56 いつか、どこかで――狼と弓のワルツ――
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おい、どこに居る。
治療を手伝っているのか?
[己とは違う戦場で、忙しさのあまり返事が出来ないのだろうと思いたかった。
苦手だったあの格好をした神父の姿を探す。]
[バーナードと話している間、表には出さずにムパムピスへ必死に声を掛け続けていた。]
なんで、だよ……。嘘だろ。
死んだとか許さねぇ。
何で此処に居るお前が先に殺されるんだよ。
先に逝くのは俺の方だろ?
なぁ、おい。
返事しろよぉぉぉ!!!
[しかし――いくら叫んでも、返事が聞こえることはなかった。]
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/02(Sat) 12時半頃
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[強く耳に響いた叱咤にちらりと目をやれば そこには白いフードがあって>>14]
…
[少しだけ気丈に、笑みを浮かべて見せた。]
んなの、分かってんよ。
[ただ、忘れられなかった。 最期にベネットが残した言葉が。 今も、延々と頭の中を回っていた。]
ベネットを、…頼む。
[そして、オスカーの咆哮に手繰り寄せられるように 敵軍から手を引いて、撤退の体勢を取ったのだった。]
(37) 2011/07/02(Sat) 12時半頃
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還るぞ。
[血で染まる大地に横たわる狼に小さく鳴いて。
血に汚れた手袋を外し、その狼の頬と額を撫でてやる。]
[目の前が赤に染まる。
頬と額を撫でられ、どこか穏やかな気分になる が]
俺は、…
ッ ――――――… !!!!!
[続きの言葉を紡ぐ代わりに、
出てきたのは、怒りとも、悲しさとも、形容しがたい咆哮。]
落ち着け。
[ベネットの死を前にして、自身を乱している様に見えるイアンにも、ベネットと同じように安心させるように頬に触れて。
続く彼の咆哮は、ひどく胸に響いた。]
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…分かってる。
[オスカーに言われるまま、愛馬に跨り、砦へ引き返そうと。 負傷した兵士がいるならば、声をかけて行くだろう。
普段から何事にも動じずに来た青年だったけれど、 手を組んだ次の瞬間、その相手が居なくなった、という事実は 心身に、大きなダメージを与えていた。]
(41) 2011/07/02(Sat) 13時頃
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…ああ。
[咆哮は収まり、息を大きく吐き出す。
赤みを帯びた瞳が、ブラウンに戻っていく。
それは静かに、静かに怒りを胸の内に溜め込むように。]
イアンは、その眼が見据える先には、何があるか**
2011/07/02(Sat) 13時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/02(Sat) 13時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/02(Sat) 21時半頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/02(Sat) 21時半頃
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― 砦 ―
[戦場で、ベネットの死を間近で見て、 砦に帰れば、フィリップとムパムピスの死も人伝に聞くだろう。 無邪気な少年の笑顔と、神父の祈りの言葉が思いだされる。
何で、あんな乱戦の中を往った自分が生きていて 砦の中の連中が死ななければいけない。
――――何を、何を守るために剣を取った?]
…ッ、
[負傷した左腕が、ずきりと痛んだ。 未だ整理のつかない頭で、医務室へと急ぐ。]
(57) 2011/07/02(Sat) 22時頃
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[ふと、聞こえた彼女らしくない囁きに、顔を顰める。]
…誰のせいでも、ねーよ。
[その囁きは、自分で少し、吐き気がした。
“ベネットが死んだのは、誰のせいだ”
―――、考えるのが怖かった。
それは、オスカーへの囁きではなく、
自分自身への慰めかもしれないと。]
[彼からの囁きには、無言でかぶりを振って。]
…俺は、やることがある。
お前は休んでろ。
[ベネットの事で、受けている精神的ダメージは大きかろうと。]
…俺が、守ってやればよかったんだ。
[自分を慕ってくれた彼の顔を思い浮かべて。
か細過ぎる程の鳴き声は、向こうには届かないだろう。]
[やることがある、と言われて何を思ったか]
なあ、お前、俺の傍に仕えるのが役目だったよな。
……何かあったら、タダじゃ済まねーぞ。
[それは、遠まわしの心配で。]
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― 医務室 ―
…っ…
[何で、あんな約束をしたんだろう。 手当を受ける際の、腕の痛みを堪えながら思う。
―――俺は、何も信じていないはずなのに。 神様だとか、夢の続きだとか、馬鹿じゃねえのって。 今を生きるために、んなモン必要ねーって、思ってた。]
… …、
[でも、それでも信じたのは―――…]
(67) 2011/07/02(Sat) 22時半頃
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俺がいないと不安か?
