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[私の得た情報は、獣たちに共有されるべきだろうか。
しばし悩んで、結局答えは出せない。
確かに月見は暖炉の中に消えたけれど、そしてそれは、獣たちには知らされていない“どこか”への通路なのだろうけれど、必ずしもその行き先が、外の世界とは限らないのだ。
考えなしにその情報を伝えて、例えばジリヤが、例えば“誰かと出て行く”ことを呟いた鮫
私はそんなことに、責任を持てない。
自分が無表情で、無感動でよかったと思うのは、こんな時だ。
私は、とても隠し事をするのに向いている]
[ひとまず、保留にして、口をつぐむことにした私は、まだ気づいていなかった。
いつも自分が通う第二図書館に、この施設の地図がある
―― 一間 ――
[ 独り感想じみて投げていれば、返答がなくとも構わなかった問いに。聡明な
…――あたまは、多い方がいいから?
[ 大人しくここで過ごすことも、抗うことへも。誰かに口出しなんてするつもりもなく。また自ら“うみ”をのぞむからと、力添えを貰うだとかそういった事も毛頭、期待して投げたつもりもない。
単に同じ目的を持つ者がいるなら、1人で動くよりは、と。疑問を口にしたのみだった。
――ふ、と流れでゆるく、梟へと意識を向けかける。無感情な奥、彼女が口を噤んでいる
一緒にでてみる?
[ ――そらへ、と語る先ほどに噓は見えなかった。
ただ、といつかどこかで聞いた”愚か”の響きを思い返しながら。勿論、容易なんて考えもなく、その先の保証すらできず。種族的な問題も自身あれば、本気で誘い込むつもりもなかった。断られたにしろ、そうか、と頷いたのみだろう。
――もし梟との会話が続いたなら、そういえば、と。”かあさま”の響きを思い返しつつ。以前誰かを呼んでいたか、と。聞き慣れない「なまえ」に首を傾げては、軽く投げながら。]
――おはようございます。
[我々は「今日も今日を守」っていくのだろうか
――それとも?
そんな事を考えながら
マイクに向けて朝の挨拶をごく小さく呟いた後。
こくん、と煎茶を飲み干した。]**
ええ、ええ。 …おはようございます。
朝ですねえ……。
[ かちりと鳴った機械のそば、男は眠た気に挨拶を返した。
今日も今日とて大扉の前、犬と戯れつつ 。――ああ、久々に上に出るのも良いかもしれないと、思う。 ]
―――変わらない、朝だ。
[ マイクの奥、向こう側。 食事を共にした輩が何を思っているのか知らずに。 管理人の上、総監の昨日の声などとうに忘れた。
―――どうせ、今日も今日は、変わらないのだろう。
諦念じみて、また怠惰に思考を侍らせる。 ]
おはよう。今日も頑張っていきましょう。
[いつも通りの管理人たちの朝の挨拶。
アキラとヴェスパタインの声
あら、今朝はお寝坊さんがいるのかしら。
[未だ聞こえぬノアの声に、
嫌味のひとつでも言ってやって。
今日も変わらぬ1日が始まる]
[耳を澄ませば聞こえてくるは同僚の声。
彼は眠たげな声に引きずられるよう一つ目を擦った後、
繰り返される「朝」の単語にゆるく、首を傾げる。]
アーロン君は……大扉の前かい?
[今日もあの同僚は「朝が来た」と思いながら
扉の前にいるのだろうか。
昨日の言葉を思い出しながら
小さく笑った。]
地面に潜っても朝はやはり朝だからねえ……。
[諦めたような言葉を吐けば、
アマルテア
そうだねえ。頑張ろうか……。
メティス先生はご無理なさらず。
[いつも真面目だからとつけたして]
……。
寝場所が悪くって風邪でも引いたかな。
[嫌味に、ぽつりと続け、よっと立ち上がった**]
……ええ、大扉の前に。
[ ―――昨日の出来事から、幾許か。 針鼠の彼女と別れたのち、暖炉を潜り抜けたその先。 身構える大扉の横、尋ねられたこと
本物の畜生ならば、情も掛けずに済んだものの ……。
[ ――完全なる人と、不完全な獣人。
互いを結び付けるのは、大きく異なって、また同じの――「 人 」の一部なのだろうと、 ちいさく、ちいさく囁く 。
そうして女医の揶揄いの声
[あたま、という回答
頭数が多い方が、脱走の成功率が上がる。……囮に、できるから。
そんな印象はきっと被害妄想で、私は自分が思った以上にナーバスになっていることを悟る。
隠し事のせいだろう]
行かないわ。
……少なくとも、今は、まだ。
[だから、続いた誘いの言葉
私は、外に出たい。外の世界に行ってみたい。
その気持ちは本物だけれど、だからこそ、軽はずみな行動は避けなければならない。
私は、抗うために抗っているジリヤとは、違う。
私が行動を起こす時、その行動は手段であって、目的ではない。
だから、計画は周到に練られなければならないのだ]
[そんなことを考えていたのに]
私が、誰かを呼んでいた?
