137 海の家 『nave Di mare』
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―→ 101号室 ― [なんだか一瞬目をそらされたような気がする。>>5 けど、きっと多分絶対気のせいだろう。 お使いと言われて、少しだけ残念そうに眉を下げる。さっきは崩れていたのに、また子ども扱いに逆戻りだ。]
お使い、じゃないっすよ。 俺がしたくて、してるんで。 外よりも、こっちにいようかなって。
[椅子、ではなく、ベッドの傍らに腰かけて、彼女の手にグラスを渡した。]
それ飲んだら、熱、計ってみて。
[ベッドの傍らにおいてあった体温計をぴっと起動させて、それも手渡そうと。]
(9) rinco 2013/08/21(Wed) 22時半頃
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いや? 俺アウトドアっすよ。 こうやって海きたり、野外ライブも行ったりするっす。
麦茶、美味いっすよね。 ここで飲むのは特に。
[インドアは否定して、空になったグラスと体温計を交換。 小さくあげられた声は、なんだろう。驚かせてしまったのかもしれない。]
うん、咥えて。
[なんなら咥えさせようかなと思ったけど、やめておいた。]
(11) rinco 2013/08/21(Wed) 23時頃
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[不自然に途切れた言葉。 さっきみたいに、また後に続く言葉を拾い上げ、返そうとしたら]
なんでここにいるかって、それは―…
[ピピッという、計測終了の電子音。 それから、熱が下がったことに喜ぶグローリアの声によって阻まれた。けれど、熱が下がったことも、喜ぶ姿もうれしくて、自分もつられて笑う。]
あ、でも夜は出歩かない方がいいと思うっすよ。 熱がぶり返したら―…
(13) rinco 2013/08/21(Wed) 23時半頃
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わ っ っと、だ、大丈夫っすか?
[腕が当たったのか、傾いたグラスを慌てて抑え、]
濡れちゃったっすね、タオルタオル。
[洗面所にあったタオルを使わせてもらおう。急いでタオルを取ってきて、グローリアの濡れた腕と服を拭く。]
あー…、これ、着替えた方がいいっすかね。
[結構濡れてしまっている。]
(14) rinco 2013/08/21(Wed) 23時半頃
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よくないっすよ。 グローリアさんが濡れても。 俺は大丈夫、濡れてないから。
[自分よりも、床の心配をするグローリアを拭きながら。彼女がタオルを奪おうとする頃には粗方の水分は拭きとっていたけれど、そのまま手渡す。]
シャワーは、まだやめといたほうがいいんじゃないっすかね。 身体拭くぐらいにしたほうが。
[そんな声をかけ、くるりと指を差された方向をみる。 ドアだ。わかってた。]
……了解っす。
[そういって、部屋を後にしようとして]
(17) rinco 2013/08/22(Thu) 00時頃
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あ、そーだ。
[思い出したように、ふと振り返って、彼女をまっすぐ見つめ、]
なんでここにいるかって、それは、 もっと、一緒にいたいからっすよ。 ――…あなたと。
何かあったらいつでも呼んでくださいね。
[微笑んで。 じゃ、と手をあげ、ドアを閉めた。]
(18) rinco 2013/08/22(Thu) 00時頃
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[扉を閉め。]
はあー… 緊張で手が震えるとか……
[ぽそっとこぼして、少しだけ麦茶のかかった腕をさする。]
あ、クッキーのこと、言うの忘れてた。 ……あとででいっか。
[ひとまず、キッチンへ向かった。]
(19) rinco 2013/08/22(Thu) 00時頃
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[キッチンに向かいながら、メールを一通。]
「TO:トレイルさん
Title:無題
いきなりすみません。
緊張して、女の子に触れないときって
ありますか。」
[トレイルに一体何を聞いているのだろう。
そんなことは思うけど、こんなことは今までなかったことで。
友人に相談なんてしたら絶対バカにされる。
そもそも相談とかあまりしないのだけど。
気を落ち着かせるためなのか、送らずにいられなくてそのまま送信してしまった。]
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―→ キッチン ―
ホリーちゃん、グローリアさん、熱下がったらしいっすよ。
[まだ、クッキーを焼いていたようなら、彼女の容体を教えて。 ふと、ポケットからライターを取り出す。>>2:82]
あ、そういえば。 昨日片づけしてる時に持ってっちゃったんすけど これって誰のライターだったんすかね?
[尋ねながら、自分用の麦茶をいれ、キッチンのカウンターへと腰を下ろした。**]
(21) rinco 2013/08/22(Thu) 00時半頃
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そうっすよね。 本人は、夜は出歩く、なーんって言ってたっすけど。
……ホリーちゃんは、優しいっすね。
[よかった、と安心するホリーの頭を撫でる。>>22 やっぱり、震えたりはしない。]
グローリアさんの。 ……ほう。 じゃあ、あとでまた渡しとくっす。
[しばらくライターを見つめた後ポケットへ戻し、へらっと笑う。いい情報をもらえた。]
今は、休憩? クッキーは順調っすか?
