174 蝕魔の苑 ―学園編―
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………目覚めなさい。
時が来たのよ。貴方の……貴方達の本当の姿を解き放つ時が。
理性の枷を捨てて、本能のままに宴を楽しみなさい。
内側から蠢く衝動に身を委ねなさい。
それはとてもとても気持ちの良い事なのよ。恐れる事ではないの。
さあ、襲ったり襲われたりしなさい。
犯したり犯されたりしなさい。
この閉じた世界での、明けない宴の始まりよ………
[それは彼らの中に知らず忍び込んだ蝕魔の種に囁きかける。
その衝動に自我を飲み込ませてしまうのか、それとも理性を残したまま望む通りを叶えるのか、…それは彼ら次第ではあるけれど。
一つ確かなのは、声が聞こえた者達にも備わっているという事だ。
タバサと同じ、蝕魔を思い通りに扱い、人を犯し、精神を冒し、肉体を好きに変造させる力を……彼らも持っているという事。]
ズルリ。
[彼の蛇がトレイルに巻き付き笑った瞬間、自分の中で何かが蠢く感覚を覚える。
そして、悟る。]
ーーーー愉しいことが出来る。
[フィリップの口角は上がり、蛇は嗤う。]
[じく、ぐちゅ。
じゅくり。
内の何かが目覚めるような感覚眩暈を覚えた。
見るだけではあきたらない。何か。]
ー〜?!ーー!!!
[人であった物は人でなくなったのだろうか。
わからない。
だが確かに言えることは
欲が膨らむ音が聞こえたこと。]
……ぁ、
[夢の中に響く、甘く優しい声。]
ほんとうの、すがた?
ほんの、う?
[身体の奥、甘く甘く痺れる。内側で育っているのがわかる。]
好きにして、いいの?
[そう、例えば復讐とも言えぬほどに子供染みた仕返しなども。]
……そうよ。好きにしていいの。
[ふと、聞こえた声にほくそ笑んで言葉を返す。]
あなた達にはできない事はないし、やってはいけない事もないわ。
…あるのはできる事と、やっていい事だけ。
[体内で根を張り、蠢く生命は宿主をも少しずつ変えていくだろう。その結果まではさすがの自分も知る事はないが]
……楽しい事、できるといいわね。
あぁ…なんて…
愉しいんだろう……!!!
[トレイルの歪んだ顔に。色のある声に。
そのすべてがフィリップに愉悦を与える。
嫌いな人間の苦しむ顔が見たい。
見たい。
見たい
見たい
見たい
見たい
見たい ]
僕をもっと愉しませろ。
[スティーブンに這わせた蛇は囁く。]
先生。僕も混ぜてよ。
クラリッサを、僕の愉悦に使わせて?
[それはまるでおねだりのような。]
[親しくしている生徒の蛇か。]
ああ、いいさ。
ゆっくり、蝕ませていきなさい。
[欲に支配のされた教師はそう笑った。]
……ぁ、
んぁ、ぁ、ぁ……
やぁ、ン……
[喉の奥で、はらわたの中で、孵り蠢き育つ無数の触手。
それらが滲ませる粘液が、熱を孕ませ、感度を上げ、脆弱な身体に活力さえ与える。
中から張り裂けそうなほどとても苦しくて、けれどそれ以上に気が狂うほど心地良い。
ああ、もっと苦しくて辛くて気持ちいいのを…ください。]
あぁ…本当になんでも出来るんだ…
あぁ!素晴らしいじゃないか!
ねぇ、見てるかい?ヴェスパタイン?
君のご主人のあられもない姿を!
見てないのなら…魅せてあげるよ…僕からのプレゼントだ♪
[教室にいた一匹の蛇がヴェスパタインに近寄ろうとケージを抜け出す。
彼の元につけば、頚に噛り付き、蛇たちの見ている彼の姿が脳内に焼き付くことだろう。]
……ぁ……ぁ………、
[蛇の毒が回る。身体中が熱い。
腹の中に産み付けられた触手が蠢くたびに、苦しくて、とても甘くて。
熱を増した怒張に触手たちが擦り寄って締め上げる。それすらも心地よくてまたひっそりと達した。]
堕ちた♪
見てみな♪
彼奴が堕ちた♪
見たことあるか♪
こいつの姿♪ 最高だね♪
[刺激的な"現実"。そうだ。もう、戻れない。]
…見たよ。
見たよ。
いいざま、だ。
[嬌声に混じる、クスクス笑う気配]
トドメは君がさしてあげればいいさ
キット、キモチイイカラ。
[ヴェスパタインの隣にいる蛇が嗤う。]
堕ちたイヌは君のモノ。
ほら、迷うことはないさ…。
3人で、悦楽に溺れる姿を、僕に魅せてよ。
[結局は自分の新たな刺激と快楽のため]
……うん。
あいつも、こっち側に堕ちればいいんだ。
[クスクス、クスクス。無数のざわめきは、苗床の中で育った触手たちの嗤う声]
『オレ ハ スキ ニ スルゾ』
さて、どこまで入ろうか。
せんせ、も…あそぼ?
[ざわざわ…物欲しげにざわめく。]
……あら、その声は…先生?
[生徒だけではなくて、教師も閉じ込めていたか。あの場にいた者達の顔を思い出す。けれど、聞こえる声は常のスティーブンとは違っていて。ふとつぶやいた]
……そう、あなたも目覚めたのね。
みんな、どこかの教室で大勢集まって、楽しいパーティー中といったところかしら。保健室にもまだ誰かいたかしらね?
『アルジ ?
タノシイ モウ ガマン ハ シナイ』
[遊ぼう遊ぼうと誘う声は子供が友人を輪に入れるときのような魅力。
自分の生きた年数も忘れ、欲を滲ませる。]
[再び謳う。
今度は違う謳。]
可愛い小虫。
可愛い小虫。
大きくなれや。
大きくなれや。
[籠は砕け、数匹のコオロギが30cm程になる。]
謳えや謳え。
[小さな触手を無理やり肥大化させる謳。
早く精を与えなければ、枯れてしまう。けれど、進ならばきっとすぐに育ててくれる・・・と。]
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