242 【突発誰歓】桜が見せた夢
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[「少しでも同じでいたい」 言い寄ってきたあの女共は彼と同じ状況になって、こんな台詞を吐けるだろうか。]
……京先輩。
[そう生きた彼を呼ぶのは最後、なのに声は震えてしまった。
なんて重い「好き」だろう。 離れない、今から死へ向かうその人がしてくれた約束。指を絡めなくたって、決して破られないと分かる。 きっとおれはずっと、そう言ってくれる誰かを探していた。
どうしようもなく胸が熱くなって、愛しくて。想いが募る程にこの行為の罪深さも自覚させられてしまう。
矛盾した感情が涙になって流れて、記憶の雨雫と混ざり分からなくなる。 やっぱり殺したくなんて無かったよ、そんなことを言ったら情けないと思われるかな。]
(8) ameyoru 2015/12/19(Sat) 21時頃
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[ 跳ねた身体、震えた手。気付いていた、どんな思いをさせているか。 そんなことをしたって少しも和らげることは出来ないと分かっているのに、「大丈夫」の言葉の代わりに身体は離さない。
少し痛いぐらいに返される強さが心地よくすらあった。いつまでも、感じていたかった。
……けれど、終わりは来る。 この名前を紡ごうとして、腕の中の人は]
…………
[もう一度口付けて頭を撫でて、力が抜けた身体を壁に寄りかかっているように座らせる。
朝焼けが差し込み貴方の抜け殻にも届く。 まるで、良い夢を見ながら転た寝しているみたいな姿。その顔を見れば、どんな気持ちだったかなんて、分かります。]
(9) ameyoru 2015/12/19(Sat) 21時頃
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[それと同時にこの身体から水が引いていくのが分かった。 あの時のままだったおれの姿は、生きていた頃のように、冬の雨から解放されて。 少し目を伏せて笑った。嫌な奴だな、好きな人を殺して自分は楽になるなんて。]
京さん、まだ寝てるんですか。 早く起きて下さい。おれを独りにはしないのでしょう?
[振り向かないまま呼び掛ける。 声を聞いた貴方は何処にいたでしょうか。*]
(10) ameyoru 2015/12/19(Sat) 21時頃
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ーー 幽かの時は過ぎて ーー
[ 朝陽が照らす廃れた学舎。そこで“彼”の姿を見つけられる生者は誰一人いないだろう。 彼が靴箱に入れたつもりになっていた靴も、校舎中の床を濡らした水の跡も、最初から無かったように消えている。
只、どこかの教室に放置された数枚のタオル、屋上に残った酒の空き缶。
それらに何かを見出だせる者がいるのならば、……長谷透は確かにあの夜に、居たのだろう。 眠るように死んでいる青年と共に。*]
(14) ameyoru 2015/12/19(Sat) 22時頃
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ーー 後日:とある霊園 ーー
[ひっそりと佇むその墓石には「長谷」の姓が刻まれていた。 訪れた男を短い間教えた教師と、彼に先輩と呼ばれたその子供が眠っている。 果たされた約束に彼等は何を思ったか、男が、桐生伊千朗が知ることはないが。]
『大丈夫。 何の心配もいらないよ。』
[
振り返った時そこには、懐かしい制服を纏った少年が立っていただろう。 両手を後ろに組んで、風に揺れない黒い髪。そこにいながらいない、幻のような姿。
反響して届く不可思議な声は、かつて誰かが伊千朗に言った台詞>>1:271を思わせる言の葉を届ける。 転校の不安より残す後輩を思い元気付けようとしたその者のように、これからの伊千朗の人生を思うように。
]
(20) ameyoru 2015/12/19(Sat) 23時半頃
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『伊千朗。』
[少年はにっと明るく、またどこか悪戯っぽく笑い彼の名前を呼べば瞬く間に姿は消えた。 残されたのは男が一人、霊園は静けさに包まれて。白昼夢は終わりを告げた。 それから彼はどうしたか、生きた者はこの場に留まることはない。やがて、立ち去る後ろ姿を墓石だけが見送っていた。]
(21) ameyoru 2015/12/19(Sat) 23時半頃
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[ 供えられた写真は吹き抜ける風に乗せられ、蒼天へと舞い上がる。
何処までも高く、天国まで届こうとするかのように。*
]
(22) ameyoru 2015/12/20(Sun) 00時頃
