人 」の一部なのだろうと、 ちいさく、ちいさく囁く 。
そうして女医の揶揄いの声にそういえばと思考を巡らし、飄々として―――即座に「 ひと 」に銃口を向けることのできた同僚の姿を思った 。]
[あたま、という回答は私に不穏な印象を与えた。
頭数が多い方が、脱走の成功率が上がる。……囮に、できるから。
そんな印象はきっと被害妄想で、私は自分が思った以上にナーバスになっていることを悟る。
隠し事のせいだろう]
行かないわ。
……少なくとも、今は、まだ。
[だから、続いた誘いの言葉にも、私は乗らなかった。
私は、外に出たい。外の世界に行ってみたい。
その気持ちは本物だけれど、だからこそ、軽はずみな行動は避けなければならない。
私は、抗うために抗っているジリヤとは、違う。
私が行動を起こす時、その行動は手段であって、目的ではない。
だから、計画は周到に練られなければならないのだ]
[そんなことを考えていたのに]
私が、誰かを呼んでいた?
いいえ、知らないわ。
[人との接触は少ない方がいいと考えている私が、誰かの名前を呼ぶなんて、考えられない。
問いの意味がわからず、私の声には微かに不審が混じる]
何のことを言っているのかしら。
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――プール――
[ ぱた、と水音を、鱗ののる肌に聞き取りながら――>>1:246「処罰」の言葉には首を振る。勿論、チェビィの意向ならば従っただろうが。 諦観するくらい、決まり決まった流れだった。たべたらしかられる。うみじゃないから。]
―― 、しんだら。
[ ふ、と。幼少から知る瞳の色が、失せる瞬間を。2度と、その手がにおいつける花も、ほんもののひかりすら映さないのだと思えば。 手を濡れたその髪に伸ばし、――手袋を外した側だと気がついて、そのままに下ろし込んだ。傷つけたいわけでは、ない。
自由、と抗う針鼠へ。そらをとうたう2羽への憧憬も。 忠告をくれた男の背へ願ったことも。今度、への返事も。
全部本当で、彼らから何も奪いたいなど思っていない。]
……“ここ”で? …満腹なら、たべない。
[ 満腹。充足なんて、吸水口から摂取する“まぜもの”の味に感じた事など、1度もなかったが。――たとえば、ここのひとをものを全部たべきったら、「満腹」になるんだろうか。人間が情動をとめらないように、どうしたってとまるわけもない、と思いながら。
たべて、たべて、たべて。――そのあとは? *]
(23) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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…――俺をここからだしてよ、チェビィ、
[ さかなはうみでおよぐもの。 いずれ満たされない、とぜんぶをくい潰すことになるのなら。――鱗の肌と擦り付けあったって、混ざり合えるわけもない。
本気で彼>>1:253に縋る気もなく、ただ独り言じみて。手袋を嵌め直しては、身を離して小さく落とした。 冗談、と誤摩化しつつ。まずは地図がいるかと、隔離された白壁を思いながら。はた、と気付いたように。]
……チェビィは、そとに行きたくないの?
[ 言ってから、居住が彼の本意でないなら、酷な問いだったのかもしれないと。男は然程変わらぬ姿で“ここ”にいる。10数年でそうなのだから、見目よりずっと以前から、白亜に囲まれているのだとしたら。 変わらないまま幾度と、いついつも。ここで同胞の、ヒトのひかりが失せるのを見ていたのだろうか。
「うみじゃない」と、“ほんとう”を告げた彼はどんな顔をしていたろう。――しんかい、と。自らを形容して告げたそれを、反芻しては。彼はその色を、……知っている?
そとの、奥のひかりを知っているのなら、朝と夜を知らせるだけのつくられたひかりに。――己なら、耐え切れるだろうか。]
(24) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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――プール→――
――たべる、けど。俺と?
[ ぐう、と数度目の腹の虫を聞きながら。我慢できるだろうか、とマスクを受け取る>>1:255のすら摘むよう、彼から、においから離れながら。顔ごとそらして、「くつわ」をはめこんだ。じりとズレるそれの端、吸収口をこんと叩きつつ。 そういえば、替えを貰わないままだった。
誰が誰も、彼のように「やさしく」はないから。――とおくむかしにきく“うみ”の声音を思いながら。きっとはやくした方がいいのだろう、と足先を直す。]
俺のしりたいこと。
[ やはり彼は、そとを、ここのなにかを知っているのだろうか。 自らよりは小さく映るだろうその姿を眺めつつ、その奥に、一体どれだけのことを潜めているのだろうと。――“ふゆ”に眠る亀が甲羅に、大事なみをかくすみたいに。
フードごとマスクを被り直せば、ひとつ頷きながら。彼がいう“ごはん”の先へ同伴しようと、足を進めただろう。]
(25) 2015/07/12(Sun) 13時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 13時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 13時半頃
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[ きょとり。 男は珍しくその瞳に不思議そうなそれを揺らめかせた。 ―――そう、期待していなかったのだ。 「撫でる」ことで牽制し、またそれに対しての反応など。 棚から牡丹餅。闇の中の光。その程度だと高を括っていたのだが ――― いやはや、これはこれは、と喉を鳴らす。
混乱 。 疑問 。 惑い 、 そして探る 。
まるで羊だと思った。迷える羊、……教会に来ていた輩と同じである。 ]
( ………おなじ。 )
[ ――――ひとも。けものも。 同じだと、思う。
それは男の底に蹲る本音であった。思考放棄では無く、 ―――目前に悩む彼女は、こんなにも。ひとらしい。
その心が何色であるかは察すること無く。
結ばれる髪から目を逸らし、男は白亜の空間を見据えた。何よりも歪んでいるのはこの空間だと言わんばかりに。 真白なそこが、目に輝いていたい。長い前髪の奥、伏せがちになりつ僅少瞬きでもしていれば、――聞こえた問い>>21には。 ]
(26) 2015/07/12(Sun) 13時半頃
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―――守ってくれないのですか? …さみしいですねえ。
[ いつぞや鮫の彼にも言ったように、決まり文句じみてさみしいと、男は言った。口元に手を当てがっては、薄ら笑いを隠すようにして。 眉を寄せて困ったように首を傾げてみれば ” それ ”らしく見えただろうか?
女医に歯向かっていた時のように、また平生誰かに噛み付いていた時よりも柔な口調を耳に流し。 その澄んだ瞳を真直ぐに見つめた 。奥まで透けそうに、綺麗ないろだと、思った。
―――そうして煽ったのに、彼女はどう答えてくれたか。 例え噛み付かれようとものらりくらりとするのみに留めるが。 ……軈て、着直された自らの上着と白衣がはためく音を聞きながら、白と黒とが重なるのをみた。
( …その白衣の意味は何だ…? ) 最早羽織る意味さえなさそうなそれに、胸中深刻さに似た疑問を落としつつ。…まあ、彼女がそれで良いなら、良いのだろう 。]
(27) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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行ってらっしゃい、 ” ジリヤ ”。
[ 挨拶の意味を彼女が知ることは、あるだろうか。 行ってらっしゃい 、 おかえりなさい 。 祈りのように捧げた言葉で、背を向けた彼女の「 帰り」を ―― 願う。 ]*
(28) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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[そうして私は、私にしては珍しいお節介をした]
仮に、今は誰もいなくても、これから誰かが来るかもしれないわ。 誰にも会いたくないのなら、簡単に食べられるものを受け取って、部屋で食べてはどうかしら。
[もしフィリップが、食事を受け取ってくることを私に依頼するなら、引き受けるつもりで。 さて、フィリップの好む、簡単に食べられるものとはなんだろう。 リクエストをしてもらえると、助かるのだけれど**]
(29) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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寂しいって、お前…
[>>27イエスでも、ノーでもなく、寂しい。謎の回答にまた調子が狂う。そして、相手が寂しがることに、なぜか動揺する。なぜだ?なんの理由で?相手はニンゲンだ。あの ニンゲンなんだ]
[行ってらっしゃい。その言葉が自分に向けられた事は、何回あっただろうか。それには答えずに、食堂から去る。…答え方がわからなかった。なぜ、答え方を探ろうとしたのかも、わからなかった]
(30) 2015/07/12(Sun) 14時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 14時頃
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[ 梟に窘められた兄は、気にしているのかいないのか。 毛づくろいをはじめたから、それなりには 気にしているのだろう。 彼女と話す時に僕がよく「しーっ」とするのもあって すっかり”駄目”の通りに押し黙っている。
僕は爪先で兄の頭を撫でて、食堂の中の話>>20に 耳を傾けて…そうして、何となく彼女の違和に気付く。
ぽや、とまあるくした瑠璃で 白い部分の無い 夜を吸い込む目を覗きこんで 今度は僕の蒼碧の手が彼女の目元に吸い込まれる。
( いつもならこっちの図書室じゃないし ) ( いつもなら、もっと……声が。)]
僕が熱に浮かされているからそう思うのだろうか。]
(31) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ そんなところへ、また。 彼女はとても優しいけれど、こういう事>>29は珍しい 僕は はくりと開いた口をゆっくりと閉じて ]
……誰にも会いたくない。…まゆみ、以外は。 でも、みずと りんご、ほしくて……
……ね、なにか あった?
[ なんだろう、と彼女に問えど その答えは与えられず 僕はふす、と鼻を鳴らす。
食堂からそいつらを取ってきてくれるというのは とってもとっても有り難かったから、 僕はインコみたいに頭を何度も下げて 食堂からそれらを持って来てくれる彼女を待った。]
(32) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ 兄さんが「アリガト!」と啼いて 僕は片手に林檎と水のボトルを抱えて礼をする。
何となく感じる違和感については 若干諦めつつも それじゃ、と手を振る気にもなれなくて。
変な時間に寝てしまったし ”夜のひと”たる彼女と、 彼女のせかいの、傍に居てみたかった。]
さっき起きて いま、寝起きで。 まゆみ、今夜はどこに居るの?
僕も居たら、いけない?
[ 彼女の抱えた本を赤い爪でコツコツとつついて ”静かにしてるから” と、兄の嘴をつまんだら 若干兄の機嫌を損ねた気もするけれど、まぁいいか。]
(33) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[ 夜と朝が重なる、誰は彼時。 煤けた図書室で本を読む彼女を見つけるのは 僕が唄い出す前のこと。
ひとりを好む彼女の背で、茶色の羽を撫でた時間は いつもとても短かったから
夜ならば、もう少しながく あの斑の星降る羽に、手が届くかなあ なんて。*]
(34) 2015/07/12(Sun) 14時半頃
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[髪を結び、ごく軽い身支度をして、 彼は部屋を出る。 ここは朝陽がささない。
管理された棟内で、そっとマイクに口を寄せる。]
(35) 2015/07/12(Sun) 15時半頃
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[…………
『本物の畜生ならば、情も掛けずに済んだものの ……。』
その小さな小さな囁きに、軽く首を傾げて、彼は歩く。]
情、か。
それが友情か同情か恋情かはさておき
向き合い長らく暮らしていれば情も沸くだろうさ。
君も彼らも「人」だもの。
[人ならば人情には逆らえぬ。]
……君は困惑でもしているのかね。アーロン君。
[穏やかに問いかけて、小型マイクから口を離し]
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[それから、梯子を下に降りる前。
頬を撫ぜる隙間風が吹くほうを見たならば、 そこに、番犬の姿はあっただろうか。*]
(36) 2015/07/12(Sun) 15時半頃
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[“誰にも会いたくない”>>32の中に、私のことは含まれていないよう。そのことに少し安堵した。 私がフィリップに声を掛けたことが、彼の傷にならなければいい]
それで、足りるの?
[フィリップは水と林檎が欲しいと言う。 同じ鳥でも、梟と鸚哥では随分と食べるものが違っていて、私には到底足りないその量で、フィリップは足りるのだろうか]
気にしないで。 大した手間ではないわ。
[お節介は感謝と共に受け入れられて、何度も頭を下げるフィリップに首を振ると、私はさっさと食堂へ向かった。食堂は目の前なのだから、本当に大した手間ではないのだし。 なにかあった? という問いかけへの返事を、ひとまず保留にして]
(37) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[ 殆ど予想していた梟のこたえには、ただ1つ頷くにおさめた。ひり、とその声の間に硬い色を覗けば、それも当然だろう。とのみ、奥、彼女の“心”の状態には意識も向けられないまま。
“すくなくとも、――”と、慎重に足した梟に、
いつかは。とそらをとびうたう2羽の姿を思いめぐらせる。
いつかは。彼女だけでない、他の「同胞」たちも、“手段”をとるときがくるかもしれない。
――うみに標を立てるように。失敗するにしろ、成功するにしろ。何かしら“そと”へのそれを残していけるだろうか。
……ただ。それが必要かも、”いい”結果を結ぶかも分からず。ましてそんな余裕があるかすら知れなかった。*]
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はい、どうぞ。
[水と林檎は難なく手に入り、私はすぐに二羽の前に戻ることになる。 戦利品というほどでもないそれを手渡して>>33、慣れないお節介は分不相応な感謝をされて、なんだか少し居心地が悪い]
今夜は、部屋に戻るわ。 第二図書館には、人間がいたから。 ……え。
[そういえば、こんな時間に私がここにいるのは珍しいかと、簡単に理由を説明する。 思わぬ申し出に少し驚いて、返事には瞬き一つ分の間が開いた]
(38) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[フィリップがそんなことを言ったのは、私の様子が少し違って見えたせいか、それとも彼に何かがあったからなのか。 なにかあった? という質問。赤く腫れた彼の目元。 どちらでもおかしくない。もしかしたら、両方なのかもしれない]
別に、構わないわ。
[フィリップは、隣室の住人。その隔たりは、どうせ壁一つ分。 その距離を詰められても、構わないと思えた。 彼の声は、私を煩わせるものにはならないから]
何のおもてなしも、できないけれど。
[殺風景な私の部屋を思い浮かべ、それだけ、付け足した]
(39) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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……、気のせい?
[ “知らない”とキッパリ言われてしまえば、自らの聴覚にすら首を傾げる。確かに、(最近のあれそれは別として)施設で窺う梟の傍に、あまり人影も獣影も見つけたことはなかった。それでも、たしかに聞こえた言葉は。
あれは――、と思い返すうちに。もし彼女が意識を逸らしたり、また会話を閉じることがあれば、それまでに留めただろう。]
“ かあさま ”。
[ ――やがてぽとり、と。その「なまえ」の意味すら知らなければ、不完全な音程で落としたそれは、届いたのだったか。
よんでいる、と自分は思ったけれど、もしかしたらなまえですらないのかもしれない、と巡らせながら。もし彼女が声に含めた不審を一層濃くするようなら、それ以上を切り上げる事も考えつつ。]
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―昼前/第二図書室―
……ん、あーぁ。あー…………
[寝起きはどうにも低血圧で、寝ぼけ眼をゴシゴシと擦り、頭を掻き、上体を起こせばズルリと掛けられたタオルケット>>1:244がズルリと落ちて]
…あれ?ボカァ、こんなの被って寝た覚え無いぞ、と
[誰かが親切に掛けてくれたのか。とも思った時、この施設で自分に親切にしてくれる者に真っ先に心当たりが無く 思い出すのはアーロンの言葉>>1:142]
い、いやいやいやいやいや ありえねーってハナシ。非科学的だし そんなの居るわけが…わけが……
(40) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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[人差し指と親指でそのタオルケットを持ち上げれば、確実に誰かが持ってきたであろう、この部屋には似つかわしくないくらい綺麗なタオルケットで 寝ぼけて自分が被ったなんて事はまずあり得ない。という事は――]
いや、そんな……まさか、な
[その正体が明である事もつゆ知らず、低血圧な朝(昼前)は更に血の気が引くような思いをする事となった**]
(41) 2015/07/12(Sun) 17時半頃
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だーれが寝坊だってハナシ
[寝起きで不機嫌な声のままマイクを取れば、そう呟いて
尤も、そんな会話をしたのは一体どれくらい前の事だっただろう。反応が遅い事から完全に寝坊であるし、聞いていたかも怪しい]
この施設に畜生なんか居ないぞ、と
居るのは……
[ふと、自分の過去を思い出す。けれど、それを管理人全員に言う気にもなれず]
…いや、なんでもないぞ、と
気にしないでくれ
[言葉を飲み込んで。それから詮索を拒否するようにマイクを切る**]
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―第一棟・自室―
[フィリップがそれでもいいと頷いたなら、誰かに見つかる前に、と部屋へ向かう。 部屋に着けば扉を開けて、どうぞ、と中へと促した]
本当に、何もないでしょう? 適当に座ってもらって構わないわ。
[小さなクローゼットと、姿見と、ベッドだけ。テーブルと椅子すらない。 およそ、誰かをもてなすには向かない部屋だ。……もっとも、誰かをもてなそうなんて思ったこともなかったけれど。フィリップの部屋がもっと殺風景だなんてことは知らない。 フィリップにベッドを示し、私も座る。他に座るところもないし]
お腹空いてるんでしょう? 気にせず食べるといいわ。
(42) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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はーぁ……
[起きてから目が覚めて、ようやく冷静な思考を取り戻した今 二人の管理人が怪我をして。内一人は二度も。尤も、嫌いな相手だからどうだろうと構わないし、もう一人は自ら突っ込んで行ったのだ。それこそ自分が責任を感じる必要なんてありゃしない]
あー、あー……あぁぁぁぁぁぁぁ
[それでも。誰かが自分のせいで怪我をしたのは事実だ “また”自分の“責任”で誰かを失うかもしれない事件を起こした 誰も居ない第二図書室で頭を抱えては並べた椅子の上をゴロゴロと転がり回って、それからドシンと盛大な音を立てて落っこちる]
(43) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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っ痛ぅぅ〜〜〜!! …はぁ。俺のせい、で……ィクシッ!!
[落ちた衝撃で埃が舞って、それが鼻に入れば自然とクシャミが出てしまう 寝起きで、機嫌が悪くて、それから罪悪感もあって、更に追い打ちを掛けるようなクシャミで衝動的になったなんて、誰かが信じるだろうか]
――ッ!!あ゛あ゛!!
