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[輪郭がぐずりと沸き立つ。吹き上がるように激しく燃え上がる。
否、違う、違う……だめ、安住さん、安住さんだから、
安住さんが、あの日、本当に独りぼっちだった私に
次に、『明日』から続く未来に約束をくれた人、
学校がはじまったらまた顔を合わせる事もあるだろう
きっとその程度の約束がどれだけ己にとって救いであったか、あれは喰らってはいけない、
ちかちかと両目の奥が眩しい。痛い。心地好い……
───半ばを茫然としながら、彼女に正体を知られた事をどうにか飲み込もう*]
[ぐらり、ぐらり、と波に揺らされるように視界が揺れる。
水の底は少し異質だ。己の領分ではない。『アレ』の纏った湿った気配とも違う。
焦げ付いて、絶えず灼かれ続ける己の身を置くにはこの清涼な青の世界は澄み過ぎている。
嗚呼……喰らってしまいたい。取り込んでしまいたい。
繰り返されるただ一日のその先をくれた彼女と共に、先がある、先へ行けると言う約束された希望と共に閉じ込めてしまえたなら。
そんな思いでいるだなんて、彼女に知られたらやはり疎まれるだろうか、恐れられるだろうか。
掻き抱いた少女の体は水中にあってひんやりと冷えていたかもしれない。]
[それでも暖かかった。
命だ。
嗚呼、嫌だ、離したくない。
じくり、と彼女に触れた皮膚が泡立つように火脹れを起こし、黒く変色する。
駄目、駄目だ、駄目……奪わせないで欲しい。
あんなのはもう嫌だ
相反する思いに震えながら縋るように抱き締める。
こんな、どうしようもない事を考えてしまう私をどうか嫌わないで、厭わないで欲しい]
【人】 CC レイ― プール ― (214) 2019/09/07(Sat) 18時半頃 |
[花火の夜にあたしは焼け溶けたどろどろ燃え続ける誰かと会った。
今日は水をかぶったせいかしずかに燻っている。
何かをおびえているみたいだ。あたしはかわいそうだね、と声をかけようとしたと思う。9月1日のあたしと違いあたしには耳がよく聞こえない。]
縺九o縺?◎縺?□縺ュ
[前回の9月1日は気づいたらかわりにあの人が一人をこの町にしっかりつなぎとめてくれた。
でも、大変だね。つらいんだね。
じゃあ、今度はあたしがやるね。]
【人】 CC レイ― プールの中 ― (220) 2019/09/07(Sat) 19時半頃 |
[8月に死んだあたしは尋ねる。
耳は水が入ったようにぼんやりとして聞こえない。
縺昴?莠コ縺後>縺???、つぶやく。
その莠コ縺後の? つぶやく。
その人が縺後? つぶやく。
自分の言葉を確かめるように、言った先からさっき言った言葉を忘れてしまったように、壊れたおもちゃが録音された音声の一部分しか再生できなくなったように、さざなみの音のように少し話した。]
その人がいい?
[声に出せたそれをあたしは気づかない。
颯成が来て言葉をとめた。]
[黒く淀んだ何かの奥で酷く耳障りな音がしている。
ごぼごぼとわき立つ音はこうして水の中へ身を浸して見てもやはり周囲のそれとは違って聴こえる。生々しく詰まって溢れて何処かで痞えたような異質なものが伝えて来る言葉を理解する事は難しい。
哀れまれたのだろうか。
感情と言うには淡く思える機微だけは察する事が出来た。
次いで何かの問いを受け取る。聞き取れない。
寄せるさざ波、繰り返し弾ける波頭。押しては返す水音。
幾度か試みられたそれをようやく受け取った。]
ハハ、何、優しィじゃん
…あァ、私の意見は考えなくて良ィよォ
[颯成の姿が目に入る。溢れるような『コレ』の声色が聴こえただろうか。
小さな笑みとも呻きともつかぬ音をぐつりと煮え立つように漏らした]
[己が選択をするのであればこれは駄目だあれは駄目だといくらでも除外は出来る。
脳裏に浮かぶいくつかの貌、照れた貌、笑った貌、驚いた貌、
然し『コレ』が動くのならば、その判断を否定も肯定もしたくはない。
何をするなともして欲しいとも求めるつもりはない。]
……でも訊いてくれてありがとう
[問いがどのようなプロセスで生み出されたのかはわからない。
然し選択を差し出されたのは確かだったのだから。
何時かの花火の夜。
もくもくと風に流れる煙越し、まき散らされる火花に見惚れるていた少年の傍らで『コレ』が淀んでいた姿が思い出される。『コレ』にとって彼がどのような意味を持って居たのかは解らないが
『コレ』が何らかの機微を抱いていたとしても己も『コレ』に己の選択について何を言われるつもりもない──あの夜の事は、この腕の中で燃え尽きた彼の最期は私だけもの、私だけが持っていたいものなのだから。
ぶすぶすと燻る喉が意味もなく小さく鳴った。*]
【人】 CC レイ プール入る前に敢えて服着ろとはいわないって。 (228) 2019/09/07(Sat) 20時半頃 |
……その人? 意見?
何のこと?
