人狼議事


194 花籠遊里

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視点:


藤之助! 今日がお前の命日だ!


 ―――…口吸いはしてねぇな。

[不意に月下蝶と櫻が収まる牢獄に向ける独り言。
彼が覚醒していれば、悪辣な声は鼓膜に忍び寄る。

されど、告げる其れは免罪符などではなく、単なる事実。
彼は求めず、己も気が向かなかった。唯それだけ。

肌を合わせるより、ずっと重い接吻があるかなど、
青い論議を交わす心算は早々なかったが、
視線をツ、と地上へ続く階段に向けた。]


 もう、夜の帳が上がっちまうな。
 まぁ、其れでなくても、星に手は届かねぇか。

[明らかに彼に向けて紡ぐのに、何処か独り言めいて零し。
視線を流して、若い彼を見た。泡沫なる胡蝶の彼を。]

 ―――…星を撃ち落とすかい、若いの。

[夜が明ければ、彼はまた空に輝く遠い月となろう。
蝶の翅では到底届かぬ暁の果て。

唆す声は勁く、張り詰めて、力強い。
彼を値踏みする眼差しは、葦の其れでなく。

真空の宇宙にめげず、それでも彼が夢物語を追いかけるなら。

ハッピーエンドとやらの、甘たる過ぎて
辟易する終わりはいつも、口付けで結ばれる。]


[閃光のように脳裏を走るのは、花弁の吹雪。
咽返りそうな花の匂いの中に、己はいない。


外の世界と、籠の世界は、遠すぎる。


熱情に勝る接吻など、在りはしないと言い聞かせ、
男は自身の唇を*緩く擦った。*]


座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/19(Fri) 02時半頃


── 東雲の頃 ──

[ペティンガーさまを癒して差し上げることは出来たでしょうか。
 その『蝶』もやはり、飛び去ってしまった後。
 淀んだ空気をかき混ぜながら、花主さまが訪れました。
 一人一人に落とされていく声は、錆びた歯車のような音でした。

 朝陽の陰に消えてしまわれる前に落とした言葉

 それはどうしてか歪に、裡を陰らせて行きました。
 早朝には、一輪居なくなっているともまだ知らず
 されど胸には厭な漣が掻き立てられていったのでありました。]


【人】 座敷守 亀吉

― 黎明幕間 ―

[手を引かれ頬の輪郭を辿られ戯れた月の夜。今宵己に触れている指先は掠める香りはどう足掻いたところで導いてくれた蝶のものではない。

拒絶は瞳に雫を滲ませ視界を黒く黒く染め上げていく。
けれども楔を打ち込まれた痩躯は重なり合う度に赤く熟れては色付いていく。

その手業は私利私欲に塗れた暴君の振る舞い。
花の都合などお構いなしに甘蜜を啜る蝶そのもの。

花の蜜が枯れてしまう夜更けまで、強いられた唇は紡いでいく。
一匹の蝶の名を。請うように恋うように喉震わせて。
暁が射し込む気配も、闇に覆われた身では知ることは無く。

掠れた声で一度名を紡ごうとして半端に咲いた花びらは、はらり ひらりと地に落ちてゆく。

完全に蕾を芽吹かせることの無い淡藤は黎明の灯りを浴びることはなく、覚めることのない暗雲のもとその身を晒した。

霞み行く意識は霧雨のように曖昧でいて薄っすらとした曖昧なもの。
光など──…見えない*]

(8) 2014/09/19(Fri) 11時半頃

[花籠から溢れ地に落ちた花に何の価値があろうか。

それもいつまで経っても蕾芽吹かせ咲き乱れることのない八分咲。

水を滋養を与えたところで綻ばず、泥に花弁を染める花に見向きされることはない。

拾うのはきっと、唯の物好き。
穢れを知らぬ稚児と清純な心を持つ指と──…]

『あの花を返して貰えるかな』

[厭らしい三日月を乗せた唇。私利私欲に肥えた厚い肉塊。
あの日銀糸を乱れに乱れて引き連れた男そのものが鎮座し、銀月に科せられた金子を容易く支払っていく。]


