202 月刊少女忍崎くん
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[なお、そのときに「江入 ひみこ」のP.Nで
(名前は氷見山と相談して決めた)
寄稿した読みきりの作品は、当時から月刊マーマレード連載中の
「恋バナっ!」の雰囲気とよく似た内容であり、
そこから笠原が目ざとく忍崎の正体をかぎつけ、
笑顔で取材にやってくることにもなったりしたのだが、
それはまた別の話である。]
[──ともあれ、そんな氷見山を介した縁で、
忍崎は文芸部と繋がりを持つようになり、
不定期発行される『珠玉』の入手も随分と楽になった。
そして四月になり、新入生が入ってからは
文芸部にヘルプを頼まれることはなくなっていた。]
へえ。文芸部にいい新入が入ったんですね?
["早乙女スピカ"。
その名前を知ったのは、氷見山との作業中、各部活に入った(漫画的な意味で)注目できる新人の話を聞いていた中でのことだ。]
[ぱら。と作品を読むと、そこには誰にも読みやすいように配慮された童話がつづられていた>>+8。
情感豊かに息づく世界の中で、
登場人物たちは、
生き生きとした表情をみせる。
不可思議の中にも切なさと温かみが同居した
星を集めるこどもたちの話。]
[スピカの名前に似合う作品を読み終え氷見山へと顔を向ける。
走りきった後のような、爽快感のあるいい読後感だった。]
どんな子なんですか?
[こんなに爽やかで素敵な話をかける人物なら、漫画のネタになるかもしれない。──そう思い正体を聞いてしまったのが、正解だったのか間違いだったのかは、今でも、よくわからない*。]
(いや、だって まさか
あの話の作者が
あんなだとは思わないだろう……!)
[氷見山から"早乙女スピカ"の正体を聞く少し前に、
ススムから"新聞部の新入部員"のストーカー 基い
強烈な取材については話を聞いていた。
聞いていてしまった。
それゆえ、激しく衝撃を受け、「ェ"っ」 と、
濁った声で驚いてしまいはしたが、作品に罪はない。
作品に罪はない。連載を持つ際に編集部から、
「やはり先入観をもたれないように、
男だとはバレないようなP.Nで──」
と言われたことが妙にはっきりと思い出されてはしまったが、
作品がすばらしかったことに代わりはない。]
[よって、衝撃の事実が発覚したのちも、
早乙女スピカの童話が載った、
その『珠玉』は、幸か不幸かその後>>+7
ススムに見つかるまで、
忍崎の家にある本棚の一角に収まっていたのだ──]
──回想:ススムと『珠玉』──
[曇天のため、部活が中止になったその日。
家に寄ったススムが「これいいな」と、持ち出してきたのが、
"早乙女スピカ"の童話が載った『珠玉』だった。]
ん"ッ あ いや……いい……話だな
[>>+9 一度目を通した話を丁寧に読み聞かせてくれたススムに返せたのは喉で詰まらせた声だった。]
[確かにいい話であることに異はない。
なかった。──なかったのだが、
どこか晴れやかな顔をしているススムの顔に
白銀に振り回されて胃を抑えるススムの姿が重なる。]
(……黙っておこう……)
[やはりちらつく編集部曰くの、「先入観」という言葉に、
忍崎はそっとススムに"早乙女スピカ"の正体が、
彼を追い回している少女、白銀 真弓であることについて、
硬く硬く、口を閉じる決意をした。]
[白銀も寄稿の際に本名を使わないあたり、作品を読んで欲しい気持ちはあっても、自分が作者だと吹聴する気はないのかもしれない。
ススムが直に白銀に対して早乙女スピカの作品についての良さを熱弁するような事がなければ、白銀本人がいきなり、自分が、早乙女スピカだと言うようなこともないだろう。
忍崎自身が唐突に、「実は自分は星野しのぶで……」と
自分語りをはじめないように、
きっかけなしで白銀から話す可能性はほぼ無いように思えた。
氷見山から聞いてしまう可能性については、
後日、ススムと氷見山が揃った場で、
見つかりたくない作家心理について言及し>>+11、
ソフトに釘をさしておいた。
そちらの効果の程はわからないが、その後、
ススムが早乙女スピカの正体に気づいてしまった様子はない。
忍崎なりのススムの胃防衛作戦は、
なんとか上手く行っているように思えていた。
ひとまず、──*今のところは*。]
──お化け屋敷内──
[明るい場所で普通にしていればまだしも、
引き結んだ口に、吊りあがった眉尻、
眉間に皺を刻んだ上に、一点凝視が重なり
一見するだに「ガンをつけている」としか
解釈のしようもない面構えだった。]
……、
[正面から見るほど、
眼力が強すぎて怖い。]
(…… この柳は本物か?
よくできてるな。
暗い中の影は、今覚えておかないと…)
[考えているのは、作画のことなのだが、
そんなことは外部に伝わるはずもなく、
脅かす側が客の目つきに逆にびびらされるという図が、
一部でのみ発生していた。]
[前方からは『なんかお経が聞こえる!?』>>+40と、客から悲鳴が上がったりもしているが、忍崎付近であがる悲鳴は暗幕の向こうから聞こえている気配があった。]
(なかなかおばけ役が出てこないな。
いつ来るか──と、構えさせて、
一気に、という演出か?)