[隣に座るホリーに、テーブルの上に肘をついて尋ねかける。]
(24) rinco 2013/08/22(Thu) 20時半頃
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[くすぐったそうな様子が微笑ましく。 冗談のような言葉が聞こえれば、途端に手を止める。 彼女。ホリーの言う彼女はグローリアのことかはたまた男にとっての彼女のことか。とりあえず、後者ととってみた。]
俺、今フリーっすよ。 あと、こうみえても一途なんで。
[でも、なんとなく、そっと手を放して。]
いーっすね。 じゃあもうちょっとか。
ホリーちゃんは、海には行かないんすか? いい天気っすけど。
[先ほど、グローリアから自分が尋ねられたことを、そのまま口にする。]
(26) rinco 2013/08/22(Thu) 22時頃
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クッキー、冷凍したら後でも食べられるんすか? お土産的な?
[お菓子など自分は作ったことがないのでよくわからない。]
(27) rinco 2013/08/22(Thu) 22時半頃
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マジマジ。 えー、そんな信用ないっすか?
[真面目な顔つきでこちらものぞき返し、笑い声が聞こえれば、自然口角があがった。]
そうっすね、海は逃げない。 うん。きっと、行ってくれると思うっすよ。 無茶はさせらんないっすけど。 ……早く、治るといーっすね。
[そしたら、自分も一緒に行こう。トレイルとも一緒に、遊ぶ約束をしているし。そう思いながら、麦茶をもう一口。]
(30) rinco 2013/08/22(Thu) 22時半頃
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へぇー、生地を? クッキー屋さんとかもそうしてるんすかね? さっきも作ってる時手馴れてたし、 ホリーちゃん、女の子っすねぇ。 俺、結構食べる方っすよ?
[足りる?と言いたげに首を傾ける。 クッキーはいくらでも食べる、そんな気概で。]
(31) rinco 2013/08/22(Thu) 22時半頃
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ほーそんなにたくさん作ったんすね。 すげー。
[褒めれば自慢げに、胸をはる姿はかわいらしい。あるかないかなどは何も言うまい。 切られ、色とりどりのいろんな種類のクッキーが天板や皿に並べられていくのを眺めながら、>>34ふっと笑って。]
もう少しで、できる感じっすかね?
[グローリアの様子見がてら、食べられそうか聞きに行ってみようかと席をたった。]
(35) rinco 2013/08/23(Fri) 01時半頃
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―→ 101号室 ― [コンコン。]
グローリアさん、起きてるっすか? サミュエルっすけど。
[今度は、入る前にノックをして、扉の前で待てをする。時間がたっているとはいえ、身体を拭いたら、なんてアドバイスもしたのだ。まだ着替えの最中だったら困る。本当はラッキースケベに預かりたいけど、それで嫌われたら困る。 うん。困る。]
(36) rinco 2013/08/23(Fri) 01時半頃
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[小さな返事が聞こえ、扉を開けようとドアノブに手をかけたら、途端に扉が勝手に開かれる。>>37]
(いつから自動ドアに?)
[そんなことを一瞬思ったけれど。 出迎えてくれたのだとわかれば顔が綻ぶ。]
いや、忘れものじゃなくって……、 えーと、ホリーちゃんがクッキー焼いてくれてて。 もし、起き上がれて、食べられそうなら一緒にどうかなって 思ったんすけど。 どうっすか?