『雨が止んだ頃合いに迎えに来る』

[楼主の返事も待たぬまま身を翻すお客人。
一連の流れを耳にしたのは、割り当てられた室内にて。告げに来たのはまだ芽吹かぬ一輪の蕾

乾き切った双眸に、被せられた布の気配はもう消え失せた。
だというのに鉢に浮かぶ顔色は憔悴し切ったもの。

淡藤の様子を眺めていた綻ばぬ蕾が少しばかり憂いを持ったように萎んでしまうもので、気になり声をかける。
すると小さな椿色の唇は滑り転び、やがて淡藤は鏡花が欠けてしまったことを知る。]


[視線は自然と窓辺へ。
しんしんと注ぐ天雲へと向かう。
霧雨に隠された月は朧気に鈍く。
庭の花を鵐に濡れしていく。]

…有難う。

[思い出したように背後にて控える花見習いに告げれば小さな足音を立てて姿を失せる。

そのまま指先を雨露降り注ぐ窓に伸ばせば、懐かしむように瞳を閉じる。ゆっくりと口遊むは雅楽の音
せめて雨が藤を濡らさぬようにと、そっと]


【人】 座敷守 亀吉

─夕刻・自室─

[唇に乗せる音はもう奏でられることのない琴の旋律>>0:6
膝を抱えて小さく小さく声を乗せる。ぷかりと浮かぶ水珠と共に。

ふと、人伝に耳にした言葉を反芻させる。
記憶に浮かぶは花籠へ束ねられる前のこと。幾年か過ごした鉢の中、気紛れの気紛れに名を呼ばれてしまったのだとか。

花が籠を壊すことは出来ずとも、摘み取られることは出来る。
深く考えずに引き抜かれた花は、気紛れに水の張られた瓶へと生けられ、部屋の中飾られるのだろう。

それはいつかの日と同じ繰り返し。
胡蝶の夢とは異なり、紛れもない過去に刻まれた頁をまた歩み出す。

視界に入れた片黒衣>>2:124には双眸を見開かせ歪めながらも、結局その名を呼ぶことも、袋に手をかけることも、蝶の匂い残る革に触れることもせずに瞳を自ら手で*覆った*]

(9) 2014/09/19(Fri) 11時半頃

座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/19(Fri) 12時頃


座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/19(Fri) 12時半頃



 ――てっきり、してるものかと思ってたよ。

[うたにはうたを。蝶共の歌に詩を乗せる。
眠気の残る声色は、ただちいさく牢に反響せずに吸い込まれ。

忍び寄る聲は、如何とも取れずに。
独り言か、世紡ぎ事か、星取りの話には黙して耳を傾ける。

蝶が何処まで羽ばたけるかなど、知らずに。
籠の中の蝶は宙を想いただ夢を追う。
籠から脱する事もせずに、ただ焦がれに焦がれその胸を焦がし。
――飛べばまるでイカロス。真空にその翅を捥がれてしまうのだろうか]



 ――嗚呼。

  …宙から月を 引き摺り下ろすことだって。

[星を落として踏み月に翔ぶのもまた良いだろうか。
然しそれでは月は、何時迄も誰彼構わず微笑んでしまうから。

蝶は籠の中で一人想う。
如何にして月を此方へ寄せようか。
手繰りの糸でさえ届かぬ場所に咲く銀月を。どうしてこの翅に止められ様か。
まるで気高い月をこの手に収める方法。――そうして覚醒した脳は、稚拙にも思惑を張り巡らし。]

 宙まで行けないなら、水面に咲く月を捕まえれば良い。

[さてその声色は、果たして毒蝶には届いたか。
蝶と云うには毒が強い、蛾の耳元に。]



[ 夢の終わりは夢人でなければ終止符を打てない。

月が消えたのならば、宵闇は如何に惑うだろうか。
――そんな事、解ろうとさえしたくはないけれど。]

