人狼議事


194 花籠遊里

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視点:




―――私が厭きて仕舞わぬうちに。
 
 



 ―――…朧掛かる藤を愛でるのも一つの愉悦。
 朱華の丁助詰んのも悪くねぇな。

 ニコラス坊やに花遊び教えてやんのも吝かじぇねぇし…、
 おう、女衒も着てるのかい。そいつぁ、剛毅だ。

[廊下を渡る際に呟いたのは、シーシャの後姿を垣間見た所為。
うっそりと、悪辣なる男は今宵の華を計りに掛けて笑んだ。*]



[さあどうしたものかと男は一人首を傾げた。
脳裏に印象付くのは淡藤の君。しかしされとて朧な花の言うように、ひとつひとつ味を確かめに行っても悪くは無いと、疼く心中ただ胸中のみに抑え、ゆうるり靴先を花主の腰の据える方へ]

  ――いち、に、

[ひいふうみいと目にした花を指折り数え歩む中に、
軈て視界の端、廊下の先に一人の男を見付けたのなら、目を細めその様子を伺い見たことだろう]


[そうして、ふと覚える視線。
顔を起こせば、花にも見間違えるほど美しい蝶が一頭。
緩やか指先振って簡単な挨拶向けると、ニィと口角が捩じれた。]

 毛並み違いが好きそうな顔をしてやがるな。
 ニコラス坊やと喧嘩するなよ。

[肥えた眸の色など、見れば解かる。

密やかに飛ばす声は、喉を震わせつつも。
乱痴気騒ぎも好む男は、彼のような作法を知らない。]


[今日は様々な花を見知った…。
見かけただけでまだ会話を交わしていない花もいる。

さてどの花に留まろうか。
先ほどは亀吉に意味ありげな言葉をかけたものの、
まだ何一つ心に決めたことはない。

可憐な櫻の梢に止まるのは居心地が良さそうだ。
さっきの言葉通り亀吉に会いに行くのだっていい。
まだ言葉を交わしてない丁助の人となりを知るために
一晩を共にするのはどうだろうか。
とりあえずヘクターさんに相談してみるという手もあるか…。

そんなことを考え歩んでいれば、二人の蝶が会話を交わしている場面に出くわしただろうか。]


[花達と余暇を愉しんでいれば、新たに集う一羽の煌き。
悪事を企むように、性質の悪い顔を晒して彼も傍に呼んだ。]

 相変わらず、お前さんは天性の色男だねぇ。
 目移りしてるって、顔に書いてあるぜ?

[揶揄を坊やと呼んで憚らぬ彼に掛けると、視線は更にスライド。
シーシャの後頭部へと投じる眼差し。]

 お前さんは如何するね。
 なぁに、どうせ毎晩夜は暮れる。
 お前さんも道楽者を気取るなら、俺がさっさと買っちまうぜ?


 色男だなんてそんな。
 目移りしてるのは確かですが。

[面と向かって軽い調子で色男だなんて言われて顔が少し熱くなった。世辞にしてもこんな率直な言葉は早々聞かない。]

 そういえば丁助さんという花をご存知ですか?
 ちょっと中庭で見かけて、
 話してみたかったんですけど、会えずじまいで。
 興味はあるんですけどね…。

[この館に何度か来ている様子のヘクターなら、丁助がどのような花か知っているだろうかと尋ねてみた。]


[花よりも濃い色を醸し出す羽音の群れ
人の集う場所には美味い物が付き物だと足を揃えたはいいものの、どうやら味覚が異なる蝶ばかりのようで。

そもそも男はまだ廊下すら歩んでいない。掃除をしに来た訳でもあるまいに……朱色の花と言の葉を交わせた事は収穫であったが。]

……まだ決めあぐねてる所でなァ
何ならお前らが先に決めてくれ。
残った花を、両手に抱えて降りて行くのも悪くねェし。

[羽ばたきの中でも、最も線が細い音のする方に視線を流す。「丁助」という名までは聞いた事が無く黙りこくって端正な顔立ちを眺めるだけだが。]


 ああ、丁助は中々の悪辣よ。
 坊やも冒険家じゃねぇの、アレが欲しいかい。

[軽く口笛鳴らすように貰ったばかりの煙を燻らせた。
そうして、会話に加わるシーシャの奔放さも鑑みる事数秒]

 ―――…なら、大盤振る舞いでもすっかな。


愉しませておくれよ?

花も蝶も。
籠の中で、妖艶に。

くふはははは…


[花にも蝶にも届くまい。
男の高笑いは、闇に溶け *消ゆ*]


朧、朧はいますか?
……その……茶色の蝶が貴方を呼んでいるのです。

もしかしたら彼への指名なのだろうか――多分そうだと思うと年の離れた友人を探す


 へえ、あんなに優しそうなのに悪辣なんですか?
 それはますます興味が湧いてきました。
 正直アレもコレも欲しくて困ってしまいます。

[言って、恥ずかしげに頬を掻く。
しかし強欲は良くない。

少しの間目を閉じて考えると、
この日一番心に残った花を摘むことに決めた。
その姿を見せていない時にすら会話の端々に現れて、
僕の興味を掻き立てたあの無垢な花を。]

 でも今夜のところは僕、
 櫻子さんと一緒にいたいですかね。

[心情を蝶の群れに吐露するとくすくすと笑った。]



 そりゃそうよ、花だけ見て実が知れようかね。
 次々手を付けるは、良き蝶よ。

 ―――櫻子を摘むなら、たんと甘く可愛がってやんな。
 お前さんの蜜を鱈腹含んだ櫻なれば、俺の食指も伸びようや。

[ニコラスの声に離れゆく男が煙と共に悪趣味を吐き出して。
また、花を責める一手を一つ打つ。

大変美しく笑んだ良家の子息に、いけねぇ坊やだ。と、
彼の貪欲誉めそやすよう、甘く囁いたが最後。*]


 えへへ、分かりました。

[去っていくヘクターに目を細めて了解の意を。

それにしても食指が伸びる、とは他の花たちを揶揄っていたみたいに櫻子のことを虐めるつもりなのだろうか。

…それはそれで「興味」がある。

ヘクターが去り際に耳元に囁いた言葉ににやりと笑んで、少し間を置いて自分も花主の下へと。]



[――次々と歩みを宵闇へと向けて行く彼等の背中を見、ただ男は無機質な表情を仄灯りに照らして居た。]

  こんな夜から大盤振る舞いなんて、随分なことだね

[先に投げられた言葉に返すように、小さく吐息を漏らしながら派手な背を見送る。
そうして脳裏に返るは朧月夜。揺らめく月光空より降り。
ただその月を手に入れたとならば――この飢えも満たせようか]

  …。あの淡藤、今夜は俺が貰う。

[ただ廊下にその声を反響させたとならば、男もまた名も知らぬ花主の元へとその姿を見せに、声を届けに行ったことだろう]*


[男が言った矢先お客は二輪刺しを所望したように思えて、買われた者達には同情の二文字を送る。

次いで、考えがあってか天然なのか……天然だとしたら末恐ろしいが、頬にかかったブロンドの奥を恥ずかしげに染める蝶の提案に頷く。]

櫻子……慎ましい風の、アイツかな?
まだ俺も買った事がねェ花だ。
土産話、期待してるよ。

[言っては、続いて廊下に消え行く二人を見送るだろう。]


