270 食人村忌譚
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[ミナカタの言葉に、改めて痛感する。 江津子おばさんも、私も、あの時、 下手をしたら殺されていたのかもしれないのだ。
再び震えそうになる身体に、>>142温もりが染み渡る。 頭を彼の胸に預ける。 記憶にはない、けれど、何処か懐かしい気持ちになって、 私は瞼を閉じた。]
(153) 2017/11/26(Sun) 13時半頃
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こんな小娘の話、信用できないって言われそうだもん。 ミナカタさん以外には、未だ、誰にも。
[妹――巫女様の言葉なら兎も角、私の言葉など 信用してくれる者が、一体どの位いるだろう?
怪我をしていない左の手は、未だ、彼の服の裾を握ったまま。 まるで、小さな子が、親に縋るかのように。]
ありがと。無茶なんてしないって。 あんな恐ろしい真似されたら堪らないよ。
……信じてくれて、ありがと。
[震えは収まっていた。 少し高い位置の男の顔を見上げて、私は笑った。]
(154) 2017/11/26(Sun) 13時半頃
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[いつの間にやら、良い香りが漂ってきている。 既に料理は出来上がってきているようだ。]
引き留めてごめんね。 愛理、弔いにいかなきゃ。
[名残惜しい気持ちはあれど、私は彼から身体を離す。
薬草が良かったからだろうか。 指先の血も、もう、止まっていた。
そうして私は彼と共に 皆が集まる場所へ向かおうと、踵を返しただろう。**]
(155) 2017/11/26(Sun) 13時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/26(Sun) 14時頃
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―集会所にて―
[戻った頃には、料理は殆ど出来上がっていた。 盛り付けなどの作業があれば、それを手伝ったのち、 おばさんから受け取った串焼き>>149を頬張った。]
あんまり手伝えなくてすみません。 いただきます。
[受け取りつつ、頭を下げて、 そうして、江津子おばさんだけに聞こえるような 小さな声で囁いた。]
(164) 2017/11/26(Sun) 18時頃
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私、江津子おばさんの味方だからね。 おばさんが悪い人じゃないって、私、知ってるから。
だから、何にも不安にならなくて、大丈夫だよ。
[引き留められたなら、信じてほしいという前置きと共に、 ミナカタに話した内容を>>131>>133>>134 彼女にも語るだろうが、そうでないなら 片手に串焼き、片手につみれ汁の椀を受け取った私は 集会所の隅で、ひとり、腰を下ろした。
手を合わせたのち、温かな料理を頬張る。 咀嚼しながら、視線を賑やかな方へと向けた。]
(165) 2017/11/26(Sun) 18時頃
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[思い出すのは、ミナカタとの会話だ。 昨日、一つ間違えれば、私も、 江津子おばさんも死んでいたのかもしれない。 その事実が、重く、心にのしかかってくるような気がした。
無茶はしない。確かにそう言った。 けれど、それ以上に誰かを疑いたくもなかった。 なら、やるべきことはひとつだけだった。]
(166) 2017/11/26(Sun) 18時頃
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[丁度いいじゃあないか。 巫女に成れない女など、いてもいなくても変わらない。
探そう。愛理を殺した者を。 それだけが、私にできる唯一の事だ、と。 身の程を知らない女は笑う。
守るべき相手が、同じようなこと>>157>>158を 考えているなど、夢にも思わずに。**]
(167) 2017/11/26(Sun) 18時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/26(Sun) 18時頃
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[食器を戻しに行く最中、 えづくような声>>175が聞こえて、私は振り向いた。]
源蔵さん?大丈夫?