 ……雨、か。

[しとしと。しとしと。
立ち込める霧に、翅を濡らす雫に。
ただ蝶は眉を寄せ、館の扉を潜ったのならば人へと成り。

――強欲にその胸を*燻らせる。*]


[夢覚める頃。
花主様の御言葉を、垂れた頭の上に受け取った。

素直、に自嘲が零れても、地ばかりを視界に収める花の表情は、花主様には判るまい。

しかし、"罅割れ"というのは。

――予感は僅かに、脳は肯定を拒む。]


[館に足を踏み入れた途端、思い出すのは昨夜の続き。
月輝を穢して、蝶を刺した、悪辣なる夜明け。

彼は夜迷い事にも案外真剣に耳を傾けていたように見えた。
何処まで本気かは知らない。何処から気紛れかも知らない。

けれど彼が漏らした危うさは、花主より世間話のように聞いた悲恋を連想させた。
ハイリスクローリターンの博打に出るなど、余程の阿呆か勝負師だけだ。手に手をとってなど、上手くいった話は聞かない。
―――それでも、己は、若い彼が打つ、一手など知らない。]

 ―――まぁ、精々。
 火傷ついでに路地裏で薬漬けされにゃ良いがね。

[思ってもいない心配事は、悲惨な未来の一つを思わせて。

色町で焦がした身は、淫堕落に落ちるがお決まりなれど、
美しい銀月と月下蝶を、浮浪者やら悪漢やらにくれてやるにはやや惜しいと、美術品でも愛でるかのように、他人事めいた吐息を漏らした。*]


【人】 座敷守 亀吉

─自室─

[一向に晴れる気配のない暗雲の元。
姿を見せない金月には一瞥も暮れず、鉢の中で泳ぐ4匹の金魚と戯れていた。

目覚めてすぐのこと。
身に被せられた掛け布のことを思い出す。

昨晩、閨を共にした男がこのような細やかな配慮をするのだろうか。
考え辛かった。

ならば誰が? 『花』の中の一輪だろうか。
いや、皆それぞれの夜を共にして忙しない筈。

それに花籠にて捉えられた花からすれば、昨晩身に起きたことはありふれた一枚にしか過ぎない。
だからこそ、そんな気遣いをする貌を脳裏に浮かばせることを]

…違う。

[唯々拒む。]

(22) 2014/09/19(Fri) 22時頃

【人】 座敷守 亀吉

[水草の元、ゆらりと尾びれを煌めかせる魚達。
鮮やかでいて見るもの全てを虜にする美しさがあるというのに。
此処から出ては行きて行けぬのだ。]

……可哀想。

[くつくつと咽喉を震わせれば歪んだ視界にて入るは黒片布。
湧き上がる虚しさは一つ、二つと情事を思い出させ唇を引き結ぶ。

銀糸を左右に揺らす。雑念も何もかも薙ぎ払うがの如く。

それでも何処からか香る蝶の匂い>>18>>21に、左胸を疼く痛みが増して。
逃げるように部屋から出ては、硝子戸を引き霧雨降る中 唇歪めては立ち尽くした。]

(23) 2014/09/19(Fri) 22時頃

座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/19(Fri) 22時頃


[夢の中にまで、しとしととした雨の音が届いておりました。
 まるで雲に霞む月の泣く、催涙雨でしょうか。
 それとも水面に浮かぶ銀月揺らす、悲しみの雫でしょうか。

 『夢物語』を読みすぎたせいでしょう。

 ひとえに『夢物語』と称しましても、幸せな結末を迎えるものは
 実はあまりないのだと謂うことを
 眠ってしまうよりも少し前に知ったのでございます。

 すれ違いては、死を迎える話もございました。
 涙のように泡となって、消えゆく話もございました。

 まるで彩るように雨が、そっと降り注いでいるのでございます。]


 
 
 愛を知り、喪った物語の登場人物(彼ら)たちは
 『しあわせ』だったのでしょうか?
 