[聞く前に残った一羽が指名したのは、日頃男が懇意にしている花の色。]

おうおう、了解。
今夜の花とは丁度いっしょにいる事だ。
お手手繋いで行こうかねェ。

[穏やかな気を纏う男の姿が見えなくなったならば、自分も後を追って*]


[慣れた動作で腕へ収まる隣の友人
自分も楚々とそんな風に――普段ならできるはずだがかの男の腕へと留まる瞬間僅か、体が震えた
これではまるでおぼこではないかと自分を叱咤し次の瞬間にはいつもの、顔に]


[どこか何時もの様子………とは言っても闇夜に浮かぶ藤之助の姿を見た事は無いに等しかったか……に
心配そうに藤之助を一瞬みやる。視線は合っただろうか。
瞬きをしてしまえばその色も消え失せ意識は無理やり蝶へと。]


[視線が合えば少しだけ自分の瞳に浮かんだ不安を気取られてしまったろうか。心配そうな色を宿した眼差しに、大丈夫とばかりに笑みを浮かべる
瞬き一つで蝶へと心向ける彼を見れば、自分もまた蝶へと意識を戻す]


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 00時半頃


【人】 看板娘 櫻子

── 先刻のこと、廊下 ──

[それは地下へと誘われたみなさまよりも、幾らかの時を遡った時の事でございます。
 こちらに一歩と歩を進めた亀吉さんが>>279
 随分と可笑しなことを>>280おっしゃるものだから。]

 もうお逢いしているでしょう?
 面白いことを仰るのだから。

[ころころと微笑を返したでしょうか。
 お傍に居られたベルさまに、秘め事が何たるやと問われたならば>>283

 秘め事は、秘め事にございます。
 みすてりあす、でしょう?

[なんて冗句も、ベルさまが本気で踏み込むでないと
 笑われたお顔から受け取っていたからにございます。]

(77) 2014/09/15(Mon) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

── 先刻のこと、広間 ──

[そして広間に着き、お茶の準備をいたしまして。
 捲る頁彩る、異国の綴りし呪いの言葉に
 微かに悲哀滲ませる射干玉を落としていた頃にございます。]

 亀吉さん、お早かったようですね。
 ベルさまとはお喋り出来ましたか?

[僕の名を呼ぶ声に振り返れば>>25
 淡藤の花が隣へと、そっと腰掛けておりました。
 心配を掛けてしまったのでしょう。
 声にも表情にも、そんな気配を窺えて
 僕は亀吉さんへと、微笑み返したのでございます。]

 さあ、お勉強に致しましょうか。

[開きましたのは、先程とは別の頁。
 さて、綴られていた異国の言葉はどういった意味であったでしょう。]

(80) 2014/09/15(Mon) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[そこから先の事は、赤き蝋燭の焔くゆる窓辺に
 慕情のように、綴らせて頂く事にいたしましょう。

 穏やかな一時は、それはそれは
 僕にとってもかけがえのない、優しげな刻であるのです。
 故に、移ろい行くのも早く。
 気付けば時計は重い音を、響かせていたようでございます。

 重厚な扉閉まる音と、日付を変える鐘の音。

 やがてこの身に告げられるのは
 ひとひらの月光蝶が、櫻の夢を所望したと>>42
 名残惜しげに本を閉じる音が、広間へ小さく落ちたように思います>>45

 ええ、お気遣いありがとう。
 亀吉さんも、お風邪など召されないでくださいね?

[その去り際に浮かべた表情知るは
 亀吉さんと、姿映す赤き窓辺のみにございます。]

(83) 2014/09/15(Mon) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

[今宵は月夜を溶かし、小鳥囀る空の眸持つ蝶が
 僕をお買い付けになられたのだと聞きました。
 また逢おう、と告げてくださった>>42
 それを叶えて下さる優しさに、顔は綻ぶばかりでありました。

 これを『しあわせ』と謂わずして、何を『しあわせ』と謳うのでしょう?

 僕はこの籠に咲く『花』であるのです。
 そういった『仕合わせ』であるのです。]

 甘き夢を。

[呟き落ちること、ただ一つ。
 何にも染まらぬ白を身に纏い、髪結いのリボンも白に変え。
 深き欲の園へと、僕は囚われに行くのでした。]

(86) 2014/09/15(Mon) 02時頃



 それが僕の『しあわせ』なのです。
 
 


【人】 看板娘 櫻子

── 今の時、地下牢 ──

 ベルさま、お待たせしてしまいました。

[櫻の精は白を纏いて訪れました。
 他の花と違うのは、それが女性の着るそれであると謂うことでしょうか。
 何時もの櫻色のリボンはなく、純白に身を包む姿。
 想像されていることなど終ぞ知らず>>55
 僕は一度だけ、奥の丸窓に視線を向けたのでございます。]

 またお逢いできて、とても嬉しく思います。

[視線をベルさまへと戻せば、花弁舞うように表情を綻ばせ。
 ゆっくりと彼へ、近づいたのでありました*]

(88) 2014/09/15(Mon) 02時頃



[窓に映るは、薄明かり。
 蝋燭のくゆる姿に、今暫く時を遡ることを
 どうか、お許し頂ければと思います。]
 
 


── 広間での刻 ──

[亀吉さんが隣に腰掛けて下さった時のことにございます。
 振り返り、微笑み返した表情は
 何時ものように、微笑ましいそれではなかったのです。

 書物綴る呪いの言葉に、僕は大切な人を思い出しておりました。

 勉強にと開きましたのは別の頁でありました。
 けれど僕はふと、問わずに居られなかったのです。]

 亀吉さん。
 あなたには、『特別な御方』は居られますか?

[違う異国の言葉を射干玉に移しながら。
 僕は先程の言葉を心に返していたのでございます。]


 
 
‘Tis better to have loved and lost

 than never to have loved at all.


[流暢に唇が、呪いの言葉を紡ぎます。
 その意味は亀吉さんには判らないでしょう。
 それを教えて差し上げるための、この時間に
 僕は、訊かずしていられなかったのです。]


 ───亀吉さんは『しあわせ』ですか?

[下がる眉が寂しげに。
 揺れそうな射干玉が、亀吉さんを見詰めていたのでありました。]


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 02時半頃


─広間での刻─

[流れるような闇色を揺らし振り返った先。
浮かべられた口元の弧に少しの間戸惑いを窺えたのはきっと。
広間を照らす月灯りのそば、傍らに存在する梢のみだろう

戸惑いつつも笑みを浮かべてしまったのは、その中に滲む芯に触れた気がした悦び。
それでもこの花弁に群い喰らおうとする、その陰の存在を邪推すれば表情は曇ったのだった。]


[かける言葉が見当たらず、口先は先程のやり取りを演じ。
勉強会が始まったのなら、書に刻まれた文字を幼子のように読み上げていたでしょうが。

唐突に匂いを増す射干玉の香りに、飲み込まれるように唇を動かしたのだった。]


──…特別、ですか?

