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[抗う方が、楽。そのジリヤの言葉
……ああ、そうなのね。
[私は、知識を求めている。第二図書室で本を読むことを求めている。
それが私の優先順位の第一であるように、ジリヤは抗うことを求めているのだろう]
ジリヤには、諦めないでいてほしいと思うわ。
[その姿を愚かだと思いながら、それでも。
折れてしまうジリヤは、見たくないと思った]
ここから出られたら……?
[誰かから投げかけられた質問
聞き慣れない声だった。私はここに10年いるのに、聞き慣れない声だった。
けれど私は、ついさっきまで独房の存在も、知らなかったのだ。
知らない誰かがいたとしても、多分不思議なことではないのだ]
……わからないわ。私は外の世界を覚えていないから。
でも……そうね。思い切り空を飛んでみたいとは、思うわ。
[大きすぎる私の翼で。本物を知らない、夜の、空を]
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ 回想・秘密棟 庭 ] (75) 2015/07/10(Fri) 22時頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ 故郷のにおい、おと。もう全てが遠い。 今はただ、何の色とも分からない、>>66僕に背中を向けてしまった彼が僅かに吐いた息が、音が、耳に残る。 (76) 2015/07/10(Fri) 22時頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ 現在・第一棟廊下→ ] (83) 2015/07/10(Fri) 22時半頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ BGMも何もない廊下には僕の不気味にさえ思う足音だけが響いた。ひたり、ひたり。 真夜中だれかが見たらホラーじみて、怖がられたかな 。 (84) 2015/07/10(Fri) 22時半頃 |
…………かあさま。
[夢見る私が零した寝言。
きっと目を覚ませば、忘れてしまう]
― 寸刻 ―
[ ――― ”ぼくら”の声が聞こえる。
ヒトという生き物に諦めを抱く梟に
僕よりも強く激しく外と自由を希う針鼠
呼吸器で覆われた鮫の声を聞いた時は
普段聞くより幾許か 鮮明に聞こえて
彼の難儀な重装備ぶりを思い出す。
……それまでは、よかったのだけれど。
”彼”
( だって そいつは )
どうしても 脳裏にちらつかされた「鍵」が過って
ジリヤに「鍵」の話なぞをしたらと考えたら
ふるりとひとつ 背筋が震えた。 ]
……そとを飛ぶきみは
きっととても綺麗だと おもう。
見たいな そんな日が来たのなら。
[ 暖かな月夜も 冷たい雨の夜も
僕はどちらも知っているけれど
きっと彼女
繰り返すことも
喉を詰まらす事もなく出た想いの言葉は、
誰に聞かせるでもなく、零れた。*]
[本物の空は、青いのだという。
本物の夜空は、月が光り、星が瞬くのだという。
空から雨という水の雫が降ることもあるのだという。
どれも私は知らない。知らないけれど]
……ありがとう。
[フィリップが翼を羨んでいることは知っている
色を持たない私が、夜を飛んでも、きっと闇に溶けてしまうだけだと思うのに、フィリップはきっと綺麗だと言ってくれる
モノクロの私より、フィリップの方がよほど綺麗だと思うのに]
そんな日が来たら、いいと思うわ。
[来るとは思っていない。けれど、来たらいいと思う。
外の世界に出て、私が夜の空を飛ぶ日。
そんな日が来たら、フィリップに見せてあげよう。
そう、それに……]
私の翼は大きいから。
一人くらいなら、連れて飛べるかもしれないわね。
[空に憧れているフィリップを連れて、飛ぶことだって、できるのかもしれない。
もしも、そんな日が来るのなら]
[ 夜は梟
月があって星があって
人里が放つひかりは 空の雲が反射して
山に雪があれば空まで青白く照らすんだ。
その中じゃあ、僕の持つ色は意味を持たず
空を切り取って飛ぶ 彼女の闇は
どれだけ映えるだろうと 思う。]
そうだね、そんな日が来たらいい。
[ 誰にも見つからず 兄と2人見上げた夜空を浮かべて
僕はそこに彼女の影を重ねあわせる。
夜空を渡す、白鳥の十字の上へ重なるように
彼女の翼が 伸びた気がして。]
きみが居てくれたら …僕も鳥になれるね。
[ そらへ、と 憧れを乗せた瑠璃の目が 細く笑った。*]
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ プール ] (146) 2015/07/11(Sat) 02時半頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ 僕を、食べる気? (147) 2015/07/11(Sat) 02時半頃 |
[返ってきた同意の言葉
そんな日が来るとは思っていない。けれど、願う自由だけは私にも許されているはずだ。
願うことは、人間にだって止められないはずだ]
……フィリップは、鳥だわ。
[私が居なくても、と言外に滲ませて。
私は、私たちはこういう生き物なのだと思っている。だから、フィリップが自分のことを欠けた生き物だと感じることは……それは、悲しいことだと思った。
百科事典によると、飛べない鳥もいるらしい。
フィリップは鸚哥だけれど、夜明け頃、第二図書室から自室に戻る時に聞こえるフィリップの歌声は、金糸雀のようだとも思うのに]
フィリップは、鳥だわ。
[だから私はもう一度、そう言った]
[ 僕を鳥だと 祈るように願うように響く声