 


[――以前に花籠に咲いていた"丁"という花を、己は話のなかでしか知らない。

酷く花らしい花であったとか。
同じ花の面倒を見ていたとか。
其れから、彼が何故不在となったのか、とか。

花らしく咲いていた筈なのに、籠の中に許される咲き方以外を選ぶ程に。
毒は甘く、丁を蝕んでいたらしい。

伝え聞く内容を耳に、己は彼の名を真似る事にした。
他の花達はどのように感じたかは知れない。

唯、花主様へのささやかな反抗であった事。
子供じみた本心は、誰にも明かした事は無い。]


[昔々“丁”という花が咲いていた。

とかく花らしい花であった。
花の面倒もよく見ていた。
花に慕われる花であった。

そして、咲き方を間違えた花であった。

毒に根を犯され、狂い咲き。
醜く咲いた花であった。

“丁”の最期を看取った花も、此処にはいる。
何故、不在となったかの話も絶えずある。


――けれどその花手折った者が、誰であるかは誰も知らない。]


【人】 座敷守 亀吉

─中庭─

[宵闇を切り裂くような琴の音がもう廊に響くことはもう無い。
いつかの約束>>0:263が果たされること無く泡沫に消えてしまったことに寂寥感が胸を過る。

いつか耳にした『花』の行方を脳裏に浮かべれば、鼓膜揺らすは一つの唄。>>0:278

あの日>>2:19言葉の意味を知ってからずっと。
胸に渦巻く約束は雁字搦めに身を捉えていく。

何をもって櫻の梢に『』はその言葉を伝えたのだろう。
何をもって櫻の梢は『淡藤』にあの言葉を伝えたのだろう。]

(41) 2014/09/20(Sat) 00時頃

【人】 座敷守 亀吉

[霧雨は音も無く地を濡らし、水気を吹くんだ土はつま先を直に汚していく。
見上げた先には一向に晴れる気配のない灰色の空。

唯一外へと出られる小さな箱庭へ向かう際、月下蝶>>33の翅を視界に収めど一瞥も暮れずに。

ただ隠れた月を求めるよう視線は空へ。

背後から伝わるつま先の気配には]

──…此処に蜜はありませんよ。

[淡々と抑揚無く呟いては、空を仰ぐ。
雨に打たれ水気を含んだ髪は銀色ではなく、灰色。]

(42) 2014/09/20(Sat) 00時頃

座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 00時頃



 ――――…Tu es belle.

[違えぬ発音で響かせる声は、いつか櫻花が彼を呼んでいた語。
彼の生真面目たる発音は、リンと揺れる鈴の音階ではなかった。

彼は転がり音を立てる楽ではなく、蝶でありながら、花を模す。
真実、名が示すとおり、美しい人であった。]

 首輪が欲しけりゃくれてやらぁな。
 お前さんが覗きたいのは他人ばかりじゃなかろうに。

 ニコラス坊や、未だだ。
 未だ、お前さんは、自分を知らない。


 
違うな。
お前が雨で消えてしまいそうに見えてね。
 


[拒絶許さぬ圧は、悪辣な害虫とは違うもの。
方や蛾一匹、方や花の主。
囁き際、後ろより耳朶に冷え切った唇を霞めさせる。]


 丁は……雨に消えるような花では御座いません。

[更に冷えた感触を耳元に、肩が跳ねた。

花籠の主は、植物等では決してなく。
逃がすまいと、その圧が、蛇が如く絡みつく。

逆らう事など、決して出来ない。]


[お前は美しい。

「お前はベルだ」という意味には聞こえず、目の前の男の唇から紡ぎ出された正確な音に顔が赤らむ。]

 …自分を、知らない?
 そんな、どういう

[未だ自分を知らないだなんて。
けれども否定の言葉を舌に乗せることはできなかった。

鳥籠の中で過ごしてきた22年間では充分に己を識ることができなかったのは明白であった。
与えられた生では金糸雀は自分がどのように羽ばたくのかさえ識らないまま。

他人にも自己にも本当の自分を識られていない寂寥感が蜜を求めさせたのか。
幼き頃から定められていた許婚の存在によって、すぐに変わってしまうことが分かっていた姓を自分のものだと思えなかったのと同じように。
自分の生をも自分の手の内にあるものだとは思えていなかったのである。

僕はそのことを初めて自覚した。]


そうかい、ソウカイ。
私の知る“丁”は、雨に根腐れを起こしてね。
狂い咲いてしまったものだから。

お前もそうなってしまうんじゃないかと思ったのさ。

[蛇が絡みつき、ぞろりと耳を嘗め上げる。
知っているぞ、見ているぞとは言葉裏。]


 
 
―――丁は“蝶”でもないんだよ?
 