[惑うまま鸚鵡のように繰り返せば、口籠らせ。
けれども何か答えなければならない。見えない何かに促されるよう、悩んだ結果、唇が紡いだのは──…]


…私には、愛が何なのか、どのようなものなのかは……分かりません。

ただ、誰かを特別に思い、思われることは…。果たして本当に幸せ、なのでしょうか。

[薄桃の唇から紡がれる謳いが呪詛であるなんて、露ほどにも知らず。
首を傾げつつも、凪いだ瞳で一輪の花を見つめて。]

──…いいえ。

だって、貴方が哀しんでおられるから。

[言い切っては、今にも零れそうに湖畔にて揺れる射干玉に。
時計の針が重なるまでの暫しの間。

そっと、きめ細かな白い手に腕を伸ばしただろう。
もし許されたのなら、重ねようと。
少しでも戸惑う素振りを感じたのならすぐに膝に下ろしたけれども。

双眸はただただ、僅か睫毛伏せつつ憂いたように、灯る。]


[僕の突然の問いはきっと亀吉さんを困らせていたことでしょう。
 『特別』を鸚鵡返しする声をききました
 籠らせてしまった挙げ句、それでも亀吉さんは言の葉に思いを乗せてくれたように思います。

 「誰かを特別に思い、思われることは…。果たして本当に幸せ、なのでしょうか。」

 僕はこのとき、とても寂しい顔をしてしまったように思います。]


 僕にも、判りません。
 愛がどんなものであるのか、などと。

[『花』には必要のないものなのです。
 僕たちは愛し、愛されるのではありません。
 『蝶』を惑わせ、誘惑し、休ませ、慈しみ、夢を魅せる。
 ですから僕には到底、判らぬのです。

 「真実の愛は朽ちることがない」などと。
 判るはずがないのです。]


[僕の手に、ゆっくりと重なる手がありました
 嫌がる素振りも、戸惑うこともありませんでした。
 僕はその手に手を重ね、ゆるりと此方側へ引いたのでございます。

 身長の差のせいでしょう。
 いえ、元からそうしようと思ってだったのかもしれません。
 僕は亀吉さんの手を引く反動にて、彼の胸元へとその身を預けたのでございます。

 射干玉は酷く哀しげな色をして、見上げておりました。
 揺れ揺らぎはすれども、雫が落つることはやはりなかったのでございます。]


 僕の『先生』は、愛など要らぬと僕に教え。
 懇意の蝶の毒牙にかかり。
 『特別』を知り、『愛』の中に、なく、なられたのです。

[この廓でその毒にかかるとどうなるか。
 『花』は聞かされずとも、みなが感じ取っているでしょう。
 僕は、僕を厳しく優しく育ててくれたその『花』の末路をしっております。
 だからこそ、僕は凛とした『櫻の花』であろうとしているというのに。]

 それを、少し思い出して…。
 辛かったのです。

[『しあわせ』ですか、という問いに『いいえ』と答えたその人に。
 僕は遠慮もなく、きゅうと抱きついていたのでございました。]


 特別など、あってはならぬのです。

 『花』は蝶を選んではなりません。
 『花』は翅がほしいと願ってはなりません。

 何方かを好いても
 何方をも嫌っても

 けっして、ならぬのですよ。

[まるで言い聞かせるように零れた言の葉。
 嗚呼、また気遣って喋らせてしまうでしょうか
 あのときの複雑に曇った笑顔の奥底を知らず。
 僕は暫く、亀吉さんの胸に身体を預けていたのでございます**]


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 04時頃


[浮き上がるうら淋げなお顔
瞳の中に宿したのなら、暫し胸を締め付ける感覚に戸惑うように瞳を泳がせていたものの、続いて薄桃色が紡いだ言葉には、そっと瞼を下ろす。

花を愛づる彼が愛を知らない、だなんて。
淡藤にはひとつの虚言のように思えてしまったために。

全てが嘘だとは思っている訳では無く。
まるで己に言い聞かせているように聞こえた、というだけ。]

判らない。
…そういうことにしておきましょう。

[こんなにも寂しげに愛を判らないとと告げる言葉に、うまくかける言葉は思い付かず。
だからと言って判らないという結論には寂しく思うのもあり。
曖昧なお返事を返したのだったか。]


[伸ばした指先は花を愛づる手のひらと重なる。
そのことにホッと一息を吐けど、少しして緩慢ながらも引かれてしまえば、虚を突かれた身体は、素直に小さな頭を胸元にて受け止めただろう。

そして揺れる射干玉には、無意識の内に噤んでいた唇を許し。
揺れはするものの、雫を伝わせることのない頬に人差し指を伸ばしたのなら拭うような素振りをして。]

──…。

[そっと自身よりも幾分か華奢に思える肩に腕を回すことができたなら、宥めるように黒髪を梳きつつ、全ての言葉を飲み込んで。

そっと先人の教えに耳を傾ければ、愛の夢で花弁散らした花の存在を知ったのだった]


………。

[桜の唇から紡がれる“先生”とその周りをつ移ろう蝶の末路

きゅうと抱きつかれたのなら、拒むこと無く享受しただろう。

「辛い」「少し思い出して」と、彼の口振りから推測するに教えを伝えたという花の末路に足を踏み入れようとしてしてまったのだろうか。

…一体誰が? 呟きは声にはせず心の中で押しとどめれば、耳にする先生の言葉]


[きっと、きっとこの御人の胸の内には“特別な人”がいらっしゃるのだろう。

それがどのような味の実なのかは流石に判らずとも、己に言い聞かせるような言の葉に。ただ小さく頷いただろう。]

……ええ。分かっておりますとも。

[けれど、蝶に選ばれ摘み取られてしまったのならどうするのだろう。

唇を迷うように閉じては開きを繰り返していたけれど。

胸元にかかる重みと花の匂いに暫し、酔うように結局目蓋を閉じたのだった。]**


[僕の言葉に、亀吉さんの表情は細やかながらも変化を見せるようでありました。
 寂しげな表情には、目を泳がせておられましたし
 紡いだ言葉には、瞼が閉じられてしまったのです。

 「…そういうことにしておきましょう。」

 亀吉さんの選んだ言の葉に、半分は救われた気がしました。
 ですが残り半分は?
 詰まる思いを胸に押し込み、僕は身を寄せたのでございます。]


[とん、と。
 一度胸元に添えることを許された頭は、そっと微かな音を立てました。
 亀吉さんという御方は、とてもお優しい方です。
 何も謂わずに突然と身を預けた僕のことを責めることもなく
 享受し、果てはその指で頬を撫でてまで下さるのです。
 涙など枯れ果てた、可愛いげのない櫻の枝葉を
 淡藤の蔓が、柔らかく撫ぜてゆきました。
 落ちることも、流れることもない朝露。
 その色も、その味も、僕自身とて知ることなどないのです。

 亀吉さんの手が、僕の肩へと回るのならば
 僕はまるでそれが自然であるかのように、身体を彼へと擦り寄せました。
 眸同じく射干玉の髪を梳く手に、吐息を溢したのでございます。]


[暫くは、流れるだけの時をまるで止めるようにして
 『花』が『花』へと、寄り添いあっていたのでございます。
 髪を梳く指先、伸ばした艶やかなその毛先が着物に擦れ
 長い睫毛が、上と下とで合わさる音だけが
 ただ、止められぬ時の移ろいの中で
 微かに響いていたのでございます。]

 ……、…ありがとうございます。

[やがてはそんな穏やかで、どこか寂しげな時も終わりを迎えねばなりません。
 このままでいられたらと、我儘を口にしてしまうよりも前に
 僕は寄せていた身を、緩やかに離しました。]


