166 あざとい村
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… ずるい。
[>>205 弱り笑いを残したままで、小さく呟いた。 自分を許せない。と、そう言われてしまえば、 ──躊躇うとわかっていて言うのだ。この幼馴染は。]
(230) miseki 2014/03/13(Thu) 15時半頃
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… セシルは、…
[セシルの瞳をまっすぐ見たまま、言われたことを、 ゆっくりと思い返すように、 アオイは雫の残る瞳の色を深くした。]
(231) miseki 2014/03/13(Thu) 15時半頃
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ボクが、傷つくのが、 …こわいんだね。
[>>203 問いへの答えを出すのに、ゆっくりと深呼吸して、 ずるい言い方に──迷わされないように、 ひとつひとつを、確かめてくみたいに言葉にする*。]
(232) miseki 2014/03/13(Thu) 15時半頃
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……、…
[今、言葉にするべきことを選ぶのに、少しだけ迷いながら、 世界中で知ってるだれより、綺麗だと思えるセシルの笑顔に、 すこしだけ、眉を下げて笑った。]
〜〜びっくりだよ。
[御伽噺に出てくる王子様みたいなヒトなのに。 こんなに、真っ直ぐ自分を見てくれてるのが、 ちょっと信じられないぐらいだ。 改めて思うと、なんだかちょっと照れてしまう。]
(239) miseki 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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[でも、まっすぐ見返すその目の中に──今。 自分がいるのは、疑ったらダメだと思った。
一瞬、セシルの目が丸くなったときだけ、 それにちょっとだけへろりと笑った。]
…〜うん。
[一歩、前へ進むためのといかけに、 はっきりと応じてくれたセシルに、 そっか。と、それを、ひきとるように頷いた。]
(240) miseki 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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〜〜 あのね、セシル。
[下を向いてしまわないように、顎の下側に力をこめて、 できるだけまっすぐ、ちゃんと──セシルを見られるように、 ゆらゆらしてたアオイの瞳が、前を向いた。]
(241) miseki 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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…、そりゃ、ボクは… そそっかしいし、あわてものだしさ
泣いたり、転んだり、 ぶつかったりも… …… しょっちゅうするけど。
[事実は事実として、それを認めて、続きの言葉を紡ぐ。]
(242) miseki 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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泣いて、傷ついて、
…それでも、…そこから立ち上がって、 もういっかい、走るのじゃ… だめなのかな。
(243) miseki 2014/03/13(Thu) 17時半頃
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[未熟な翼で追いかけてきた道だけれど、 望んで目指した空だった。怖いことも、痛いことも、 辛いこともあるのは知っているけど──許されるなら。 まだ、自分の力で飛んでいたいとそう思う。
でも。]
〜〜セシルを……不安にさせたいわけじゃ、ないんだよ…
[でも。鳥籠を、飛び出すための鍵が、 見つからないでいる。]
…
[だから、そこで、一度言葉を区切って。 扉が開くのをじっと待つみたいに、 ──凝らすみたいに、セシルを見止めた*。]
(244) miseki 2014/03/13(Thu) 18時頃
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[コツ、と叩かれる額を軽く押える。]
…だ、だって、お兄ちゃんみたいなものだって、 お、思ってたんだよ…
[尊敬できる兄すぎて、そういう風に見られてるなんてこと、 ぜんぜん考えてみたこともなかった。]
(251) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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…
[ぎゅ、っと、手が拳を握る。沈黙の間も、 セシルから表情は外れないまま]
…… うん。
[一度目、こくりと頷いて>>248、]
(252) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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[だけれど、]
──────。
[続く言葉が、ぐさりと刺さる。けど、それでも、 今度は。今だけは泣かずに、ぐっと堪えた。]
(253) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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[それでも、それでも。眉間にはしっかり 深い皺が出来てしまったのだけれど。
そうして、綺麗な笑顔を見上げたまま、
痛いくらい奥歯をぎゅっと噛んだ。 息を吸い込む。肩が上下した。]
…──…、うん。 …
[ざっくりと振り下ろされたナイフに突き刺さったまま、 セシルを見たまま、一度だけ、 一度だけ。──見ていて欲しいと頷いたけれど。]
(254) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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[必死に、どうにか、鍵のない扉をあけようとするみたいに、 きっと、───お互いにお互いが痛いのがわかっていて、 それでも壁に、そのまま気持ちをぶつけた。
でも、 だけど。]
… 強さ、って────〜〜
(255) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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言われると、
[考え考えしてみるけれど。 まだ──上手い答えがみつからなくて。]
……〜わかんない、 や ………。
[ある、と言い切ることもできなくて、そのまま、 しん。と、そこで口を鎖してしまった**。]
(256) miseki 2014/03/13(Thu) 19時頃
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[朝礼台の上についた手がぎゅっと拳をつくる。 嫌だ。とセシルの言葉に、血管を通る血が 痛みを潜り抜けてすっと透明になってくみたいだった。]
…っ
[嫌だ。とその言葉に、唇を噛む。 セシルの痛みを思って、瞳が揺れるけれど、
でも。]
(279) miseki 2014/03/14(Fri) 02時半頃
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セシル。ボクは。 …セシルを傷つけることなっても、 それでも、ボクは……
狩人に、なりたい って、言うよ。
[傷つけるかもしれないと思いながら、 自分の望みを言葉に乗せる。]
(280) miseki 2014/03/14(Fri) 02時半頃
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ここで折れたら、ボクはきっと、 …走れなくなって、泳げなくなって、
そのまま、沈んじゃう。
… なんにも、できなくなっちゃいそうだ。
[今までの自分ですら、なくなってしまうんじゃないか。って。 それも──なんだか、怖くて、嫌だった。]
(281) miseki 2014/03/14(Fri) 02時半頃
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[理由は。とセシルの声が問う。 その言葉に一度、ゆっくりと瞬いて、 アオイは目を開けた。]
ボクが、…──っ!?