[咄嗟に男に駆け寄った私は、 饐えた臭いに、少し顔を顰めてしまって、 慌てて首を振った。 彼に手を伸ばして、子供のようなその背を摩る。
彼が落ち着いたのを見計らってから、着物の上に 着ていた割烹着を脱いで、彼の口元に差し出した。]
(182) 2017/11/26(Sun) 22時頃
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ちょっと待ってて。 お水、汲んでくるね。
[そこまで離れた場所ではなかったのが幸いか。 程なくして、水が注がれた椀を、彼へと差し出した。]
飲める?無理はしないで。 ゆっくりでいいから。
[ちら、と目に入った、床に転がったもの―― 食されることのなかった、愛理の命の欠片に目を伏せて、 再び、彼の狭い背へと手を伸ばす。 彼が落ち着くまで、その背を摩ろうと。*]
(183) 2017/11/26(Sun) 22時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/26(Sun) 22時頃
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[地面へ吐き出されたそれらを口にするのは躊躇われる。 かと言って、どうしていいのかも分からない。 源蔵>>191のひとりごちるような言葉にも、 私は、困ったような顔のまま、何も言えず。
丁度、這い寄るようにして此方へと来てくれていた 錠>>193へ、視線を向けた。]
……私、ミナカタさん呼んでくるね。 何か、薬、持ってるかもしれないし。
錠さん、源蔵さんの様子、見てあげて。
[お願い、と、矢継ぎ早にそう告げて その場を後にしただろう。まるで、逃げるかのように。*]
(197) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[臭い、まずい、固い。
男よりは幾分柔らかい女の肉とはいえ
完全な草食でない人肉の味など知れている。
可能な限り小さく噛み切って
舌の真ん中に乗せ、そのまま空気と一緒に丸のみにする。
そうする事で味も硬さも感じずに済む。
鼻から抜ける臭いだけは、どうしようもないから
何度も何度も手を休める。
苦痛な時間、ススムは次の得物を見定めていた*]
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[ミナカタの姿はどこに在っただろう。 集会所はさほど広くはないはずだ。 その姿を見つけるまで、さほど時間はかからなかったと思う。]
ミナカタさん! 源蔵さんが、具合悪いみたいで、 ……料理も、吐き出しちゃってて、 その、私、どうすればいいのか、分からなくて、
[昼と同じように、矢継ぎ早でそう告げて、 ミナカタがそちらに向かうのであれば、 その背を見送ったと思う。]
(213) 2017/11/26(Sun) 23時頃
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[――食べられたくないなんて、そんなこと。 向けた背へとかけられた軽口>>201を、 否定するのが是だったのだろう。
けれども、こうも思ってしまうのだ。 吐き出され、総てを食べられなかった愛理は、 一体どうなってしまうのだろう、と。
縁側の方へ視線を向け、けれど、そこへ戻ることはせず。 ただ、戻った大部屋の隅で、ちょこんと腰を下ろす。 周囲を見回す。何かを、探すように。*]
(215) 2017/11/26(Sun) 23時頃
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そうそう。
自分の価値を決められないから家畜のままなんだよ。
[自分の娘とは知らないからか、
いや、知ったとしても同じことを口にするだろう。
俺は家畜を娘に持った覚えは無いのだから*]
[少しして。
ススムは困った顔で石動たちの元にゆく]
……今宵、江津子さんとリツさんと
見張りに回る事になりました。
[彼らを手にかける事は、不意をつけば出来るだろう。
二人一度には無理だけれど、どちらか片方なら。
その際に、残ったひとりには確実に見つかってしまうだろう。
どうしたものかと、知恵を借りに]
[串を持って離れる時だったか、それともその後か。
進が相談にやって来た
さすが江津子さんだと感心しつつ]
ついでに悪い情報。
容が昨日の夜の事知ってた。
と言うか江津子さんの家の近くを訪れて
愛理の家から不穏な物音を聞いたらしい。
幸い顔は見られてないみたいだが……。
[どうするか、と少し唸った後]
いい機会じゃないか?
容が信用している江津子さんに、リツ。
3人で見回りしている時に、別の場所で
誰かが死ねば、お前の身の潔白は証明される。
[ちらりと石動を見て、これなら少なくとも進の
安全は確保されるぞ?と言いたげに*]
PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/27(Mon) 00時頃
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―部屋の隅にて―
[小娘などでは、と。そう言われたことを思い出す。 とはいえ、非力な女であることには変わりない。 真正面から問い詰めることなど出来やしないし、 かと言って下手人がボロを出すのを待ってはいられない。
そうであれば、取るべき手段は一つ。 一日中、誰かを見張っておく。
その途中に、もし、“何か”が起こったなら、 即ち、それは昨日の夜と同じこと。 信じられる相手が増えるということだ。]
(252) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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[そう考えていた私の耳に、男の声>>230が突き刺さる。
決して、声を荒げている訳ではない。 責め立てている調子でもない。
唯、淡々と、けれど、疑念を持った目が ――私が、唯一 心から信じられる人へ、向けられていたから。]
(254) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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違うよ!江津子おばさんは違う!
