52 薔薇恋獄
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てか、こんなって何だよ、こんなって。
心あたりはあり過ぎるけど。
むしろ、なんか迷惑掛けられたこと、あったっけか。
そっちは全然無え。
[一応前進なんかね、とこくり首を動かして。
任せろ、と階下へぱたぱた、走り降りて行ったのだった]
心当たりあるようだが、あえていうなら、
今みたいに無防備に、幽霊に手差し出すようなところとかな。
[日向が去った後、ふっとわざと片方の唇の端だけ上げて笑ってやった。
迷惑関係は、笑みの種類を変えて、少し困ったようにして、何も言葉は紡がないまま、ぱたぱたと去る背を見詰めながら、一人考えること。
日向と珀の怪談関係の話には口を挟まなかったが。
日向が浮かべた表情や、少ない会話の中で知れたことを繋げていけば]
ひにむかうと教えたのは、屋敷の持ち主の家族。
怪談があっているなら、息子かな。
[学校へ行けたのはそれなりの身分がないといけない時代だったらしい。そうなれば、そうなのだろうと、独り語ちた。]
私たちのようにならないように……か。
[思い出す言葉の1つに、少し首を傾げはするのだけれど。
そんな呟き達は、窓の外の雨音に全て打ち消されて流れていった*]
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[袖が雨を吸って少し湿る頃に軽く引かれて手を止める]
へー、クリスタルボール。ぬるぬる動く奴だっけか。 動かない奴だっけか。
……イカサマ、ね。織部は器用だからなあ。
[開いた障子の向こうに野久が見えると、そんな風に繋がっているのかと驚く。縁側もいいなあ]
(346) 2011/05/17(Tue) 20時半頃
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荷物と、とりあえず枕だけは持ってくかー。
ぶっは、三つ指て。俺の嫁か。ぎゃくだろー、俺が嫁入り(?)するんだよ。不束者ですが。
[思わず噴出して、肩を揺らす。 あわせてにへーっと笑みながら濡れた部分の袖を折りまげ、腕まくり。
昼食準備が出来た声に織部の方を見て、行こうかと歩き出す]
(347) 2011/05/17(Tue) 20時半頃
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んー。織部居ないナーって探しに来た。 後は探検?
[雨が酷くなる前に、本当は周りをぐるりと一周してみたかったが。 そろそろ雨も強くなるだろうか、というより飯だと言われてしまえばそちらに意識が向かうのは仕方ない事]
(348) 2011/05/17(Tue) 20時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2011/05/17(Tue) 20時半頃
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―→広間―
あー、何か見たことあるかも。 後でそれも、見せてネ。
俺も昔から麻雀しかしてないし、そゆもん。
[来た道を二人で歩く、今日は踵を踏んでないので足音はしない]
野久が姑?あっは、織部が守ってくれるよねー?ね?
[屋内に入ればカレーの匂いが漂ってくるだろうか]
カレーっぽいねー。 材料なにがあるんだろー、俺もなんかしようかなあ。
(352) 2011/05/17(Tue) 21時頃
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―広間―
やった。 んーん、プロにはなんないと思う。 俺はまだまだ。
[ポケットに手を突っ込んで、音はしなくても歩き方はいつものまま]
へっへー。俺も織部すきだなー。 嫁入りします。
[きりっと宣言直後、食堂に漂う良い香りに腹の虫がなって台無しに]
(369) 2011/05/17(Tue) 22時頃
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[元気良く笑われた、だと? じーっと織部を見てから、照れ隠しにふへっと表情を緩めて。
後輩や元先輩が配膳したりの昼食準備には席に着かず手伝いに]
カレーって、キャンプっぽいよねー。
[腹の虫がもう一度グゥと主張した]
(380) 2011/05/17(Tue) 22時半頃
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[勤勉な後輩の背後にすすっと近づいて、ナイショ話]
もー誘った?