 


[自分の生を見てきたかのように見透かす男の言葉に頬の温度は上がったままだ。
羞恥ゆえか。それとも理解されているという喜びからくる興奮ゆえだろうか。]

 ……。

[僕はどうにも離すことのできない視線と
沈黙によって彼の言葉の正しさを肯定した。]


[この花が何を思い、“丁”の字をとったかなど知らぬ。
そして男が知らぬように。
“丁”を手折ったのが男の手だということは
誰をもが知らぬことであろう。

先に告げた通り、少しばかり特別な花。

丁に丁を重ね。
蛇は首筋を緩やかに締め付けて。
後ろより首筋に残す、朱の花ひとつ。
無論、逃げることも拒否することも赦さない。

優しく、冷たく、甘美に、落つる。]




私を置いて、飛んでなどいかないでおくれ。
 
 






[まるで棒読み、或いは抒情詩。
どちらにとるかは、“ちょう”次第。]
 


 伊達に長らく生きちゃいねぇよ。
 お前さん、何も変わらず生きる気かね。
 そいつぁ、良い子息、良い血筋、良い手本よ。

[一代で財を成した彼の親の集大成。
生まれながらの貴族を作り、彼はその様に育った。
決められた運命、彼の介入を許さぬ未来、永遠の鳥篭。]

 だがな、お前さんは花籠へ訪れた。

[せせら笑う男の笑みは深くも悪質。
頬を唇で舐めるように迫れば、吐息が稜線を下っていく。

彼の美しい金色の羽は鑑賞されるためにあるのか。
格子越しの空以外を知らぬまま、永劫を生きるのか。

―――彼は永遠の孤独に耐えうるのか。]


 ――…来いよ、ニコラス坊や。

 俺はお前さんのことを買っているんだ。
 俺と出会っちまったが、運の尽きと、諦めな。 

[傲慢な夜蛾の囁きが、淡く染まった肌に懐く。
何も知らない彼を染めるのではなく、壊してしまう程、勁い悪辣。]


 以前の"丁"の話は、耳にしております。

[舌這う感触に息を呑んだ。
きゅ、と触れる指先を軽く握る。]

 ……ええ。
 丁は、蝶では御座いません。
 真似事をしても、決して飛ぶ事は出来ぬ花。

[首に痕残す感触にさえ、逆らえずに居る、哀れな花。]


[彼が何を思い"特別"だ等と告げるのか。
気付ける程に彼や"丁"を、己は知らず。

この己を閉じ込める花籠の主を、好ましく思う事は無く。
けれど、逆らい立場を危うくする賭けに出るでもなく。

行きません、とは言わず。
この花籠の外を望む唇で]

 花は、飛べはしないのですよ。

[とだけ、繰り返し。]




[そうして拾わぬものから目を背け
 それは『大事(しあわせ)』ではないと、謂い聴かせるのです。]
 
 


 もし、違えば。
 縁起でもないことをと、櫻の花を叱ってください。

[何故、探すことが出来ないのか。
 何故、謂い聴かせねばならぬのか。
 何故、大事な物を持ってはならなかったのか。

 判らぬなりに拾う言葉と、判らぬ僕に聴かせる言葉で
 綾取りのように完成した言葉を紡ぎました。]




 ―――藤之助さんに、何かございましたか?