[なるほど、緊張感を高める演出か。
上手いな。などと納得しながら、
暗闇の中をずいずいと進んでいく。]
[もとより作り物を怖いと思う感覚は
忍崎にはいまいち薄かった。]
(雰囲気づくりはかなり上手いが、
まあさほど怖くはないな)
[これならば、「〆切りの前倒し」「自分の好みを押し付けてくる編集」「ネタ切れ」「完成原稿の上に墨汁の海」「スランプ」「全没」
「ぎりぎりでの郵送ミス発覚」──etc.の方がよほど]
…………
[と 考えて、キリキリと痛む胃を抑えた。恐ろしい。
おそろしいすぎる。どれも背筋が凍る。]
…………
[自分の思考にダメージを受けて、
緊張感は先ほどよりも高まった。
(漫画家としての)恐怖を覚えたせいで、
心臓が普段よりも脈拍数を増やす。]
────。
[微かに乱れた呼吸を整え先に進むと
前方に「いかにも」な井戸が見えた。]
[── 微かにボウッと見えた光は、
人魂か何かの表現なのだろうか。]
…
[一呼吸ののち、口を引き結び、常より緊張の面持ちで
暗がりにある井戸に差し掛かった。]
[井戸手前まで来ると、女声の歌が流れだした。
歌詞に、何がだ。と思うもつかの間、
井戸の暗がりから、
人の手がずずず……と現れた。]
…!
[目を瞠り、ぎょっとして僅かに身を引く。
感情を乗せた声音は迫力たっぷりであり、
実に、実に、真に迫って聞こえた。]
[──ガシッ!!っと力強い動作で、
地面についていた手を掴む。]
…井戸に…
落ちてしまったのか…!
[銀髪のヅラに女装に完全に誤魔化され、相手がススムだとは
「 全く 」気づかないまま、固まった井戸幽霊の顔を、
忍崎は、さきほどよりも険しい顔で見止めた。]
― 去年、文化祭前in忍崎宅 ―
そうだ、忍崎、一つ頼まれてくれね?
[アシ作業中、ふと思い出したことを声にする。]
文芸部が文化祭に部誌を発行するんだけどさ、
出来上がってる作品が少ないらしんだよ。
で、どうにかならないかって話が舞い込んできたんだが、
ひとつ、どうにかならないかね…?
[手を合わせてお願いすると、小考の末にOKを貰った。
形は問わないと言われていたため、台本形式も全然OKと。
ちなみにP.Nから誰かバレたらしく傘原はまず俺に星野しのぶかとド直球をぶちかましてきたが、なんとか誤魔化したものの、次は二年へ行くと聞かない。こんな経緯で、傘原は忍崎が少女漫画家だと知っている。
その後ひみこって何よってかれこれ一年近く弄られてるので女性名にした忍崎はゆるさん(ふんぬ]
― 今年、少し経って ―
[ちなみに俺が毎号手に取る事ができる『珠玉』。どこから手に入れているかというと、実は普通の生徒と同じ。部長から何処此処に置いたから、と教えてもらって、そこから取るようにしている。
なにしろ、隠されているものだから、場合によっては一冊も手にとってもらえないこともあるらしく。ある意味宣伝なわけだ。俺が図書室かどこかで何気なく『珠玉』を手に取れば、それを見られるが他の生徒の興味を惹く切っ掛けになる、と。
そんな一冊を、忍崎に横流ししているというわけで。]
そそ。丁度今号に乗ってるから、見てみなよ。
部長が嬉しがってたぜ、華が出来た、って。
[彼も気に入って。
どんな子か、と尋ねられれば、
あー、うん。オフレコでな。と堅く約束をした。]
[真弓ちゃんが熱心な子だとは知っていた。
駿くんが気苦労の多い子だとも知っていた。
二人の追っ掛け追っ掛けられも大変そうだけど面白そう、
くらいに見ていたのだが。
忍崎が作家心理を説いた時には俺はそういうものかと納得し、駿くんも合点がいったのか"誰々"が誰なのか知りたい、と口にしなかった。そのようなニアミスが、俺がススム→早乙女スピカを知らなかった理由。
そう、駿くんから伝言頼まれてんだけどさ。
真実を知っちゃった俺は真弓ちゃんに正しく伝えるべき?
こういう時どうする、どうする、どうすんのよ ――俺!!*]
──おばけ屋敷──
[──井戸幽霊の手を掴んだそのとき、
丁度、忍崎の脳内ではきっと来る〜という音楽に乗って]
(とある壊れた井戸で、
夜に恋人と待ち合わせをしていたが
指定の井戸以外にも
壊れた井戸があることに気づかず、
きっと来る、と冷えた夜の間も
長く待ち続ける間に、
足を滑らせて水の中に落ちてしまい、
水死してしまったが、
それでも尚、いまでもきっと、と
恋人を待ち続ける哀れながらも
一途な幽霊なんだな──)
[泣ける。という思考が走っていたが、
当然、内心の全てが伝わるわけもない。]
[── 追いかけられる前に機先を制し、
語り始められた身の上話に、
コク……と、謎の頷きを見せて、
そっと手を離し、励ますように肩を叩いた。]
そうか……
書生は娘衆の中では人気があったが
しかし清貧のさなかに暮らしていた。
彼此の富裕の差を気にはしていたが、
あなたの真っ直ぐな想いは、
肌寒くなってきた秋風の中でも
温かく胸に灯る陽のようだと
ずっとともにいることを望んでいた。
花に玉となった水の雫に映る
あなたの顔をみたいと、
文をおくったはよかったが、
井戸に寄ってた書生がみたのは、
ぐらりと落ちる娘の袖の花と
暗い井戸のそこから響く水の音だった…
書生はこれはもしや
ついには引き離されたかと
ひどく胸が苦しくなった。
あなたは知らないことだが、
或る雨の日に、父君の使いが、
もう娘には近づくなと、
書生に言っていたんだ……
あなたを待つあいだ、
井戸に腰をかけるのが好きだったのは
男のほうだった。
書生は涙を零した。
水の底へと
暖かな雫をぱたぱたと。
その心は涙の雫に溶け、
一筋に井戸の底へとはしる。
彼のこころは今でも
あなたと一緒だ──
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