 あなたは、とても聡明な『花』。
 朧さんからは振舞いや、花たるそのお心を。
 僕からは読み書きや、言の葉に乗せられる想いを。
 きっと藤之助さんからは、柔らかなお心遣いを。
 きっと丁助さんからは、その面に浮かべる笑みを。
 こんなにも『先生』が居てくれるのですから、とても美しく咲き誇れるでしょう。

 『花』として、あなたと巡り会えたこの『仕合せ』を
 僕は本当に『しあわせ』に思います。

[離れを惜しみ、僕は彼を象徴する淡藤に細い指先を伸ばしました。
 慈しむように撫で、僕は背を伸ばし。
 薄い櫻色の唇で触れることは、許されたでしょうか。
 許されたならばその髪に、そっとやわらかな感触が音もなく触れたことでしょう。]


 今日は、あまりしっかりとお勉強が出来ませんでしたね。

[身体を離してからは、そんなことを紡ぎました。
 ふふっと笑みを溢す表情と、異国の呪いへと落とした表情とは明らかに違う
 いつもの朗らかな微笑みを、彼に向けていたのでございます。]

 時間のある時だなんて、寂しいことを仰るのですか?
 僕はいつでも、此処におります。
 居なければ書斎、居なければ中庭。

 「お会いしたかったので、会いに来ました。」

 また、そう謂って下さい。

[繰り返すは、意趣返しに溢された言葉でありました。
 ありがとうございますともう一度告げたのならば
 僕は小さく頭を下げて、彼を上目に見つめた後に
 その場を離れたのでございます**]


【人】 看板娘 櫻子

── 地下牢 ──

[赤き灯揺らめく窓辺にて、遡る時の移ろいが今の時へ帰る頃。
 僕はベルさまに抱擁され、頬に擽ったい感触を感じておりました。
 それはこの牢獄の中には珍しく、まるで幼児に施す挨拶のようでもあり
 ですから僕は一度目を丸くして、くすくすと笑ってしまったのでございます。]

 ええ…、ありがとうございます。

[「可愛いね!」>>97
 そんな風に誉めていただけたことにも、そしてこうして逢瀬の時をいただけたことへも。
 ふわりと笑めば、ベルさまの細くなった眸と同じようになったことでしょう。]

 決まり事なのです。
 何色にも染まっていない『花』に、あなたさまという色をつけていただくための。

[薄い櫻色のそれではなく、真白なリボンを揺らめかせ。
 僕はベルさまを見つめていたのでございます。]

(100) 2014/09/15(Mon) 11時頃

[この御方のように、優しげな笑みなど浮かべない
 高慢で傲慢なひとひらが、僕の脳裏をよぎっても。

 ひとつ、落とす言の葉は音になどなるはずもないのです。]


【人】 看板娘 櫻子

[そしてベルさまの呟く言葉には、一度ならず二度までも目を丸くすることになったでしょうか。
 亀吉さんに訪ねたというお話と、同じ言葉が僕にも降り注いだのでありました。]

 亀吉さんならきっと、優しくベルさまとの閨を努めると思いますが
 まだまだ咲き始めの淡藤です、不慣れなこともあるでしょう。
 もしその時がこられた時には、怒らず叱らずいてあげてください。

[先輩風を吹かせるようにして、ひとつめにはそう答えます。
 望む通りの一夜になるかはわからずとも。
 艶やかな夢を魅せるため、きっと『花』の努めは果たすことでしょう。]

(101) 2014/09/15(Mon) 11時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[そして僕は二つ目の答えを示すべく、ベルさまを見上げるのでございます。
 冗句だと仰って微笑むお顔はとても端正で、『花』よりも『花』らしい見映えをしておられました。

 僕は白い袖から指を伸ばし、そうとベルさまの背へと回しました。

 身を寄せ、添えた指先が彼の衣服へと緩やかな波をうたせます。
 柔らかな弱い力で、きゅうとその身を包んで差し上げるのでした。]

 僕を買われる方は、抱きたいと仰る方しかおりませんでした。
 ですので、僕に出来ることはベルさまを
このように『抱いて』差し上げることくらいです。

[包みこむように、小さな体がベルさまを抱き締めます。
 そして上目に見上げた後に、何かを強請るような表情で
 いかがですかと小首を傾げて見せたのでした**]

(102) 2014/09/15(Mon) 11時半頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 12時頃


[淡藤は桜の梢と寄り添うように腕を回しただろう。
さすればごく自然な動作でふわりとした花の匂いが近付き
そっと小さくはにかんだでしょう。

漏れた吐息は二輪、同じ頃だったか。
溶け入るように吐き出しながら、そっと流れに沿うように艶やかな射千玉に指先を絡めていただろう。

けれども時間は無情にも過ぎ行くもの。
胸元に香る気配が離れてしまえば、視線で追ってしまいつつも、引き止めることはせず
いいえ、出来ないといった方が正しいでしょうか。

何故なら淡藤の指先も胸元に残る花の香りと同じく、枝葉に過ぎず。

『花』には『花』を引き寄せることも、その場で縫いとめることも、出来ないのだから。]


[淡藤は年の瀬こそ丁助という花と重なるにしても、此処へ訪れたのはきっと、花達の中でも遅咲きであったと記憶しており。

だからこそ多くの方に教えを請うては苦労をかけさせたものの、こうして座敷にて一部屋お借りすることが出来ている。

それもひとえに此処に御座す花籠のお陰。

先に咲いた可憐な一輪の言の葉を耳に頂戴したのなら
綻んだような笑みを向けてみせたでしょう。]


…ええ、貴方達に育てられた『花』ですから。

些か甘い露を啜り過ぎた気も致しますが、きっと。
……、きっと、咲いてみせます。

[するりと、淡藤に戯れなさる指先を拒む筈も無く。
欲張りな花は少しだけ甘えるように頭を下に傾けて。

やがて音も無く唇を落とされたのなら、そっと頬を赤く色付かせたでしょう。]


[顔を上げる頃には頬紅は成りを潜めていたけれど、言葉紡ぎ朗らかに微笑む御方には目元を和らげてみせ]

…いいえ。今日も甘露を頂きましたから。

[櫻色の唇を落とされた髪をゆるりと揺らしながら微笑み。
選ばれ遊ばれた言葉を頂けば]

…月が欠けてしまう前に、必ず。
貴方にお会いしたい。

[針が示す前と同じものを紡いでは、射干玉を凪いだ瞳で見つめ返し、後ろ髪を引かれる思いを断ち切り、見送ったのでした。]*


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 20時頃


【人】 看板娘 櫻子

 花は水を吸い上げて、その色を映すのだとききました。
 『ベル』さまに注いでいただけたなら、きっと。

[始めにお逢いした時に告げたように、あなたさまは美しいのだと言外に含みましょう。
 僕は何色にも染まる白い櫻。
 甘い蜂蜜を垂らせば、そのように>>103

 丸くした射干玉を眺めて、ベルさまは不思議な咳払いをなさいました。
 僕はなにか、変なお願い事でもしてしまったのでしょうか?
 予期せぬ反応に、彼の背中へと回した指先は
 きゅう、…と打つ波を更に漣へと変えたのです。

 それでも僕の顔を覗き込む、淡いお色をした眸に
 僕が映りこんでいたなら、短い安堵の吐息を溢し微笑み返すのでありました。]

(123) 2014/09/15(Mon) 21時頃

【人】 看板娘 櫻子

 いいえ。
 僕は、お望みに応えられたでしょうか…?