[机の上にあった分厚い辞書のような本、それから外の世界について書かれたパンフレット、それに随分と昔のコミックもあっただろうか 脳裏に焼き付いて離れない、好きだったヒト。否、獣人の死が更にノアの苛立ちを加速させて、机の上にあった本もペンも、全てひっくり返す]
(44) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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クソッ…!!ゴホッ、あー…畜生
[咳とクシャミが止まらないくらい埃が舞った頃には第二図書室の一部は完全に荒らされていて。もしもフクロウの彼女が見たらガッカリさせてしまうだろうか、なんて冷静になってからふと判断する けれどどうにも元に戻す気にもなれないまま、ふらふらと第二図書室を後にする]
(45) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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―第二図書室→庭園―
…………。
[まるで魂が抜けたようにボーッとしながら、造花だらけの庭を見つめて 大体地下に昼夜の概念があるのか、とか。この庭はどうなってんだ。とか。今になって色々な疑問が湧き上がるも、全て自分にとってはどうでも良い事なのかもしれない]
軽率ってハナシ。今も昔も…
[1%の可能性のために、全てを失ったり。無駄な事をしてしまったり 命に関わる問題ではなかったけれど、決して良い事をしたとも思えない]
研究室、戻ろっかなぁ
[ボソリ、誰かに聞こえるわけでもなく呟いてからただ庭園を眺める**]
(46) 2015/07/12(Sun) 18時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 18時頃
[私の質問に、返ってきたのは長い沈黙だった。
勘違いか何かだったのだろうか。というか、そうとしか思えない。だって私は、誰かを呼んだ記憶などないのだから。
そこで、話は終わったのだと、そう思った時に、不意にその言葉は落とされた]
[“かあさま”]
[それは、初めて聞く言葉のはずで、私には縁のない言葉のはずで、それなのにどうして私は、こんなに衝撃を受けたのだろう。
どくりと、心臓が脈打ったのだろう。
私のどこかが、警鐘を鳴らす。言ってはいけない。いや、その言葉で“呼んではいけない”
それなのに、私の唇は。口数の決して多くないはずの私の唇は、その言葉を鸚鵡返した]
………………かあさ、ま。
[初めて口にする言葉のはずなのに、妙にしっくりとその言葉は私に馴染んで。
そして私の唇は、聞いていない言葉まで勝手に綴る]
とう、さま。
[何だそれは。そんなもの、私は知らない。
知らない、はずだ]
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食堂近く 廊下
[廊下を歩いている。髪の毛は白衣を擦り、さらにボロボロにする。その代わり、上着は傷つかない。身長差のせいで、上着はジリヤを包むくらいに大きく。]
…イライラするぜ
[上着に包まれて感じる、この感覚は、どうにも、自分にも説明がつかなかった。いら立っている、ということにして、思考を放棄する]
(47) 2015/07/12(Sun) 18時半頃
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[ 御礼を言われ慣れてないとでもいうような 居心地の悪そうな顔をしている梟へ、 僕はけらりとひとつ笑ってみせた。
ふたつの林檎と水のボトル。>>38 ポケットに艷やかな赤い果実をねじ込んだ。
( 第二図書室に、人間が? ) 昼ならわかるがこの時間。なんだか珍しい、と思う。 明日の朝に様子を見に行ってみようかな とも。
彼女が今夜居るのは自室だと、 咀嚼する時間がもうちょっとあったなら
……いちおう、その。ね。 遠慮するのが筋ってもんなんだろうけど。]
(48) 2015/07/12(Sun) 18時半頃
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[ 彼女の黒目がぱちっとひとつ、瞬いて>>38 構わない、って声>>39が聞こえる。
おもてなし、なんて 別になんにもいらないから こくりとひとつ、頷いて そわりと焦る胸と、ほんわりとあったまる胸と 両方をもてあましながら彼女の後をついていった。
*** 僕の部屋の扉を通りすぎて、 開かれた なかを知らない部屋のとびら。 姿見があることに、僕はまたちょっとそわりとして
( おんなのこの部屋、だよね… )
適当に、と示されたベッドの脇の床に座った。]
(49) 2015/07/12(Sun) 18時半頃
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………お腹空いてる。 ありがと、入れてくれて。 ………僕はここでいい。
[ 水のボトルは脇に置いて しゃく、と赤い果実を齧る。 ベッドに座る彼女を見上げて
しゃく しゃく。 芯だけになったら兄さんにあげた。
彼女が本を読みだしたのなら、横顔を見つめるだろうし とりあえず林檎がなくなるまでは黙っていて。
羽が届くところにあったなら、ほんの微かに触れた後]
きみが飛べたら良いのに。
[ と、零した。]
(50) 2015/07/12(Sun) 18時半頃
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[誰かをもてなしたことのない私は、どうやってもてなせばいいのかよくわからない。 おもてなしはできない、と言ったけれど、それでも私がベッドに座って、お客様であるところのフィリップが床>>49というのは、もてなさないにも程がある。 お客様を床に座らせていることにか、そもそも、自分の部屋に他の誰かがいることにか、少し居心地の悪さを感じて、私は誤魔化すように本を開く。 やがて、触れる手>>50に、フィリップが食事を終えたことに気づくと、顔を上げた。 お腹は膨れたの、と尋ねようとして、それより前にフィリップが口を開く気配を感じれば、その言葉を飲み込む]
……そうね。 私も、そう思うわ。
[飛べるかもしれない。その切っ掛けになるかもしれない、私の秘密。 先ほどなにかあった? と聞かれた返事を保留にしていることを思い出す]
……なにか、あったの?
[それでも私は、まだ打ち明けるか決めかねていて。 代わりに、質問を返した]
(51) 2015/07/12(Sun) 19時頃
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マユミは、フィリップの側で林檎の芯を突く、彼の兄の方をそっと眺めた。
2015/07/12(Sun) 19時頃
― 寸刻 ―
………どうしたの?
両親が、恋しくなった?
[ 僕にとっては 特に珍しくもないふたつの単語
博識なはずの梟が 譫言のように呟いたのを聞いて
僕はまさか「知らない」なんて想像だにせず
軽率に、ことばを投げる。
そういえば僕も両親の顔は知らないな、って
そばに居てくれたのは ”兄さん” で
兄さん。 にいさん。
記憶の靄はまだ晴れずに 背中だけがほうやり浮かぶ。
赤い鸚哥が 僕の傍で 『 ガア 』と啼いた。]
[ 鸚鵡返しに落とされた“なまえ”の響きに、音程にふ、と意識を持ち上げる。先ほどのじわりと警戒を帯びたそれとも。平生の聡明なくうきとも、どこか異なるいろだった。
黒い瞳の奥底で、警鐘が鳴らされているとも知らず。同じ声音から溢れたそれにやはり、聞き間違いではなかった、と思いながら。
容量を超えた水があふれるよう、つづいたあらたな“なまえ”を、自らも口内で転がす。とうさま。*
だれかの名前だろうか。
もし彼女が少しでも、己の踏み込みじみた言葉を避けるようであれば。と、面体の下口を噤み。
――それでも、彼女が未だ耳に自分の声を届かせたなら。本に触れ、“おおく”をしる梟へ純粋に尋ねるように。
“ かあさま ”“ とうさま ”
と、微かに低い己の声に反芻しては、
――それは誰のこと? と、初めてしる“なまえ”に、首を傾げただろう。ここのだれかだろうか、それとも、と。レンズ越しの目を細めながら。]
[フィリップの声に、はっと私は我に返る。
そう、それは、両親を意味する言葉で。それくらいは、私も知っていて。
そして、私には縁のない言葉のはずだった。
だって、私はそんな対象を知らない。そんな風に呼ぶ相手を知らない。知らない、はずだ。
“父”でも“お父さん”でも“お父様”でもなく、“とうさま”
甘えたようなその呼び方。意図せず唇から零れた言葉に頭の中は嵐のようだ]
そんなことは……ないわ。
私には、そんな人……いた記憶が、ないもの。
[そんな返事をしながら。どこかから、訴えかける声がする。本当に? 本当に? 本当に?
胸の奥がぎゅっとするような感覚に襲われながら、私は表面的には平静を装い、無邪気な質問に返事をする]
母親と、父親。両親のことよ。
私たちを、この世界に、送り出した人のことよ。
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………なにか、あった。
[ 赤い目元の事を聞かれているのだと思ったけれど 夜色の目をした人間との会話も 卑怯な僕の話も そのままするにはどうにも憚られて。
僕は僕の中に溜め込んでいた”もうひとつ”を絞りだす。 もしかしたら、ただの冗談かもしれない「鍵」の話。]
……ねえ、まゆみはさ 此処から出る「鍵」を持ってる獣が居るかも ……って言ったら、どうする?
[ つくりものの庭で会った”獣”のはなし。 彼の”声”も聞こえていて こちらの”声”も届いているようだったから ”声”では話せないと ずっと溜め込んでいた 話。]
(52) 2015/07/12(Sun) 19時頃
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―― 一間前 ――
[ だれ、と投げる寸刻前だっただろうか。
うたう彼の声 に“りょうしん”、と心中に落とし込みながら。綴りは知っていたかもしれなかったが、馴れない耳にきく発音に鈍く、頭を傾けた。
――だれのことをはなしているんだろう。鳥の2人がしるのだから、“ここ”のだれかだろうか。と勝手な憶測を巡らせる。
もし彼女の意識がそちらへ向くのを確認したなら、最後の問いはただ腹の奥に沈めつつ。
2羽の会話から、そのだれかをしることはできるだろうか、と。声をかけられでもしなければ、以降は黙って、ただ耳をたてていたことだろう。*]
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[あてもなく歩く。イカレ女医を探すわけでもなく。ブラブラと。考える時間が欲しかった。長く。長く。他人の気持ちならともかく、自分の気持ちが、わからない]
…たしか、前に使ってた部屋が… [秘密棟に行く前に使ってた部屋なら、誰もいないはずだ。…部屋移動が、なければ、だが。そこで、いろいろ考えることにして]
(53) 2015/07/12(Sun) 19時頃
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明之進は、マユミの翼はあれは飛べるのだろうかとふと思った。
2015/07/12(Sun) 19時半頃
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[なにかあった、とフィリップは言う>>52。 それはそうだろう。でなければ、赤い目元になって、誰にも会いたくないなんて言うわけがないのだから。 促すように一つ頷いて、フィリップの話に耳を傾けて。 そうして語られた話に思わず息を詰めた]
……その、「鍵」というのは。 文字通りの鍵のことなのかしら。 それとも、何かの比喩なのかしら。
[フィリップの持っている情報をはかりかねて、私は用心深く発言する。 比喩的な意味でなら、私の持っている秘密も鍵といえるのかもしれない。 もしかしたら、フィリップも知っているのか。それとも、全然違う情報を持っているのか。 別に、駆け引きをするつもりなんてない。フィリップを信用していないわけではない。 ただ、下手なタイミングで下手に情報を与えては、フィリップが混乱するだけかもしれないから。 だから、私はとりあえず、聞き役に徹することにする。 これ以上、フィリップの目元が腫れるようなことが、なければいい]
(54) 2015/07/12(Sun) 19時半頃
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はい、もう大丈夫です。
[ほんの少し感じた頭の重さに気取られないようにしながら、立ち上がって]
次は、いつ来ればいいですか。 "もっと良い薬"の実験、するんですよね。
[私が先生に、協力したい、と言ったとき。先生はそう言っていた。 もっと良い薬、はきっと、もっと大きな症状が出るのだろう。もしかしたら、私という存在が無くなることもあるかもしれない。
....そうしたら、先生は悲しんでくれるだろうか。いや、きっとただこう言うだけ。 "ああ、これは強すぎるのね"
それでも、いい。その結果を踏み台にして、先生の目的が達せられるのなら]
(55) 2015/07/12(Sun) 19時半頃
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出来るだけ早くしてくださいね。 私も、早くお薬が完成して欲しいですから。
あ、出来るなら今でもいいんですよ?
[俯いて、ふふ、と笑いを零した私の姿は、先生にどう映っているのだろう。
でも、出来れば。覚えていてほしい、なあ]
(56) 2015/07/12(Sun) 19時半頃
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……何かの比喩なのか、もしれない。 ”ここから出られたらどうするの” って きみに聞いた”声”。 覚えている?
彼……チェビイ。僕は、彼に言われたんだ。 「自分から”鍵”を奪いたいか?」 「鳥籠の鍵が欲しいと思うか?」って。
…その後、はぐらかされてしまったけれど。
[ ほう、と瑠璃の目を彼女>>54の羽に落とす。 指の隙間でするすると遊ぶそれは いくら触れても飽きなくて。 まだ赤みを帯びた目尻が、ふわりと 緩んだ。
泣いていた理由を聞き直されなかった事に ちいさく 感謝しながら。]
(57) 2015/07/12(Sun) 20時頃
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元自室
[部屋にはもともと部屋に備え付けられているものしかなかった。まぁ、独房や廊下で寝るよりはマシだ。安物のベッドに座って、大きくため息をつく。]
…なんなんだよ…まったく…
[ぶかぶかの上着にくるまるようにして、考え込む。部屋の前を通り掛かれば、空室のはずの部屋から声が聞こえると、訝しまれるかもしれないが、そんなことは気にしない]
(58) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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[その声には確かに覚えがあった。 聞き慣れないな、と感じた声。 獣にしか聞こえない、秘密の会話を始めた声]
奪う、というのは、穏やかではないわね。
[だとすれば、そのチェビイというのは、獣の味方ではないのだろうか。獣なのに? 鍵を持っている? 獣なのに? わからない。一つだけわかったのは、おそらくフィリップもチェビイを警戒していて。 だからこのタイミングを選んだのだろう、ということ]
それで、フィリップは、どうしたいの。 「鍵」を奪いたいと、思った?
[翼をフィリップに触れられるのは、嫌いではなかった。蒼碧と真紅を見つめながら、戯れにぱたりと翼を動かした]
(59) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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あら。クラリッサはせっかちさんね。
[柔らかい微笑を浮かべて、クラリッサの頭を撫でた。 そうよね。早くしてほしいわよね。 早くこの子は“ヒト”になりたいんだ。そうに決まっている。 だって、兄さんもそう言っていたもの]
でも、出来れば次のお薬は――― [無理をするように立ち上がったクラリッサの姿を、 冷静なアマルテアは見逃さない]
その副作用が抜けきってから、ね。
[幼子に言い聞かせるように、優しい声で言葉を紡ぐ。 前の薬の副作用が抜けきってからではないと、 正確なデータが得られないだろうから]
(60) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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本当に。クラリッサは、強い子だわ。
[お薬を怖がる子も、中にはいるから。そう付け足して]
ヒトになったら、自由が待っているわ。 外の世界に出られるの。 これ以上に、素晴らしいことはないわ。
[それはクラリッサに言っているのだろうか。 彼女の中に兄の姿を見ているのだろうか。 あの時。バケモノとして生きるくらいなら、死んだ方がマシって。 確かにそう言ったわよね。兄さん**]
(61) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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――――ッ……
[ こほり 。
僕の口から、見えない気泡が溢れた気がした。
―――出せるなら。 出して良いなら。 僕は、
でも。だってきっと、ダメなんだ。 背いたことをしたら、僕はきっと
―――振り返った途端に、首を切られてしまうから。 ]
(62) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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……モスキート。
[ 僕は彼の名前を呼んだ。まるでごめんねと意味を含めたような、ものだった。
彼の夢。 微睡みの奥、かなたの夢。 大海原に、身を浮かばせて。 真直ぐに体躯をしならせる彼を見られたなら ――― ぶつん、 僕の記憶の映像が途切れた。
僅か僕の瞳の奥、深い、まるで年月を経て錆びたような色に――赤みが一貫差したとも知らずに。
手袋の着られる前、触れたら傷付く肌のそこには、視線を落とすだけに留める。 だって彼に触れたら、また彼が興奮する紅が落ちてしまうかも、しれないから。 僕は管理人なんだ。管理人でなければならないんだ。 鶴が滑って、僕も滑った。 後ろの正面、 ―――みてはいけない。
……されどはたして、>>24彼の言葉は冗談だったのだろうか。 僕の心が軋む。 知っているよ。冗談じゃない。 彼の声は、本心だ。切望だ 。 作られたプールではもう、満足できない。きっと、きっとそうなんだ。……少なくとも僕は、そう思う。 ]
(63) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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そと。 ……いきたいよ
[ 蚊の無くような声だった。 それでいて、蛙の潰されたように無様な音だった。 潰れた声が、彼に届いたかは知らない。
うみ。 ではない、みずうみ。 僕の居た、―――ふるさと。 でも、うみに近い森だった。 鬱蒼とした緑を抜けると、浜辺に出る。 うみがめがたまごを産んでいる。 うみねこが空を泳いでいる。
そんな世界はある日―――弾けて消えた。 ]*
『 ぼくも、” ” 』
[ 言葉は機械を空の筒として通った。 しゅこ、と空気の洩れ掠れた音が溶ける 。 ]
(64) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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[ プール → ]
[ 霧がかかって、朦朧とした思考は>>25彼の声で晴れた。 僕から離れながらくつわをはめ直す彼に、また近付くほどバカではない。僕はぼうやり先の名残が残ったまま彼の仕草を見つめた。 こん、と叩かれた吸収口。俄かに軽い音に、替え時だろうかと思いつつ。 ]
うん、君と。でも僕と居ると、…あんまり、ほら。 視線もあるから。ダメなら平気だよ。
[ 濁した言葉の奥、浮かぶのは僕自身の「立場」。 管理人の上の上、あくまでも施設を統率する側なのだ。本当だって、ここに居てはいけない。 すぐに戻らなきゃ、ならない。――けれど、 ]
僕らはきっと、「 さみしい 」んだね。…モスキート。
[ ―――まぼろしを求めて飢えた渇きが、孤独が。 僕らを長い間、襲っている。
僕はそっと彼に手を差し出した。 誰かを傷付けないように、手袋の嵌められた手を求めて、そっと伸ばした。直された足先の横に僕のそれを並べて、 着替えることも出来たら、過程を通りつつ。
「 知りたいこと、何でもいいんだよ。」 ……僕はやっぱり、中途半端な亀だなあ。 ]**
(65) 2015/07/12(Sun) 20時半頃
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………「鍵」を奪いたい、と………
[ 繰り返した言葉がすぼまる。 ……そと、は。 そとは、怖い。 また物のように扱われて、大切な人と引き離されて ヒトに捕らわれる日々。
けれど。 手の中で遊ぶ羽>>59が 夜空にひろがるさまは とてもとても、見たいんだ。]
……僕、 は…………
[ ベッドのわきに肩を預けて、床から梟の目を見上げる。 吸い込まれるように 赤い飾りのついた手を伸ばして 近くて遠い 白い頬は ]
(66) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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………この、翼のため ……なら。
[ ”きみのためなら” と言えるほど 僕は大人ではなかったし 目を腫らして言うせりふじゃあないよね、と苦笑する。
翼のない僕が抱えるこの気持ちも 憧憬ばかりで かたちがよく見えなかった。
彼女と飛ぶ空に憧れが無いと言ったら嘘になる。 此処の鍵が開いていたのなら外へ行くだろう。 ”奪ってまで” 外へ行きたいという理由は 「僕自身」には そこまでなくて
この翼を夜空に。 その想いでだったら、出来そうな気がした。]
(67) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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ごめんなさい。 ちょっと席を外すわね。
[クラリッサなら大丈夫だろう、と思った。 アマルテアはクラリッサを、“信用”している。 普段は“彼ら”が医療室いるときに、 貴重な研究結果を放置することに抵抗を覚えるのだが。 すっかり警戒が緩んでいた]
……また、いらっしゃい。
[そう言って、微笑んで。 医療室を後にするだろうか]
(68) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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―→ 第三棟 監視室 ―
……やっぱり、ジリヤは戻ってないわね。
[監視カメラに映る各々の部屋の映像を見て。 アマルテアは大きくため息を吐いた。 秘密棟の映像を見るに、そこにジリヤの姿はない]
ヴェスパタインは。まったく、もう。 まあ、そんな気がしていたけれど。
[元は聖職者だったというあの同僚が、 無理強いをするような男ではないのは知っている。 さて、気になっていたことは確認できたし。 戻ろうか、と席を立ったところで]
ん。
[第二図書室の映像に目が留まった]
(69) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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……なにやってるの、ノアは。
[イライラした様子で本とペンを薙ぎ倒す彼の姿>>44。 いつもへらりとした印象のある彼らしくもないと思った。 そして何より]
真面目に仕事しなさいよ。
[なんて本音が漏れるだろうか。 ふと、昨日彼が漏らした“ここにいる理由”が頭を掠めて]
人それぞれ。事情はあるんでしょう、けどね。
[こんな異常なところにいる者は、 きっと誰もがそれぞれ事情を抱えていて。 何かに当たりたいこともあるのだろう、と**]
(70) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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もしも、本当に、フィリップが外の世界に行きたいのなら。 私は、その役に立つ秘密を、持っているのかもしれないわ。 チェビイの言う「鍵」と関係があるのかは、わからないけれど。
[私にはない色を持つ腕を、手を、眺めながら、私は静かに告げる。 こちらを見上げる>>66フィリップの目を、見つめ返した。 ああ、彼は、目の色もとても綺麗。 そして、フィリップの下した結論>>67に、瞬きをすることはない。もしかしたら、少し瞳が揺れてしまったかもしれないけれど]
私だけ、外に行っても。 一緒に、飛べないわ。
[ゆっくりと、噛み締めるように、私は言う]
私も、外の世界に、行ってみたいわ。 夜の空を、飛んでみたい。 ……でも、もしも失敗したら。 処分、されてしまうかもしれない。
(71) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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[私のその予想は、決して悲観的過ぎるものではないだろう。私たちは、管理されている。尊厳ある人として、扱われているとは思っていない]
……私、は。
[息を吸って、吐いて。 私は、ジリヤほど自分の命に無頓着ではなくて。 けれど、それでも。 そのことを考えた時に、真っ先に浮かんだことは]
(72) 2015/07/12(Sun) 21時頃
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私は、あなたが処分されてしまうのは、嫌だわ。 ……だから、迷っているの。
[いつもより少し早口で、そう言い切って。 は、と息を吐くと、フィリップをじっと見つめた]
(73) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 21時半頃
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―第三棟/自室周辺廊下―
責任者って誰だったかな そういや、覚えてないぞ…と
[いくらのんびり屋だとしてもずっと庭園でボーッとしているのは飽きて、ふらふらと移動する 途中誰かとすれ違ったのならば、適当に会話を交わしたかもしれないし、ノアには珍しく無視を決め込んだかもしれない]
良い相談相手が居るってわけでもねぇし…
[敵対視してる女医にお化けな年上。それから何を考えているかわからない柔和な人。誰も彼もが自分にとっては相談出来るとも言えない相手で 否、一人口を滑らせたくらいの相手は居たが]
(74) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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八つ当たり…だよなぁ
[なんであんな事話したんだか。と思うと同時に、第二図書室の時のように苛立ちが増してきて 尤も、それが本人に見られているとも知らずに自室に入れば今度こそまともな寝床に飛び込んで、携帯端末をタカタカと打ち込む**]
(75) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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あ、いえ、もう副作用は....。
[言いかけて、途中で止める。気付かれているのならば、ここで私が何を言おうと先生が考えを変えることは無いだろう]
分かりました。ヒトになるのは、もう少し待ってからにします。
[その言葉に、先生は頷いて。そして、すぐに出ていってしまう]**
(76) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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― 第三棟 廊下 ―
[かつかつ、とヒールで靴音を立てて。 第三棟の廊下をアマルテアは歩いていく。 やがてノアの部屋>>75の前で立ち止まると、 こんこんとノックした]
……ここにいるんでしょう、ノア。 真昼間から、サボりとは良い御身分ね。
[やっぱり飛び出すのはいつもの嫌味だ]
クラリッサが、喜んで実験に協力してくれるって言うの。 あの子は良い子だわ。 もっともっと、強い薬を試そうと思っているところ。
(77) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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[アマルテアの手には、サンプルの入った小瓶が握られている]
あなたの意見が聞きたいわ。 研究者としての。
[冷静な声で、ノアに問いかけた。 さて、部屋の中から返事はあっただろうか**]
(78) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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【1:52】/【仕事】働きたくないそんな貴方に【やめたい】part52
52 名前:パズルの暗号は774さん:2XXX/9/A(月) 時間:XX:XX
ID:njsLYrai
ケツ拭いた紙で鼻かんだ奴が今まで最高に優勝な死にたさだけど、罪背負って生きるのって超死にそう
特定怖いから隠して言えば取引先の都合の良い事したら自社に影響ある感じ
>>=XX
(・∀・)カエレ!!半年ROMってろ
【1:53】/【仕事】働きたくないそんな貴方に【やめたい】part52
53 名前:パズルの暗号は774さん:2XXX/9/A(月) 時間:XX:XX
ID:njsLYrai
嫌味な同僚が押しかけてきた、居留守きめこみt
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うげっ……
[あまりの焦りに携帯端末を顔面に落とすという失態を犯す 血は出てない、鼻は付いてる。よし、おーけぃ。なんて事思いながら、呑気に扉を開けようとした時に聞こえてくる続かれた声]
クラリッサ…
[あぁ、彼女もまた無意識に怪我を負わせるタイプの獣人だったか そんな事を思いながら、扉を開ける気は一切無くなって扉に寄りかかってから会話を続ける]
…別に。ボカァ、もう研究者じゃない 研究する事をやめた、一般人だ
[一人を犠牲にしてから、もう何にも手がついていない 誰かを救おうと思う事も無くなったし、ただ批判だけするクソ評論家みたいな奴に成り下がった]
(79) 2015/07/12(Sun) 21時半頃
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キミの事だ。どうせ“ヒト”にしてあげるとか“無責任”に言ったんだろ 嘘でも真実でも無い希望は残酷だ
[その薬が果たして本当にヒトに戻れる薬なのかという確証は無い 強力な物、と言われても自分がその薬を見たわけでも無いしなんとも言う事が出来ない それでも、クソ評論家として言うならば]
(80) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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――キミは、誰かを殺しても気がすまないのか
[八つ当たりをするように言葉をぶつける それは自分の事を言うように、嫌悪の篭った声で**]
(81) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 22時頃
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[ ( そうだね、いっしょに ) ( 僕が彼女の聲になって 彼女が僕の羽になって ) ( 星の中で飛べたら、どんなにいいだろう )
きみだけでもいい、そんな滲み出た僕の狡さは 彼女>>71のとてもよく利く夜目の前には 隠すなんて無理だったみたいで。
ひとつ、ひとつ ことばを区切って零される制止は 僕のちいさな心臓を締めあげてゆく。
「飛んでみたい」 きみのその言葉だけで、僕には十分なんだけれど。
いつも 感情の乗らない彼女の瞳が揺れて 僕の指先が迷う。 赤い指先は何にも触れずに僕の足元に帰ってきた ]
(82) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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[ ”処分” そうだね。 モノを棄てるみたいに僕等 獣の命は軽いのだ。 ( …明にとっては、そうではないかもしれないけれど )
もしも、と言葉を濁す彼女>>71を見上げて 目の前の翼が床に落ちるのは 見たくないと思った。 目の前の瞳が閉じてしまうのは 見たくない。
目元に触れた熱い指が 冷たくなるのは――。
自分の命にあまり頓着がないのは何故だろうか もう、兄には会えないと思っているからか 外にも此処にも あるようで無い居場所。
――――だけれど、彼女は 嫌だ。]
(83) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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[ そう、想うのと 彼女の口から 普段なら考えられないような言葉>>73が出るのとは たぶん だいたいいっしょだったように思う。
短く吐かれた息。 向けられた瞳。 僕はそれを全身で受け止めて ]
(84) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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僕も、きみが死んでしまうのは 嫌だ。
[ 僕は別にいいのに、とは 言えずに。]
ねえ、まゆみ。
……………触れていい?