[背後に近づいた人をちらり、と見て。]
一応、誘いました。
あとは蓮端センパイに言うだけです。
[とりあえず、現状報告。]
[ 二人の前から去った後、女は別荘のあちこちを転々としていた ]
[ 台所で賑やかに料理をする面々 ]
[ ベッドで眠っている少年の寝顔 ]
[ 怪我人を手当てしている男の姿 ]
[ 庇の下でガラス球で遊ぶ者たち ]
[ 自ら猫の耳飾りをつける酔狂者 ]
[ たのしそうなひとたち、そんな風に女の唇が動いて目を細めた ]
[ 女が穏やかだったのは、ここにまだ恋人たちがいなかったから ]
『…………』
『…………』
[ 嫉妬する対象もいない、日頃より賑やかなだけと思っていたが ]
『……薔薇は、どんな具合かしら』
『今日も綺麗に咲いているかシら』
[ 薔薇の中、雨に濡れながら立っている男に女ははっと息を呑む ]
[ 女は暫くその場に呆然と立ち尽くしていた ]
[ かつて女が愛した男と瓜二つなその相貌に ]
『暁様、暁様……!』
[ だけどその少年は、女の愛した男ではない ]
[ ましてや霊感を持たない生者と死者の間に ]
[ 伝えられる言葉など、あるはずもないのに ]
『暁様、わたしです、日向です……!』
[ 薔薇を綺麗だと呟く声まで、よく似ていた ]
[ 無邪気な笑顔も、愛した男と同じに見えた ]
『ううっ…………!』
[ 行ってしまった少年を見送って、女は泣き崩れた ]
[ 楽しい思い出と悲しい思い出が、一気に溢れ出す ]
『うう、ううう……』
『……う、ウウ……』
[ 咲き乱れる薔薇の中、薔薇の香りが濃く強くなる ]
『……う……ぅ……』
[ 女が涙を流すたび、雨がどんどん強くなっていく ]
[ 女が声を漏らすたび、雲が不穏に厚くなっていく ]
[ そして ]
[ 女の姿は、ぐずりと雨に溶けるように崩れていく ]
[ ぐずり、ぐずぐず、ぐずぐず、ぐずり、化物へと ]
[ *変わる* ]
[ *誰かがそこに訪れた時には、女の姿はもう何処にもない* ]
[順調そうな様子に満足げにフフンと鼻を鳴らす]
枕はむこーに持ってくから持参しろよ?
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[ゆるゆると歩いて百瀬の指示に従う。 トレーがあればそれを使って人数分のコップに水を。 ピッチャーがあれば便利だが流石に無いだろうか]
えーと、牛乳はねーの? 辛いんなら水より効くぜー。
[そんなことを言いつつ、歩き出して。
直後倒れた耀、石神井の声にトレーごと足を急ぐ]
(402) 2011/05/17(Tue) 23時頃
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[耀から話には聞いていたのに、できることは水を運ぶぐらいなので。
石神井へコップ一つ渡して、トレーごと広間の机へ]
はいよ、じゃああっちに居る。 せんせも手が必要なら呼んで。
(413) 2011/05/17(Tue) 23時頃
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[なにもできない。
いや、しない方がいい。
だから。
おろり。
見やるだけ]
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あー、そだね。鳴瀬せんせはともかく、甲斐は呼ばないとまたあのしかめっつらで眉ぎゅーってなるかも。
百瀬の声聞こえてないなら、外かな?
[お疲れさん、と労うように石神井へ飴を一つ。 自分が居た側でない方に、か。自分が去った後に外へ出たのなら姿は見てないなと]
(427) 2011/05/17(Tue) 23時半頃
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あーあー。
[三人で飛び出さなくても、と思いつつ見送った]
(435) 2011/05/17(Tue) 23時半頃
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…疲れた。
[そっと、センパイの近くによって呟いた。]
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んー、だって保健医が居て、珀も居るんだぜ。 優先は甲斐じゃん。
[やはり突っ込まれた、えへーと笑みを浮かべて]
あれ、寝てたの?
俺も傘無いんだよね。まー、拭けばいいし風呂も着替えもあるから平気っちゃ平気か。
[そう広くも無いので、皆でばたばたするよりはと待機を選んでしまったが]
運動したければ?
(446) 2011/05/18(Wed) 00時頃
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つーか、蓮端を走らせて大丈夫なん? あっちがぶっ倒れないかな。
[石神井を見ながら、言った]
(449) 2011/05/18(Wed) 00時頃
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[お疲れ様、と後輩の頭をナデナデ。ついでにチロルを一つ]
でも、百瀬と仲良くカレー作ったろ。
夕食も、何食えるか楽しみにしてるから。
…… ひなた、っ……?
[ずきん。
幼馴染のことで頭がいっぱいで、気づいていなかったけれど。
落ち着いてくれば、いつも、霊の感情を汲み取ってしまうと痛む部分が、ずきずきと悲鳴をあげていた。
けれど、彼女の姿は周囲に見えず。
そっと胸元を押さえたまま、訝しげに眉を寄せた]
サイラスは、鳴瀬先生ごめんねーと、一応思った。
2011/05/18(Wed) 00時頃
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