[きゅうとその身を少しばかり
 強く抱きしめたのでございます**]


明日の明け方。
沈丁花に降り積もる雪は。


それは多くあるだろうねえ。


[丁は“蝶”に在らず。
花は飛ぶに在らず。]


 
 
[しかし綿毛持つ蒲公英なれば―――… **]
 
 


座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 02時半頃


 なにも、変わらず…

[鸚鵡返しに彼の言葉を繰り返す。

きっとこれから僕は許婚と結婚して新しい姓を得る。家の稼業を継いで親の築いた財を富ますことに老いるまで執心することになる。子もできることだろう。
そんな人生を今までと変わらず…
何一つ不幸の無い幸福だと思っていた生が改めて眼前に突きつけられ、途端に虚無感を覚えた。

頬を息が吹く。
自分よりも長く、そして異なる生を送ってきた男の匂いが僕を囲っているような気がした。
彼の纏う空気は一体どんなものを積み重ねて得られたものなのだろうか。

羽ばたき方を識りたくて。
やっと得られた理解への渇望と共に、
僕は悪辣たる毒蛾の誘いに頷いた。]

 …はい。

[無知ゆえに毒を喰らうのではなく、
毒と判っていながら溺れる危うさで。]


[彼の人生には、安寧という言葉以外は存在しないのだろう。

恵まれた、と言えば聞こえは良いが、定められた生だ。
敗北の味を、従属の甘美を彼は知らない。

最初は傲慢な上流階級然とした態度に些細な興味。
次は蝶になりきらぬ横顔への好奇心。
果ては初体験に憧れる乙女のような彼に喉が渇いた。

深窓で育てられた彼の期待は、何処か幼く危うい。
されど、熟した果実のように蜜を滴らせ、己を誘う。

彼の傍が似合うのは白馬の王子様でも、可憐なお姫様でもない。
羞恥を掻き立て、下卑た悦びで彼を穢す、悪徳な支配者だ。]


[もしかすれば最初から彼の毒気に
魅かれていたのかもしれない。

家の者が見れば眉を顰めるであろうこの男に
恐れどころか好意を抱いたのは何故か。
未知への興味だけか?

僕は無意識に自分の求めているものが
分かっていたのではないか。

純白の処女雪然とした己の人生を穢す
荒々しい足跡を望んでいると。*]


【人】 座敷守 亀吉

[頬を濡らし顎を伝う雨粒は地に水たまりを作っていく。
ぼんやりと浮かんだ水面に映る銀月は霞み曖昧に揺れては一つ、一つと雫を生み出し人影を滲ませる。

花見鳥の囀り>>65は霧雨と共に溶けていく。ぬかるんだ土の音が背後から迫ろうと『花』は振り返ることはない。

花は一人でに振り返ることは出来ないのだから。

香る夜露に月は更に隠れていく。
雨を遮る代わりに光を失えば、翳りを一つ二つ浮かび上がらせ顔を俯かせる。]

(…あったかい)

[触れた手のひらから伝わる温もりは、一昨日革手袋越しに触れたものとも、昨晩痩躯を暴いた手とも異なる形。

指先が拙く震えては動きを強張らせる。温かくて綺麗な白い手。
爪痕の出来た自分のものとは違う美しい透けるような肌に触れられていること、濡れた唇は歪み崩れて…]

(71) 2014/09/20(Sat) 16時頃

【人】 座敷守 亀吉

…行きたく、ない。

[硝子戸の奥へと花籠の中へと誘おうとする手を引いて縫い止める。

そのまま力を加えれば決して蝶の姿
を映すことなく顔を地へと落とせば、肩口に頭を寄せて掠れた声で言葉を紡ぐ。]

……貴方なんか、大嫌いです。
だから、…何処へなりとも行って下さい。二度と、会いたくない。
顔なんか見たくない。声も聞きたくない。アンタなんか、特別じゃない…、嫌いだ。

[雨は止まない。
唯々蝶が纏う闇により深く深く、水珠を滲ませて。
やがて顔を上げれば、にっこりと口元に三日月を刻んで微笑─]