[泳いでいる間。
いくつか交わされる言葉を聞いていた。
その声の主が、レイ姉とヒナコ先輩なことはもうわかっている。
レイ姉と話す隙を縫うように、ちらちらと二人の方を見る。
片方は水に口をつけて、それこそレイ姉の方から聞こえてくる声みたいな調子だった。
もしも聞けていたら。
誰かの"明日"を奪ってループを保っていることを、知っていたら。
こんな呑気にしてはいられなかったと思う。]
【人】 CC レイ ……… (243) 2019/09/07(Sat) 21時頃 |
【人】 CC レイ (247) 2019/09/07(Sat) 21時半頃 |
[人に優しくするのはいいことだと教わってきた。
死んだ後のあたしにも、生前そうなら残っていることだ。
だから今哀れむように声をかけたのも、生きていたあたし由来のものだ。
実際優しいかどうかなんて、
判断するのは生きいても死んでいても難しい。
あたしにとって「代ろうか」と言うのはそう難しいことじゃなかった。
それで、声を聞いてくれた『あの人』は、わらっていた。
9月1日の宍井澪であるあたしとダブるみたいにして、死んだ宍井澪は少し体を揺らして、ゆるゆると頷いた肯定をした。
あたしの鈍った頭にもわかる。
だれでもいいことが。]
[何のこと? そう問う少年の声音は耳に届いていたが、
その答えを発する事を拒絶するように暫く水に沈んでいた。
レイ姉だよ、と引き合わされた日の事を思い出す。
社で寄り添っていたこの小さな灯と泡立つ水の気配を纏ったノイズと。
嗚呼、そう云う事だったかと思い至ればいっそ哀れに思える。
繰り返される今日の中で忘れる事をあんなにも恐れていた彼に近しいモノが彼が手放したくないと願うものを他者から奪って行く。
『コレ』と『己』が呪わしい簒奪者だと云う事を己の口から告げる事はしない*]
[ちいさく首を振る。
お礼を言われて死んだあたしは微笑んだ。
つもり。(
幽霊であるあたしの顔がどんな風にあの人に見えるのかはわからない。
家に置かれている膨らんだあたしなのか、それとも黒い水たまりなのか。はたまた生前のあたしなのか、9月1日のあたしなのか。
あたし自身にもわからない。水鏡にうつったとして、そこにいるのはプールの水面で歪んだ9月1日の宍井澪ばかりだ。
9月1日の宍井澪が気にしている、昨夜燃えて死んだ男の子のことも黒い水たまりのあたしは気にしていない。
彼はこれから決まった9月1日をなぞる。
その9月1日が、ほんとうの9月1日。
それに何も思わない。(
そも、あたしは8月に死んだのだ。とっくに。]
[颯成からの質問であたしは口をひらいた]
諢帶海先輩
でも、違ってい縺んだっ縺ヲ
[耳は相変わらず水のなかにいるみたいにボヤけた]
あたしが代わ繧、に
そうじゃなくて いい縺ソ縺溘>
だからあたし遘句アア先輩に
今度こそ螟冗・ュ繧、なつ、な、螟冗・ュ繧に……
[みんなのどこか楽しそうな声のなかで、独り言みたいにごぼごぼ喋った。**]
[だからもう、誰かを決めてる。
昨日から決まっていて、変わっていない。
たまたまあの人が先に済ませたから、しなかっただけ。
あたしは町が9月1日を無限にするためでなく
あたしの願いをかなえるためのことをする。
結果は同じ。
一番、一番あたしがいなくなってほしいのは**]
[ごぼごぼと不明瞭な音。
もう余り明瞭に意味を聴き取る事はできない。
何かを『ソレ』が決めたのなら、己はただ其れを領分の違うものとして肯定するのみだった]
【人】 CC レイ[どうやら近くでいろんなドタバタがあったのだけれど、気持ちもテンションもついていけていない自覚があった。 (281) 2019/09/07(Sat) 23時半頃 |
【人】 CC レイ[あたしはまだ、楽しい顔ができてない。 (282) 2019/09/07(Sat) 23時半頃 |
【人】 CC レイ ……あたし2回目の、お祭の時にもさ。 (283) 2019/09/07(Sat) 23時半頃 |
……み、先輩?
違って……いた?
代わりに……?
[
み先輩、は誰だろう。苗字がみで終わる人はいなかったはず。
名前がみで終わるのは……いたっけ?
女子っぽいけど、れい、ひなこ、ええっと岸姉は、ちはやだっけ?
あとは安住さんか、名前なんだっけ。マナ、マナ……みをつけたら、まなみ?
親がマナちゃん、って呼ぶのからの連想ゲーム。]
愛海先輩が、どうかしたの。
代わりって?
[語られない真実
どころか、ループの原因が何かもまだわかっていないのだ。
そのくせ、ループするのをいいことに、呑気に遊びたいこのままが良いなんて言っている。
その裏で何が起きているか、考えようともしてなかった。]
あたしが代わ ろうと思っ縺。
でも、あの人は 気にしなくてい縺って。
縺?から、ぁな海先霈ゥは、やめたの。
[あたしの幽霊はゆっくり首をふる。
愛海先輩は、あたしのいましたいことに関係なかったから。
ただ代わってあげたほうがいいならと思っただけの理由だったから、もう彼女は関係ない。]
[あたしが見てるものは秋山先輩の『周り』だ。
今日、彼をここに誘ったのは、誰だったっけ?**]
[そうして、ゆっくりと話してくれる声を聞く。]
何を代わる、って?
あの人っていうのは、ヒナコ先輩のこと?
愛海先輩は、やめた……?
[ここまで聞けば、なんとなく察せる。
本当になんとなくだし、何をしてるのか、まではわかってない、けど。]
……誰かに何か、してるの。
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