[謝る言葉に>>104僕は微かに首を振ります。
 そして伸びてきた指先はまるで蝶の触角。
 片腕が僕の腰を抱き寄せるなら、引かれるままになりましょう。
 まるで時が止まります。
 止まるからこそ、他の牢から漏れ出る享楽に満ちた声など
 聴こえ、聞こえるはずがないのです。]

 あなたさまのお色に、染めてください。

[間近でみる彼の睫毛は、小鳥囀ずる淡い空にひらりひらりと舞いました。
 嗚呼、本当に名前のようにお美しい御方です。]

 ベルさ───

[櫻色の薄い唇が名を紡ぎ終わるか終わらぬか。
 優しく重ねられたそれに、僕は長い睫毛を伏せました。]

(124) 2014/09/15(Mon) 21時頃


[聴こえません。
 花の声も、蝶の声も。

 蜂蜜色へと変わる櫻は、彼の『蝶』だけを見つめているのです。]
 
 


[藤之助の声も、他の花の音も。
届かないフリ、聞こえないふり。

――――……そうでなければ朧を保てなくなってしまう。]


【人】 看板娘 櫻子

 ん…っ…

[求められるままに、滑り込む感触は暖かなものでした。
 粘膜の滑りが訪れれば、甘い呻きが漏れます。
 合わせるように、逢わせるように差し出す舌先は
 ベルさまのものよりも仄かに熱いものでしょう。

 いつも、買われる宵には
 『蝶』へとお願い事を致します。

 どうか、接吻けてくださいませ──…と。
 どうか、仮初の愛を囁いてください──…と。

 その甘さ在ればこそ、櫻の花は艶やかに色付くのでございます。
 今宵もまた蜂蜜のごとき甘さに、僕はその身を咲かせるのです。
 絡み合う舌先が、ふるりと震えておりました。]

(130) 2014/09/15(Mon) 21時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/15(Mon) 21時半頃


[腕を引いてくれと、そう望んだのは他ならぬ自分。

その手にまた触れることが出来た時、確かに左胸は鼓動を大きく揺らしたというのに。

結局、『花』は『花』でしかあらぬのだ。
胸元に残る花の教えを深く、深く刻みつつ。

そっと銀で覆われた縁を歪ませた。]


[見ないで、と声に出さぬまま、口はそう紡いで
目尻には快楽からか――うっすら涙が浮かんでいたろう]


【人】 看板娘 櫻子

[ベルさまと呼べば、顔を緩やかに綻ばせて下さいます>>135
 その表情にまたつられるよう、僕も綻んで見せるのです。
 これが男女や恋仲なれば、それは素敵な情景でしょう。
 地下牢という遊郭の中、甘い時が現実の刻を止めるのでした。]

 そうですか?
 それは、とても嬉しいです。

[「楽しいひと時を過ごすこと」が望みであると告げる彼に
 僕は同じ言葉で返しました。

 『花』として望まれることが『しあわせ』なのです。

 金色蝶が何を思い誘われたのかは、僕は知る事など出来ませんが
 こうして櫻の枝葉に翅を休めてくださるのならば
 僕は応えて、色付いていくのでございます。]

(142) 2014/09/15(Mon) 22時頃

【人】 看板娘 櫻子

[美しいという名前は、その御方に吸い込まれます>>136
 触れ合う舌はそっと、蜜を得るように吸われ
 それだけで、くらと眩暈さえ起こしそうなほどに
 甘やかな接吻を重ねていたのでございます。]

 ──、…っ

[吐息までもが震えたのは、彼の手が胸を這ったからでしょう。
 白い着物のその下で、それこそ櫻の色をした小さな果実。
 辺りの膨らみは丘と謂えるほどにもなく、けれど胸板と呼べるでもありません。
 性別を感じさせず、しかし性欲を感じさせるもの。
 密着すれば、項からは櫻の練り香水の甘さが香ります。

 縋るように指先は、ベルさまのお洋服を掴みました。
 果実ははしたなくも、ぷくりと硬さを帯びていることでしょう。

 胸元を這う彼の手の甲に、片方の僕の手を添えて。
 売れつつある櫻の実へとその手を導きました。]

(143) 2014/09/15(Mon) 22時頃

[とうのすけ。
音にはせずに藤色の花を呼ぶ。

頭を撫でてやることも、雫を拭ってやる事もできないこのもどかしさ。
己が『朧』である事を、友である事をこれ程に後悔した事は無い。
関わりが浅い『花』となら、こんな思いをせずに済んだのか。]


【人】 看板娘 櫻子

[熟れた櫻の実に、布越し触れる彼の指先はとても優しいものでした。
 摘まれれば、呼応するように指先に力が籠もります。
 重なる唇の隙間から零れる吐息も
 ベルさまの裡を焦がす火種になってくれたでしょうか。

 離れる唇には、名残惜しげに睫毛が振るえ
 微笑まれる彼に、朱の差す目許を細めました。]

 ベル、さま。

[「可愛いね」「好きだよ」「櫻子」>>150
 連ねられる言の葉に、胸の奥がとくり音を立て
 射干玉の眸に彼だけを映しておりました。

 隣より聞こえるは、『蝶』の声であったでしょう>>147
 弄ばれる二輪の『花』の嬌声であったでしょう>>144>>154

 それに優しく蓋をするような声音が
 僕を名指しで呼びました。]

(160) 2014/09/15(Mon) 23時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 はい。

[甘い囁きは金糸雀の鳴き声でしょうか。
 耳からするりと潜り込み、僕の裡で響いています。

 崩された着物の下から露になるのは、白き肌。
 ベルさま程の白さはなかったかもしれませんが
 そこに飾られた小さな実の櫻色を、映えさせるような色合いです。]

 …───ぁ、っ

[指が触れれば小さな声が聞こえましょう。
 吐息に交じり、跳ねるような声でした。]

 ベルさま、好きです。
 お慕い申して…っ、 ん

[甘い囁きは、さて地下牢の何処まで届いたやら知りません。
 おりますと告げる前に切れた言葉は、重なる唇の愛撫で
 小さな身体に熱を灯していったのでございます。]

(161) 2014/09/15(Mon) 23時半頃

[今宵は二輪が共に買われているのかと
 心のどこかで、そう思っておりました。
 聞こえぬフリをしていても、耳には否にも届くのでございます。

 お優しい藤の花が、辱められているのでしょう。
 麗しい朧の花が、甚振られているのでしょう。

 揺れる焔の花は、遠くに身を委ねているのでしょうか。
 綻ぶ淡藤の花は、求められるまま咲いているのでしょうか。


 ───裡に渦巻くものから眸を逸らし。


 僕は金糸雀の唄に、耳を傾けるのです。]


朧、お願い……もう……

[小さく、願う様に囁く声は涙と色に濡れ
彼にこんなことをさせてしまっているのだと自覚すればぱらぱらと汗に混じり雫が頬を伝った]


【人】 看板娘 櫻子

[僕の言葉に零される笑みは、鈴を転がすような音でした>>167
 白い彼の肌に、左の目許に在りし黒子に指先を伸ばします。
 ひたりと触れれば、与えられる愛撫に指までも
 熱を帯びていることを伝えるでしょう。

 違う色の、同じ白。
 不可思議な相違に、眸を細めようとして。]