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……京さん。
やれば出来るじゃないですか。 どうして生きてる時もそうやって頑張らなかったかなぁ。
[背中に感じる貴方の感触>>24 ほんの少しの空白に不安がよぎってしまったなんて、全く持って重症だ。]
多分自分の死体を見てそんなことしたがるのは貴方ぐらいでしょうね。
[なんて、自賛>>25には触れなかったのは。確かにな、なんて思ってたからだったりするんだけど。
通りぬける京さんの指先に少し、寂しくなった。]
(29) ameyoru 2015/12/20(Sun) 09時頃
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ええ。どこかの誰かさんのおかげで。
やっと、解放されました。
[ずっと寒かったんです。あの日を思いながら小さく呟く。 顔を見ることも抱き締め返すことも出来ないけれど、もう少しだけこのままで、触れられていたかった。]
…ありがとうだなんて、変な人。
[ふん、と鼻を鳴らす。 相変わらず昔より素直さが欠けた自分を彼はどう思うのだろう。 本当は嬉しかった。苦しみを与えられてまだそう言ってくれることが、心から想われているようで。 死者の国がどんなところかなんて二人共知りやしない。 けれど、ずっと一緒に、それだけは叶えられる。そんな気がした。]
(30) ameyoru 2015/12/20(Sun) 09時半頃
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何ですか。否定してたおれが悪いみたいじゃないですか。
[ああ、そうか。あの噂を本当にしてしまったな。 ちょっとだけくすぐったくて、言葉と裏腹おれは笑っていた。]
そんなこと、言われなくても知ってます。
ずっと一緒にいましょうね。 ……生が二人を分かつまで。
[二つの花弁がはらりひらり、まるでじゃれあう蝶のように舞い込んで。 全てが幻だったかのように、残されたのは眠っているような亡骸だけ。]
(31) ameyoru 2015/12/20(Sun) 09時半頃
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[長谷透は杜山中学校が廃校となる前に、死んでいた。それだけが真実。
インターネットの住民達はとても気まぐれで飽き性だ。彼等にとって、無名のバンドマンの殺人事件のことなどただの暇潰し以上の価値は無く。 続報が無くなればすぐに忘れさられ、また次の楽しみへ話題は移り変わっていく。 噂の中にぽつり誰かが落とした本当にも気付くことはないまま、電子の海からも男は消えていった。
まるで、還る場所を見付けたように。*]
(32) ameyoru 2015/12/20(Sun) 09時半頃
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ーー 夢 ーー
[城崎光はいつかこんな夢を見るだろぅ。 もうとり壊された筈の杜山中学校、その音楽室の木の椅子に座っている夢を。 思い出のままのその場所、違うのは空間に暖かな光が満ちてぼんやりと白く輝いていること。彼女は大人の姿だということ。]
『城崎さん』
[窓から見える満開の桜へ視線を向け背を向けていた男が振り向く。 あの一夜の青年に似た姿は、しかし短く黒い髪とスーツ、穏やかな微笑みが別人であることを告げている。 十数年前の長谷利政、その人だった。]
[いつも漂わせていた珈琲の香り、どこからか流れるいつか聴かせた音楽、まるであの頃のよう。 しかし男は変わらない姿、彼女は大人になっていて。見えない壁が二人を区切っていた。 男は、教師は笑んだまま成長した教え子を見つめる。 城崎光はどうしただろうか、もし望んだとして立ち上がり駆け寄ることは叶わない。どんな言葉を掛けても夢の中の彼はただ穏やかな表情を向けているだけ。]
(34) ameyoru 2015/12/20(Sun) 12時頃
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[そして、夢はやがて終わりを告げる。現は城崎光を呼び戻そうと手を伸ばす。 光に呑まれてゆく世界の中、確かにこう届いただろう。]
『……頑張りましたね。』
[どこか泣き出しそうでもある、嬉しそうな声が。*]
(35) ameyoru 2015/12/20(Sun) 12時頃
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[おれ達が辿り着いた世界は、天国とも地獄とも呼べないようなものだった。 けれどやはりこれこそが地獄なのかと思うことがある。いつからそうなったのか、分からない。 どれだけの時が経っても愛しているたった一人の記憶すらも、ピースが抜け落ちていくんだ。
どうして、この人だけは違うと思ったのか。どうして、枠を違えた恋をしてしまったのか。 彼とのことで沢山周りに嫌なことを言われた気がする、それでも離れなかったのは、何故?
