60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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―ヘクター・ノックスの部屋―
……お前、 こんなときに何を撮ってるんだよ。
[見誤らせるのは、動揺故だったかもしれない。 その瞳の暗さには気づかないまま、部屋の扉を蹴りあける]
……なんで俺の部屋に。ま、いいけど。
[その思考の沈黙の後の言葉を聞きとがめながら、 眠りに落ちたノックスを運ぶために部屋を出た]
(2) 2011/08/10(Wed) 00時半頃
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花を咲かす……か。
[眠ってしまったノックスの言葉を思い出している。
そう、最後の告白を聞いて、
自分の憧憬が彼に移っていった気がした。
代わりに、芽生える、どす暗い心持。]
薔薇が、糧を求めている…のか。
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―医務室― [彼の呟きを知らぬまま、 医務室までたどり着けば、寝台にその軽い体を横たえる。 薔薇の香は室内を満たして感覚が麻痺しそうなほど]
――……なんで、
[眠る彼らの様子を見る。 穏やかな眠りだったランディの涙を拭って。 ヴェスパタインの茨から尚血の滲むようであれば、 それを拭いて不慣れながら包帯を巻きなおして――
ロビンの姿を見つければ、間に合わなかったのだとそう思い、深くため息を吐いた]
(6) 2011/08/10(Wed) 01時頃
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[眠りに落ちたノックスの表情は、 穏やかそうに見えて、それには少し安堵した。 薔薇の香の篭る医務室、窓を少し開いておく。
そして、医務室での用件を済ませれば、 ようやく戸口から覗く人影に気づいた]
――……、
[何故声もかけずにそんな所にいるのか、 何か言いたいことでもあるのか、疑問は過ぎるけれど]
……お前、部屋行ってるんじゃなかったのか?
(11) 2011/08/10(Wed) 01時頃
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[イアンが何をしてたのか、は良くわからなかった。 待っている、といわれれば頷いて]
ま、話すならこの辺よりは――な、 あと、中庭で花に水を遣ってくるから。
[イアンの様子は少しおかしいと思ったけれど、 警戒心を抱くまでは至らない。 相手はまだ幼さの滲む下級生だという思考と、漂う薔薇の香が違和感を鈍らせていた。
中庭に出て、植物に水を撒く姿は自室からも見えただろう]
(14) 2011/08/10(Wed) 01時半頃
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―中庭― [水しぶきが跳ねれば、 瑠璃色の筋持つ黒揚羽がひらりと水を求めて舞う。
いくつもの鮮やかな色で、 小さな花を咲かすのはハナスベリヒユ。 強い日差しの中、真夏の花はどこか儚げにも見える。
緑濃い夏の庭、8月は夢見ぬ月だと詩人は言う。 咲かず摘み取られたあの夏の蕾を思う。告げられた想いと告げられなかった想いと。
そして薔薇の木に近づけば、風に揺れる一輪の白]
――…見間違いじゃ、なかったの か。
[添え木を当てた枝の葉は、すでに青々と茂っていた。 薔薇の精宿る少年の身に訪れる変化は、薔薇の木にもまた何かを齎すだろうか、今は知る由もなく]
(18) 2011/08/10(Wed) 02時頃
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ヤニクは、薔薇の蔦の一部が何か絡まってる気がしたので、ほどいてやった。
2011/08/10(Wed) 02時頃
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[太陽の下、水場で頭から水を被って汗を流す。 このまま自分以外の皆が眠りに落ちてしまっても、 自分は変わらず花に水を遣り、 彼らの世話をしながら過ごしていける気がした。
それは冷たい水の中に沈んでいくのと同じような夢想。
点々と水滴の跡を残しながら、廊下を自室へと歩いていく。 目が眩むのは、夏の日差しの下から暗い室内へと足を踏み入れたせい。 自室の扉を開く――茉莉花の香はかき消されていて]
………イアン?