 わ、ぁ

[牢屋という場所に不釣合いな、柔らかな布団の上に身体を横たえられて>>168
 出した声はすこし間の抜けたものだったかもしれません。
 布が滑る、淫らな音が響きます。]

 ひとつ…に……。

[まるで鸚鵡返しのように紡げば、耳先に朱がさしました。
 生娘でもあるまいし、と思われるかもしれませんが
 恥ずかしいと思うことに、変わりなどないのでございます。]

(176) 2014/09/16(Tue) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ベルさまもお姿をお見せになっては下さいませんか…?
 僕だけでは、恥ずかしいです。

[包み隠すものはやがてなくなり、丸窓からの月下にて
 全てを晒す事になりましょう。

 申し訳程度に付いたものは、僕の性別をものがたります。
 手で隠す、なんて事は許されやしないでしょうから
 僕はほんのりとした羞恥に耐えるべく
 ベルさまの頬へとまた、指先を滑らせたのでございます。]

 あなたさまの、情熱を。
 僕の、裡へ。

[そっと腕を首へと絡ませ、耳元にて囁きました。
 その声は、蜂蜜の甘さを移していたでしょう。]

(177) 2014/09/16(Tue) 01時頃


 ―――坊やの悪趣味に比べちゃ、俺なんぞ可愛いもんよな。

[喉を震わせた独り言を聞くものは居ない。
ただ、と思案巡らせ、瞳を微かに揺らした。]

 あれもつくづく、面白い坊やだ。

[溜息のような感嘆は、男にしては珍しい他者への興味。
花籠の外に向ける視線は、久しく。

過ぎった感覚を自覚すれば、
笑気一つ零して、夜に再び身を浸した。**]


[ごめんなさい、と
唇は涙浮かべた子供の様に震えながら言葉を紡いだ]


【人】 看板娘 櫻子

[僕が触れたベルさまのお顔は、少し朱を差したでしょうか>>181
 仄かに熱が移ったようにも感じます。
 僕の見る幻でなければいい、そう思いながら
 僕はシャツのボタンに手を掛ける彼を、見上げていたのでございます。

 射干玉と同じ黒髪は、布団に広がっていたでしょう。
 その髪は櫻の枝葉の如くして
 その肌は櫻の名の如くして>>182
 二つの、いいえ三つの光の下に晒されていたのでございます。

 月下、くゆる焔、そして『花』にとまる金色の『蝶』。]

 ご、ごめんなさい…っ。

[「恥ずかしいな」と向かう笑みは些か妖艶でありました。
 ベルさまを見詰めていた僕は、思わず視線を逸らしました。
 はらりと黒髪が、また広がったのでございます。]

(189) 2014/09/16(Tue) 02時頃

【人】 看板娘 櫻子

 は、い。
 染めてください、あなたさまで。

[甘すぎる程の囁きは、櫻を色濃く咲かせます。
 ささやかな愛撫にさえ反応を見せる櫻の下肢は
 そうっと静かな音と共に、恥ずかしがりながらも脚を開いて見せました。
 これから行われ、与えられる全てを受け入れる悦び。
 指先は彼の項をなぞり、そして。]

 接吻けを、ベルさま───…

[おねだりをひとつ、零すのでした*]

(190) 2014/09/16(Tue) 02時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/16(Tue) 02時頃


[隣より聞こえるは、激しさを表す声でありました。
 肌の打ち合う音も、粘膜擦れる水音も。
 やがては明瞭でない嬌声が、弾ける瞬間を伝えたでしょう

 見えぬはずの涙の音が、此方へ届いた気さえします。

 他の牢でもきっと、花々は咲き乱れているはずです。
 此処はそういう場所なのですから。
 そしてそれが僕たち『花』の、『しあわせ』であるはずなのです。]


[僕の戯れのような接吻けに、頬を染めた銀花も
 誰ぞ彼の腕の中、咲き誇っているのでしょうか。

 丸窓からちらりとだけ、月の端が見えました。

 「月が欠ける前に」などという言葉を
 不意に僕は思い出し
 傾く月を眺めては、彼の『花』の行く末を想うのです。]




 あなたは、いま。

 『しあわせ』ですか?
 
 


[尋ねる事が出来たのは、亀吉さんだけでありました。
 丁助さんには、寸でのところで訊くのを躊躇ってしまいました。
 朧さんに訊けば、叱られてしまうでしょうか。
 藤之助さんに訊けば、困らせてしまうでしょうか。

 他の花たちにも、訊きたくとも訊けないでしょう。

 どうして、訊けないのでしょう?
 何故、訊けないのでしょう?

 わからないまま、僕はいつであろうとこう答えるのです。]





 僕は『しあわせ』です、───と。
 
 
 


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/16(Tue) 03時頃


──幸せとは、こんなにも胸が苦しいことなのですか。

[“教えて下さい”

闇世の中、音にさえならなかった吐息が小さく反響しては、消える。]


【人】 看板娘 櫻子

[目の端に、衣服脱ぎ捨てる音がいたしました>>201
 「君も僕のことを見て?」と謂われたなら、視線はおずおずとながらベルさまへと戻ることでしょう。
 見上げればそこには、美しく艶やかさを持った笑みがありました。
 細いとはいえ、きちんとした男性を思わせる体つきに
 中央にはそれを証明する雄の塊が見受けられました>>202

 ……っ…

[視線は僕の身体を隅々と見ておられるようでした。
 その眸に撫で上げられて、僕の小さなそれがふるりと揺れたのでございます。
 はしたない身体を恥じてまた、僕は頬を赤く染めておりました。]

 ベル、さま…っ

[羞恥に、乞い願うような声が鼻を通って唇から溢れます。
 お強請りは優しい御方に叶えられ、唇は再び逢瀬を迎えました。
 早急な動きで求められる時には、長い睫毛をきゅうと伏せ
 緩慢な動きで交わる時には、薄っすらと射干玉を眸へと向けておりました。]

(206) 2014/09/16(Tue) 13時頃

【人】 看板娘 櫻子

[長くすらりとした指先が、僕の身体を撫でて行きます。
 淫らにも立てた膝から腿へ、動く度に吐息は上がるばかりです。]

 ん っ、!

[一番敏感な場所を指で包み込まれた時のことです。
 先までのものよりも、僅かながら高い声が溢れました。
 包み込まれたその手に、甘い蜂蜜のようなものが触れたでしょう。
 透明な蜜がぷくりと、先端を彩っておりました。

 離れた唇を繋ぐ糸は、ゆるりと弧を描き途切れます。
 ベルさまの浮かべる微笑みが、何を謂わんとするのかがわかるようでした。
 僕は顔を朱に染めたまま、こくりと肯きを返しました。
 
 僕もそろりと指先を、項から背中へと滑らせます。
 背筋につるりと触れ、ベルさまの変化を窺うべく顔を見詰めるのです。]

(207) 2014/09/16(Tue) 13時頃

看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/16(Tue) 13時頃


【人】 看板娘 櫻子

[ころころと鳴る喉の音は、まるで木製の鈴のようでした>>208
 僕との交わりの中に、何かをきっと満たしてくれているのでしょう。
 好きだと囁かれる言の葉は、甘い幻だと存じております。
 その嘘を誠にしてはならぬのだと、朽ちた花から教わりました。
 ですから僕は幻を吸い上げ、甘い蜜を『蝶』へと届けるのです。]