(72) 2014/09/20(Sat) 16時頃

【人】 座敷守 亀吉

──…さようなら。

[踵を上げれば口端に掠めるような口付けを落とし、離れようと温もりを拒絶するように力を加えた。]

(73) 2014/09/20(Sat) 16時頃

座敷守 亀吉は、メモを貼った。

2014/09/20(Sat) 16時頃


【人】 座敷守 亀吉

[蝶の口吻から紡がれる言の葉>>86
花は微かに花弁を揺らして笑みを深くする。
雨粒がまた花びらに落ちては先へと滑り落ちていく。頬を濡らす水は蜜であらず、ただの生温かい雫。冷える身体を皮肉にも温めた。

唇から漏れるは震えた吐息。
見開かせた双眸は霧雨の中でも鮮やかな紺瑠璃色。夜に映えるその瞳が歪む前。萎れた花に止まった蝶が、一匹が、花弁を揺らした。]

…好き?

[鸚鵡のように問いかける瞳は、頬は強張ったものとなり、表情を強張らせる。]

──…そうやって。
蝶は花に甘い蜜の代わりに夢を見せるんでしょう?宵闇だけに気紛れに現れては、胡蝶の如く。
明けない朝などない。覚めない夢などない。散らぬ花など無い。
私と貴方が会えるのはこの花籠の中だけ。

全ては、夢なんです。
全部、夢物語。…それでも、

[落ちる滴は、頬を濡らして唇は空気を飲んだ>>87]

(97) 2014/09/20(Sat) 21時頃

【人】 座敷守 亀吉


……どうして、


そんな酷いことを仰るのですか。

[落ちるのは言葉と、雫。
鉢にて泳がせた瞳が、ゆらりとあやふやに揺らめいていく。

広間にて耳にしたあの花の囁きが何度も脳裏に浮かんでは、楔となり唇を強張らせる。

花に蝶のような口吻などは存在しない。与えるだけのもの。差し出すだけのもの。蝶のように翅を閃かせ空へ舞うことなど出来ない。

そしてそれを望むことすら出来ぬというのに。]

……なら、覚めない夢を与えてくれますか。
好きだと言うのなら、…腕を引いて連れて行ってくれますか。

[唇はつらつらと言葉を綴る。
鼻先に掠める櫻の香りは霧雨と共に霧散していき、酔ったように甘い夢を望んで。]

(98) 2014/09/20(Sat) 21時頃

【人】 座敷守 亀吉

……月が綺麗ですね。

[水気を吸いすぎた花弁ははらりと一枚、二枚と散らしてはやがて蝶に寄り添うように傾いた。]

(99) 2014/09/20(Sat) 21時頃

[優しくしているのは、きっと己の為。
好き好んで花籠に咲く訳ではない己を慰めるための。

せめて、愛無くとも優しさが在って欲しいと望む、傲慢な花。

錆色の蝶の真逆に。]


 ……叱らないさ。答えは否だから。
 何かあったわけじゃない、良くある話だ。
 花籠から花が一輪消えるなんて、何度もあったろ?櫻子。


[日が昇ってから嫌な胸騒ぎは収まる気配は無く、むしろ増すばかり。
一目藤の花を見ようと訪れた時には、部屋は『何も無くなって』いたのだ。
『どうして』そうなったかまでは察せない、解らないが。
花がどうなったかなんて、想像するのは簡単だった。]


[年期がいつか明けたなら。俺自身も、彼の年期も明けたなら。
本当の名前をそっと教えるつもりだった。
柔らかな音で奏でられる名の音を聞きたかった。

雪山にかかる月も、『本物の朧月』も共に眺めたかった。

身に余る望みは砕け散り、砂のように落ちていく。]


【人】 座敷守 亀吉

[過ぎた滋養を与えた花はやがて枯れる。濡れそぼった翅は空を裂く邪魔をする。

されども重なる鼓動の音から花は揺らぐことをせず。
蝶から紡がれる夢物語に耳を傾ける>>117]

…『花』は、美しくなければならないのです。

[世辞には浪漫のない捻くれた呟き。
けれども陶酔し切ったような瞳はただ甘い毒を望み、酔ったように身を寄せ、胡蝶の夢に目蓋を閉ざします。]

……人、に?