[うす暗い室内、白いカーテンが風をはらむ。 その下級生の名前を呼んだのは、きっと初めてだった**]
(19) 2011/08/10(Wed) 02時頃
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ヤニクは、それでも近づくことに、警戒心はない*
2011/08/10(Wed) 02時頃
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―自室―
……一応な、お前ピッパさんと同室だし。
[捻くれた返答と問いかけには眉を潜める、 その問いは自分の中では唐突で、ありえない]
どっち、ってお前…… 仮にも上級生を呼び捨てにする気なのか。 せめてさん付けくらいはしろよ。
[立ち上がって、こちらに赴く様子には足を止めた。 開けっ放しの扉、閉められればより薔薇の芳香がきつくなった気がした。額を押さえる、一瞬の眩暈の中、錠の落ちる音が聞こえて、
深い碧は怪訝にイアンを向いた。 濡れた滴が髪から肩に落ちる、やけに冷たい]
(22) 2011/08/10(Wed) 08時半頃
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あの人、 意外と気にしない人なんだな。
[親しみ、という言葉は小さくひっかかる。 そこには境界線を越えようと意思が少しだけ感じられて]
……別に希望ってわけじゃない。 同じでいいんじゃないか、呼び方一つで何か変わるわけでもなし。
それよりお前……、
[薔薇の香が酷くて、今を見失う。 思わず、喋るな、と言いそうになった。 それでようやくその匂いが、イアンから発せられていることに気づき、あとずさる]
(25) 2011/08/10(Wed) 09時半頃
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どうするって、……俺は、 なんで俺なんか、……お前も。
[認められない傷は、膿んで、痛んで。 歪んだ博愛の元に、拒絶しないことでその罪を贖おうとする。 なのに、好意だけは受け止めることが出来なくて、首を振る]
大体、今はそんなこと言ってる場合じゃ……、
[見下ろされる瞳の色が何を考えているか、読めない。 逃げられぬほど近づかれるまで、気づかない。
ランディのように、あるいは昔の自分のように、 幼い好意が、どんな結果をもたらすか知っていたはずのに。
触れる手、影が覆う。薔薇の芳香。 またひどい眩暈がして瞬間、目を閉じた*]
(26) 2011/08/10(Wed) 09時半頃
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[薔薇の香は表皮から浸透していくかのように、 皮膚感覚をざわつかせ、感じる熱さにまた揺らぐ]
ほしいって、何、言って、 イアン、お前も――……、
[きつく狭めた眼差しは、けれど眩暈に伏せられた。 くちびるが塞がれる。熱い舌を絡ませて、注がれるのは薔薇の毒。望まずあふれる唾液もまた、呼吸を困難にし、甘い毒に意識が霞む。]
――…ッ、やめ 、
[呼気の合間に拒絶の言葉、けれど跳ね除けようとする腕の力は抜けていく。後ろ髪を掻き毟るような長い指に、びくと背筋は震えたけれど、くちびるが離れても、睨むような眼差しの色は消えず。 荒れる呼吸に熱を逃がしながら、腕の中から逃れようともがいた。
注がれた薔薇の毒は、確かに狂おしい熱を体に灯し始めているのに]
(39) 2011/08/10(Wed) 19時半頃
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たす けて ……―――。
[脳裏で助けを求めるのは、誰にだったか。
薔薇の香りに酔わされて、自分がもう誰だかも判断できない。]
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>>40
―――ッ、く、
[白い寝台の上、押し倒されて息が詰まる、 酸素を求めて喘げば、また吸い込むのは薔薇の香。 絡みつくような熱が、四肢の力を失わせる]
……お前も、薔薇のせいで…、おかしくなって、ッ、
[きつく見据える眼差しが一度、歪む。 容易に押さえつけられた両腕のぎりりとした痛みは、 けれどすぐに甘さにも変わりそうで、近づかれれば首を振る]
ばか、やめ…… 、
[生温い吐息が耳を擽る、それだけでびくりと体が跳ねた。 体の芯は既にゆるく反応していて、その昂ぶりは伝わってしまうだろう。けれど、往生際の悪い足はばたついて、のしかかる体の下から逃れようと足掻く。 睨みつける眼差しはかすかに熱を孕んできたけれど、まだその抵抗は止まない]
(43) 2011/08/10(Wed) 21時頃
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[何か声が聞こえたけれど
そもそも、聴こえるという認識がない。
微かに眉を寄せたけれど、幻聴だと思い込む。]
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[呆れたような声と嘲笑じみた笑いに、カッとなる。 けれど、怒りに腕を振るおうとするのには、尚躊躇があって、 そして相手にはそれがなかった]
か、はっ……、ぐ
[みぞおちを突かれた衝撃に、えづいて、咳き込み、 体の自由が戻るよりもはやく、手足が拘束されていく。 やめろ、という声は、乾いた咳に音にならない。聞こえたところで、それは何の制止にもならなかっただろうけれど。]
――……ッ、イアン……!