[ ベッドに両手をかける。 床に膝をついて、腰を上げ 彼女の瞳を覗きこむ。 卑怯な僕は どこに、とも 言わずに
ただ 下から 彼女を見上げた。]
(85) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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[なんだか部屋の中から間抜けな声>>79が聞こえた気がした。 突然の来訪に、彼が慌てていることだけは何となく伝わる]
……居留守は無駄よ。
[低い声で唸ってみるが、 続いて紡がれる言葉>>80には思わず眉を顰めた]
希望を与えて何が悪いの。
[アマルテアの瞳から、光が消えた]
ヒトになれる可能性が少しでもあるならば。 その可能性を提示してあげることが、 “彼ら”の幸せに繋がると私は信じてる。 それの、どこが無責任だというの。
[その口調は刺々しい]
(86) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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中途半端に、“彼ら”に情けをかける方が。 余程、無責任だと思うのだけれど。
[あからさまに、ドアの向こうの相手を揶揄してみせる。 しばらく黙ったあと、すうと息を吸い込んで]
誰かを殺しても気がすまないのか、ですって?
[じっとドアを見つめて]
(87) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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―――私はもう、兄を殺したわ。
[淡々と、事実を告げた]
だから、立ち止まるわけにはいかないの。
[ぐっと拳を握りしめる。爪が食い込んで、血が滲んだ**]
(88) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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[ 今日・第三棟 ]
[ ぐるぐるとした螺旋階段は、まるで同じところを幾度も通る迷路のようで、また頭がおかしくなりそうだった。 僕は知っている。 この地下に降りてきた日のことを。 僕は覚えている。 この地下から這い上がれなくなった日のことを。 柵のように鶴との誓いが、契りが、僕を蝕んで―――止まらないんだ。 ]
――――ああ、
[ 上司の元へ行く為に。長い階段を登る途中、開けた景色。 地平線から降り注ぐ陽の光。 遠くに反射する、「 うみ 」の鏡。 頬を擽る汐風と、 身に沁みる暖かな陽射しは、まるで僕のうちうちを浄化するかのように。 じんわり、じわり 。 ]
もう、こんな時間だ。
[ そしてその感覚も、地下の白亜に崩される。
鶴と話して程なく戻った僕の体には、未だ「 そと 」の香がしがみ付いていただろうけれど 。 ]*
(89) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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キミの言う希望は、偽りだろう
[希望を与えて何が悪い。だなんて それが本当に希望ならばまだしも、分かり切っているだろう結果で、有りもしない幻想にしがみつく希望は]
絶望よりもっと酷い
[例え自分にとって沢山の被験者が居たとして。被験者にとって自分は、すがる糸は一本しか無いのだから その糸が本当に自分をいい方向に連れて行ってくれる保証も無いまま]
――ッ!!!僕だって……!!
[中途半端な情けをかけているつもりは無い。本当に彼等をヒトに出来る薬を作れたのならば、嬉々として全員に作るだろうし、そのためならば自分の全財産叩いてでも使うだろう けれど、それは叶わず。生まれた結果はただ一つだった]
(90) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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奇遇だな…
[寄りかかっていた扉から離れて、鍵を外せば自動的に扉は開いたか それから希望を失った瞳は、目の前に立つ拳を握りしめた女医を見下ろして]
俺も殺したよ。片思いの、大好きだった子を キミと同じ事を言って、希望を与えて
[その希望は結局叶う事も無く。そして薬は完成する事も無かった 一度の失敗で諦めた自分と、だからこそ立ち止まらない彼女では似ているようでまるで正反対で]
(91) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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――やっぱり、僕はキミが嫌いだ
[羨ましくて妬ましくて自分に持っていない物を持っていて けれど、どこか欠けている。そんな彼女が嫌いだと**]
(92) 2015/07/12(Sun) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 22時半頃
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[先生が医療室から出ていって。そうして一人残された部屋で、私は考える。 ――外とは、どんな所なのだろうか。
生まれてからこのかた施設しか知らないとはいっても、伊達に第一図書館を読破したわけではない。知識の上でなら多くの事を知っている。
....もっともそれらには、私達は居ないのだけど]
自由、かあ。
[それは、そんなに良い物なのだろうか。ジリヤも、先生も、それが良い物だと言うけれど。 私には分からない。知らないものを判断できるわけがない。 だから知りたい。外とは。自由とは。どのようなものなのか]
外に、出たい。
[先生の為ではなく、自分自身の為に。 もしかするとそれは、自分のための、初めての望みだったのかもしれない]
(93) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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偽り、ですって……?
[頭に血がのぼって、つい声を荒げた瞬間。 ぎいと自然に扉が開いただろう。 目の前の男は、どこか憔悴しているようにも見えた]
……ノア。
[奇遇。なにが、奇遇だと言うのか。 長身の男を、じっと見上げて。 告げられた言葉に、一瞬目を見開いた]
そう、なの。 私と同じだっていうの。
[視界が、ぐらりと滲んだ]
(94) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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奇遇ね。私もあなたのことが大嫌いよ。
[本当に、腹の立つ男。 彼の言葉は、ざわざわと自分の心を波立たせる。 今だってそう。自然と目元には涙が浮かんでいた。 こんな男の前で、弱いところなんて見せたくないのに**]
(95) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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っだー!眠れねー!
[考えがグルグルと回って、ちっとも眠れない。背中の傷も痛む。]
せめて傷なンとかすっか…
[部屋を出て女医がいないことを祈りながら、医務室に向かう。自分自身の手当てなら慣れている。なにせこの髪と暮らし続けているのだから]
(96) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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ヒトになる事を望んで、希望をチラつかせて それがどんなに残酷かも知らないで 薬を渡した時の喜んだ顔が今でも忘れられない
[これでやっとヒトと同じ生活が出来る。差別されなくて済むと そう喜んでいたはずなのに
記憶の映像は途切れ、目の前には倒れる女の子と、絶望し、発狂する自分の声。そんなのが何度も何度も繰り返して]
……入れよ
[女性を自分の部屋に連れ込むのはいかがなものか。それに、嫌いだとお互い言い合ってるのに 断るならばそれはそれで構わないし、入ってくるのならば泣きそうにもこちらを見る相手にタオルくらい渡してやろう ハンカチを持つほど乙女な部屋でも無いが**]
(97) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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[私が“処分”という言い方をしたのは、人間たちに“殺す”なんて意識はないと思ったからだ。 彼らにとって、私たちの命はとても軽くて。 きっと、重い“殺人”なんて意識はなくて。 きっとそれは、“殺処分”なのだ。 だから、私はフィリップの言葉>>85に息を飲む。 フィリップが私の命を惜しんでくれることが、酷く嬉しくて]
ありがとう。
[私は、自分の表情がわかりにくいことを、残念に思う。 少し目を細めれば、笑っているように見えただろうか]
(98) 2015/07/12(Sun) 22時半頃
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[ベッドに座ることを遠慮したフィリップの両手が、ベッドの上に乗る。 瞳を覗き込まれて、私は今考えたばかりのことを、撤回した。 自分の表情がわかりにくくて、良かったと思う。 私は、もっと一貫した考え方をする生き物だと思っていたのに。 さっきから、私の心は揺れてばかりだ]
フィリップに、触れられるのは……嫌い、じゃないわ。
[フィリップが、自分のことを卑怯と考えているなんて思わずに。 私は、曖昧な返事をする。 だって、言えやしない。 私にない色を持つその手に、触れられたい……なんて。 そんなこと、言えるわけがなかった]
(99) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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……ありがとう。
[ノアの部屋に入り、タオルを素直に受け取るだろう。 この男は、自分のもうひとつの可能性なように思えた。 心が折れてしまった自分。 ヒトとしての倫理観を捨てなかった自分]
兄も試作薬を渡したときは喜んでいたわ。最初はね。
[ベッドの端にでも腰掛けて、昔を思い出すように言葉を紡いだ]
効果はあったの。間違いなく。 でも、副作用で日に日に弱っていったわ。
[タオルを握りしめて]
それでも、彼は薬を最期まで求めたの。
(100) 2015/07/12(Sun) 23時頃
|
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最期に希望を見させてあげたのよ、私は。
[ぽつり、と。自分に言い聞かせるように]
だから、私は間違っていなかった。 ……そうでしょう?
[そう思わないと。やっていられないではないか。 膝の上の薬瓶に、目線を落とした**]
(101) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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|
医務室
[こっそりと医務室の中を覗く。どうやら女医はいないようだ。扉を開いて入り込む。そこにはクラリッサがいて>>93]
…よぉ、クラリッサじゃねーか。なンだよ。待ちぼうけか?
[声をかけつつもまっすぐに戸棚に向かう。傷薬や包帯を盗ったらすぐに戻るつもりだ。長居する理由はない]
(102) 2015/07/12(Sun) 23時頃
|
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そういえば、先生、何も持っていかなかったな....。
[ということは、研究記録とか。あとは薬なんかも、置きっぱなしなんだろうか。
あの口ぶりからして、"良い薬"はもう出来ているのだろう。 その薬ならば、もしかしたら。この手も、全身の毛も、無くなるかもしれない]
まあでも、そんなもの残しておくわけないか....。
[呟きながら、机の方を見ると。 アンプルに入った、何らかの薬液が置いてあって]
ああ、ジリヤ。うん。先生を待ってるの。
[その時入って来た彼女の方を向くその手には、アンプルが握られていた]
(103) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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マユミは、アマルテアの涙を知らず。
2015/07/12(Sun) 23時頃
マユミは、ノアの痛みを知ることもない。
2015/07/12(Sun) 23時頃
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似てるな いや、キミと似てるなんて最悪だ
[そのまま自分はベッドに腰掛けて。彼女がどこに座るかは知らないけれど、座る場所ならどこにでもある。尤も、この部屋は土足なので地べたは汚いだろうけども]
衰弱して、尚ヒトである事に執着する …やっぱりどの獣人も同じか
[この施設に居る奴も。そうでない者だって居るかもしれないけれど、自分が過去に見た子も 可能性に魅入られて、その先を見えず。やがて死ぬ きっと彼女は彼女なりの答えが出ていてそれは間違っては居ないのだろう。けれど]
(104) 2015/07/12(Sun) 23時頃
|
|
僕が間違ってないとでも言うと思ったか
[似て、異なる。そんな自分に対して同意を求めるのはそもそも間違っている 根拠があるわけでも無いし、ただの感情任せの否定である事も否めない。彼女の兄は薬を求めて、ヒトになる可能性を抱えて、信じて。そして死んだ]
欲しいのはヒトになる結果じゃない ヒトになった相手だってハナシ
[その相手が居なくなった自分は全てを投げ出したなんて 自分と彼女ではどこから歯車が狂ったのかすら、本人の自分にもわからない]
(105) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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僕を見ろ、アマルテア女医 キミは本当に兄が死んで納得しているのか?
[薬に目を落とす彼女に、そう言って 誰かを救う糸になるはずの彼女が、見えもしない糸にしがみついている気がして、そう問わずには居られなかった**]
(106) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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ノアは、マユミの状況も知る事は無い。
2015/07/12(Sun) 23時頃
ノアは、マユミの状況も知る事は無い。
2015/07/12(Sun) 23時頃
庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/12(Sun) 23時頃
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ふーン、よく待ってられるな。
[戸棚を勝手に開けて、市販の傷薬と包帯を取る。外にいたときもよくくすねたものだ。]
…じゃあ、アタシはこれで…
…ン?何持ってんだよ。
[パパッと取って帰ろうとしたところ、相手が手に持っている薬>>103が見える。…どうも、市販の薬には見えない]
(107) 2015/07/12(Sun) 23時頃
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|
[僕を見ろ>>106、と言われて薬瓶から顔を上げた。 赤く泣き腫らした目が、ノアを見つめただろう]
納得しているわけ、ないじゃない。 だから、こうして“ここにいる”のよ。
[ぽろり、と一粒涙が零れた]
もしも薬が完成したなら。その時初めて。 兄の死が“研究の礎”として意味があったものになる。 だから。私がここで立ち止まったら。
[そこで、言葉を止めて。 違う。この男の前で、こんな姿弱いを見せたいわけじゃない]
(108) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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ああ、もう。あなたって本当に嫌な男。 泣いてる女にも容赦がなさすぎるわ。
[その嫌味は、いつもの勢いがなかった。 泣いた女への対処を知らぬほど、餓鬼でもあるまいしと思う。 わざと目の前の男は。私の心に波風を立てているのだ。 本当に腹が立って。悲しくて。悔しくて**]
(109) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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ああ、これ?
[どうやらいつの間にか、手に持ってしまっていたらしい]
先生が作ってて、もう少ししたら実験する薬。 ....多分。
[本当にそうという確証は無いから、語尾は尻切れになるけれど。 なぜか、この小さなガラスの容器に満たされている液体が、例の"良い薬"であるのだろう、という気がしていた]
(110) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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なら、どうせロクなもンじゃねーな。捨てちまえよ。
[流石に、奪ってまでそれを壊そう、という気はしない。同じケモノを傷つけてまで憂さ晴らしをしようとも思わない。アンプルについてはそう答えるしかない。]
まぁ、おめーは壊そうとはしねーだろうけどよ。…とと、そうだ包帯止めるテープ…
[不足の品があるのに気づいて、また戸棚に向かう。その間、クラリッサには背を向けて]
(111) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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[まるで兄が生きた意味を作るというように聞こえるその言葉は、自分にとって昔の女の子の死を無駄にしていると言われているようで 自分の今までの人生が否定されたような気持ちに陥る]
僕は、現状維持でも一人でも生かす事で 死んだあの子の意味を見付けてる
[彼女には彼女の答えがあるように、自分には自分の答えがある きっと目の前の女医は自分よりずっと先を歩いて、その分沢山引きずり、抱えたのかもしれない こちらを見た彼女の目は真っ赤に腫れ上がって、涙は更に零れていて 無意識からか右腕を伸ばして、その後頭部を包み込むように抱きしめようとしていた]
嫌いな、大嫌いな相手に掛ける容赦なんかないってハナシ こんな時ですら嫌味言ってくるキミも、嫌な女
[もし抱きしめる事が叶ったならば、少しくらい撫でてやっても良いかもしれない]
(112) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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優しい言葉掛けてほしいんなら、他に行けってハナシ
[ただそれだけ呟いて。彼女がこの部屋を出て行かない限りは落ち着くまで一緒に居ようか**]
(113) 2015/07/12(Sun) 23時半頃
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|
[ こんなに近くで彼女を見たことはないはずで。 いつも、薄暗い第二図書室で 本を読む彼女の後ろでほんの僅かな 会話をしたり 小さな声で 本の読めない兄に唄って聞かせたり
時折、翼と戯れるだけで 十分だったはずなんだけれど
ぼくの命を惜しんでくれた「ひと」を 恐怖で塗りつぶされた僕の「そと」に 輝く星空を思い出させてくれた「ひと」を ぼくは。
――いとしいって、思ったんだ。]
(114) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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うん、これは捨てない。
[そういえば、ジリヤは外の事を知っているのだったか。 なら、私の疑問に答えを出してくれるかもしれない]
ねえ、ジリヤ。 自由って、そんなに良い物なの?