 べ、る…さまっ

[崩れぬ微笑みに、囁き堕ちる甘い毒に身を捧げ
 鼻を掠めた声で、小鳥に擬態し囀ずりましょう。

 彼の手がゆっくりとした動きで、枝葉を撫で上げて行かれます。
 音はとても静かで、耳に届くのは隣の牢の折檻ばかり。
 それでも体が触れ合うそこからは、酷く淫らな粘膜が
 音もなく音を奏でていたのでございます。

 少しずつ、溢れ、溢れて
 彼の手を、花の蕾をそっと濡らしていくことでしょう。]

(211) 2014/09/16(Tue) 15時半頃

【人】 看板娘 櫻子

べ、るさ…  あっ

[やがて美しいお顔からはあまり想像ならない無骨な指先が
 蜜に濡れる蕾をそっと、圧し広げて行きました。
 詰まるような嬌声が溢れ、ふるりと体は震えます。

 痛くはないと、首を振り
 受け入れるように、蕾は弱い収縮を見せ
 背筋に触れた指先は、傷付かぬように
 柔らかな腹で、きゅっと掻いたでしょう。]

 ほんと、の しあわせ…?

[甘い毒に触れ、吸い上げる櫻は黄金の色に染まります。
 射干玉はゆらりと一度揺れ、寂しげな色を浮かべる前に。]

 魅せて、くださいませ。
 誠の『しあわせ』な、夜を…。

[そう謂って、自らそっと彼の瞼に唇を触れさせたのでございます。]

(213) 2014/09/16(Tue) 15時半頃

 僕は『しあわせ』です。

[何時の時もそう答えましょう。
 何方さまにもそう応えましょう。

 胸が苦しいなど、僕にはわからぬ想いなのです。

 朽ちた花の行く末を知ればこそ。
 その毒に囚われてはならないと。]


 
 
[櫻は誠の『しあわせ』に、まだ散るを知りません。

 咲いてさえ、いないのですから。]
 
 


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/16(Tue) 15時半頃


【人】 看板娘 櫻子

[名を呼べば呼ばれ、呼ばれれば呼ぶだなんて>>214
 本当に此処は檻の中でしょうか?
 倒錯的な言の葉の間には、「おひめさま」とまで囁かれ
 あゝ、甘い毒に蕩けてしまう気さえ致します。

 ベルさまがベルさまでなくなることを知らぬ『おひめさま』と
 櫻子の誠の名を知らぬ『おうじさま』。
 小鳥と金糸雀の囀り、櫻と蜂蜜の甘い毒。]

 さま…っ  べるさま、あ

[啜り泣くような声音が牢へと響きます。
 それでも涙は一粒も落ちぬ、可愛いげのない花なのです。

 くちづけに終わる幸福な物語。
 それこそ、甘く甘い、毒のようなお話でありましょう。]

(216) 2014/09/16(Tue) 18時頃

【人】 看板娘 櫻子

[薄い空に囀ずる小鳥が、瞼にそっと接吻けました。
 「本当の櫻のようだ」と聞けば>>215
 僕はとても嬉しそうに、笑むのです。]

 ひぁ  あっ、!

[迷いを知らぬ指先が、止まることなく圧し進み
 ある箇所に櫻の芽を見つけたようにございます。
 節くれた指が掠めれば、高く声が上がりました。]

 は …ぃ
 あっ、─── んっ!

[ぴく、ぴくと跳ねる小さな身体と
 その度に小枝が、蜜を溢しながら揺れました。
 耐えるなど出来ません。
 射干玉を彼へと向けて、先を、先をと強請るのです。]

(217) 2014/09/16(Tue) 18時頃

【人】 看板娘 櫻子

[何故でしょう、僕を呼ぶベルさまの声はどこか少しだけ寂しげな色を帯びました>>218
 僕がそう感じただけかも知れません、ですがそんな風に思ったのです。

 止まったように思う時間も、緩やかながら進んでいます。
 その流れに取り残されてしまったような、そんなお顔をなされるから
 僕は背に回していた細い指先で、彼をそうっと抱き寄せるのです。]

 僕は、此処に、咲いております。
 何時も、いつまでも。
 何度でも。

[嬌声溢れる狭間にて、そんなことを告げました。
 僕はいつでも此処にいて、いつでもあなたさまを待っていると。

 忘れることなど、ありはしないと。]

(220) 2014/09/16(Tue) 19時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ベルさまの、ために──…っく、ぁ!

[指は増やされ、始めはきゅううときつく締め上げていたでしょう>>219
 次第に堪えきれぬ喘ぎが、囀りとなって響きます。
 裡を掻這う指先が、時折見せる急いた動きも
 僕の胸を震えさせ、甘い毒で犯していくのです。

 「そろそろいいかい?」という、優しげな問いが届きます。
 こんな風に優しくしてくださる御方はそうそうとはおりません。
 僕はこくりと小さな肯きを返して見つめ、ふわと微笑んだのでございます。

 ベルさまの、張り詰められたその熱に触れて
 受け入れる場所へと、導きながら。]

(221) 2014/09/16(Tue) 19時頃

【人】 看板娘 櫻子

[抱き寄せた体温は、小さな問いを溢します>>222
 その言葉は、きっと、きっと
 とても大切な問いなのだと思いました。
 僕が応えていいようなことかどうかは判りませんでしたが
 僕が答えなければならない、そんな気がしておりました。]

 忘れません。
 たった一夜でも、僕を買って、下さったの…ですから。

[一度だけ、彼の身体をぎゅうと強く抱き締めました。
 お許しくださいますでしょうか。
 寂しげなベルさまを慰めたい、そんな気持ちと同時に
 どうしても、僕の今の表情だけは見ないでいてほしかったのでございます。

 微笑んでさしあげたかったのに。
 きっとうまく、微笑むことができなかったからです。

 胸の裡、呪詛がそっと過りました。]

(225) 2014/09/16(Tue) 21時頃

 
 
‘Tis better to have loved and lost

 than never to have loved at all.
 
 


【人】 看板娘 櫻子

[やがてすぐに、身体を離します。
 金の毒持つ姿へと、微笑みの仮面被るベルさま。
 同じよう、僕も満開の櫻のふりを致します。

 いつでも『しあわせ』です、と
 微笑み答える、泣かない櫻になるのです。]

 ベルさまが逢いに来てくださるなら、とても嬉しいです。
 たくさん、たくさんお喋りしましょう。

[そして、夜を求められるのなら。
 毎宵甘い蜜を、花を、溢れさせましょう。
 ベルさまが『しあわせ』だと、謂ってくださるように。]

(226) 2014/09/16(Tue) 21時半頃

【人】 看板娘 櫻子

[そんな寂しくも穏やかなやり取りも、やがて余裕などないものに変わるでしょう。
 甘い毒の針が抜け>>224
 隙間を埋めるようにと綻んだ蕾が熱を求める。]

 一つ、に──…ん、ぁあっ!