[『花』として花籠に束ねられてから、何度も夢見ては諦めた願い。
綴られた囁きは何処までも甘く、緩やかに花弁を濡らす。

ゆっくりと、花さえも知らない色に染まり変わる]

(124) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

【人】 座敷守 亀吉

[コクリと音を立てたのは喉仏が唾液を嚥下したために。
自分達が今何をしようとしているのか。その意味が分からない訳では無い。判らない筈が無い。

今日人づてに聞いた話によると以前身を置いていた主人がまた所望しに訪れたという。
楼主がどう答えたのかは知らぬ所ではあるが、どちらにせよ多額の金をかけられた身。

抜け出せば、逃げ出せば、唯では済むまい。

それは耳に聞いていた『ちょう』と同じ道やもしれぬというのに。]

………。

[花は、ただ目の前で差し伸べられた翅に焦がれるように花弁を揺らす。

梔子は何も囁かない。瞳を持たぬ花は唯々盲目に蝶へと花びらを濡らすだけ。

きっと花ならば、そう在るべきなのかもしれない。]

(125) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

【人】 座敷守 亀吉

…いずれ花も蝶も散るもの。
でも、人として…生きることを、…望んでもいいのなら。

──…貴方と、死にたい。

[重なる掌は霧雨に振られ、冷たく冷えている。
それは雨粒に打たれた故か、それともこの身に潜む陰によるものなのかは、分からない。

それでも、水気を含んだ重たい睫毛で真っ直ぐに紺瑠璃を見つめれば、花は言葉を口にする。

甘ったるい情人のような戯言を。
水面に揺れる花は月の隠れた空の下、指先をそっとその人に重ねて]

……連れて行って下さい。
花籠の外へ。

(126) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

【人】 座敷守 亀吉

[はにかむように笑っては誘うように腕を引く。

腕を引き連れた場所は中庭奥にて存在した扉。
老朽の進んだものなれど力を込めてこじ開ければ、何とか人は通れそうで。

何故修繕されぬまま置いてあったのか、そしてそれを伝えてくれた見習いが知っていたのかは知らぬ所ではあるけれども、縋れる場所はここしか存在せず]

…足は早い方なんです。

[頬を引き攣らせつつも、一言。
思ったより軋んだ音は大きく中庭にて響く。焦ったように振り返りつつも、掌を硬く握り締め]

──…。

[唇だけで言葉を紡げば、そっと外の気配立ち込める先へと足を伸ばした。
重なり合う影は二つ、霧雨にて朧気に溶ける*]

(127) 2014/09/21(Sun) 01時半頃

[胸に過る痛みを見ぬように視線は一度だけ地に落ちる。
濡れた地面を彩る数々の秋の彩り

誰の手によって植えられたものなのか。考えずとも鮮明に脳裏に思い浮かばせ、青年は顔を顰めた。

おとつい自分との出会いを「しあわせ」だと口にし
数々の教えを伝えてくれたその人自身を裏切る行為なのだろうから。

『花』としての振る舞いや心を苦労して見守ってくれた先生や

同じ年の瀬であることから砕けた調子で言葉を交わしていた青年のような世話になった恩を仇で売るような選択でもあるのだろう。

それでも儚き一夜の夢で終わってしまうかもしれなくとも。
この身が朽ちてしまおうとも、繋ぎ合った指の絡まりを見下ろせば、唯々幸福そうに口元は弧を描く。]

…ごめんなさい。

[囁きは雨の中、消えていき
その姿はもう花籠にて揺られることは、無い*]


【人】 座敷守 亀吉

[主を失った数匹の金魚は水面下にて踊る。
ぶくぶくと揺れる泡。
パチリと音を立てて浮かび上がったのは──一匹の梅の花。
水草を尾びれに絡ませながら、ぷかりと姿を煌めかせた。

もう泳ぐことは無い*]

(137) 2014/09/21(Sun) 02時頃

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