いつもの彼女には珍しい 力が篭められていて
朝靄の図書室で 彼女の羽を羨ましがりながら
その翼が本来拡がるべきだった
外の世界の夜空の話をしたときにも おなじように
彼女は、僕も同じ鳥だと 言ってくれた。
あの時伸ばした手は 彼女の羽に届いただろうか。
瑠璃の目に憧憬ばかりを乗せてしまうのは
彼女には少し迷惑だったかもしれないけれど]
僕も夜空に行けたら、唄うよ。
………鳥だからね。
[ それでもやっぱり彼女が居なければ夜空は行けないから
小さな声には ちょっとの苦笑が混ざった。]
―――頭を撫でれば、落ち着くんですかねえ……
―― 一間 ――
[
――体はともかく、その実験体の心は今度はどこにいくんだろう。獣かひとか。新たに宿った獣だろうか。
心、と梟の告ぐそれ
同じになれるわけがない、という2人の声に淡く頷く。どうしてもわかりあえないのなら、いっそ領分を分けてしまえばいいのに。]
ああ、…あそこ。ありがとう。
[
[ 2羽の“とり”の声をききながら。
ひたりと水に浮くよう、“よぞら”に映るその姿を描く。
夜のそらを縫う彼女の姿は。彼がうたう姿は。きっととても、冴え冴えとはえるのだろう。
合間、漏れ聞こえた
――やがてぐるりと頭を回し、声の正体を探りながら。
これなら、ひとに見つからずこっそり相談事もできるんじゃないだろうか。――例えばそう、「自由」を得るための。
実際反抗を図っている針鼠の彼女
……誰かと出て行こうとか、思わなかった?
[ 首を傾げては、小柄な体を思い返す。針があるとはいえ、少女めいた体躯では限度があるだろうにと。
――そういえば、同じくらいの“猫”の少女もいた気がするけれど。ここでの声は聞こえているのだろうか、とぼんやり思い巡らせながら。]
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ プール ] (188) 2015/07/11(Sat) 20時頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ
(189) 2015/07/11(Sat) 20時頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ[ ―――やがて、僕はその鼻先を、摘み引っ張った。 ] (190) 2015/07/11(Sat) 20時頃 |
[私の知らない、あるいは覚えていない、外の世界の夜空の話を聞いた時
伸ばされた手には、瞬き一つ分の驚きを示したけれど、フィリップの翼への憧れは知っていたから、そっと翼を広げてみせた。鳥籠で生きていくには大きすぎる私の翼を。
伸ばされるフィリップの腕の蒼碧や、真紅の爪を私は綺麗だと思うから。だからきっと、それはおあいこなのだ]
楽しみだわ。
[きっと、そんな日が来ることは、ないのだろうけれど。
それでも、そう返した私の声音には……そう、“幸せ”の色が、きっと微かに混じっている。そんなもの、私は知らないはずだったのだけれど。
私の翼は、一人で飛ぶにはきっと少し大きいから。
外の世界の夜空は、一人で飛ぶにはきっと広いのだと思うから。
飛べないフィリップの声には苦笑が混じるけれど、それを言うなら私は歌えない。だからきっと、それもおあいこなのだ。
――――……きっと。きっと。きっと。
そんな日は来ないのだろうと思う未来に、私はたくさんの「きっと」を重ねていく]
[ 梟と鸚哥がそらを飛ぶ。 星の欠片の流れるそらで。
その場にいれば、僕は首を擡げて彼らを見つめるのだろう。
きらきら照らす、ひかりの舞台で、 彼らが踊るさまを見届けるのだろう。
手元に揺蕩う水中では、 鮫が呼ばれて来るのだろうか?
水に堕ちた月に肌を重ねて、深海のくろに夜空のくろが混ざり合うことも、あるのだろうか。
僕は陸続きの岩場で、 空を眺めて、そのまま夜が明けるまで。―――]
―――――。
[ はた、と僕は目を瞬かせた。 いま僕は何を考えていたのだろう?
こてりと首を傾げると、やはり口元の機械がかちりと鳴った。
ぼうやりとした思考の奥。
………。
[ 締め付けられる胸は、なんだろう? 僕はぎゅうと胸元に手を当てたまま、 引き続き耳を欹てた。 ]**
[ジリヤへと投げかけられた質問
抗い続けるジリヤですら、ここから出られるとは思っていない
誰かと一緒なら、出ていけると、思っているの。
[私のその呟きは、質問だったのか、それともただの独り言だったのか。
私自身にも、その境界は酷く曖昧で、だから返事が来ることは、期待していない。
声の主に、漏らした寝言を聞かれてしまっていることも、知らない]
["猫"である私にも、当然獣たちの言葉は届いていた。
けれど、人間への感情も、外への思いも、何もかもの価値観が、私とは異なっている者たちに。
それらの事で、何を言う事があろうか]
【人】 鉱滓地区 チェビイ
(249) 2015/07/12(Sun) 01時半頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ
(251) 2015/07/12(Sun) 01時半頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ ……君はどうしたら、” ここ ”で、誰かを食べないでいてくれる? (253) 2015/07/12(Sun) 01時半頃 |
【人】 鉱滓地区 チェビイ ねえ、モスキート。お腹が空いたなら、ご飯たべようよ。 (255) 2015/07/12(Sun) 01時半頃 |
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