いいえ、知らないわ。
[人との接触は少ない方がいいと考えている私が、誰かの名前を呼ぶなんて、考えられない。
問い
何のことを言っているのかしら。
[…………
『本物の畜生ならば、情も掛けずに済んだものの ……。』
その小さな小さな囁きに、軽く首を傾げて、彼は歩く。]
情、か。
それが友情か同情か恋情かはさておき
向き合い長らく暮らしていれば情も沸くだろうさ。
君も彼らも「人」だもの。
[人ならば人情には逆らえぬ。]
……君は困惑でもしているのかね。アーロン君。
[穏やかに問いかけて、小型マイクから口を離し]
[ 殆ど予想していた梟のこたえ
“すくなくとも、――”と、慎重に足した梟に、
いつかは。とそらをとびうたう2羽の姿を思いめぐらせる。
いつかは。彼女だけでない、他の「同胞」たちも、“手段”をとるときがくるかもしれない。
――うみに標を立てるように。失敗するにしろ、成功するにしろ。何かしら“そと”へのそれを残していけるだろうか。
……ただ。それが必要かも、”いい”結果を結ぶかも分からず。ましてそんな余裕があるかすら知れなかった。*]
……、気のせい?
[ “知らない”とキッパリ
あれは――、と思い返すうちに。もし彼女が意識を逸らしたり、また会話を閉じることがあれば、それまでに留めただろう。]
“ かあさま ”。
[ ――やがてぽとり、と。その「なまえ」の意味すら知らなければ、不完全な音程で落としたそれは、届いたのだったか。
よんでいる、と自分は思ったけれど、もしかしたらなまえですらないのかもしれない、と巡らせながら。もし彼女が声に含めた不審を一層濃くするようなら、それ以上を切り上げる事も考えつつ。]
だーれが寝坊だってハナシ
[寝起きで不機嫌な声のままマイクを取れば、そう呟いて
尤も、そんな会話をしたのは一体どれくらい前の事だっただろう。反応が遅い事から完全に寝坊であるし、聞いていたかも怪しい]
この施設に畜生なんか居ないぞ、と
居るのは……
[ふと、自分の過去を思い出す。けれど、それを管理人全員に言う気にもなれず]
…いや、なんでもないぞ、と
気にしないでくれ
[言葉を飲み込んで。それから詮索を拒否するようにマイクを切る**]
[私の質問に、返ってきたのは長い沈黙
勘違いか何かだったのだろうか。というか、そうとしか思えない。だって私は、誰かを呼んだ記憶などないのだから。
そこで、話は終わったのだと、そう思った時に、不意にその言葉は落とされた]
[“かあさま”]
[それは、初めて聞く言葉のはずで、私には縁のない言葉のはずで、それなのにどうして私は、こんなに衝撃を受けたのだろう。
どくりと、心臓が脈打ったのだろう。
私のどこかが、警鐘を鳴らす。言ってはいけない。いや、その言葉で“呼んではいけない”
それなのに、私の唇は。口数の決して多くないはずの私の唇は、その言葉を鸚鵡返した]
………………かあさ、ま。
[初めて口にする言葉のはずなのに、妙にしっくりとその言葉は私に馴染んで。
そして私の唇は、聞いていない言葉まで勝手に綴る]
とう、さま。
[何だそれは。そんなもの、私は知らない。
知らない、はずだ]
― 寸刻 ―
………どうしたの?
両親が、恋しくなった?