[俺は大丈夫だと安心させる様な声音で。]
こう見えても、…寂しがりなんだよ。
[どこか余裕を持った声色に、
冗談なのか本気なのか取れないような言葉を。]
イアンは、ヴェスパタインは今頃どうしてるだろうかと気になった。
2011/07/02(Sat) 23時頃
命令なら行ってやらん事も無いぞ。
[男に返す声音は、何時も通りの淡々としたもの。]
…俺が捕まえた捕虜が、脱走した。
フィリップと、神父がそいつに殺された。
お前も気をつけろ。
[いくら剣の腕が良くても、人を殺す技術に特化した人間を相手にする事は難しいだろう。]
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[そこにはどれほどの負傷した兵士がいただろう。 それは数えきれない程だが、きっと死傷者はもっと居る。 これほどにも呆気なく、人の死はやってくる。
ふと響いた囁きに、フィリップとムパムピスを思い出す。]
… ―――
[静かに内に溜められる赤が、怒りが、 外に飛びだすのはいつだろうか。]
(80) 2011/07/02(Sat) 23時半頃
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へえ、んじゃいつでも命令される準備しとくんだな。
[いつも通りの彼女の返答に、
自分も少しだけ、いつもの調子を取り戻して。]
誰にモノ言ってんだ。
…見つけたら、殺す。
[睨みを効かせた瞳は、赤。]
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[後ろからかかる声>>82に、体を捻らせそちらを向けば]
…ああ、姫様か… 勝手に出歩いたら危険だっつー… !
[余計な心配をかけさせないために、 わざと軽い口調で返したはずが、 その首に巻かれた包帯を見て、はっと息を飲んだ。]
誰にやられた、それ。
[首を指さして、言う。 ペラジーの呼びかけには、まだ気付いていなかっただろうか。]
(87) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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お前には、無駄な危険を犯してほしくは無いのだが。
[殺気を漂わせるような囁きに、ゆったりとした口調で返して。]
…俺が殺るから。
イアンは、ペラジーに気付けば、手をあげて挨拶をしただろう。
2011/07/03(Sun) 00時頃
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重症かどうかじゃねえ。 危険な目にあったかどうかって話だ。
[今此処に、ノーリーンの姿が無いことが 彼女の身に起きた出来事の大きさを想像させる。]
…領主護衛が、何でこっちの砦まで来てんだ…
[まさか、と思い出したのは、先程のオスカーの囁きで。 暗くなる瞳を見れば、それを振り払うように言う]
…分かってるさ。 アンタを守るのが俺の役目、だろ?
[彼女の想いなど、知るはずもなく。]
(100) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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ばーか、気にするなら最初っから言うなよ。
[困ったように眉を下げ、頭を下げるペラジーを見やる。 あの場では、彼女の動きに助けられたようなもので 感謝はすれど、怒りを飛ばすことなど、ありもせず。]
…いや、お陰で助かった。 さんきゅな。
[今度は本当の笑みを、向けてみせた。]
(104) 2011/07/03(Sun) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/07/03(Sun) 00時半頃
…なら任せたぜ。
[言って、今しがた公女から聞いた話を思いだし]
…どうも、姫様にも手ェ出してたらしいな。
領主護衛だって聞いたけど?
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