[下手人がどこにいるか分からない。 誰彼構わずその話をするな、と。>>144 そう言われたことも忘れて。 彼女の方も>>244冷静に応対しているのも構わず、私は叫んだ。
叫んでから、視線が向けられたなら、我に返って。 けれど、取り繕うような真似はしなかった。
私が潔白を知っている人。 その人を疑わせる訳にはいかない、と。]
(255) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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……私、昨日の夜、江津子おばさんに 料理を届けようとして、家まで行ったの。 その時、おばさんは、家にいた。
[語る。ミナカタや、彼女本人に 話したこと>>133>>134と、同じことを。]
私、下手人を突き止めてみせるから。 だから、私を、おばさんを、信じて。 ……お願いします。
[向けられる視線がどのようなものだったか。 それを見ることはせず、 深々と頭を下げて、私は彼らの言葉を待った。*]
(256) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/27(Mon) 00時半頃
イルマは、エツコたちの反応を待っている。
2017/11/27(Mon) 00時半頃
容は江津子を庇うのか、厄介だな。
下手人を探すつもりもあるらしいし、あまり動かれると君達はやりにくくなるのではないか。
先に容を始末した方がいいのかもしれんな。
[ぽつりと呟いた声が2人に届いたかは分からない。]
僕の疑いが晴れるのは嬉しいですね。
容さん……間の悪い人だ。
江津子さんは、状況的にも頼りになる女性です。
どちらも早めに潰しておきたいのですが
僕は動けない
江津子さんは殺せない
なら、お手数ですが、先生にお任せするしかないでしょうか。
[ミナカタの言葉を経て、ススムはそう結論付ける。
石動に頼みに行く頃には、彼の中でも同じ答えが出ていたろう]
私に動けという事ですか。
いいでしょう、江津子さんの殺害なんとかしてみせましょう。
どうせ彼女が死ななければ疑いは何れ私の方へ向く。
[言ってはみても気は思い。
問題は江津子をどうおびき出すか、だ。
これは一緒に見回りをするらしい教え子になんとかしてもらうしかない。]
江津子さんは、僕らと一緒に居ます。
出来るなら、手にかけたい処ですが……
容さんの方が、きっと始末しやすいと思います。
[できますか、先生
と。
刃を向ける先をやんわりと訂正する*]
容なら一人でいるだろうから。
それなら恐らくは大丈夫。
有難う御座います、先生。
……これで、僕の疑いは晴れるし
目撃者は消えて
女がまた一人、減る。
良い事ばかりですね。
[食事を世話してくれた記憶を忘れているわけではない。
けれど、あれは巫女の姉だ。
家畜の群れのなかの一匹に過ぎない]
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[論理的な彼の言葉に、私は何も返すことが出来ない。 愛理の家からの異音だって、 言うなれば、勝手な想像でしかないし、 私の言葉を真実だと証明するものは、 当の本人であるおばさんすら持っていないのだ。
淡々と、それでも切り上げられた>>268やり取りに、 私はうつむいたまま、へなへなとその場に座り込んでしまう。 頭を下げた江津子おばさん>>283にも、 疲れたような笑顔しか、返すことが出来無かったと思う。
愛理を弔ったその後は、どうなっただろう。 私はただ、妹のいないであろう神社に忍び込んで、 一枚の手紙を書く。万が一、何かあったときのために。]
(287) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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[とはいえ、書くことはそんなに多くない。
江津子おばさんは、下手人ではないこと。 私がこの眼で見たから、間違いないということ。
自分に何かあったときには、丞さんに 自分の頬と舌を分け与えてほしいということ。
そして、神社の巫女であるゆりには、 何があっても生きていてほしいということ。
それらをしたためて、自分の部屋の、小さな机の下へと置く。 何も無ければそれでいい。 ただ、何かヘマをしてしまったときには、 きっとゆりが―妹が、この手紙を見つけて、 おばさんを守ってくれるだろう。]
(290) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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[夜、月明かりだけが照らす夜の村は、 昼のものとは似ても似つかない。 人の声もなく、一寸先すらも見えないようなそこを、 私は歩く。 疑っているわけではない。 ただ、信じるために、その人の元へ向かう。
その場所は、――。**]
(292) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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