[得意げにタイを手にするイアンを睨みあげた眼差しが滲むのは、もたらされた暴力のせい。けれどその手が肌に触れ始めれば、別の色で滲んでいく。鋭敏になった皮膚は触れられるだけで、痺れるような感覚をもたらす。ふるえが走れば、顔を背けて唇を噛んだ。]
(46) 2011/08/10(Wed) 22時頃
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[脳裏で繋がる人が変わったことに気がつく余裕もないから、聴こえた人がそれを空耳と思ったことも知らない。]
[誰か大事なことを忘れている気がして、
脳裏の中もがくようなイメージ。
けれど、酸素の足りない頭では、もう何も思い出せない。]
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[むき出しになった褐色の肌を這う手。 乾ききらない白金の髪が乱れて、シーツを湿らせて行く。 足を拘束するのは制服のタイだ、 こっちを向けという声に頑なにそらした目の先、忌々しくそれを睨む。]
ふざけ……ッ、 ん、ッ、
[胸の尖りを玩ばれて、押し殺す声。 汗の浮いた首筋をねっとりと弄られて、また唇をかみ締める。 悔しさなど感じる余裕はない、刺激と衝動に押し流されそうで、 聞こえた言葉は、一瞬耳に届かない]
――……、ッ は、 おまえ、何言って……ばか、やめろ……!
[イアンが手にしたカメラを信じられないような目で見つめて、 けれど言葉は届かない。咄嗟に顔を背ける、しなやかな体は拘束された野生動物のように、もがいて。]
(49) 2011/08/10(Wed) 22時半頃
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[空気に曝された下肢は、 既に隠しようもなく昂ぶっていて。 どうしようもなく無防備な姿を曝す]
――……、……
[見ていられない、衝動に抗えない自分自身も。 こんなことをしているイアンも見ていられなくて。 ぎゅっと目蓋を閉ざす]
(51) 2011/08/10(Wed) 22時半頃
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おまえ……、
[拘束された身でもがけば、 無為に体力を消耗するだけで、呼吸を乱すばかり。 眺める様子に目蓋を閉ざしたけれど]
……ッ、いい加減に、 こんな、撮ってどうする気だ、 お前ッ、
[言葉に叫び、睨みを寄せる、けれど。 無機質なレンズを向けられれて湧き上がる羞恥、 それがどこか熱を煽ること。
認められずに、首を振る。 背けようとする顔をレンズが捉えれば、 理性の衝動の狭間で揺れる双眸が、ありありと見えただろう]
(54) 2011/08/10(Wed) 22時半頃
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[見開く瞳が唖然と見つめる、 無邪気な声が口にするのは明らかな脅迫だ。]
イアン……、お前、
[信じがたい言葉に口の中がやけに乾いて、言葉がうまくつながらない。望むものをファインダーに収めるのは、容易だっただろう。]
ちがう、お前がそんなこというのは、薔薇の……、
[素直な下級生の変容にただ呆然として、 過ぎる思考は――ふと過去に陥る、罰なのかもしれない、と]
(61) 2011/08/10(Wed) 23時頃
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[意思を持っても、抗えぬ衝動があることを身をもって知らされた。 薔薇の香は深く体の奥まで浸透して、心地よい陶酔を全身に与える]
……うるさい、ッ、 お前には、関係な……ッ あ、
[体のどこに触れられても刺激は、甘苦しい熱に変わってしまう。 力でねじ伏せられた記憶が、よみがえるその体勢であっても尚。 傷跡を舐られれば、殺せぬ声が小さくあがって]
―――……、ん っく
[問いかけには屈辱を滲ませて沈黙で返す。 固く立ち上がった先端からは、ぬらりと先走るものが溢れて、 イアンの手の中でいやらしい音を立てていた、仰け反る喉、褐色の肌にひかる汗が零れる]
(62) 2011/08/10(Wed) 23時頃
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[止まぬ刺激に自由にならぬ四肢を震わせ、 耐えていたのはどれほどのことだろう]
……ッ、あ…、やめっ、―――ッ
[戦慄く体の振動は、背中越しに伝わるだろう。 限界を迎えれば、そのままイアンの手の中を白濁で汚して。 静まらぬ呼吸に褐色の震える皮膚の上、 己の放った白がぽたりと伝い零れて行く。]