生きた短い年月で色鮮やかだった彼との日々、その舞台だった場所すらもいつしか思い出せなくなって。 ……本当におれは、長谷透なのか?自己すらも、危うい。]
(39) ameyoru 2015/12/20(Sun) 18時半頃
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[どこか必死な様でねだる言葉に応える行為は、決して彼を安心させる為だけじゃなかった。 触れあうことで、重ねることで。おれは少しおれを取り戻すことが出来る。錆びたネジを無理矢理に回すように。
……もしかして二人同じなんじゃないか、考えたことが無いとは言えない。 それでも聞けなかったのは、忘れることと同じぐらい忘れられることが怖かったから。
この部屋の白のようにいつか全て消えるのだろうか。 何も言えないまま、また彼を求め、欲を貪る。]
(40) ameyoru 2015/12/20(Sun) 18時半頃
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[“京さん“ 声を抑える貴方の下で、腰を掴み突き上げながら吐息の合間に何度も名前を呼ぶ。
二人はいつからそうだったのだろう。 一つだけ分かることは、今のおれが彼を呼ぶのは恋人が幻でないことを、記憶が確かなものであることを理解したいから。
その涙は快楽からなのだろうか。そうであればいいと、思った。]
けい…さ……っっっ!!
[行為を終え力を失った身体を抱き寄せて。 ふと、冷たくないなとぼんやり浮かぶ。深く考えることもないまま、思考の隅へと追いやられた。]
…貴方のことが大好きですよ。
[「いつまでも」 低く囁いたのは本心だったのだろうか。 それとも、大切を失う恐怖の中の願望か。]
(41) ameyoru 2015/12/20(Sun) 19時頃
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[強く強く抱き締めた腕の中の人へ幾度も戯れに触れるだけのキスを落とす。 そうすることでおれは誰を慰めようとしているのだろう。]
ごめんなさい。
[無意識に落ちた懺悔の言葉。 すぐに何でもないですよって、笑って誤魔化す。いつもそうして来た気がした。 大丈夫、二人共ここにいる。自分に言い聞かせるのは何度めだろう。*]
(44) ameyoru 2015/12/20(Sun) 19時頃
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何でもない、何でもないんですよ。
[ ここにいる>>45その言葉がとても嬉しくて、苦しい。笑顔がくしゃりと歪む。
忘れていくことを仕方ないと受け入れることがどうしても出来なかった。 彼を殺めたのはおれだ、それが朧気になる記憶の中確信出来る事実だったから。 これは罰なのだと、胸に残る罪悪感が主張してくる痛みには、いつまでも慣れない。]
なんですか?
[名前を呼ばれ>>46くしゃりと髪を撫でる。 おれの方が年下だった筈なのだけど、いつしかそう彼を子供のように扱うことに慣れていた。]
(55) ameyoru 2015/12/20(Sun) 22時頃
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月?