[戸棚に向かう彼女の背中に、そう問いかける。 日頃から自由を渇望している彼女は、一体どう答えるのだろう]
(115) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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|
[ 僅かに微笑んだ顔の脇で 艶のある黒髪が揺れ 夜空にかかる彼女の闇へ 吸い込まれるように ぼくは彼女へ身を寄せる。
”嫌い、じゃない” この返事>>99は わりと…いつも通りかも。
僕はふわりと笑って 真っ青の片手を頬へ伸ばす。
さっき、触れられなかったから。 まるで柔い果実を撫でるように、指は目元を掠めて 細い顎の線を辿って 首元へ落ち 肩を包んで
キスを、してしまおうと 思ったけれど それは僕の目が腫れていない時にしよう。]
(116) 2015/07/13(Mon) 00時頃
|
|
………いっしょに、飛ぼう。
[ 彼女の頬に 微かに熱を持った僕のほっぺたをつけて そう囁く。
彼女の髪から、するはずのない 僕が 僕と”兄さん”が暮らしていた 森の馨が ――― した気がした。]
(117) 2015/07/13(Mon) 00時頃
|
|
[最初は、責任感なのかと思った。 失敗して、自分の命を失うことになっても、それは自業自得だ。 けれど、巻き込んでしまうのは違う。私は、他の人の命に責任を持てない。 それは、思いがけず知ってしまった秘密を、他の獣たちとまだ共有できていない理由の一つで。 もう一つの理由は、その秘密を知って誰かが向こう見ずな行動をしようとした時、私にそれを制止する力はないし、それが失敗に終わってしまったら、警備がますます厳重になるだろう、という利己的な理由だ。 けれど]
……くすぐったい、わ。
[フィリップの手が、頬に触れる。目元に触れる。顎に、首に、肩に触れる。 綺麗なその蒼碧を、あるいは瑠璃色の瞳を、見つめていたいと思ったのに、くすぐったくて、私は目を閉じてしまう。少し、首をすくめて。 いや、それは単なる言い訳で。本当は恥ずかしかっただけなのかもしれない。いつも真っ白な私の頬が、色を持たないはずの私の頬が、色付いていなければいいと思った。 私の心がこんなに震えるのは、私に触れているのがフィリップだからで。 だから……やっぱり、それは単なる責任感なんかではないのだろう]
(118) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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…いいもンだよ。何でもできるかはともかく試せる。気に入らねぇ事があれば、そっから離れりゃ簡単に解決する。嬉しい事も、自分が選んだ事が引き起こしたンだから、何倍も嬉しい。悔しい事も、自分の責任だ。理不尽じゃねえ。諦めがつく。…自由ってのは、それだけで、幸せを何倍にもしてくれるんだ。その先が、飢えて死ぬって結末でもよ。
…それが自由だ。いいもの以外の何でもねえよ。
[紙テープは小さいので、なかなか見つからない。相変わらず戸棚をごそごそと漁りながら、自分なりの自由を語る]
(119) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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[ああ、そうやって正論を言う。 やっぱり自分には自分の正義があるように。 この男にもこの男の正義があるのだ。 お互いに譲れないのだ。 それは、自分の今までの人生を否定することになるから]
自分が嫌な女だって。 そんなの私が1番良く知ってるに決まってるじゃない。
[ふわり、と抱きしめられる。抵抗はしない。 白衣ごしにノアの温もりが伝わってきた。 じわり、と再び涙が溢れた]
(120) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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[お互いに傷つけあって。お互いに傷を舐め合って。本当に]
―――私たち、大馬鹿者だわ。
[頭を撫でられても、不思議と嫌な気持ちはしなかった。 こんなに嫌な奴なのに。こんなにそりが合わない男なのに]
優しすぎるのよ、あなたは。
[だから、心がぽっきりと折れてしまったのだろう。この人は。 “大切な人”の死を、誰かに転嫁することもできずに。 ひとりでずっと抱え込んで。そうしてそのまま]
優しすぎて。勘違いしそうになるじゃない。
[落ち着くまで、しばらくこうしていようと思った。 それくらい、許してくれるでしょう?**]
(121) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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[フィリップの頬が、私の頬に触れる>>117。髪が、私の顔を撫でていく。 目を閉じたまま、囁きを聞いて]
……ええ。
[寄り添った彼にだけ聞こえる囁きを返した。 私は、フィリップの命が惜しかった。私の命よりも、惜しかった。 けれど、フィリップがそう言ってくれるなら、私は、私の命も惜しもう。 私と、フィリップと。二人ともが生きて外の世界に行かなければ、その約束は果たされないのだから。 約束。そう、これは、約束だ。 私は、今まで誰かと約束をしたことがあっただろうか。記憶する限り、なかった気がする。 大切な大切な約束として、私はそれを刻み込む。 きっと、何があっても。 この約束だけは忘れないと、私は自分の心に誓って]
約束するわ。
[そう囁きに付け加えると、フィリップの背中にそっと手を回した]
(122) 2015/07/13(Mon) 00時頃
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[自分の事は自分が一番良く知っている。同じ事を言い返してやろうかと思ったけれど、いつまでも彼女に対してオウム返しに会話をし続けるのも癪だ]
大馬鹿者だろ お互い違う道歩んだのに、お互い行き詰まってるってハナシ
[結局自分達はどちらに転んでも、救いなんてなかっただろうし。最初から無い答えを探し続けているだけで 自分の肩が濡れた感触がすれば自分もその体重を彼女に少しだけ預ける]
優しくなんか…… 僕等が優しくあってたまるか。人殺しの、僕等が…
[懺悔をするように、自分を責めるようにそう言い聞かせて もっと早く彼女に会う事が出来たら、きっと何か違っていただろうか。なんて少しだけ後悔するも、今更そんな事を考えたってもう遅い]
(123) 2015/07/13(Mon) 00時半頃
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ボカァ、勘違いされても一向に構わないんだケド
[聞こえるか聞こえないかくらいの声量でボソリと言ってから、自分の発言に恥ずかしくなってそのまま後ろへ倒れこむ それと同時に抱きかかえていたアマルテアも自分の上に倒れこむ形でベッドに寝転ぶだろうか]
俺はやっぱり……
[そのまま彼女に向けて。天井を見上げてどこか遠くを見るように]
キミの事は嫌いだな
[眩しくて、羨ましくて、妬ましくて、強かで、真っ直ぐな そんな彼女が大嫌いだと。その額に口付けを落としてそう呟く**]
(124) 2015/07/13(Mon) 00時半頃
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そう。あなたも先生と同じこと言うのね。
[自由はいいもの。皆がそう言っている]
じゃあ、私も。一度でいいから、自由になってみたいな。 ....だからさ、
[この中身が、きっと私を自由にしてくれるはず。そうに違いない。 いつの間にかそういう思考になっていることには、気が付かない]
これ、開けてくれない?
[猫の手しか持たない私には、アンプルを開けることは出来ない。だからこそ、頼む。 きっと、彼女は承諾してくれないだろうけれど]
(125) 2015/07/13(Mon) 00時半頃
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[ようやく紙テープが見つかり、振り返る。すると、アンプルを差し出して、開けてくれ、と言われた。>>125]
…それ飲ンで、自由になれると思ってンのか?ならねーよ。その先にあンのは、自由とは対極のもンだ。猿への隷属だ。こんな地下施設なンか比べ物になンねー、狭っ苦しい心の牢獄だ。
…気が変わった。寄越せ。ぶっ壊してやる。
[近づくと、クラリッサから無理やりアンプルを奪おうとして]
(126) 2015/07/13(Mon) 00時半頃
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[人殺しが優しくあってたまるか、と彼は言う。 “彼ら”をヒトとして見なければ。楽になれるのに。 優しすぎる彼は、現実から都合よく目を背けることもできずに]
……あ。
[気付くと、額に口づけをされていた。 顔が熱くなるのを感じる。こんなの、自分らしくもない。 何より、嫌な男にやられっぱなしは癪ではないか]
意気地なし。 キスはこっちにするものでしょう?
[挑発するように言ってから、顔を近付けて。 ノアの口元を自分の唇で塞いでやった。 ベッドがぎしり、と軋んだ。甘い吐息が零れる**]
(127) 2015/07/13(Mon) 00時半頃
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[ 静かに響く肯定>>122が、耳を伝っておなかの底に じんわりとした熱を溜めてゆく。 彼女が 僕に生きてと云うなら 彼女の為に生きようと 彼女がひとりで飛ぶことのないように。
高い鳥の体温ふたつ 寄り添った頬が熱いのは 種のせいか それとも互いに内に秘めた想いのせいか。
抱き寄せた温度を手放すのが惜しくて 僕は暫し そのままで。 微かに色めいた白い頬はとても柔らかかった。
伝えた僕のことば>>117は 僕にとっては願いみたいなものだったけれど そこに降ってきた「約束」は それよりも強く僕をつなぎとめようとする 彼女の想いが 垣間見えた気がして。]
(128) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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………約束する。 ぼくも。
[ 柔らかく背中に添えられた手は 頬よりも 約束よりも 強く強く僕をつなぎとめる。
夜の空で唄う約束を。背中に添えられた温度を。 ――共に飛ぶ 約束を。
わすれない。
舌の上で5文字を転がして 彼女の頬から顔をあげる。 顎を伸ばせば届いてしまいそうなその距離で 見つめたふたつのひとみは 微かに熱が浮いているようで 黒目ばかりの海の上に 小さな光の粒が転がっている。
僕の瑠璃がその中に溶けて マーブルを描けば ( さっき、やめとこうって おもったんだけれど )
与えられた背中の手に 幸せな誤解をして 小さな薄い唇へ、くちづけをしようか。]
(129) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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[そこに誰かがいたならば きっと会話をしただろうけれど。
恐らくはノアとすれ違うタイミングで 彼は階下へと降りて庭園の方へと向かった。**]
(130) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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[ジリヤが奪おうとこちらに詰めよれば、二、三歩後ろに下がってそれを避ける]
....やめて。
[予想通り、ジリヤは私の頼みを承諾はしてくれなかった。 まさか、奪おうとしてくるとは思わなかったけれど]
私は、あなたとは違うの。 例えその先に牢獄があったとしても、ここから出られるのならそれでいい。
それに、私にとっては管理されるのが日常だから。
[アンプルを胸の前に抱え、ジリヤを真っ直ぐに見つめて]
(131) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 01時頃
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[返ってきた答え>>129は、私の胸を甘く満たした。 それは、比喩ではなく命を掛けた約束で。失敗すれば、私たちは命を失ってしまうかもしれないのに、それなのに、どうしてこんなに甘いのだろう。 頬が離れる気配に、私はそっと目を開く。 恥ずかしい、と思ったはずなのに、離れるとどこか寂しくて。 どこまでも揺れる自分の心がおかしくて、私の口元は少し弧を描いた]
綺麗。
[至近距離で見詰め合えば、瑠璃色の中に私の姿が映っている。彼の視線を独り占めしていることが、幸せで。 唇を寄せられる気配に目を閉じれば、とうの昔に失くしてしまったと思った涙がにじんだ]
(132) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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何さ、変な顔
[勝ち誇ったように、口角を上げて嘲笑ってみせる 嫌いな相手に対して優位に立てるのは悪くない気分だ なんて、馬鹿にしていたら挑発するように、彼女の顔が寄ってきたかと思えば唇に当たる柔らかい感触に思わず目を見開いて]
…っく、はぁ 誰が、意気地無しだってハナシ それともシてほしかったのかい?
[今度はこちらから挑発するように、額と額を合わせてから意地悪く笑ってみせて 吐息を感じるくらいの距離でそう囁いて。大嫌いな相手なのに、その温もりは嫌いじゃない]
なんで、だろうなぁ… 大嫌いなのに――
(133) 2015/07/13(Mon) 01時頃
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[なんで嫌いかなんてはっきりしているし、理由だって言えるし。相容れないのもわかっているし、口を開けばお互い嫌味ばかり 喧嘩だってするし、つい昨日なんかは足を踏まれた
なのに怪我をすれば心配するし、お互いの過去で涙を流して。似てるのに似てなくて。同じ道を歩む事も出来たのにお互い別の道を歩んでいて。そんなアマルテアの事が]
――大好きなんだよな
[ふと目を閉じて、ベッドに体を預ける。彼女が自分を求めるならば出来る事は全てしてあげようとでも思ってしまうくらい、嫌いなのに好いていたらしい 薄ら目を開けて、それからアマルテアの反応を待ってみたり。期待している自分が馬鹿みたいだった**]
(134) 2015/07/13(Mon) 01時半頃
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それは、おめーに話したような自由じゃねーンだッ!自由のない外に、クソほどの価値もあるもンかッ!それを知らないまま飲もうとしてるやつほっといてどっか行けるかよッ!
[執拗に奪おうとする。髪が当たらないように、気を使いながらだが。アンプルを一瞬掴む。…おそらく、緩かったのだろう。その時に、蓋が外れてしまった。あまりにも突然な事に、対応など出来るはずもなく。]
な、ぁ…!
(135) 2015/07/13(Mon) 01時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 01時半頃
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[ 薄桜の唇に いちど触れるようにして。 薄く瑠璃を開いて 彼女の瞼に露が溢れているのを見れば それにも優しく口づけた。
抱いた肩の後ろで畳まれた 彼女の羽へと手をのばし 腕と 羽と ふたつで僕を包んで欲しいとねだって
僕の見る彼女と 彼女の見る僕。 ふたつが彼女のつくる暖かな闇に包まれたのなら ]
―――― 綺麗。
[ 彼女>>132と同じ言葉を紡いで 闇の美しさを伝えよう。
頬に手を添えて 親指で顎を押し開けた2度目のキスは 淡い林檎の味が するかもしれない。
もっと、もっとと騒ぐこころに薄硝子で蓋をするけども きっと敏い彼女には ばればれだ。 小石でも投げられたら、多分 割れてしまうだろう。]
(136) 2015/07/13(Mon) 01時半頃
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きみが持ってる秘密って、なに?
[ 僕と君との 甘い秘密でないことだけはわかるけれど
ながい ながい 夜の中。 彼女が抱えた秘密>>71を 聞くことができたのは いったいいつの事だろうか。**]
(137) 2015/07/13(Mon) 01時半頃
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[ジリヤの手が私の持つガラスの小瓶に触れ、その蓋が外れる。口の開いた小瓶から中身が流れだし、床に落ちる]
な、....なんてこと、を。
[瓶を持っていた手から力が抜ける。手を離れたそれは重力に従い落下して、床に零れた薬液の上にガラスの破片を作った]
どうして!
私だって、一度くらい、外に....この施設の外の世界が見てみたいだけなのに!
[全身から力が抜け、破片の上にへたりこんで。
薬液の水溜まりのすぐ横には、新しく水溜まりが出来始めていた]**
(138) 2015/07/13(Mon) 01時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 02時頃
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―― 第三棟 → ――
[ かたり、と 指に挟まれたペンが机上に寝転んだ。
『X月X日: ・針鼠ジリヤと対話 →撫でると落ち着く? 抵抗は見られない。激昂癖。卵サンド生存。猿から進化(ヴェスパタイン・アーロンのみ) ・鮫モスキートと対話 →スータンに興味? 何故ここでこの格好をしているか問われる。床に踏まれた血痕あり。』
書き込んだそれはほんのたわいない些細なこと。それでも人と獣人の、距離の縮め方として得たものはあるだろう。 男は文字列に視線を絡めては、ほうと息を吐いた。
脳裏を横切るのは、今日投げられた幾つかの質問。 ―――何故、この地下に居るのか。 何故、「 彼女 」に、「 彼 」に触れたのか。 そして同様に、傷付くことを欲するのか。 この地下に相も変わらず、祈祷の服を見に纏いながら。
……答えは。…―――軈て、男ははたりと日誌を持ち閉じた。 ]*
(139) 2015/07/13(Mon) 02時頃
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だからッ!なンでそれに、ニンゲンになる必要があるんだッ! 心まで捻じ曲げていく外なンか、外じゃねぇ!
[興奮状態で返す。机に置かれた何かの箱の裏、そこに、もう一つアンプルがある事など、気付くはずもなく]
(140) 2015/07/13(Mon) 02時頃
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[10年ぶりに取り戻した涙は、フィリップを心配させてしまうだろうか。 胸のうちを過ぎったそんな微かな懸念は、瞼に降りてきたくちづけ>>136に拭われていった。 翼に伸びてきた手。その意味に気づけば、望まれるまま、翼の中に閉じ込めてしまう。 自分の中に、独占欲が存在していることを、思い知る]
嬉しいわ。
[モノクロの私のことを、フィリップは綺麗だと言ってくれる。誰に言われるよりも、嬉しいと、そう返そうとしたけれど、林檎の味のする二度目のキスに、その声は封じられてしまったかもしれない。 額をくっつけあって、熱い吐息を零して。 そして私は、肝心なことを伝えていなかったことに気づく。 触れてもいいかと聞かれた時は、曖昧な言葉で誤魔化してしまったけれど、これは誤魔化してはいけないことだ。 どんなに恥ずかしいと思っても、きちんと伝えておかなければならないことだ。 だから私は精一杯笑顔らしきものを浮かべて]
フィリップ。
[誰よりも側にいる人の名を呼んで]
(141) 2015/07/13(Mon) 02時頃
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――――……好きよ。 あなたのことが、好きだわ。
[シンプルな言葉に、ありったけの思いを込めた。 もしかしたらそれは、意図せず彼の心に投げられた、小石になってしまったかもしれない]
(142) 2015/07/13(Mon) 02時頃
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[そのことを尋ねられた>>137のは、いつだったか。 あれほど迷い、悩んだことが嘘のように、穏やかな気持ちで、私は抱えていた秘密を打ち明ける。 第一棟の図書室の暖炉の中に、獣たちには知らされていない、どこかへ通じる道が隠されていること。 外へと通じている可能性が高いと思われるけれど、どんな警備が施されているか全く未知数で、迂闊に手を出せないということ。 獣に知られたということが人間にばれてしまえば、ますます動きにくくなる。だから、誰にも打ち明けられずにいたということ]
どうしたら、いいのかしら。
[獣たちの間でも、意思の統一はなされていない。けれど情報を独り占めしている後ろめたさも、私の中に確かに存在していて。 もう、一人で悩まなくていいのだと、私は確かに安堵していた**]
(143) 2015/07/13(Mon) 02時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 03時頃
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―→ 第一棟 医務室 ―
[硝子が割れる音。>>138 喚き声が二つ。
彼は庭に向かいかけていた足を止め、 くるりと振り返る。 そしてそれが幻聴でない事を確認すると、 た、と音のする方まで小走りに行き
医務室の扉をあけた。]
……何をしているんだ。
[そこには零れた液体と、泣きだす猫と、 それからハリネズミの姿があっただろうか。
彼は薬品と思しき中に ガラス片が混じっているのを見ると 険しい顔で二人を見た。**]
(144) 2015/07/13(Mon) 03時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 03時半頃
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…!なんだよッ!猿には関係ねえだろッ! 猿共が、お前らが、数を頼りにこんな事してなけりゃ、アタシもッ!クラリッサもッ!こんな事にはッ!
[興奮気味に新たな来客にがなり立てる。>>144 そもそも、何が言いたいのかわからないほどに興奮しているようで、場の状況から話がズレている]
(145) 2015/07/13(Mon) 03時半頃
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( こんな事には? 何だ……?)
[喚きたてる彼女>>145は大きく興奮しているようで 何があったのかわからぬまま、 彼は叫び散らされる言葉に眉を顰めた。]
猿とは云い得て妙だな……。 落ち着きなさい。 あゝ、硝子には触るなよ。
[クラリッサを一瞥してから、 ジリヤの方へと視線を遣る。]
泣かせたのは君か?
(146) 2015/07/13(Mon) 04時頃
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…ッ!アタシは、イカレ女医のロクでもない薬を捨てようとッ!
[罪悪感はあるのか、君が泣かせたのかと聞かれれば>>146、自己弁護をして。それはつまり、泣かせた、という自白にも等しいもので]
(147) 2015/07/13(Mon) 04時頃
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ああ……、 [続いた自己弁護に彼は息を吐いた。 彼女が薬を捨てようとして、 クラリッサがそれに抗ったのかと理解した。
アマルテアの実験を思えば、ジリヤが薬に 不信感を抱いていたとて仕方なかろうが]
何の薬かも知らずに捨てようとしたのか?
……騒ぎを起こして、 メティス先生が知ったら折檻かもしれないぞ。
[彼はジリヤに近づき、 手を伸ばして、その頬を抓ろうとした。]
…………片付けはやっておくから ちと頭を冷やしなさい。
(148) 2015/07/13(Mon) 04時頃
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…ッ!
[抓ろうとした手に、ビクッと反応して。だが、その向かっている先を理解すると平成を取り戻す]
…知るかよッ!