[表情は、ゆるりと笑んだまま。]
(40) rinco 2013/08/23(Fri) 02時頃
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そう。よかったっす。 食欲、本当にかなり、ありそうで。 それならすぐに、治りそうっすね。
[握られた目の前の手に、くすっと笑いながらうなずいた。 何か考え込むような少しの沈黙には、軽く首をひねりつつも、]
食べれそうなら、こっちに持ってくるっすよ。 うつっちゃうかも、ですし。 何か、飲みたいもんとかあるっすか? 麦茶とじゃ、ちょっと組み合わせおかしい気もして。
[紅茶やコーヒーの刺激物もあまりよろしくはないか。]
(44) rinco 2013/08/23(Fri) 02時半頃
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―五年前の日記―
△月◎日
今日は珍しく雨、台風も近くに来てるらしい。
お客さんがいなくて良かった。
そう思っていたら、たった一人ずぶ濡れになってやってきた。
オレンジの髪、胸元のタトゥー。
恐い見た目の割に優しい人だった。
雨戸を閉めるの、全部手伝ってくれたし。
夜には本当に嵐になって、雷が鳴るわ停電するわで。
だけどずっと傍に居てくれた。
肩を抱いて寄り添って居てくれたの。
好きになるのは一瞬だったわ。
時間なんて関係なかったの。
でもそれはそんなに簡単なものじゃないって。
アタシは、あのヒトの瞳を初めて見た時からわかってた。
△月#日
あのヒトに告げたの、アタシの事。
隠さずに全て、嫌われることも覚悟で。
だけどあのヒトは何も云わずに、私を抱きしめてくれた。
それから立った一度だけ、額に唇を寄せてくれた。
その日の夜、アタシたちは一緒のベッドで眠ったの。
やましい事なんて何もなかった。
ただ、寄り添って眠ってくれた。
部屋の歌鳥たちはきっと知っていたから。
だから鳴かなかったのね。
次の日の朝、あのヒトはいなくなっていた。
家中を探した、隅から隅まで。
暫くして玄関に、数日分の宿泊代と書置きの手紙が置いてあったのを見つけた。
アタシはそれをみて、泣く事しか出来なかった。
嗚咽はひとつも出なかった。
だって、それは初恋だったから。
『タバサへ』
大きくなったお前を見られて、よかった。
お前がどんな姿をしていても、お前はお前だよ。
ありがとう、ごめんな。
Hector=Estate
『ヘクターおにいちゃんへ』
大切な人が、できました。
アタシはアタシなりに頑張っています。
貴方もどうか、お元気で。
Tabitha=Estate
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俺、好きっすよ。 ご飯たくさん、美味しそうに食べる女性。 その方が、早く治ると思うし。
[食欲があることを恥だと思っているのか、伏せられた眼を下から覗きこむようにして微笑んだ。]
ミルク、了解っす。 焼けるまで、ちょっと待ってて。
[そういって、部屋をでようとして思い出す。]
あ、そーだ。 これ、グローリアさんの? 俺、間違えて持ってっちゃってて。
[ポケットからライターを取り出し、たずねかけた。]
(67) rinco 2013/08/23(Fri) 23時頃
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[潮風に吹かれるタオルの合間にはさまれたスマートフォンは、数件のメールを受信していた。
男がそのメールに目を通したのは送信された時間の少し後、今更返事をしても遅いかも知れぬと、しかし指は自然と動き]
『TO:サミュエルくん
Title:無題
女の子に限らず沢山あるよ。
緊張してマイクに触れないときも。
でも、触れられないってことは
それだけ大事にしたい、ってことじゃないかな?』
……サミュエルくんなら、大丈夫。
[文字にはせず、ただ呟くのは願いか祈りか。
返信の文面は、あっという間に電子の海へと飲み込まれた**]
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……いや、俺、は
[笑った顔が、可愛い。 そんな他愛のないことも簡単に言えていたはずなのに、なんだか喉につかえてでてこない。
『お世話になってしまった』
と過去形の言葉に、胸の奥が苦しくなる。なぜだ。 不意にポケットから響く、着信音。>>=2]
あ、さーせん、携帯みていーっすか?
[表示されていた送り主を見て思わず、そんな断りをいれ、画面を確認して。 ぎゅっと、まだ持っていたライターを握りしめる。]
(81) rinco 2013/08/24(Sat) 00時半頃
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[そうして、グローリアの方をまっすぐ見つめ。]
えーと。こんなこと言うの、初めてなんだけど。 ……俺、あなたのこと大事にしたいみたい。
このライター、次に会うときに返しても、いい? ここで、じゃなくて。
[ライターを片手に、首を傾いだ。 なんだか恥ずかしくて目線をそらしたくなる衝動に駆られるけどそのままに。心臓が口からでそうなほどばくばくいってる。]
(82) rinco 2013/08/24(Sat) 00時半頃
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[途切れ途切れに紡がれていく言葉に、胸がどんどん痛くなり、不安が募っていく。 『無くしてしまって』と言われた時には、情けなく眉を下げ、ついには視線を逸らそうとして、固まった。]
え、 …っと、
[一瞬、意味が理解できなくて。 けれど確かに届いた小さな声と、こちらに向けあげられた顔が赤く染まっているのを見て、ようやく理解して。 やっぱり情けなく眉を下げたまま、グローリアと目があえば、笑った。]
うん。 ……大事に、させて。
[手の中にあったライターは、大事なもののようにそっとポケットに戻す。 鈍く光を反射するそれを、無くしたりはしないだろうけど。 彼女の風邪が早く、治るといい。 バカンスはまだ、始まったばかりなのだから。**]
(84) rinco 2013/08/24(Sat) 01時頃
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[泣きそうな顔に、なんだかもう自分までつられてしまって。 その前から大分情けない表情はしていたのだけど、伸ばしたくなる震える腕を抑え、鏡のように力いっぱい頷いて。]
うん、俺も。 約束する。
[そうして部屋を出ようとすれば、ぎゅっと引かれ。 言われた言葉に、今度はこっちが真っ赤になる。]
うん。 うん、すぐ戻ってくる。
[勢いよく頷いて、部屋を出る。握られた手が熱い。]
(87) rinco 2013/08/24(Sat) 01時半頃
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