人狼議事


224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜

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オスカー! 今日がお前の命日だ!


  ─???・三人目─

[ 素直に頷いた自分より小さな頭を撫でる指先は柔らかさを意識して、幼子を宥めるように髪を梳いてやるのだ。

氷で固められたような鋭い空気。
動くことが出来るのは、“自分達だけ”ということはもう分かっている。

何度も都合良く扱える能力ではないようだけれど、一日の切り替えが近づけば、こうやって臀部ではなく短時間ではあるが時を止めることすら可能であった。]

  オスカーには伝えたいことが沢山あったんだ。

[髪を撫でつけながら笑む。
そっと陰を落とすように見下ろした。]



  友達思いなオスカー。
  アラン兄を見殺しにしてしまったから怒られて、可哀想に。

  こんなに小さな躰で頑張ったのに、誰一人として結局生かせることは出来なかったね。

  でも君はちゃぁんと探して来てくれた。
  「炙り出すつもりなの」って、



  ──────次の犠牲者を。



  俺は、責めないよ。
  護り手がいなくなることで、みんなの護りたかったもの全てが消えてしまっても。

  だって、………俺の護りたいものを君は護ってくれるんだから。

[指通りの良い髪を遊ばせていた指の腹で、腕を辿る。
誰かを護ることの出来る両腕。

蘇る声。
「シメオンは護りたい相手はいないの?」
幼く、素直で、真っ直ぐで、

  ──────なんて、残酷な質問。]




  さぁ早く寝ないと、きちんと片づけないと、親のいう事を聞かないと───……。


[ 唇を噛み締める。
孤を描いたまま舌に乗せられる鉄の錆びた味を堪能しながら、背骨を辿り臀部へと触れて、]


  ………雪鬼に殺されちゃうよ?

[ 割り込んだ右腕は箸のように鋭い直角となり、幼尻《Молодая ягодицы》を貫く。

細やかな音を耳にしながらケツの奥に潜む若い芽を摘まみ、容赦無く腕をケツから引き摺り出す。

パキン、

割れた音が腕の形分氷を砕かせたけれど、腕の分だけ割れた氷が再び徐々に固まり出す。

時が再び動き出す頃に完全な作品になるであろう。]**


  俺は、『俺』だよ。


殺してよ。


何も護れないなら、全部失うんなら、私から殺して。


  『 ジリヤに 入れるよ 』


[その囁きが聞こえたきり。

少女からの赤い闇は、ぷっつりと途切れて無音だった。
まるでいつかの電話線のように。]*


     う
  そ      よ


      ケ        ト  。
          ィ

    み      ぃ       な 、
              ん
  悪             
            子
       ぃ      、

                  ね?


   ────皆殺し。 


  ────お断りよ。



[私は、私。
 お姫様なんかじゃ、ないわ。]



  …………逃げろよ。

  俺が「俺」でいる間に。


  シメオン、


  シメオン、おねがい、遠くに行かないで、ひとりで




  でも、“それで構わない”。


[魂を食らう度に自分の意識が、雪鬼と同化している。
罪悪感が、理性というものが、薄くなっていることが分かる。


今、頭の過半数を閉めているのは、いかに効率良く人を殺すか。欺くか。

そのほんの片隅で唱えることは、]

  ケイト、笑ってよ。

[ 馬鹿らしいお願いごとだ。 ]



[思えば、彼女が笑みを向けてくれたことを、鮮明に思い出せない。
夜明け前、ジリヤの部屋で覗いた笑みは何処か草臥れたようなものだった。

そうじゃなくて。]

  ひとりで、平気だから。
  大丈夫、なんてこと、無い。

[ 右腕なんか痛くない。

腹なんか痛くない。
左胸なんか痛みやしない。

俺は雪鬼だ。
人殺し。人の心なんか持たない冷たい雪みたいな鬼なんだから。]



  だから諦めないで、騙すんだ。
  

  ひとりくらい、………守らせろよ。
  



[思えば自分の生とは何だったのか。
振り返ったところで、浮かび上がる感情に蓋をする。

でも、まだ覚えている。
二日目。
アランの魂を食らった時。

自身の手すら汚さずに人間を火にかけ、人間の魂を食らった自分を、
傍で守り、支え、手を汚してくれたのは、他でもない、ケイトで。]



  何かを護って、何かが残るなら、悪くもないって思えるだろ。

  それに、出迎えてくれる人がいないといけないじゃないか。

[ ケイト。

すっかり耳に馴染んだ名前を呼ぶ。
羨ましくって、妬ましくって、仕方のなかった存在。

自分にないものを持ったその人のことをずっと、───]

  いってくるよ。
  あの丘で会おう。*


  馬鹿ね、シメオン。

[ひとりくらい、守らせろよ。

囁きに乗った声は、確かに少女の知る彼だ。
脊椎に忍び寄り溶け込んだ鬼のものとは違う、彼女の知っている、彼女を知っている、彼の。]

  あなたって、ほんと、馬鹿だわ。

[守れれるんじゃなくて、守りたかった。

昔、アランを見送った時。
最初の晩、叔父に首を絞められた時。
疑いを他所に向けて。親しかった誰かを裏切って。
いっしょに行こうと、手を握ってくれたのは、折れそうな心を守ってくれたのは、他でも無いシメオンだった。

今だって、そう。
命懸けで逃げ道を捜してくれている。
棘のない声で、言葉で、手を引いてくれようとしている。]


  ひとりで平気な筈、無いじゃない。
  いっしょに行こうって、あなたが言ったのに。
  私なんかのために、……ほんと、馬鹿よ。

[確かに指の隙間に合った体温を、覚えている。
本を読まない彼には、あの晩、アランから取り出した桃の実を捧げた意味は、きっと分かりはしない。

それで良かった。
二人で逃げ切れるんじゃないかなんて、温い幻想を見せてくれるほどこの殺し合いは甘くは無かった。

それでも、いつかこうなるとしても。
ただ護られるんじゃなくて、隣に立ちたいと、そう在ろうと、決めていたから────。]


  こっちを向いて。


  あなたを護らせて、って。私、言ったわね。
  …あれ、嘘だったわ。



  私ね、ほんとはあなたを、


  

    だれにも渡したく、ないの。
 
 


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