[頭を冷やせとの言葉に>>148、いつもの彼女ならば、殴りかかっただろう。それが、荒っぽい言動とは裏腹にやんわりと抓っている手を退かせ出て行こうとして。クラリッサに呼び止められたり、何か動きがあったら止まっただろうが]
(149) 2015/07/13(Mon) 04時半頃
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( ……おや、)
[ジリヤが穏やかに手を退かせようとするならば 彼はそっと手を離し、ぱちりと一つ、瞬きをした。]
そうか。
[鉄火の気性と思うておったが、 案外冷静だなとぼんやり考える。 ――何か、あったのやもしれぬ。あずかり知らぬ事だが。
彼女が出て行くならば、彼は、止めはしない。 ジリヤとクラリッサの間に会話があるならば 邪魔はしないだろう**]
(150) 2015/07/13(Mon) 04時半頃
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―― “ ” ――
[ なめらかに肌を舐める感覚。
体に浮力を与え、ひたりと鱗にはり付く感覚の中を縫っていく。腰から足先へとしたがって強く、身をうねらせては奥深くへと。 咽喉のかわきも、空腹も、ここには。 ――やがて“底”へとたどりつけば、そらを滑る軌道ににて、すうと浮きあがる。く、腹のあたりに力をこめては、ばねを弾くようにぐる、と回旋すら。逆らう水を足先でけりあげ、しなる躯はやがて、より深くをめざして、
“ ”
合間に聞こえた声色に、 よばれたそれに、ひたりと敏感なみみを向けては。 ―― ふると頭を振り返らせる。 なじみの声。 どこできいたんだっけ? と、奥底。届いたほうを覗き込んだ。
『 きみの すきに 』
なにを言っているんだろう? 俺は俺のすきに、“いきて”いる。そう今も、こんなにも「満足」して。
――どうして、そんな、まるで、 ]
(151) 2015/07/13(Mon) 08時半頃
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[ 間。
ぐん、と躯が鉛のように重くなる。肌を覆うのはなめらかな水ではなく、かさ付いた何かだった。口許に硬い感触がかぶさり、あまいにおいが充満する。 ――潮のそれでない、“ ”の 、
身動きすら取れない程、躯は重いのに、 ただ視界は上へ上へと、引き上げられていく。
水面が見える。ひかりが差し込むのに目を細めるものの、諦念は水の代わりに躯に浸みこんでいく。あそこにあるのは、]
―― じゃない、
[ そうだった、――俺のいばしょ、じゃない。 ここは、 ]
(152) 2015/07/13(Mon) 08時半頃
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|
[
……のぞいたいろの――赤さはどこで、みたものだっけ。
気泡が弾けたのは、かわらない姿の彼>>64の、おぼえのある声色にだったか。せりあがる空腹があった。どうあっても、とぐうぐう唸る腹は、それ自体が獣じみている。
それでもしゅこ、空気の漏れ抜けた、その先を思いながら。息を、情動を潜め込む。 ――だってそうだ、きっと彼も。 水底からのぼる間際、聞こえた声は。
どうしてこんなに、ままならないんだろう。聞き返すこともせず、ただ押し黙ったまま。 何度の“ひかり”を見て、閉ざされたのかしれない瞳をレンズ越し、見つめていた。]
(153) 2015/07/13(Mon) 08時半頃
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|
――回想・プール→――
[ 視線、と。こちらを気遣う言葉>>65に黒目を瞬かせる。 ――ああ、と幾分“マトモ”な頭に彼の立ち場を思えば、あまりつき合わせるのも悪いだろうと。 「観察対象」であれば、どの辺りにまであるのかしれない“監視”を。ちらと面体のした、窺った。]
さみしい、
[ やがて、合成繊維に覆われた自らのそこへ、差し出される手を見つめては。 ――自らも腕を伸ばし、手袋ごし、緩く繋ぎとめる。からからとした空腹が、その間僅かにやわらぐのを感じながら。 もし届かなければ、先ほどと同じに柔く下ろすまま。]
……君も、だったら、よかった。
[ 一緒にいけたなら。彼が己にみる“そと”を、記憶をたどる視線の先を。自分が彼のさみしさを補うことができたら。 ――よかった、と。 「これから」を成せるとして、成せないとして。最後かもしれない、と漠とした意識で思えば。
ただ昔なじみの亀へ、“おわかれ”を告げた。]
(154) 2015/07/13(Mon) 08時半頃
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――回想・→食堂奥――
[ 手が重なっていたなら、彼からか己からか、いずれ一間で離されたのだったか。 ぬれたそれを予備へと着替えては。すり切れてきたな、と鮫肌に触れる手袋を眺める。破けそうに薄まった部分を見つめて、小さく嘆息をしつつ。
―――足を並べ着いた先、ひと目を避けて、食堂の奥手。 いつもどおり、“どうぶつ”に必要な栄養と、甘い味の詰まったチューブを数個受け取っては。 決まった動作で吸水口に突っ込みつつ。手早く空腹をごまかすとなり、亀の彼も“ご飯”をしていたろうか。*]
…、…チェビィ、は、どんな景色がみたい?
[ ――何でも。には、たとえば“しんかい”ってなんだとか。そこからそらはみえるかだとか。はたまた、どうやればそとに出られるといった疑問も、山と浮かんだが。
吸収口から落ちたのは、先ほど、自分に一間もとめた奥。彼のかわきの奥への、興味だった。もし彼がこがれる景色があるなら、しりたいと。――問いには、どう返されただろう。
こたえにいくつか言葉を交わし。やがて、何事もなければその場に別れながら。]
(155) 2015/07/13(Mon) 08時半頃
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……意地悪ね。 それを私に言わせるの。
[シてほしかったのか>>133、なんて挑発されて。 思わず零れた言葉は、それを暗に肯定したも同じだ。 吐息を感じるくらい近くに、彼の意地の悪い笑みがあって。 なんだかすべてを見透かされている気がして、腹立たしい。
本当に、ずるいわ。
[なんで、よりにもよってこの男なのだろうと思う。 この男が味わった後悔も。苦悩も。葛藤も。 過去の自分と重ね合わせて、朧げに理解できてしまうのと同じように。この男にもきっと、分かってしまうのだ。 だから無遠慮に踏み込んでくるし、決して安易に彼女を肯定しない]
(156) 2015/07/13(Mon) 10時頃
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[―――だいすき。 たった4文字の彼の言葉に、この身が蕩けそうになる。 ああ、本当にずるい男。嫌いと言ったり。好きと言ったり。 こうやって、振り回されるのは嫌いなはずなのに。 不思議とこの男にされると心地よい]
あなた、相当に物好きだわ。
[呆れたように、嫌味ったらしく言ってやる。 そして、自分も相当な物好きだ。 お互いに捻くれてて。反目しあって。でも似ていて。 同族嫌悪なのだ。結局のところは]
……好きよ、ノア。
[そう甘く囁いて、彼の手と指を絡ませた。 彼の指は。逞しくて、温かかった]
(157) 2015/07/13(Mon) 10時頃
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[いつの間にかベッドから滑り落ちて床に転がっている薬瓶も。 実験のことも。兄のことも。仕事のことも。何もかも全部忘れて。 今だけは、この優しすぎる男に甘えて。 この身のすべてを委ねてしまおうと思った]
忘れさせて。ぜんぶ。今だけでいいから。
[そう甘く囁いて、2度目の口付け。身体を重ねた**]
(158) 2015/07/13(Mon) 10時頃
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―― 自室 ――
[ 目が覚めればいつもどおり、かわらない空腹を腹下に感じている。
――吸収缶も、すり切れた手袋の替えも、そういえば貰っていなかったなと。 人工のひかりを薄ら透かさせる、ひとの手形のそれを眺めては。何かの拍子に破れては堪らない、とパーカーの中にしまいこむ。裸のてのひらに予備を嵌め直し。マスクの吸収口をこんと癖づいて叩き、昨日の事ですこし、効果の薄れたそこを整える。
食欲を“どうぶつ”の好む味に練られたゼリーで誤摩化しながら。 帰り、食堂から持ち込んだ水のペットボトルと、チューブも羽織った迷彩のそこにしまいつつ。]
(159) 2015/07/13(Mon) 10時頃
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――第1棟廊下→――
( …人質、とかいるかな。 )
[ 白亜に不釣り合いにあたえられた“おしえ”に、なじみの亀に、声に。“そと”への乞いは、「満腹」にならない腹の虫の鳴き声と同じよう、留まることなく。
勿論、手段上でほかを死なせるどころか、傷つけるつもりも毛頭ない。動きや音に過敏すぎる器官には、過程、ひとに大人しくしてもらうことも必要だろう。 『処分』と、少なくない可能性を持つ己には、一応の防衛策にもなる。“管理者”に協力も期待できない以上。実際錯乱するよりは、と、思いつつ。
――そんな手をとることにならないといい、と。面体の下、考えを巡らせながら。
文字をしるため、幾度かかよった図書室。 ――あそこなら、地図やらの類いもあるかもしれないと。昨日>>24のそれを確かめようと、自室から足を踏み出した。 ひと目を憚る歩みで、近場の第1図書室へと向かうがてら、誰かとすれ違うこともあったろうか。]
(160) 2015/07/13(Mon) 10時頃
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―― → 第一棟 ――
[ 朝はまた昇る。Y日、今日も男は大扉の前で朝風をみた。 僅かに混ざる潮風は、鮫でも呼びそうだと思いながら。 ―――然しまるで隠されたような第三棟に、来れるか否かなど大方知りつつ。 よもや男の知らない所で同僚が暖炉に入るのを目撃されていたことなど、知りもせず。予測もせずに。 男は犬の頭を撫でた。 すり、と寄せられた犬の顔は、妙に重く擽ったい。
そしてまた朝が来たとマイク越しに呟いている間、その後、いつか。 自分より高い位置に居る「 上司 」が外の世界に足を運ばせるのを、平生の無色の瞳で見付けることもあっただろうか 。 ]
(161) 2015/07/13(Mon) 11時頃
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―――……そう言えば何をしようと、したのでしたっけ。
[ しかしそれも一閑であれば、男は顎元に手を充てこてりと首を傾げた。何か忘れて居ることが、有る気がする。 それは昨日放っておいた、割れ皿のことだったか? それとも床にへとりと掠れついていた、血のあとだったか? どれもしくりと来ない。 鮫との約束――は、彼から来るのを待てば良いのだが。
…ここまで考えて、男ははた、と気付いた。 そういえば、約束を守っていない、と。元に戻すと言って、戻すことのなかったことは。――挨拶の返しをもらっていないことには。 ]
………。上へ行こうと思ったんですがねえ…
[ 男は踵を返して、暖炉の下へと足を運ばせた。 繋いでいたはずの番犬の、鎖は、首輪は。考え事をしていた為に付け直すこともできなかったかもしれない。
暖炉の下、図書館のそこに身を滑らせる。そうしてまた、歩を進めた。]
― → 第一棟 図書館入り口前 ―
(162) 2015/07/13(Mon) 11時頃
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[ 彼女のくれた翼のカーテンの中、 火照った舌でエナメル質の奥をかき回す。
絡め取ったそれを小さな音を立てて吸いながら 互いに殆ど見たことすら無い場所に、触れているのだと そんな事実が 熱を持った喉を乾かしていく。
息つぎの仕方すらわからない、求めるばかりの熱の交換に ようやく入った吐息の隙間で 僕は格好悪く は、は、と肩で息をしながら すっかり熱の浮いた瑠璃にまつ毛をかぶせ 彼女へ額を擦り付ける。
柔らかな彼女の黒髪と はねっ返りの僕の髪が 汗ばんだ額の間で、ざりりと小さな音を立てた。
( そんな可愛い顔で呼ばないで>>141ほしい。 たべてしまいたくなるから。)
そう思いつつ。捕食されるのは、多分…僕のほうだ。]
(163) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[ 僕のことを、ほんの少しだけ卑怯と>>1:194 アキラは言ったけれど
確かに、僕は「卑劣」ではないかもしれないが
「ひどさ」でゆったら
……いい勝負だとおもうよ。]
(164) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[ 多分僕以上に 恋慕を紡ぐに慣れていないだろう唇が 「すき」>>142と 大きなことばの塊を描いて まっすぐに、まっすぐに僕のからだを貫いてゆく。
彼女に言われて、やっと 自分の抱えるこれは「すき」なのかと
自分の気持ちのかたちすら ままならないまま 至極勝手に手を伸ばして、くちづけをして 彼女に先に言わせてしまった 僕の狡さは
( ――情けない、なぁ。 )
泣いてしまいそうに、くしゅりと瑠璃を歪めて 僕を包んでくれる か細いからだを抱きしめる。
あんまりにも情けなくて 逸らしてしまった目は 縋り付くように彼女の胸元に埋めて とくり とくり と打つ心音を追いかけた。]
(165) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[ すん、と小さく鼻を鳴らし 森の馨を抱きしめて 僕の熱っぽい吐息は白いブラウスに染みてゆく。
羽根の根元、柔らかな脇羽に指を絡めて 油膜の張った瑠璃色は 夜空を仰ぎ ]
―――― 好きだ。
[ からっからに渇いた喉で 告げる。
前歯で噛むようにして解いたブラウスの釦
色が無いと呟いていた彼女の真白な胸元には、 暫くの間 淡い けれど僕の爪より色めいた 鴇色の花が咲いていることだろう。*]
(166) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[ 東の空が白む頃、漸く問えた”秘密”の答え>>143は 確かに僕にとっても持て余すもので ”どうしたらいいか” もすぐには浮かばない。
先ず浮かんだのは 血気盛んな針鼠のことで。]
…どうしたら、 だけれど ジリヤに教えるのは一寸待った方がいいかもね。
[ 身を顧みず 突撃するのが目に浮かぶようで、 彼女の為にも僕等の為にも 安易に伝えるのは止そうと。
僕に吐露して安堵する様子の彼女に擦り寄って ”いまは、おやすみ” と呟いた。
毎朝、庭に響いた慈しみは、今朝は小さな部屋の中。 まるで子守唄のように柔らかなおとが 彼女を夢ごと 包むだろう。
夢の中で、彼女が両親に会えることを 願って。*]
(167) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[ 目の前の深まる寝息に、僕もうとりと意識が揺れて 幾度めかの唄は 途中で途切れる。
自分の部屋に帰らなきゃ、って思ったけれど 静かに歩けない自分の脚と 音に過敏な彼女のせいにして
ぼくはこっそりと 彼女の寝顔に溺れるまま ベッドに凭れるように 意識を手放した。**]
(168) 2015/07/13(Mon) 13時頃
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[突然の闖入者に、思わず扉の方を見ると。そこには管理人の一人が立っていた。 彼とジリヤのやり取りを茫然としたまま、ただ眺めていると。ジリヤは、部屋を出ていくようで]
....別に、人間になりたいわけじゃない。ただ、外を知りたいだけなの。 貴方には関係ないでしょ。邪魔しないで。
[そう呟く声は、彼女に届いただろうか。 そしてもし、彼女が部屋を出ていくことがあれば、管理人にこう頼んだ]
机の上に注射器があると思います。それで、この薬液を吸い上げてくれませんか。
[一度アンプルから出た薬液は雑菌の温床になる。ガラスの破片が混入するかもしれない。 そんなこと、どうだっていいことだ]**
(169) 2015/07/13(Mon) 16時頃
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その薬を使ったら、一生知らねぇままだよ。
[人に身をやつして出る外など、ハリネズミにとっては外ではない。自由は誇りの上に成り立つのだと、彼女は考える。奴隷の幸福など、真っ平御免だ。…その考えは、きっと、孤独の中で自由を生きざるを得なかったから、生まれた、身を守る歪んだ針。今日も誰かを、また傷つけた。>>169つぶやきに対してそう吐き捨てると、まっすぐに自室に元自室にもどる。苛立ちを抱えたまま、治療を施して、その日は寝ただろう。…久しぶりのベッドだった]
(170) 2015/07/13(Mon) 17時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 18時頃
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[長い長い二度目のキス>>163は、甘くて、熱くて。やがて淡い林檎の味は溶けて消えた。 舌を絡め取られるまま、私は夢中でフィリップを味わう。 捕食するってこんな感じなのかしら、なんて。 口づけに酔いながらそんな考えが頭を過ぎると、ぞくりと体を電流が走った。 もっと。もっと欲しいわ。もっと、もっと。 我慢のできない子どものように、欲望のまま、求めて、求めて。 いつしかフィリップの背中を抱きしめる私の手は、指先が白くなるほど力がこもっていた。 脳裏を過ぎるのは、月見が書棚に戻していた本のタイトル>>3。 嗚呼、確かに私は、けだものなのかもしれない。
私は、自分のことを無感動な生き物だと思っていたのに。 どくどくと心臓が脈打っていて、私は間違いなく興奮している。 汗ばんだ額をくっつけるなんて、厭わしいはずなのに、 荒い吐息が混ざり合うなんて、気持ち悪いはずなのに、 私はこの上ない多幸感に満たされて。 きっと、無表情なはずの私の瞳は、欲望にけぶっていただろう]
(171) 2015/07/13(Mon) 18時頃
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[それなのに、肝心なことをまだ伝えていなかった>>141なんて、なんという失態。 聡明なんて評価を誰かからもらっていたような気もするけれど、今すぐ返上しなければならない。 少し前、欲望のままに貪るような大胆なことをしたくせに、たった三文字の気持ち>>142を伝えることに、酷く緊張した。 胸元に顔を埋められる>>165と、まるで私はそれが当たり前のように、両手で頭を抱き寄せる。 跳ねるフィリップの髪をそっと撫でたけれど、激しく脈打つ胸の音を聞かれているかと思うと、本当は恥ずかしくてたまらない。 ブラウスを通して伝わる、彼の熱い吐息>>166にさえ私は煽られて、こちらを見上げる瑠璃色を見つめ返した私の瞳は、きっと熱っぽく潤んでいた]
(172) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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……こっち。来て。
[そうして告げられた言葉>>166は、ますます私を追い詰める。 はしたないとかそんなことを考える理性は、とうの昔になくなっていて、ベッドの上に彼を招いた。 釦が解かれ、露わになる痩せぎすで貧相な私の体。 羞恥に顔が真っ赤に染まって、胸元に花が咲いて、色のない私に、フィリップはたくさんの色を与えてくれる]
あなたも。
[脱いでほしい、と。すっかり翻弄されながら、私はまた一つはしたないお願いをした。 だってフィリップは、私の獲物なのだから]
(173) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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[打ち明けた秘密。フィリップの返事>>167に、そうよね、と私は頷く。 ここから出て行くための、情報。きっと誰よりもそれを欲しがっているのはジリヤで、もちろん私も彼女の願いがかなうことを願っていて、でもだからこそ、迂闊には言えない。 抜け駆けするつもりは毛頭ないから、いつか伝えるつもりだけれど、そのタイミングが難しいと思う。 秘密を共有できた安心感。それだけじゃなく、側にある体温が、私を酷く安心させて。 子守唄のような歌声に、私の心は凪いでいく。 こんな風に眠れるなんて、なんて贅沢なのかしら。 そう思ったのを最後に、私の意識は途切れた]
(174) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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[声がする]
「もう、大丈夫ね」
[真っ白な世界の中、響く声。その声は確かに、私の持つ声と同じだった]
「幸せな記憶があっても。 それが、いくら懐かしんでも、もう二度と手に入れることのできないものだったとしても。 あなたは、もう大丈夫よね」
[嗚呼、これは私だ。10年前、それまでの記憶を封印した、私だ。 ありがとう、と私は呟いた。10年間待っていてくれて。そして今、私に記憶を返してくれて]
「あの日には、もう戻れないけれど。 でもあなたは、それを乗り越えられる、別の幸せを手に入れたから――――」
(175) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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[目を開けると、枕が濡れていた。どうやら眠りながら泣いていたらしい]
私……。
[いくら考えても思い出せなかった、完全に空白だったはずの記憶が、当たり前のように私の中に存在していた。 呆然としながら私は起き上がって、ぽたり、という音に下を向く。そして、ついさっきの認識を訂正した。 私は、眠りながら泣いていて、起きてからも、泣いているのだ。 手で涙を拭いながら、私は混乱していた。どこからが夢で、どこまでが現実なのだろう。 ああ、いけない。あんまり擦ったら、目元が腫れてしまう。そんな風に、たしなめたばかりだというのに……たしなめた?]
(176) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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――――……!!