[上体を起こして唇を重ねてくる>>47可愛らしくねだる人 いつもなら同じように返していたのだろうけれど、目を丸くしてしまった。
その表情はいつも乞われるのとは違うお願いだったのと、耳に慣れなくなってしまった二文字の言葉へのもの。
そう。月とは何だったのか、おれは覚えていなかった。 忘れてしまったことを表に出してしまったのは初めてだった……かもしれない。]
そう、月……ですか。
おれも、見たいです。ねえ、おれ達は月を一緒に見ましたよね?
[ただ与えられる体温が教えてくれた。 その月というものを、二人で見たことがあったのだと。]
(56) ameyoru 2015/12/20(Sun) 22時頃
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おれも、幸せですよ。
見に行きましょう。月を。 折角の京さんからのお願いなんですから、ね。
[おれも身体を起こして、向かい合うようにして恋人を抱き締めた。
そうだ、どれだけ記憶が欠けても京さんを愛していることだけは変わらない。 愛した人が隣にいることは幸福だ。対して月を見た時、幸せじゃなかった気がする。 けれどまた一緒に見たいのだとおれは思っていた。その記憶もまた大切なものだったのだろう。]
デートですね。
[一緒に行く準備をすれば、指を絡めて笑いかけた。 言葉、間違えていないかな。少しの不安は多分そのことだけではない。*]
(57) ameyoru 2015/12/20(Sun) 22時頃
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[覚えている、そう言われて少し安堵した。 けれど後に続いた言葉が、花の名を忘れた彼が>>58……やはり。そう思わせて。]
ええ、その花も綺麗に違いないですよ。 楽しみですね、京さん。
[半ば確信をしたまま、おれは何も言わなかったのだ。それは正しいことだったのか、分からないけれど。 今するべきことは、恋人のお願いを叶えることだけだと思ったから。しっかり離れないように手を繋いで、扉を開く。]
(64) ameyoru 2015/12/20(Sun) 22時半頃
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…そうでしたね。 じゃあこれからは何回もしましょう?
[照れたような呟き>>61に気恥ずかしさ半分、寂しさが半分。
そうだ、おれ達に生きて愛し合った時間など無かった。もう気持ちが通じた時には、死んでいたのだから。
扉の先にあった見覚えのない空間に瞬き、彼と同じようにきょろきょろと見渡して、首を捻った。 覚えた違和感の理由を、おれは理解出来ない。]
(65) ameyoru 2015/12/20(Sun) 23時頃
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[そんなおれはちっとも上になど意識が向かわなかったから、声を聞いて漸く同じように見上げる。]
これが、月……。
[黒い世界にぽっかり浮かんだ色はあの空間に似ていて、少し違う。 遠くから届く輝きが好ましいと思った。京さん以外にそんなことを思ったのは、欠けた記憶の中では初めて。 二人一緒に顔を合わせて、視線を混じらせて、おれは。]
(66) ameyoru 2015/12/20(Sun) 23時頃
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月が綺麗ですね、 …“京先輩”
[嗚呼、何もかもが懐かしい。
気付けば頬を水が濡らしていた。これは、涙というものだ。雨じゃない、もうおれは寒くなどないから。
どれだけの間どれだけの大切を無くしていたのだろう。罰だと思っていた、けれど還ってきてくれた。
抱えた苦しみも大人になって得た汚れも彼との記憶も、ここにある。]
(67) ameyoru 2015/12/20(Sun) 23時頃
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[確かなものにしたくて、全てを取り戻したくて。思い出した過去がどれだけ貴方を愛しく想わせたか伝えたくて。 顔を近付けて口付けを落とし、そっと草の上に身体を横たわらせた。たまにはおれから求めたって、いいでしょう?]
おれは、長谷透は、京先輩も京さんも、愛しています。
[月光を背に泣き笑う。格好付けるのは、今だけは無理だった。
その先は、誰も知り得ない二人の時間。*]
(68) ameyoru 2015/12/20(Sun) 23時頃
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