(63) 2011/08/10(Wed) 23時半頃
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ヤニクは、うつろな眼差しを扉に向けた瞬間、口は塞がれて。
2011/08/10(Wed) 23時半頃
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[薄目を開けて見やった扉の先、聞こえた声、 どっちみち、誰かに助けを求めることなんて、 出来なかっただろう]
――――んん、ッ、
[口を塞ぐそれを舌で押し出そうとして、 喘ぐ呼吸、薔薇の香気を尚吸い込んで視界が霞む。
薔薇の香にむせ返る、あの夏の夜―――、 本当に自分がしたかったことはなんだったのだろう。]
ん、んん 、ッ
[もうやめろ、と伝えたくて。 きっと後悔するのはお前だ、と伝えたくて。 けれど口は塞がれたまま、言葉は音にならない。さして丁寧でもない所作で、放ったものが塗りこまれて行く。何のためかわかっている、眉根を寄せた。]
(71) 2011/08/10(Wed) 23時半頃
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[問いかけではないとわかっている。 ただやめろ、という意思表示のために首をふる]
んん――ッ、
[白濁に濡れた下肢を押し開かれる、 ねじ込まれるだろう熱を予測して、ひくりと震える。 見つめるイアンには、待ちわびているかのようにも見えただろうか。
声は、悲鳴は――押し込まれたままのシーツのおかげであがらない。それが取り去られれば、殺しようもない喘ぎは、薔薇の毒のせいで甘くも響いてしまうのだろう]
(72) 2011/08/10(Wed) 23時半頃
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[仰け反る体をねじ伏せられて、 焼け付くような痛みとともに貫かれる。 けれど次の瞬間には、その鈍い痛みも甘さに変わった。
薔薇の毒か、あるいは抱擁のせいかはわからない。 見据える瞳は海の色、水を湛えて滲む]
(78) 2011/08/11(Thu) 00時頃
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[くちづけとともに注がれる、 絡まる唾液は甘く、口はしから零れ、けれど解放されれば、 拘束された体は、容赦なくゆさぶられる]
や、ッ ああ、ッ…… やめ、
[ねじ込まれ、身を躍らせる。 欲の証は、また緩く立ち上がってくる。 高く上がる声、望まずとも快楽を与えられれば体は甘く啼けるのだ]
あ、ッ く……、んッ、
[幾度も薔薇の毒を注がれれば、そう長くはもたない。 眦はすっかり濡れて、彩る睫毛をよりいっそう濃く見せる。閉じきらぬ唇、欲に濡れた表情、寄せられた眉根はけれど染まりきることを最後まで拒みながら、 無機質なレンズの前で、また褐色の肌に白を散らすことになるだろう]
(79) 2011/08/11(Thu) 00時半頃
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[ひくつく体を起こそうとして、擦れる手首が痛む。 軋む体は、圧迫感と摩擦に熱く捕らえられたまま、 薔薇の香に汗と精の匂いが混ざりあう]
あ……、ッ ふ、
[途切れぬ熱と湿度の中、 止まぬ情欲の音に混ざり、聞こえる声。 無邪気な好意を告げる言葉]
[―――不意に目頭が熱くなる]
[夏の記憶、むせ返る薔薇の香。 霞む視界に映るのは――あの日の自分自身にも似てる。 けれど、繋がれた手を差し伸べることはできない。]
(82) 2011/08/11(Thu) 00時半頃
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[薔薇の香は、拭えぬ罪の匂い。 届かぬ世界に沈みたくて、水の中を夢想する。
滲み霞んでゆく視界。
この夏もまた、明日でも今夜でもなく、 取り返しのつかない昨夜の夏になるのだろう。
―――情欲の音が途切れれば、 聴こえるのは一夏を生きる儚い蝉の声、だけ]
(85) 2011/08/11(Thu) 01時頃
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ヤニクは、いつしか意識は手放されて――、
2011/08/11(Thu) 01時頃
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