[がば、と私は上掛けを投げ捨てて、部屋を見回した。 そしてベッドに凭れる姿>>168を認め、心底安堵する]
よか、った……。
[何が夢で、何が現実でも。 昨日の夜のことが、夢でなくて、本当に良かった。 あれが夢だったりしたら、きっと私は、心の底から絶望していた。 止まらない涙をそのままにして、私はベッドを降りる。 ベッドで休めばよかったのに、と小さく笑いを零しながら。けれどそんなところもフィリップらしいと思う。 眠る彼の前に、しゃがみこんで]
フィリップ。
[そっと声を掛けると、頭に口づけを落とした。 梟が鸚哥を起こすなんて珍しいこともあるものだ、と思いながら**]
(177) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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ン、うぅ…
[久しぶりによく寝た。毛布も使って防護策を図ったからか、起き抜けだというのに珍しくどこも怪我をしていない。医務室であの後何があったかなど、知る由もなく。]
…何すっかな。図書館にでも行くか?本なんてあっちじゃ読めねーからな…
[なんとなく第一図書館に向かう。憂さを晴らすような考えは、なぜだか出てこなかった]
(178) 2015/07/13(Mon) 18時半頃
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[「ただ、外を知りたいだけ」 場の闖入者たる彼はその言葉を聞いてふと思う。
(「 …こわい。森へ還りたい ……にいさんを かえして」)
もしも。この仔らを、あの大扉から出したなら。
―― そうしたい、と思う心と いけない、と自制する心は
彼女>>169から発された頼みに引き戻された。 ジリヤの針のような白い髪を見送ってから 彼はクラリッサを見下ろす。]
(179) 2015/07/13(Mon) 20時頃
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……断るよ。 それで打つ気だろう? 外に出る前に君が危ない。
[自殺願望でもあるなら兎も角。 清潔なタオルを一枚。クラリッサに差し出す。]
顔を拭くといい。 それと、怪我はしていないかな。
[それから掃除用具入れに向かい、手袋をして、 雑巾と紙を手に後片付けをはじめた。
アマルテアには、後で謝っておこう。 医務室で袖をひっかけたと。 貴重な薬ならば申し訳ないとは思うが。
……そんな事を考えながら。]
(180) 2015/07/13(Mon) 20時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 20時頃
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―― 第1図書室前 ――
[ やがて辿り着いた、見知ったその室前に。以前“おしえ”を与えた長い髪の男>>162の姿はあっただろうか。 自慢げに語ったその通り、足が用向きへと進むのを見れば、ただ見送るに留めようと――
――そういえば。“今度”と「宿題」にひた、と歩みを止める。今日とて変わらず――上の羽織りはなかったかもしれない――“いのり”を身に纏う彼に、やはり奇異めいた意識を向けながら。
ドヤ顔でこたえを出せる程、底も知らなければ。「ほしゅう」は困る、と一先ず宿題は端に置きつつ。]
…ヴェスパタイン。
[ “プール”へは行けない。今日は。――そうして、恐らく結果がどうあれ、これからも。……“そと”で、管理者の彼にあうことも、あっても困るのだろう。 「協力」を求めるつもりもなければ、明かす気もなかったものの。思いがけず、独り言めいて排気口から漏れる声が。
彼へ届くこともなければ、それ以上は避け。 気づいたのなら、誤摩化しぎみに、“どこかへ行くところか”と、問いを投げつつ。 くん、と敏感な鼻を動かし、彼の衣へ――また図書室内に“におい”が残っていたなら、僅かに首を傾げたのだったか。]
(181) 2015/07/13(Mon) 20時半頃
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[ また、こちらへ向かう針鼠>>178の姿がもしあれば、小さく面体の下、視線を動かしながら。 ただ“声”のときは心配がないからこそ、“そと”を、「自由」を知りもとめる彼女へ、憧憬じみた思いはあったものの。 実際問題、と以前数回の騒動を思い返し、ちのけが増えないうちに、と。
今日の日に錯乱でも起こしたら。きっと自分は、とそこまで至って、先ほどの>>160「ひとじち」を思い出す。 ――“管理者”で、大人しくしてくれる相手がいればいいけど、と思いめぐらせつつ。 最終手段的な認識であれば、さほど必要を急がず。
男と会話をしていたなら、小さく別れを告げつつ。 何事もなければそのまま、足早に図書室内へと、その場を去ろうとしただろう。]
(182) 2015/07/13(Mon) 20時半頃
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[彼の温かさを全身に感じる。息が荒い。 身体の芯から熱くなって。 邪魔な白衣は、いつの間にか。 皺くちゃになってベッドの下に落ちていた。
自分は嫌な女だから。 冷静になったら、きっとまた彼に嫌味を言って。 喧嘩して。反発して。素直になれなくて。 ツンと澄ました、可愛げのない顔をしてしまうのだろう。 けれど、今だけは。自分の感情に正直でいたいと思った。
欲望のままに、ノアを求めて。柔肌を重ねた。 汗ばんだ指先が。彼の頬を、首を、肩を。そっと撫でていく]
(183) 2015/07/13(Mon) 20時半頃
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[心臓の鼓動が、早い。 自分はこの人を本当に好きなんだと、改めて気付かされて。 なんだか悔しくて、悔しくて。堪らなかった。 優しいの女医の仮面も、冷酷な研究者の仮面も取り払って。 アマルテアは、素のままの自分をさらけ出していた]
……ノア。
[耳元で囁いて、優しく彼の髪を撫でた。 こんなの。本当に自分らしくない。 なんだか急に恥ずかしくなってきて。 彼の横に寝転んで、枕で顔を隠した**]
(184) 2015/07/13(Mon) 20時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 21時頃
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―― 第一棟・廊下 ――
[ 男は一歩足を動かした。 目的地。第二棟、 咲く花の庭。 ―――造り物でもその光景は、ひどくまぶしいけれども。 花が嫌いなのではない。男は寧ろ、花が好きだ。 でもそれでも、綺麗に咲くさまを真直ぐに見ることは憚られた。
…さあ、何故だっただろうか。
かさりと、仕草に合わせて揺らぐスータンの裾がちいさく鳴いた。 ―――また、そのまま秘密棟へ行こうとした頃。聞こえた足音>>178には、男はゆるゆる振り返ったのだったか。 ]**
(185) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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…なんだよ。ヴェスパタイン
[視線に気づいて>>185そちらを向くと、そこにはヴェスパタインがいて。ぶかぶかの彼の上着は、未だに着ている。白衣がボロボロさを増しながら守ったので、擦り傷もさほどついていない。]
…代わりの上、まだ見つけてねーから返さねーぞ。
[代わりの上が見つからないから?そもそも上は必要なのだろうか。暴れなければこの分厚い作業着で十分な気がする。それではなぜ返さないのか。わからない、わからない]
(186) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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ずるいもんか キミだって、似たようなものだろう
[お互い腹の探り合いみたいな事はやめて。今更何を隠す事も無い 嫌味ったらしく、彼女から言われればふと目を伏せて、「そうだね」なんて肯定する]
キミも充分物好きってハナシ やっぱ、似た者同士だ
[やっと聞けた言葉に嬉しくてニヤついてしまう衝動を抑える。好きだと、はっきり彼女の口から聞けて それがいつからの感情だったのか、それとも本当に好きなのか。自分にはよくわかっていなかったけれど。絡みついた指から伝わる彼女の体温は嫌に愛おしく感じた]
(187) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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忘れたいのは僕もだぞ、と… ケド、今だけなんて寂しい事言うなってハナシ
[二度目の口付けは、先ほどのように唐突に直ぐ終わらせたりはせず。お互いの存在を確かめ合って、そこに居る事を確認する]
(188) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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[撫でられた所がくすぐったくも、熱を持っていくのを感じる お互いがお互いを求め合って、その唇に、肌に触れて、初めて彼女の鼓動の早さを知って お互いが生きている事を実感する]
痛ッ……
[腕に残る生傷がジワリと痛み、少しは出血しただろうけれど。その血で彼女を穢すのも悪くないなんて独占欲で、その柔肌にマーキングするように血を擦り付けて]
なんだよ、アマルテア
[耳元で囁かれれば同じように返して、その耳を咥えてからかってやる 今更恥を覚えたのか枕を顔に押し当てて表情が見えなくなったのを良い事に頭を撫でながら、落ちた自分の白衣とシャツを再度着直して]
(189) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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僕さ、ここ辞めようと思うんだ …すぐ通るかもわからないけど、明朝には出るつもりだってハナシ
[本当は伝えないで去ろうと思っていたし、辞表だの手紙だのを部屋に置いて誰にも悟られず消えるつもりだったのに 彼女を“愛”してしまったせいで、迷いが出来て]
責任感じたって言ったら変だけど やっぱり俺は弱虫だってハナシ。ここからも逃げようとしてる
[誰かを傷付けた事。小さいのに、大失敗 それがずっと心の中で引っかかって渦巻いて、どす黒い感情が自分の心を蝕む事に耐えられなくなり もう少し早く、彼女と会って、愛していれば。きっと何か変わったかもしれないのに。その心は既にポキリと折れてしまって]
(190) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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持ってく荷物もあるわけじゃないし また違う研究でもして生きてくつもり
[事実、そんな当ては無い。けれど、ここに居ても外に出ても死んだような生活をするのならばいっそ――]
愛してるよ 愛してたよ アマルテア――
[たった一度だけ、お互いが全てを忘れる時間くらいは共有出来ただろうか。それならばきっと、良かったのかもしれない 彼女がどんな反応をするかもわからなくて、反応を見るのも怖くて。逃げるように自分の部屋を後にした**]
(191) 2015/07/13(Mon) 21時頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 21時半頃
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―― 図書室前・少し前 ――
[ はた、 と。 男は踏み出す前、足を幾許か留めた。 此処に住まう者の中では珍しく思う吸収口を着けた彼から、ちいさく――まるで独り言のように、呼ばれた名が白亜に響けば。 ……男は視線をそちらへ向け、口端を上げた。]
ああ、…―こんにちは
[ さて、今の時間は何時だったか。男は首を傾げて髪さえ揺らした。 顔前に垂れたそれは邪魔臭く、思わずに怠く後ろへ避ける。
そうして男は考えた。男が見るとき殆どプールに泳いでいる彼が、まさか――いやまさか、図書室にでも行くつもりなのだろうか? ギャップさえ彷彿とさせるその” 想像 ”に、男は腹底が擽られる思いがした。 その想像の渦中の彼が、二度と。 ――そう、” 二度と ”プールには行けないと、思って居るなど知らずに。知る手段さえ、ない。 ]
これから秘密…第二棟に。――あなたは図書室へ?
[ 問われたこと>>181に、男は何を思うでも無く軽く返した。 「 そういえば、宿題は。 」と、思考を止めたことには、男は口元に手を当てがい考える。 よもやその為に、と。 …いやはや、それもそれで律儀なことである。男は声にするのをやめて彼の姿を爪先までじとりと見つめた
(192) 2015/07/13(Mon) 21時半頃
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―――……彼処の花々は、…私は好きではありませんが 。 あなた方は、” すき ” なのでしょうか。
[ ――――そうして、意識彼方に、男は言葉を紡いだ。 彼に聞こえなければそれまでである。 声低く、ことばをなぞった音はこぼれ落ちて行く。 男はやれやれと態とらしく両手を上げた。
私は、本当に” いけるもの ”が苦手らしい。
また、二三言葉を交えることがあれば、それに答え、また交わすこともあっただろうか。 何事も――そう、何事なければ。別所から聞こゆる足音を背音に、彼を見送っただろうが。 ]
(193) 2015/07/13(Mon) 21時半頃
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―大扉前→監視室―
………。
[元々まとめるような荷物も無い。番犬のクロとシロは自分にさして興味があるようなわけでもなく、先程までベッドの上に居たものだから髪がボサボサになっていたのだろう。警備員が不信そうな目で自分を見ていたかもしれない]
思い入れは…特に無いはずだぞ、と
[ふと、女医の姿が過ってしまうのはそれほど彼女に執着してしまっているからなのだろうか。彼女の首元に付けた痕を思い出して、自身の独占欲の強さを再度認識する]
…たっはー、やり過ぎたってハナシ
[冷静に思い返してから、赤面してしまう。それ故に、言い逃げしてしまった事を後悔しながらも、戻る気にはなれない 自室でゆっくりと手紙でも書こうとしたけれど、戻れなくなってしまった以上、監視室にでも。と足を進めて、辞表のような置き手紙だけ書いていく**]
(194) 2015/07/13(Mon) 21時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 21時半頃
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[ 二度目。
呼ばれた名>>186に、男はこてりと首を傾げた。 見遣れば矢張り針鼠の彼女である 。変わらず重ね着されたそれに、だから何故、と疑問さえまた浮かばせつつ。
――然しそれも、白衣が増してぼろ切れになっているのが分かれば。嗚呼なるほど、” そういう ”コトなのだろうと、首肯する 。 ]
ふむ。……代わりの。 では一緒に探しましょうか?
[ 男が聞く前に答えられたそれ。一考して、男は提案した。深い意味は無く、ただ別の上着も見つかれば良いと思ったまでである。序でに何枚か見付かれば、彼女も困ることはないだろう。
顎もと。当てがった手を外し、見遣った彼女はどう反応しただろうか。 これから冬になる。 そうしたら、施設とは言え冷えることもあるだろう。 思考の奥、脳裏で分厚いものの方が、――と。 まるで他人事に、施設の未来を思った 。]
(195) 2015/07/13(Mon) 21時半頃
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………そうだな。でかすぎるからサッサと他のにしてー
[間が空いた後、相手の質問>>195にそう返して。なぜ、言葉が出るのにこんなにかかったのか。彼女にとって包み込むほどに大きな上着は、ずいぶん扱いに難儀する代物の、はずなのに]
…どうせ備品でなンかあンだろ。外の警備用のコートだの、他の白衣だの…
[どれも、この上着の代わりにはならない気がする。この不便な上着が?なぜ?変えるのが、正しいのだ。合理的だ。正しい、はずだ。図書館に行くのをやめにして、幾つかに分かれている備品の保管場所を目指そうとする。部屋はともかく、ロッカーにしまうタイプなら、鍵が開けれるはずだ]
(196) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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[優しい手つきで頭を撫でられているうちに。 ふわり、と彼が起き上がる気配がした。 どうしたのだろう、とそっと枕から顔を上げる。 告げられたのは。唐突な、別れの言葉>>190。
何となく予感はしていた。 ここにいても、たぶん。彼はいつまでも過去に縛られて。 ツラい思いをするだけなのだろうと。
しかし、実際にその言葉を聞くと。 頭がさっと一瞬にして冷えていくのが分かって。 唇が震えて。言葉が出てこない。 ああ、自分は寂しいんだ。その気持ちに気付いてしまう]
(197) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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[―――置いていかないで。私をひとりにしないで。 素直にそう言えたら、どんなに良かっただろう。けれど]
……そう、ここを出ていくの。
[出てきたのはひどく乾いた声で。 やっぱり、自分は可愛げのない女だと思った。 白衣を羽織りなおす彼の姿を、ただ黙って見つめていた]
そうね。それがいいと思うわ。 このまま、ここにいても。 あなたは前に向かって、歩いていけないもの。
[まるで合わせ鏡のような、自分の存在がいるのなら、尚更。 似ているようで、似ていない。正反対で。でもそっくり。 たぶん、彼は。そんな自分の姿を見るたびに思い出してしまう。 過去の後悔を、苦悩を、葛藤を]
(198) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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逃げるのとは、また違うと思うわ。
[じっと、ノアを見つめて]
お願い。あなたは、私みたいにはならないで。 そのままの優しいあなたでいて。
[なんて身勝手なお願いだろう。 でも別れ際くらい、そんなお願いをしたっていいでしょう?]
私も、愛しているわ。ノア。
[こちらに背を向ける彼に向って、声をかけた。 今の彼女にできる、精一杯の強がりだった]
(199) 2015/07/13(Mon) 22時頃
|
|
[ばたん、と扉が閉まった。 がらんとした部屋にひとり残されて、くしゃりと顔を歪めた]
なんであんな男を好きになっちゃったんだろう。 本当に、私。馬鹿みたい。
[いつもいつも、後悔をしてばかりだ。 あのときも。そして今も。 もう限界だった。ぽろり、と涙が一粒零れる。 顔をうずめて、枕を涙で濡らした。愛しい彼の匂いがした。 彼はたぶん、もうここには戻ってこない。 朧げに分かっているのに、未練がましく嗚咽を漏らした]
(200) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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[ →食堂 ]
[ >>155繋がり、また離された手が。
何年も” マトモ ”に、――逃げることさえせずに、僕と触れ合ってくれた人は、居なかったから。
何故だかとても、 ” 僕 ”は、 さみしかった。
『 ねえ。モスキート。 君は僕が、怖くないのかい。』――と。 聞くことが出来たなら、どんなに良かったか!
ほんの先日、まだ記憶も塗り替えられない頃に。 造り物の花に囲まれて、鮮やかな肌に触れ ――― その目になにを映したのか? ” 僕 ”から離れた背中 。そして、
記憶の奥。 頁を捲って、捲って、捲って 捲る度に見た、「 無くされた光 」と、「 体温 」が。
( 僕をより、臆病にする ) ]
(201) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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……僕は。
[ 食堂。チューブを受け取った彼のあと、間も無く僕も硬めの――ドッグフードにも似た、シリアルを受け取った。 機械をベルトごと外して、がりがりと奥歯で噛み砕くと、何とも言えない味が舌に染みる。 何年も何年も何年も繰り返しいる僕が、せめての楽しみと特注で作らせたこの味も ――― もう、何も感じないまでに。
僕はごくんと砕かれたものを飲み下して、問われたことを脳内で反芻した。 僕が見たいもの? 景色のことだろうか。 なんだっけな。見たいもの、 は、 ]
(202) 2015/07/13(Mon) 22時頃
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[ 兄とふたり、文字通り唄う慰み者として扱われていた。 大切なものなんて 兄しいかなかったし 憎いものは、だいたいこの世の全てだった。
人間に見つからず、森で暮らしていた頃に戻れないのなら 地上で死んだって ここで死んだって 殺されたって 大差ないって思っていたんだ。
次第に誰とも喋らなくなって、自分の言葉が遠くなって 言葉はじめを繰り返さねば なかなか音が出せなくなっていたのだけれど。]
………………まゆみ?
[ ふわ、と頭に触れるなにか>>177 僕はぼんやりと目をあけて、此処がどこだか思い出す前に 目の前のひとの名前を零す。
ふわ ふわ ふわ。 どこかまだ 夢の中にいて ]
(203) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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―回想:別れ―
ずっと立ち止まってばかりだからね キミとは、違って…
[酷く落ち込んだように。自分に力が無かったからなのだろうか、なんて思ってしまうくらい 前に向かって歩いていけない。それはここに居ても居なくても同じで。けれど、そういう理由でも付けないとこの施設から出たくなくなってしまうではないか]
キミも僕のようにはならないで キミはキミのままで居て
[だって、そんなキミが好きなんだから。なんていちいち口に出さなくても良いかもしれない 身勝手なお願いに対しては「善処する」なんて信頼のない約束をする]
(204) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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――さようなら、アマルテア
[その声は震えてはいなかっただろうか。自分ではわからないけれど、声色から本心は見透かされているかも。なんて、期待してしまう 扉が閉まればもう彼女の温もりは思い出へとなってしまって。触れる事の出来ない幻想を抱えてひっそりとため息を吐いた**]
(205) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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……そら。が、綺麗だった。
きみの色のように、黒くて――でも、優しいんだ。 どこか遠くから、輝くかけらがぱらぱらと降ってくる。 雨みたいに。 僕の頭上を流れて、 水面に落ちてきた月に、―――
” うみ ”で唄う、鳥の声も。 僕は、
[ ―――ああ、僕は何を言っているんだろう。
彼の瞳、先に覗けた彼の髪。 しんかいのそら。真黒な宙 。紅く染まる空 。 早い頃、黒が退くそら 。僕はそこが好きだった 。 森が、葉っぱがそよそよと囁く。 ” 造りものじゃない ” 花が、僕に話し掛ける 。
かつん、――と。 いつの間にか彼の黒に手を伸ばしていた指先が、レンズに弾かれた 。……レンズ? いやもしかしたら、彼にはたき落とされることもあったかもしれない。
僕は手を戻して、ぼうと篭った脳みその熱を振り切るように、首を振った 。 ―――もう、 ” 見 ”れないと諦めた、 ……とおい、記憶だった。僕の昔の、―――記憶 。 ]
(206) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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きみにも、 …… きみ、に ……ッ
[ 落としかけた言葉を必死に飲み込む。 飲み込んで、蓋をするようにその上からご飯を押し込んだ 。
『 きみにも、 』僕は何を言おうとして、 立場を忘れたわけでも、ないだろうに。
――――『 見せたい 』なんて。]
(207) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[ ぼんやりした顔のまま、目の前の白い頬に腕を伸ばす。 人差し指で 目元からあふれる泪を拾って ぺろり、と 朝露のかわりに それを口にした。]
……きて、
[ しゃがんでいる彼女>>177の腕を引き寄せる。 自分の、まだ”ひと”である太腿の上に軽い躰を乗せて]
擦ったら、だめ なんでしょ。 ………どうしたの、 …………怖かった?
[ 馬鹿、と怒られるかもしれない、 でも怒って彼女の泪が止まるなら、いいか なんて 馬鹿げたことを考えながら 赤い目元にキスをする。 その全部を拭い終わったら ようやく ]
おはよう、まゆみ。
[ と、気の抜けたへんにょりとした笑みを浮かべようか。*]
(208) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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モスキートは、やっぱり。 ……” うみ ” が見たいのかい。
[ ちり、 と。
僕の服のポケットの中。 施設にある限りの” 扉 ”の鍵が連なった鍵束が、音を鳴らした。
そうして程なく、彼と別れることがあったなら。 離れる彼の傍、僕は食堂に居座って、こてりと短い間――眠りこけたのだったか。
記憶の底、 焦がれる景色に誘われたように 。 ]**
(209) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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―― 第1図書室前 ――
[ 直されたこたえと問い>>192に、首肯きのみを返す。平生とのギャップに、腹底で愉快さすら持たれている事には気付かないまま。*]
“ すき ”、って、
[ どんな。と、面食らった声色で反芻する。 すきもきらいも、「いばしょ」でない施設の内、特に感じたことはない。ただその“すき”が空腹じみて、こがれる思いをさすなら。 ――違うんだろうと、レンズ越し、答えめいて瞳を伏せる。身も離れていれば、気付かれもしなかっただろうか。
におわない、“いきている”ハズの花々を模したあの光景を。どこかしらとおくへ意識の向く顔色になぞり映しながら。――“彼処”と告げたそれに、男のすき、こがれる花も“どこか”にはあるのだろうと思いつつ。 それを男の瞳に――いつかと同じように、覗き込み。]
……ならどんな、花が“すき”なの?