[ 僕にとっては 特に珍しくもないふたつの単語
博識なはずの梟が 譫言のように呟いたのを聞いて
僕はまさか「知らない」なんて想像だにせず
軽率に、ことばを投げる。
そういえば僕も両親の顔は知らないな、って
そばに居てくれたのは ”兄さん” で
兄さん。 にいさん。
記憶の靄はまだ晴れずに 背中だけがほうやり浮かぶ。
赤い鸚哥が 僕の傍で 『 ガア 』と啼いた。]
[ 鸚鵡返しに落とされた“なまえ”
黒い瞳の奥底で、警鐘が鳴らされているとも知らず。同じ声音から溢れたそれにやはり、聞き間違いではなかった、と思いながら。
容量を超えた水があふれるよう、つづいたあらたな“なまえ”を、自らも口内で転がす。とうさま。*
だれかの名前だろうか。
もし彼女が少しでも、己の踏み込みじみた言葉を避けるようであれば。と、面体の下口を噤み。
――それでも、彼女が未だ耳に自分の声を届かせたなら。本に触れ、“おおく”をしる梟へ純粋に尋ねるように。
“ かあさま ”“ とうさま ”
と、微かに低い己の声に反芻しては、
――それは誰のこと? と、初めてしる“なまえ”に、首を傾げただろう。ここのだれかだろうか、それとも、と。レンズ越しの目を細めながら。]
[フィリップの声
そう、それは、両親を意味する言葉で。それくらいは、私も知っていて。
そして、私には縁のない言葉のはずだった。
だって、私はそんな対象を知らない。そんな風に呼ぶ相手を知らない。知らない、はずだ。
“父”でも“お父さん”でも“お父様”でもなく、“とうさま”
甘えたようなその呼び方。意図せず唇から零れた言葉に頭の中は嵐のようだ]
そんなことは……ないわ。
私には、そんな人……いた記憶が、ないもの。
[そんな返事をしながら。どこかから、訴えかける声がする。本当に? 本当に? 本当に?
胸の奥がぎゅっとするような感覚に襲われながら、私は表面的には平静を装い、無邪気な質問
母親と、父親。両親のことよ。
私たちを、この世界に、送り出した人のことよ。
―― 一間前 ――
[ だれ、と投げる寸刻前だっただろうか。
うたう彼の声
――だれのことをはなしているんだろう。鳥の2人がしるのだから、“ここ”のだれかだろうか。と勝手な憶測を巡らせる。
もし彼女の意識がそちらへ向くのを確認したなら、最後の問い
2羽の会話から、そのだれかをしることはできるだろうか、と。声をかけられでもしなければ、以降は黙って、ただ耳をたてていたことだろう。*]
【1:52】/【仕事】働きたくないそんな貴方に【やめたい】part52
52 名前:パズルの暗号は774さん:2XXX/9/A(月) 時間:XX:XX
ID:njsLYrai
ケツ拭いた紙で鼻かんだ奴が今まで最高に優勝な死にたさだけど、罪背負って生きるのって超死にそう
特定怖いから隠して言えば取引先の都合の良い事したら自社に影響ある感じ
>>=XX
(・∀・)カエレ!!半年ROMってろ
【1:53】/【仕事】働きたくないそんな貴方に【やめたい】part52
53 名前:パズルの暗号は774さん:2XXX/9/A(月) 時間:XX:XX
ID:njsLYrai
嫌味な同僚が押しかけてきた、居留守きめこみt
うみじゃ、ないから。
――……さみしい、 ……
[さみしい、と声が聞こえた
少し前までなら、理解できなかっただろう。私は、何よりも孤独を愛していたのだから。
からからに乾いた心では、自分がさみしいことにも気づけない。
さみしいというその声の主は、きっと願いがあるのだと思う。
満たされない何かがなければ、さみしく思うことは、ないのだから]
どうか、したの。
[返事をしてから、気づく。
この声の主は「鍵」を持っているという獣ではなかったか]
―――……、
[ あれ? いま僕は、なにと言ったのだろう?
「 さみしい 」―――僕はもう一度そう言った。
しくりと、胸中蟠るなにかが頷いた気がする。
「 さみしい 」 『 どうして? 』
―――どうしてだろう 。クエスチョン。 アンサー。 ……それは、 ]
どこかへ、 行ってしまうから
[ 『 誰が 』と、『 なにが 』と。
僕は続く言葉を並べることは、できなかった。
ただひたすら、 ” ” 。 ]
―――君も何処かへ、行ってしまうの?
[ 「 いきたいの、 」 なあんて。 僕は平生と同じ錆色を灯して、声を奥に投げ込んだ。 ]*
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