[肯こうとしたのです。
 刺される針の圧迫感で、身体は逆に撓りました。
 痛みがあるわけではありません。
 甘く甘い毒に酔いしれ、唇からは堪えることのない声が溢れます。
 高い声は甘さを滲ませたまま、地下牢の中を囀ずるでしょう。]

(227) 2014/09/16(Tue) 21時半頃

[この感情をどう表せばいいのか。
腹の辺りに渦巻くこれを。
怒りか、呆れか、それとも悲しみか、羞恥か。

『花』として誇りを持ち、美しく咲き誇れ。
俺を育てた花は口癖のように言っていた。
どんな辱めを受けようとも、どのような思いをしても蝶を惑わせる花であれ。

その言葉を道標に、今まで歩んできたはずなのに。]


【人】 看板娘 櫻子

 はい、約束です。

[後で、指きりげんまんでもいたしましょうか>>236
 僕がベルさまを忘れてしまったなら、針千本残らず飲み干しましょう。

 こうして、身体を重ね、情を繋ぎ。
 いずれ訪れる結末までは、咲き誇る花であり続けるのです。

 ベルさまが何かを謂いかけてらっしゃる気がしました。
 ですが、唇は動きませんでした。
 だから、僕も言の葉には致しません。

 暖かな櫻の『花』が『しあわせ』そうに、笑むのです。]

(243) 2014/09/16(Tue) 23時頃

【人】 看板娘 櫻子

 ン、くっ… はぁ、っ あ

[愛おしいまぐわいの中、滲む寂しさを胸の裡に感じながら
 彼が零す吐息に息を上げては、浅い呼吸を共に二人で繰り返しました。
 圧し進められていく熱はやがて
 ベルさまが僕の名前を呼ぶと同じ頃に、締め付ける襞の奥へと辿り着いたのでございます。]

 ル、さま… ベルさ …まっ

[きゅう、きゅうとそこは蠢いていたでしょう。
 繋がりあう喜びに、涙の代わりに汗が伝い
 噎せ返るような櫻の香を、纏いて蝶を誘うのです。

 宣言通りに>>239繋がる部分が引き抜かれかけ
 行かないで、いかないでと強請るように
 欲を示すベルさまを、締め付け引きとめようとするのでした。

 腕は自然と、彼の背中へと回ります。
 肩口に額を押し付けてしまうこと、数度。
 僕の中にある熱を感じながら、名前を何度も呼ぶのでございます。]

(244) 2014/09/16(Tue) 23時頃

――……

[ごめんなさい、朧 

と。蝶の言葉により友の貌を伝える際に小さく告げる
命によりその怜悧な顔を穢し、なおも言葉で責めねばならぬ事への謝罪と、それでも目を逸らせぬことへの懺悔であった]


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/17(Wed) 00時頃


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/17(Wed) 00時頃


【人】 看板娘 櫻子

[「大仰な、」>>256と謂われてしまいました。
 ですが、僕は本当にお約束するのです。
 それはきっと、しっかりベルさまにも伝わっておりました。
 表情が、空気が、それを物語っておりましたから
 僕は安心して、微笑むことが出来たのです。

 お優しい、お美しい、ベルさま。

 そんな御方と夜を共に出来ることが『しあわせ』でなくて
 一体何を『しあわせ』と謳いましょう。
 誠の『しあわせ』を、彼が、感じてくれていたらと僕は思うばかりなのでありました。

 叫ぶほどの声が、耳に
 熱く猛った心が、身体に
 突き刺さる矢の如く、切なさを増していくのでございます。]

 ベル、… ──ベルさま、あ、あっ! 

[僕だけだなんて、あゝなんと甘い蜜なのでしょう。
 叫ばれる愛の苦しみに、僕は嬌声を上げました。]

(261) 2014/09/17(Wed) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 ん、ぅ …っ!

[隙間も無いほどに埋め尽くされた距離。
 伸ばした手は、ベルさまの美しい髪を掻き抱きました。
 小さな身体は律動に激しく揺さぶられますが
 不釣合いにも壊れるほど柔でないのは、長年『花』として咲いてきた証でしょう。

 奥まで穿たれ、櫻の芽を抉る熱に
 一際高く、掠れた囀りが零れ落ちます。]


 ───あぁッ!!


[ベルさまの身体に縋りつくようにして。
 二人の間に揺れていた櫻の枝は
 情熱的で、どこか寂しげな今宵に

 蜂蜜のように甘い精を飛沫させたのでございます。]

(262) 2014/09/17(Wed) 00時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 
 ───べる   …さま。



[果ててしまったのは、先だったでしょうか。
 きゅうと彼自身を締め付けながらも、蕩けた射干玉が見詰め上げ

 愛しげに、櫻の香纏いて。
 彼の名を呼んだのでございます。]

(263) 2014/09/17(Wed) 01時頃

【人】 看板娘 櫻子

[ベルさまの熱が、色が、香が、僕を染め上げていく感覚は
 裡側に、零すことなく注がれた白濁としたものだったでしょう>>270
 感じれば僕の身体はふるりと震えます。
 甘すぎるほどの余韻を残し、名を呼べば呼び返され>>271
 本当におとぎばなしの「おひめさま」と「おうじさま」のようでありました。

 荒い息。滴る汗。快楽の残滓。

 そういう物に僕も、
 ただ素直に柔らかく微笑みました。

 頬を撫でられれば
 どこかくすぐったささえ、覚えてしまう気がいたします。
 僕は甘えるように身を寄せ、汗伝うベルさまの頬へと頬摺りをしました。
 僕の指に金糸が絡まっていたのなら
 きっとベルさまの指にも、射干玉色の糸がひとひら絡んでいたことでしょう。]

(278) 2014/09/17(Wed) 01時半頃

【人】 看板娘 櫻子

 
 
 ───『しあわせ』、ですね?

 
[例えそれが、仮初のものであったとしても。
 例えそれが、幻のものであったとしても。

 今宵の間は、誠であるのです。

 ほんとうに『しあわせ』そうに
 僕は彼の黒子へと、そっと接吻けを落としました**]

(279) 2014/09/17(Wed) 01時半頃

[こんな、ゆめものがたりが誠であれば
 所謂『しあわせ』というものなのでしょう。

 ですが、なりません。

 『特別』になることも
 『特別』をもつことも

 『花』には許されざるべきことなのです。]


[僕たちに許されているのは、ただひとつ。


 『花』として咲く。


 ただ、それだけなのでございます。]


[――朧、朧

声ならぬ声で彼を呼ぶ
そんな顔をしないでと虚空を見つめる彼の頬から白を拭う
友にだけは、こんなに泣き濡れた姿を見せたくなかった
失望されたくないんだ、と]


看板娘 櫻子は、メモを貼った。

2014/09/17(Wed) 02時頃


 
 
             ――――退屈だよ。
 
 


愛しい愛しい吾が子達。
お勤め、ご苦労様。

夢を売り売り、躯を売って。
せっせと借金返しておくれ。

いやいや、返せなくとも構わないんだよ。

花咲く内は、私が愛でていてあげるからね?


[どうせいつかは枯れる花なれば。
月下の元 夢に揺蕩うことは許されよう。

押し潰した筈の芽は 結局は小さく蕾を芽吹かせた。
けれども孰れ摘み取られてしまうのだから。
蜜濃くなるその一瞬だけでも。

『花』として、『蝶』を望む]


[花しかしらぬ男の一面。
笑い、嗤っては、今宵の対価をばら撒いていく。
地下牢に舞うのは紙幣の花吹雪。
花弁の枚数が、今夜支払われた対価。

さあ拾えと、男は花々を見下した。

歪んだ唇に滲むのは、狂気の沙汰であっただろう。]


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櫻子
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