[ ――やがて飢えはぐう、と腹を鳴らす。機能の薄れた吸収缶の奥、 僅かに「そと」の混ざった“いきもの”のにおいを流し込んだ。 『処分』 の方が早く訪れないうち、と人工のひかりに視線を落としては。「宿題」のこたえは、結局そのうち、提出出来たのだったか。]
(210) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[どれだけ泣いただろうか。 涙も枯れ果てた頃に、アマルテアは立ち上がる。 白衣を羽織ると、鏡で自分の顔を見た]
ひどい顔。
[目元の化粧はすっかり落ちて、やつれて見えた。 首元にそっと手を当てる。彼の残した痕が、赤く残っていた。 ファンデーションで隠してしまうこともできるけれど]
お願い。消えないで。
[いつまでも残っていて欲しいと願った。 彼に愛された証が、今は堪らなく愛おしい]
(211) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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……私は、私のままで。
[別れ際の彼の言葉>>204を反芻する]
ごめんなさい、ノア。 私、そんなに強い女じゃないわ。
[ふにゃり、と顔を歪ませた。 さようならと言った彼の最後の声が、 いつまでも頭から離れずにいた。 果たして。自分は今までの自分のままでいられるのか、と**]
(212) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[名前を呼ばれて>>203なんと返事をしたものか迷った。 もうおはようという時間ではなくて、でも私は他に目覚めの挨拶を知らない]
そんなところで眠るなんて。 体が痛いのではない?
[結局口から出たのは、そんな現実的な、可愛げの欠片もない言葉で。けれど、フィリップの顔はまだぼんやりとしていて、私の声がきちんと意味のある言葉として届いたかはわからない]
……?
[フィリップの腕がこちらに伸ばされて>>208、私は首を傾げる。人差し指で涙を拭われる、その時まで、うっかり私は自分が泣いていることを忘れていた]
な、
[私の涙を拭った人差し指を舐める様子に、心臓が跳ねる。 もっと恥ずかしいことをしたはずなのに、私の羞恥心のメカニズムはどうなっているのか、自分にもよくわからない]
(213) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[ >>89 後 ]
―――……シロ? クロも、
[ 「 そと 」の香りを身に付けて、僕はこてりと首を傾げた。 いつも僕に駆け寄って――片や僕を唸りつける二匹の姿が、 見えない。 二匹が消えてしまったかのように>>162鎖だけが残されてる。 警備員は、気付かなかったのだろうか? きょろりと辺りを見渡すと、警備員の視線の先に、管理人のうちの一人が――今はもう、” ちがう ” のだけど――>>194監視室に向かっていた。
僕はその姿をいつもと同じ、錆びた瞳で見つめた。 彼が振り返ることがあったなら、 何か言葉を交えることもあったのだけど。 ]
……おかしいなあ。
[ 僕はまた辺りを見渡した。 犬の姿も、香も。何もない。そして” 食べる ”人もこの階では思い当たらなければ、まるで神隠しに子どもがあってしまったように――癖になった諦念と共に、ため息が出た 。 ]**
(214) 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 23時頃
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[羞恥心は、私の涙を止める作用をもたらした。 うろたえている間に膝の上へと引き寄せられて>>208、まるで小さな子どもみたい。 いいえ、やっぱり、それは違う。 だって小さな子どもなら、膝の上でもらうものは]
違うの。昔のこと……思い出せたのよ。 あなたの、お陰だわ。
[思い出した、昔の記憶の中。小さな私は“とうさま”の膝の上で、頭を撫でてもらっていた。 でも、私は子どもではないから。 好きな人の膝の上で、もらうものは目元への口づけで]
おはよう。
[気の抜けた笑みと共に贈られた挨拶。結局同じ挨拶を返して]
ありがとう。 でも、こっちにも欲しいわ。
[そう言うと、フィリップの唇に、唇を寄せた]
(215) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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怪我は、してません。
[俯いたままアオルを受け取って黙々と作業をする月見さんの姿を眺めながら]
別に、危なくてもいいです。 外に出られて。....あと、他に沢山いる"私達"が直るのなら。
[そういえば。ほんの少し前までは、このためだったんだっけ。 付け足すようにした言葉に、そんなことを考える]
それでも、だめですか。
(216) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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―― 第1図書室 ――
[ 地図、と。見当もつけて訪れたのはいいが。やはり大した収穫もなく、 ――本棚を高い背で弄っては、面体の下息を吐く。そもそも、外への扉を見つけたとして、過程“かぎ”やら警備もあるなら。……いざとなれば、留め具を噛むだのなんだのしてはみるつもりだったものの。――手元の吸収缶をいじっては、錯乱のはて、「結果」を思いながら。 やはり「協力」がいるだろうか、と。ぼうと頭を巡らせつつ。くん、と気のせいか、漂うにおいに首をそちらへと回した。]
――……?
[ 本棚の奥、過敏な鼻先が男>>162の通ったそれを微か、捉えたのだったか。もしにおいの残滓、かけらすらなかったとしたら、ただ諦めては、緩んだ面体を整えつつ。
――ぐうぐうと迫る飢えは、やがて施設に巡るほかのうごきを。においを。おとを。敏感にしみ込ませては、ひたりと頭の隅、“しんかい”の黒さに……やがては錯乱に、飲み込まれていったかもしれない。]
(217) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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んー…?
[ふと、感じた視線に振り向いてみるとこちらを見つめる錆びた瞳>>214 それに見覚えはあっただろうか。確か、上司の直属の部下だとかなんとかを知っていたかもしれない]
僕に何か…用でもあるのかい?
[ただ真っ直ぐ見られている事を不思議に思って、そう問いてみる 見てただけ、なんて言われればそれまでなのだが**]
(218) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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大きい? …いえ、あなたが小さいのですよ。
[ 咽喉を鳴らして笑い、戯れを向ける。 男は自分より小さな彼女を見下ろした。 寸分間の置かれた「回答」>>196には、ただ疑問のみをふつふつと思い浮かばせたまま。 ――そのまま、態とらしく身を屈め、目線を合わせることもしただろう。]
備品、ね……、あるでしょうか。
[ 「上」になら、必ずあるはずのそれ。 男は彼女の前で言っていいものかと即座に結論を出せば、口端はあげたまま、考えてるフリをした。 ……然し此方でも何処かに備品の寄せられた部屋があったはずだと思えば、素直に彼女に歩幅を合わせつつ。 ]
(219) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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―――私のが良いと言ってくれても良かったのに
[ 男はまた、彼女を冷やかした 。 視線は彼女に当てずに、道行く先を見据える。視界の奥で第二棟へと繋ぐ廊下の電球が、ちかちか輝いた気がした。 ゆらゆらと影の作られる床は、滑らかに。 踵の鳴る音が鼓膜を叩きながら―――して、冷やかしたらば、彼女に怒られることもあっただろうか。 例え怒られ、また怒鳴られても。 平生通り適当に――所謂のらりくらりとするだけだと、思った。]**
(220) 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[ 第三棟 ・ 大扉前 ]
[ ” なにか ” ……ね。
僕はまだ、陽射しに当てられたまま揺蕩う脳みそで考えた。 僕に声を掛けた彼は、――ああ、そうだ、 ]
ひとはいつでも、” 外 ” に出られるのに、
―――どうして僕は、出られないんだろう?
…ねえ、どうしてだと思う?
[ 僕はもしかしたら、陽射しに頭でもやられてしまったのかもしれない。 塔に上って、また地下に戻って。僕こそ鎖に繋がれたように、幾度も。 ただの「管理人」なら、好きなときにお使いに出て、好きなときに戻れるのに。 ……でもきっとこれは、八つ当たりなのだろうけれど、も。
何故だか無性に「 ひと 」の彼が羨ましくなって、でも声色は淡々として、彼にハテナを投げ付けた 。]**
(221) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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[ 小さく言葉を詰まらす彼女>>213に にぃんまりと チェシャ猫みたいに意地悪な三日月を描いて 可愛い夜梟を腕に迎える。
昨夜熱の中で舐めた彼女の泪はひどく甘かったけれど ……今のはすこうししょっぱい。
”昔のこと” ――ああ。 なら、よかった。 降ってきたくちづけ>>215を受け止めて 離れる間際 名残惜しげに下唇を緩く喰む。
抱き上げた彼女の胸元に、散った花唇を見つければ わざと音を立ててキスをしてみたりして ちら、と瑠璃で見上げて 笑ってごまかそう。]
とうさまと かあさまに…会えた?
[ 会えるのなら、夢の中ででもいい。 僕はずっと静かにしている”兄”を見上げて こっそりと 「しぃ」と 口を小さく横に 引き伸ばした。]
(222) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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………どうしようか。 ここでこうしているのも 僕は幸せなんだけれど。
[ へへ、と子供みたいに笑って 両腕を広げ 彼女へ立ち上がるかどうかの選択を促す。
そうじゃいけない、っていうのはわかっているけれど はじめて手にした存在を離したくない気持ちも強くて 自分から距離を置けない狡い僕は 彼女へそれを委ねるんだ。]
(223) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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どうして、ね…… 僕にそれを聞かれても困るってハナシ
[突然投げかけられた疑問に対しては真っ先に思いついた答えを投げ返して 困る、とは言えど管理人のみが来る棟にまで入ってくる彼>>221が外に出ない理由とは何だろうか。上司に頼めば外くらいいくらでも出ていけそうなのに]
キミは“ヒト”ではないから… だからこそ、“ヒトならざる者”と分かり合えるのかもってハナシ
[もし仮に。ヒトだからこそ心を開かない獣人が居た時 地上で罪を犯した犯罪者が牢獄に入れられるように。ヒトがヒトを管理するのならば、ヒトならざる者がヒトならざる者を管理するのも間違ってはいないのではないか。なんて推測を、思うままに口にして]
(224) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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いつでも外に出られる… そうだな、いつでも逃げる事が出来る
[出られない、なんて言う彼はきっとそうなのだろうか 逃げる事も、出る事も叶わず。想像以上に縛られた人生なのかもしれない]
キミは、外に出ないのかい 出たいと思うのかい
[嗚呼 これでは優しいだの情けだの言われてしまうわけだ どうせ辞めるのならばいっそ、目の前の彼に手を差し伸べてしまいそうになってしまうのだから**]
(225) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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―― ? ――
[ 「満腹」をただ、もとめていた。――ぐうぐう、と鳴く腹の虫、奥底は。 たとえば>>201彼の錆びたような瞳に一間、映ったそれと、似通っていたのかもしれない。みずからのレンズに、記憶をもとめて伸ばされた手は拒まず、黙って受け入れながら。
きみにも、と。その先はおそらく、己の「これから」をのぞんでくれるものだったか。 それだけ彼が“こがれる”ものなら、きっと綺麗なんだろうと。もう1度だけその手に、さみしさを一間でも埋めるよう、腕を伸ばし。――「さよなら」も済んでいれば、触れる手前下ろした。
“うみがみたいか”と問われたのには、 ――先ほどの、息の詰まった声色を思えば、ただ眉を顰め、沈黙を返すままだったろう。みたい、ほしい、空腹をどうにかしてほしい。
――かれのいうけしきがみたい。そんなこと、 ]
……うみ、って
[ 『処分』 された先にも、あるんだろうか。と、しみこむあまいにおいが、“ ”のそれが。じわじわのぼる“しんかい”のそれに混ざり合う。 やがては訪れるだろう「錯乱」の予感に1つ、誰にも知れず息を零した。]
(226) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/13(Mon) 23時半頃
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悪かったな小さくて。どうせネズミだよ。
[人間として生まれても小さかったのか、それとも、ハリネズミだから小さいのか。生まれた時からハリネズミだったために、そこはわからない。だがまぁ、ハリネズミだからだ、という事にしておく]
あるだろ。この白衣も備品ロッカーから盗ったしな。…ほら
[ロッカーを見つけて、近づいていく。鍵はかかっているが、ロッカーの鍵は安物なので開けれる。髪を差し込もうとした時、私のが良いと言ってくれても良い、と言われて>>220]
な、ぅ、ぇ、ぁ…
[なぜかその問いに、固まる。葛藤が生まれる。なんの葛藤だ?何と何がせめぎ合っている?それを認識する事を脳が拒否して、思考も、身体も停止する]
(227) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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[ああ、どうしよう。 極力誰にも関わらずに、私は孤独を愛していたはずなのに。 もうこの温もりを手放すことなんて、到底できそうにない。 唇を緩く食まれれば>>222、胸の中を甘いものが満たした]
あ……。
[彼の視線を追いかけて、目を落とした胸元。そこに昨夜の名残を見つければ、かあっと顔が熱くなる。 うろたえる私を追い込むように、音を立ててキスをして、笑って誤魔化すなんて、本当にずるい人。 きっと自分の笑顔の威力をわかってやっているに決まってると思うのに、誤魔化されてしまう私は、本当に弱いと思う]
(228) 2015/07/13(Mon) 23時半頃
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そう。ならいいんだが。
[カチリ。 紙の上に砕けた硝子の欠片を置いて、残りを拭く
別に危なくてもいい、と淡々と言う クラリッサの言葉を聞いている。 その心中がいかばかりか彼は知らない。]
外に出る前にうまく起きられなくなったら 本末転倒だろう。
[だめですか、と聞かれたから、ふるりと首を振る。]
だめだよ。
(229) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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[他にたくさんいる”私達”が治るなら、――
その言葉の真意は知らないが。 もし、自分が死んでも、と云う意味なら かなしいと思った。]
クラリッサ君。 君は、君しかいないんだから、 自分自身を大事にしておくれ。
[説教じみた言葉を吐くと、 ガラス片を始末して、 薬品を拭った雑巾をそっと洗う。]
(230) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 00時頃
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―→ 第三棟 自室 ―
[こんな泣き腫らした目でノアの部屋から出てくる所を、 まさか同僚に見られるわけにもいかず。 アマルテアは辺りの気配を伺うと、そっと自室へ戻った。 廊下で誰にも見られていないと信じたい]
お化粧、直さなきゃ。
[ドレッサーに向かうと、丁寧に櫛で乱れた髪を整えて。 再び目元のメイクを施していく。 首筋に残った痕はそのままに、立ち上がった]
(231) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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―― 第1図書室→ ――
[ ひたり、と。しみ込んでくるそれはなんだったか。 『たべたらダメ』 『ヒトになりたいなら』
『ここは――じゃないから』
――どうして、ダメなんだっけ? ほかのにおいと、おとと。微かなざわめきにすら頭が揺れる 。 乾いた服の下でぐうぐうと腹が鳴る。……こんなに、おいしそうなのに。ああ、でも傷つけるのも、傷つくのも。――1度でしんでしまうから。そらが、うたって?自由が、
まざる声はだれの、――“なん”のものだった?]
、
[ 機能の薄れた吸収缶、硬く覆う膜。からを割るように、手袋を外しては、かちりとマスクを取り外す。すうと咽喉奥に入る乾いたそれが、いきぐるしかった。 ただ「かり」にはこんなものいらないだろうと。ここで“いきる”のには必要だった気も、するが。俺はそもそも ここで、”いきて”いるんだろうか。 男の問いが聞こえる。――はなはすきか。におわないそれ。
ああそう、やっぱりここは。*]
(232) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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[手元の薬瓶を見て苦笑する。 そういえばこれのアドバイスを聞きにいったんだっけ。 結局ノアからその返事が貰えることはなかったけれど]
……私、研究を。 行かなきゃ。
[医療室へ。それが自分の仕事なのだ。 どこか虚ろな表情で、医療室へと向かう]
クラリッサ、どうしているかしら。
[医療室にそのまま残してきてしまった。 体調が良くなっていれば、 もう自室に戻っているかもしれないけれど]
(233) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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―→ 第一棟 医療室 ―
……ええと。なにがあったのかしら。
[床に落ちた割れたガラスを掃除するアキラ>>230。 そして何かを必死に訴えるクラリッサ>>216。 医療室は異様な雰囲気に包まれていた]
大丈夫? 怪我はない?
[心配そうに2人に駆け寄って、微笑もうとするけれど。 果たして、いつもの優しい女医として振る舞えているかどうか。 もしかしたら、彼女の様子も若干おかしいことに気付かれたかもしれない**]
(234) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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ええ。……やっと。
[会えたのかという質問>>222に、目を伏せて私は頷いた。 10年だ。10年もかかってしまった。でも、こんなことにならなければ、きっと今も思い出せてはいなかった]
ありがとう。
[口元に笑みを浮かべて、私はもう一度お礼を言って。 どうしようか、という言葉>>223に考える。 離れ難いのは私も同じで、こうしているのも幸せ、という言葉に胸の奥が温かくなるけれど]
そうね。 私も、幸せだけれど。 でも、お腹がすいたわ。
[このままだと、あなたのことを食べてしまうかも、なんて。 言い慣れない冗談を口にしてみた]
(235) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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そうですか。 ....自分なんて、目的の為ならそんなに大事なものじゃないです。
[予想はしていたといえ、少し残念だ。 本の爪を見逃してくれたりした彼なら、もしかしたら、と思ったのだけれど。
....先生以外は、みんな私の邪魔をする]
あ、そういえば。 月見さんは、"自由"って良いものだと思いますか?
[ふと思い出せば、そう尋ねる。彼にも聞いてみよう、と。
先生が入って来た(>>234)のは、ちょうどそのぐらいの時だった]
(236) 2015/07/14(Tue) 00時頃
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そう。そんなに……
[そんなに外に出たいか、と考えて 小さく息を吐いた。 そもそもあの薬が何かわからぬのに投与できるものか]
自由……?
ああ、いいものだろうよ。 生きるも死ぬも自由でいられるなら。
[それはきっと幸福だろう。
その言葉を飲み込んだ。]
[そうこうしているうちに アマルテア>>234が戻ってきたので]
――ああ、すまない。 私がドジを踏んでしまってね、
(237) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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[流れるように嘘をついてから苦笑し、 罰なら受けると云ってから
優しく見える女医の動きが どこかぎこちないように見えて 軽く、首をかしげた。]
……あまり被検体に無理はさせないで 彼女が望むなら、いいかもしれないが
あと、君もあまりご無理なさらず。
[そうっと、アマルテアにだけ聞こえるように言うと、 二人で話もあるだろうと、考えて
引き止められなければ 静かに医務室を出て行くだろう。*]
(238) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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あ、先生。 ....すみません。アンプルを落としてしまって。
[先生が帰って来れば、管理人の彼と同時にそう返し]
作り直すのに、どれくらいかかりそうですか。
[尋ねる。アンプルがまだある(>>140)ことなど知る由もなく]
なんだか先生、いつもより優しいですね。
["駆け寄ってきた"ことにそういう印象は持っても、それまで何をしていたのかなどは尚更、知りえなかった]
(239) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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庭師 ノアは、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 00時半頃
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[ ―――たしかに、困るよなあ。
僕はなんだか可笑しくなった。 『 そうだ、僕はなんで唐突に、彼にこんなことを聞いているのだろう? 』なんて。 突然わらいたくなったけど、でも、僕は笑えなかった。 機械の下、歪んだくちびるが、ひくひくと痙攣するのを機械越しに触れなぐさめる。
――それも束の間、>>224続けて聞こえたおとが、僕の意識を捉えた。 ]
人ならざる、………そんなの、
[ この国は、 この国のシンボルの塔には、 ――すでに” 鶴 ” が居るのに。 「 ひと 」が「 けもの 」に、 見守られているというのに。 いや、見守られるというよりは、……探しびとを、探している。 のだったかな。
――また、「 探しびと 」に「 成れる 」だれかを探しているとも、言えるけど 。
僕は彼の真似して、機械をこんと叩いた。 彼のものと違って、なにもかわらない。 彼が、もし。 他の子達ももし、僕と同じ獣人に管理されていたら、……どうしていたのだろうか? 落ちた僕の視界に、白亜の床が、目に入った。 ]*
(240) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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―→ 医務室を出て、少し ―
[彼は静かに医務室を出ると、 今度はと第二棟へ向かう廊下へと歩きだす。
――途中、 その影を見ることはあっただろうか。>>232]
…… ?