[──守りたいのは。問いに答えようとする途中で、ぐいと強引に身体が引き寄せられた。いままでに無い強さで捕えられて、視界がふさがる。]
(282) miseki 2014/03/14(Fri) 02時半頃
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[驚きはあったけれど、それよりもセシルの声が真剣で、だから 行動の理由を問う言葉は出てこなかった。]
ボクが、護りたい、のは……
[自分の胸内に問いかける。塞がれた視界の中で、 脳裏にいくつかの姿と、声が思い描かれた。]
(283) miseki 2014/03/14(Fri) 02時半頃
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[見えたのは、ひとりだけの姿じゃなかった。
そこには高い高い、真っ青な空が広がっていて、
その下に、遠くに前をいく父と母の背中があって 立ち止まってこっちを見てるセシルや、 ヒューがころげそうになりながらジリヤを伴って 追いついてくる姿や、スージーやロビンが 相変わらずの調子で歩いてたり、 レティーシャが鉄棒の上にひょいと座っていたりした。
クラスメイトたちの楽しげな声がする。]
(284) miseki 2014/03/14(Fri) 03時頃
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[まばゆくて、一瞬ですぎてしまう──毎日の風景。 おーい、とシノン先輩の傍から、 はらがたつくらい無邪気に手を振るカイル姿が見えて、
──その顔が、のんきに明るく笑っていて。
それで。ああ。って思った。]
(285) miseki 2014/03/14(Fri) 03時頃
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ボクが、…ボクが…護りたいのはね。 …セシル、
… みんなの、笑ってる顔だ…
[泣いてもいいから。傷ついてもいいから。 そのあとにでもいいから──笑っていてほしい。]
(286) miseki 2014/03/14(Fri) 03時頃
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… 痛い思いを、させちゃうかもだけど、…
[セシルが、視界を塞いでいるから、 他の風景は見えなくて、 言葉だけをひとつひとつ音にする。]
… ボク、ボクが走れなくなると ちょっと困るんだ
[抵抗はせずに、肩を落として、小さく笑う。]
(287) miseki 2014/03/14(Fri) 03時頃
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…〜カイル、足だけは速いんだもん。、
[少しだけ拗ねたようにそう言って、]
ボクね、…カイルの傍で、 … ちゃんと笑っていられるようで、…いたいんだ。
[塞がれた視界の中。 小さな目標を、口にした*。]
(288) miseki 2014/03/14(Fri) 03時頃
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[青空の下にみた景色を自分の手で叶えるには、 まだまだ翼も、手も幼くて頼りない。
それは、自分でも判っていて。 けれど、譲れずに口にした答えだ。]
…───
[ただ、顔が見えなくて、ちゃんと伝わったのかがわからない。 どうにか首を動かそうとするけれど、息苦しいくらいに 強く身体を押えられて、セシルの鼓動の音ばかりが耳に届く。]
(298) miseki 2014/03/14(Fri) 05時頃
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セシル。
[どうしても、とそう言われて、 声の響きに眉をさげた。けれど、]
ごめん… ボク、
どうしても、〜どうしても、
… カイルが好きなんだ。
[消えない気持ちを、今は言わなきゃならない気がして、 垂れ目の下がり眉で笑いながらはっきりと、そう口にする。]
(299) miseki 2014/03/14(Fri) 05時頃
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[そう、確かな気持ちを言葉にして── 肩が掴まれて、身体が離される。]
───…だから、
[どうしても、に、ごめん。と、 そう答えを口にしようとして、 ──それより早く、セシルの謝る声が重なった。]
(300) miseki 2014/03/14(Fri) 05時頃
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[見上げた先から、セシルが屈む。 視界がセシルでいっぱいになって]
〜〜〜っ?
[だから、の続きを続けることができないまま]
(301) miseki 2014/03/14(Fri) 05時頃
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[── 目の前にセシルの顔があって、 起きてることの理解をする前に、思考回路がパンクする。]
…… !!!!?????
[ たぶん。その一瞬だけ、せんぶの時間が 止まってた** ]
(302) miseki 2014/03/14(Fri) 05時頃
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