[いつもしているマスクがないように見えて、 彼は、少しばかり目を凝らし立ち止まった。*]
(241) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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―――― 幾千の 「 屍 」を 見ても。
僕はここから、出られなかった。
[ 錆色は、 彼を捕まえた 。癖付いてボサボサの彼の髪さえ気にならないまま、 彼のいろを 真直ぐに。
『 出たい。』
『 出たかった。』
『 ――いまでさえ 』。
湧き上がる気泡は羨望を映しては、 そのまま、 水中で弾ける。]*
(242) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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だしてよ ―――って 言ったら 君は、出してくれるのかい?
[ 遠く無い記憶。未だ生々しく貼り付いた「 彼 」の瞳が、声が、仕草の全てが、突き刺さる。 「 僕には、できなかった 」 音にはならずに、文字だけでなぞられた声は彼に聞こえてしまっただろうか? 外に漏れた、――吐息さえ 。
そう、きっと、僕はずるいんだ。 出せないことを知っていて、彼に ” うみ ”を教えてしまった。彼の本来の” いばしょ ”を。―――ここから出してあげられない( 出したくない、なんて )、 彼の泳ぐ姿を僕は、見られないから、だから。
でもどうしても、 よろこんでほしかったから 。 ]
(243) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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[ ありがとう>>235の心当たりがまるでない僕は 眠りの淵に添えた唄に礼を言われているのかなぁ、と ぱちぱちと瞬いて。 でもそんな小さな疑問符は、ふわりとした彼女の笑みに すぐにどうでもよくなってしまうのだ。
この笑みの理由がなんだって この笑みが僕の傍にあるのなら 構わない。]
!? ……いいよ。たべる?
[ 珍しい彼女の冗談に、ひと呼吸喉が詰まるけれど。 シャツの襟を人差し指で引っ張って 小さな爪痕が残る僕の肩口を 晒したりして。
( 昨夜はぼくばっかりが 食べてたからね。)
なんて、そんな酷いいじわるは押し込んでおいた。]
(244) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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……僕じゃあ美味しくないから、行こうか。
[ ちょっとばかり気怠い体を ぐーーっと天井へ伸ばして ―――っはぁ、と大きく息をつけば 大きな羽音。
僕の肩がいつもの重さを感じ取る。 新記録なんじゃないか ってくらい静かにしていた兄を 褒めるように頭を撫でていれば ]
『 モウ シャベッテイイ? 』
[ そんな兄に 僕は思わず破顔して。 大きく抱えたおなかに、迷惑そうに羽ばたきふたつ。 彼は部屋をくるりと飛んで 八つ当たりのように 僕の頭に尖った爪で降りてきた。
今日くらいはそんな兄さんも許してやろうと 頭に真っ赤な鸚哥を乗せた僕と 茶色の翼の夜梟が 並んで部屋を 出て行くだろう。*]
(245) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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アキラがドジを? ……そう、珍しいこともあるのね。
[この真面目な同僚が嘘を吐くとも思えず。 アマルテアはすんなりとそれを信じた。 続いて耳元で囁かれた言葉>>238には、眉を寄せて]
あなたまで、ノアみたいなことを言うのね。
[誰も彼もが“彼ら”をヒト扱いする。 じくじくと心が痛んで。 そうだ。やっぱり自分が異常なんだ]
無理はしないわ。 医者の不養生は笑えないもの。
[今日は早く休むつもりよ、と付け足して。 アキラの背中を見送っただろう]
(246) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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……クラリッサ。 あなたに怪我がなかったのなら、いいのよ。 薬には予備があるから大丈夫。
[柔和に微笑みかけた。続く言葉>>239に、一瞬目を見開いて]
優しい、かしら。私が。
[やめて。そんなことを言わないで。 心の中がぐちゃぐちゃして。仕方がなくて。 人殺しが優しくあってたまるか、と誰かの声>>123が聞こえた]
お薬、明日試しましょうか。
[クラリッサをじっと見つめて]
(247) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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怖くなったらいいのよ。 覚悟が出来たら、また明日ここにいらっしゃい。
[怖くなったのは、自分の方ではないのか。 いつものような、完璧な笑みを浮かべられない**]
(248) 2015/07/14(Tue) 00時半頃
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―― 第1図書室→ ? ――
[ かわきはいずれ、自分の息を止めるんだろう。 だから、でも。“いきて”いないなら、どちらにしろ同じ事だと思った。ここで「ホーム」に浸かって、とおくをのぞむのと。いずれ変わらない。だから、]
いきたい、
[ いきていたい。外へ出て、その先がどうあれ。腹奥からの渇望に、ぐうぐうと鳴る空腹の音に。 ――息苦しさに歪む顔の、その露わになった敏感な鼻先に。図書室の奥、暖炉のむこう。“ひとのにおい”のこすれ、しみつくそれに、“しんかい”で岩場の奥を覗き込むよう、先を、 みた。]
(249) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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えさ?
[ 合間、>>241 ちらと立ち止まった人影すら見れば、“管理者”だか。“同胞”だかもわからないまま。 頭をぶるりと振って、「協力」してもらわないと、と理性の断片で歩み寄った。
みるからに「どうぶつ」じみていれば、逃げを打たれる事も。また“管理者”として連絡を回されることもあったかもしれない。されたとして、構う余裕もなくただ、においを辿り踵を返しただろうが。
彼が自らの姿に逃げる様子がなければ、脅すようからを破った掌を見せ、じっとしてほしい。そとへだしてほしい 、 ―― いきたい。と投げつつ。
すがるそれは、彼にどう映ったろう。「協力」を受け取れるなら、その首もとに鱗の掌を、すぐにも当てられるようあてては。鼻を動かし、上へ同行を頼みすら。]
(250) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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―― → 第3棟 ――
[ いずれ、その奥、はしごのふち。掌はひとの、水面のひかりを辿るよう、握っては上へと足を動かしていく。 ――先ほどの彼は、ついてきてくれていたろうか。単なるおどしと、案内だけを頼もうと、思っていたが。 乞いをのぞかせ、鳴る腹をただ抑えて、「ありがとう」と小さく、理性を残す事すら。
―― 間、 その顔をゆるく 、ヒトの住処――第3棟へと覗かせることが適ったとして。 監視の目もあったかもしれないその先、『処分』や、 かわきの「結果」もみえていたけれど。]
(251) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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[引っ張られたシャツの隙間から、小さな爪痕が見えた>>244ことには、気づかない振りを決め込んだ。 晒された肩口。いっそ、かぷりとしてみようかしらなんて考えが頭を過ぎったけれど、やめておく。 これ以上戯れにでも触れ合えば、止まれなくなりそうで]
そんなこと、ないと思うわ? 美味しいんじゃないかしら。
[美味しくないという主張>>245には、そんな言葉を返す]
でも、やめておくわ。 私のお腹の中のあなたは、きっと歌ってはくれないもの。
[それは困るわ、と首を傾げてみせれば、私のものではない羽音がして。 ああ、そうだ。二人きりではなかったのだった。 言っては駄目と私が釘を刺してから>>19、ずっとおとなしくしていたフィリップの兄に]
喋ってもいいけれど。 昨日の夜のことは、秘密にしておいてほしいわ。
[そんなお願いをしたけれど、フィリップの頭に着地することに忙しい彼の兄に、そのお願いは聞き届けられたか、どうか]
(252) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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先生は、優しいですよ。 優しい人じゃなかったら、薬を作るためにこんな所に来ません。
[そう、先生は優しい。 だから、私の事も邪魔しないでくれる]
予備、有るんですか。....良かったです。
[それなら、あんなに意地を張ってジリヤに当たる必要は無かったな、と心の中で苦笑して]
(253) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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―― → ? ――
[ たどりついた先、腹の虫はやはり、おさまらないまま。 “しんかい”と、“そら”となじみの彼がもとめた黒を、ぐうと鳴く本能に飲み込ませながら。 やっぱり、ここで「おわかれ」なんだろうと。多少“マトモ”な頭の隅が 空腹にないた。
のぞんだ先、――乾く意識に足下すらふらつかせては。監視の目は、自らをとがめただろうか。 “そと”にでたところで、錯乱になく頭はそとのぜんぶをたべて、たべて、「満足」することは? ]
…うみ、
[ いばしょ。 “いきられる”ところ。 ただ亀の彼がみずからに、一間だけもとめたそれを、たどるように。 大扉には、ただ取り残された空の鎖があるのみだったか。 ――わずかに漂う、“しお”のにおいに、躯をすべらせることは、外へは果たして。
もしただ閉ざされるだけならば、 ――明日のその先。ただ“いばしょ”を失った鮫が、留め具を噛み切る力もなく。その場に息絶えるのみだったろうが。]
(254) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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―第一棟・食堂―
[そこにたどり着いたのは、夕食時。いつもの私なら避ける時間帯だったけれど、私は迷わず足を踏み入れる。 カウンターでいつものように、動物性たんぱく質の多目の、人間と同じ食事を受け取った。 今日のメニューはビーフシチューに、ライスにサラダ]
いただきます。
[小さな声で呟いて、私はサラダを口に運ぶ。 誰かと居合わせることはあっても、意図して誰かと一緒に食事をするのは、ここに来てからきっと初めてのことで。 ただ食事をしているだけなのに、なんだかそわそわ、落ち着かない。 やっぱりあまり顔に出ないタイプでよかった、と思う]
(255) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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わかり、ました。明日ですね。
[予備があるなら今すぐにでも、という言葉は飲みこんだ。先生がそう言ってくれたのなら、そんなに急ぐ必要は無い]
今晩も、ここに泊まっていいですか。 [それでも、そんなことを言ったのは。やっぱり、急いでいたのかもしれない]
部屋に帰っても、することありませんから。 明日、すぐ実験できますよね。
[自分の部屋も、医療室も。白くて明るくて、無機質で、同じだ。
それなら、"可能性"の置いてあるこの部屋のほうがいい]
(256) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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[ぱちり。
瞠目する。 息苦しい深海から、何かが音もなく泳いでくるような ――そんな気がした。
えさ? と小さく虚空に問いかけた その男>>250は、 彼にはまるで動物のようにも見えて
鱗の乗る肌が彼女のものにも 似ていたから
――逃げ出す事も、 連絡をまわすためにマイクに口を近づける事も、 どちらもできずに、彼はただそこに立っていた。]
(257) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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……きみ、は、
[脅すようにからを破った掌が見えた。 首元に鱗をかざされる。
――いきたい、
そう投げられた言葉に、彼は声を詰まらせて]
抵抗は、しないよ
…………。
[行きたい? 逝きたい? ……生きたい? ぐるぐると思考は巡るだけ。 そうしてその鮫を、第三棟へと案内する。>>251]
(258) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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― 第三棟 ―
[「ありがとう」と小さく呟かれた言葉と 低く唸る空腹の音に、 彼は静かに目を閉じた。
―― この獣人を、解き放てば、 人死にが出る ……だろうか。 解き放った先でモスキートは生きていけるのか。
空の鎖が転がる大扉の前。>>254 うみ、と小さく云う声が聞こえた気がする。]
……君は、 いきたい、のか。
[生きるためにいくならば、 その自由は、奪っていいものなのか。]
(259) 2015/07/14(Tue) 01時頃
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|
[彼は悩んで悩んだ末に、指紋認証のセンサーに 指先を 添えた。]
……なら、
いきると いい
[大扉が開く。 ――そこから先は、 鮫の 鮫だけの物語だと思った。 モスキートはどうしただろうか。
ただ一つぼんやりと思うのは こんな全てが死んだ場所ではなくて どうか、どうか、 その先にいきる場所があればいいと
――見送る彼の首元で、 月長石がひとつ、涙のように煌めいた。*]
(260) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
|
|
[ ? ]
[ ―――――管理人と話して、それから。
僕はどうしたのだろうか 。個室へ戻って、また何処かへ行こうとすることもあったかもしれない、けれど。 ]
モスキート、
[ 下へ繋がる暖炉の梯子。登って来た彼の、口元に「 かせ 」が無いのを見た。 僕は、思考の端でやっぱりと思った。
やっぱり、「 おさえ 」られなかった。
ごめんね。 機械の裏、僕の唇が文字をなぞった。警備員は彼を見て、警戒でもしているのか。 そっと集まる警備の人混みと、>>259また増えたひとに、僕は瞬きを数度、ゆるく繰り返した。 ]
(261) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
|
落胤 明之進は、メモを貼った。
2015/07/14(Tue) 01時半頃
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いいわよ。今晩もここに泊まっていきなさい。
[そう言って、クラリッサの頭を撫でてやった。 この子は自分を頼り切っている。 蓋をしたはずの罪悪感が、再び頭を擡げた]
あなたが眠るまで、側にいてあげる。
[時計の針は、もう夜の時間を指していて。 自分も今晩は医療室に泊まってしまおうかと思う。 きっと目が覚めた時には、いつもの自分のはずだ。 いや、そうであってほしいと願う**]
(262) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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―――― 「 ふるさと 」に、 僕の住んでいた、 小屋があるんだ。 ………
……モスキート
[ もしかしたら、くつわの外した彼に気づかれたのち、噛み付かれることもあったかもしれないけれど。 僕はひとつ、ふたつ。 彼に寄った。 長い廊下、どこまで彼に近付けたかなんて、定かじゃない。
「 すきに、いきるといい 」
―――生きて欲しいと、 願ったことがあるんだ。 きみに。
>>260かちり―――と。どこからともなく鳴った扉は、徐々に外の光を照らし始めただろうか 。 警備員の糾弾は、聞こえない。もしかしたらひと気さえ無くなっていたかもしれない。 ……ただ潮風が、鼻孔を擽った 。 ]
(263) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
|
|
[ ―――僕も彼と ” い ” けたなら、 どんなに良かっただろう ? ]*
(264) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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[先生の承諾を得て、寝床に潜りこむ] おやすみなさい、先生。
[願わくば、これが"内"で眠る最後の夜にならんことを――]**
(265) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
|
[さみしい、と声が聞こえた。
少し前までなら、理解できなかっただろう。私は、何よりも孤独を愛していたのだから。
からからに乾いた心では、自分がさみしいことにも気づけない。
さみしいというその声の主は、きっと願いがあるのだと思う。
満たされない何かがなければ、さみしく思うことは、ないのだから]
どうか、したの。
[返事をしてから、気づく。
この声の主は「鍵」を持っているという獣ではなかったか]
|
……お腹の中でだって きみが望むなら。
[ でもその時は丸呑みでね? なんて言って笑おう。 梟>>252の食欲は旺盛で何よりだ。
僕の頭に八つ当たりみたいに爪を立てて 直立している兄さんは 彼女の言葉にぐるりと首を回す。 ごそごそ、もそもそ、嘴で羽の毛づくろいをして ]
『 キノウ? ヨル? シラナイナア。 ナンニモ ナンニモ シラナイナア。』
[ ”ガア!!!” とひとつ 大きく啼いて ”デキる兄”は 鳥のフリをしはじめる。
僕はといえば、流血覚悟の我慢大会。 はやく食堂に着いて、兄の気を引けるご飯にありつけると 良いのだけれど。]
(266) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
|
|
― 食堂 ―
[ なんだかとっても久しぶりに来た気がするけど 僕はいつも通りに素手で掴んだ果物をトレイに乗せる。
林檎、バナナ、蜜柑にキゥィ。 兄さんみたいにカラフルな 僕のトレイの上。
森で生きてた僕にとっては、これらこそがご馳走で 「ヒト」に捕えられてからは思い出したくもない 食事しか記憶に無い。 だから”料理”ってものを あまり良く知らないんだ。]
………………………。
[ ものすごく、ものすごおくマジマジと梟の皿>>255を のぞきこんでいたら 居心地の悪そうな顔が見えて
慌てて林檎を齧るけれど、茶色い”なにか”が気になる。]
(267) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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|
[ しゃく しゃく もぐもぐ ( じぃー… )
しゃく しゃく もぐもぐ ( ちらっ )
そもそもそれは食べ物なのか( だって何か黒いし ) 彼女がそれに手を付けるのはいつかいつかと気にしながら また、林檎の真ん中は兄さんの前に置いて ]
…………おいしいの?
[ 彼女がそれを食べ始めたのなら とっても怪訝な顔を 隠しもせずにそちらへ向ける。
……んあ、 と 雛鳥のように口を開けてみれば 親鳥がスプーンで運んでくれたりするだろうか。**]
(268) 2015/07/14(Tue) 01時半頃
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―――……、
[ あれ? いま僕は、なにと言ったのだろう?
同じものにしか聞こえない声が届いて、僕は眉を顰めた。
「 さみしい 」―――僕はもう一度そう言った。
しくりと、胸中蟠るなにかが頷いた気がする。
「 さみしい 」 『 どうして? 』
―――どうしてだろう 。クエスチョン。 アンサー。 ……それは、 ]
どこかへ、 行ってしまうから
[ 『 誰が 』と、『 なにが 』と。
僕は続く言葉を並べることは、できなかった。
ただひたすら、 ” ” 。 ]
―――君も何処かへ、行ってしまうの?
[ 「 いきたいの、 」 なあんて。 僕は平生と同じ錆色を灯して、声を奥に投げ込んだ。 ]*
|
それは、難しいわ。 私は、うわばみではないもの。
[丸呑みで、なんてリクエスト>>266にはそう返した。 象を丸呑みしてしまううわばみの話は、第二図書室で読んだのだったか。 このあと行こうかしらなんて考える私は、第二図書室の惨状>>44>>45も、その犯人がここを去ったこともまだ知らない。 それに、お腹の中のあなたは、私を抱きしめてはくれないでしょう? なんてそんな言葉は、胸のうちに留めて]
そう? それなら、良かったわ。
[何にも知らないと主張する彼の兄は、私が思っていた以上に賢いようで。 声の大きさに閉口していたけれど、認識を改めなければならないかもしれない]
(269) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―食堂―
[しげしげと興味深げに覗きこまれ>>267、落ち着かない気持ちは加速する。 私の視線に気づいたフィリップは、慌てて自分の食事に戻るけれど、気にしている>>268ことは一目瞭然で]
私の両親は、人間なの。
[突然変異か、先祖返りなのか。ごく普通の人間の両親の間に、梟の私は生まれた]
だから、ずっと人間と同じ食べ物を食べて生きてきたから。 私にとっては、美味しいわ。
[向けられた怪訝な顔にシチューを口に運びながらそう言って。 開かれた口に、瞬きを一つした。 食べてみたい、ということなのだろう、これは。 しかし同じ鳥類とはいっても、梟と鸚哥では食べるものが随分違うはず。 しばらく迷って、これなら大丈夫か、とシチューの中のにんじんをフォークに刺して、フィリップの口元へと運んだ]
(270) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―― ? ――
…、なんで
[ 開かれる扉に、>>260その男の首もと、光る石を覗き込むよう。 ――「しおき」が、彼に下されるかもしれないのに、と。鱗の肌をびくりと震わせ、小さくその身を解放する。
なんで、おれをいかせてくれる? どうして、と。 問うそれに、こたえは果たして、あったろうか。 それでも小さく、目を細めてはぐるぐると空腹を叫ぶ奥、ありがとう、ともう1度、枯れた声に乗せながら。
その足を一歩と、そとへ踏み出す。*]
(271) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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[ どこへ? 何処かへ。 とおい空へ?
チェビィのことばはどこか 遠くにあって
無言の隙間から 「鍵」がちらついて見える。
『 だれが 』 とも 『 どこへ 』 とも聞かず
( だって、ここでない何処かなら
それだけで十分なんだ。 そら、さえあれば )]
ぼくは 行きたい。
………… きみは、 行かないの。
|
[さて、にんじんなら体に害はないと思うのだけれど、シチューの具として煮込まれたにんじんは、調理された食べ物を食べることのないフィリップの口に合ったか、どうか]
私はこのあと第二図書室に行くつもりだけれど。 フィリップは、どうするかしら。
[私はこれから活動時間だけれど、フィリップは違う。 無理はしないで、と伝えたけれど、彼はどうしただろう。 ともあれ、食事の後、第二図書室へと足を向けた私は、室内の惨状に驚愕することになる**]
(272) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―― → ――
[ ふみだした先。潮のにおいに目一杯と、息を吸い込みながら。 届いたなじみのその声>>263に、――もうひとつの“こえ”に、腹の底がぐう、と。 「満腹」になるはずの、そとへと向かう躯でないた。ふるさと。と、反芻して、かれのいきるばしょ、だろうかと。
それならそこにもし、行ったなら。……いずれ彼にであうことは? いついつ、なるのかも分からないけれど。]
きみも
[ 一緒に、と。手をのばしては、ああ。と、傷つけるだけの鮫の鱗をただ、下ろし込んだ。 ――いつか、すきにいきる君をどこかで。見れたらいいのに、と。足を“そと”へ踏み出しながら。こえを、*]
(273) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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