人狼議事


137 海の家 『nave Di mare』

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[メールをみて、少し慌てる。そういえば誘われたまま、何も言ってなかった。
文面を見るに、いろいろと予想はされてそうだけど、焦りながら返事を打つ。]

「TO:トレイルさん
 Title:すみません

 もしかして、待っててくれてましたか?
 お手伝いもですが、ちょっと、予想外のできごとが。
 ふわふわがきらきらになりそうなので、
 俺、頑張ります。
 トレイルさんも、頑張ってくださいね;)
 今日はわからないですけど、明日は、きっと行きます。」

[ピッと送信。]

 ……顔文字、可愛い。超意外。

[それに合わせて、絵文字や顔文字はあんまりつけたことはないけど、つけてみた。]


[キッチンに向かいながら、メールを一通。]

「TO:トレイルさん
 Title:無題

 いきなりすみません。
 緊張して、女の子に触れないときって
 ありますか。」

[トレイルに一体何を聞いているのだろう。
そんなことは思うけど、こんなことは今までなかったことで。
友人に相談なんてしたら絶対バカにされる。
そもそも相談とかあまりしないのだけど。
気を落ち着かせるためなのか、送らずにいられなくてそのまま送信してしまった。]


 ―五年前の日記―

 △月◎日

 今日は珍しく雨、台風も近くに来てるらしい。
 お客さんがいなくて良かった。
 そう思っていたら、たった一人ずぶ濡れになってやってきた。

 オレンジの髪、胸元のタトゥー。
 恐い見た目の割に優しい人だった。
 雨戸を閉めるの、全部手伝ってくれたし。
 夜には本当に嵐になって、雷が鳴るわ停電するわで。
 だけどずっと傍に居てくれた。
 肩を抱いて寄り添って居てくれたの。

 好きになるのは一瞬だったわ。
 時間なんて関係なかったの。

 でもそれはそんなに簡単なものじゃないって。
 アタシは、あのヒトの瞳を初めて見た時からわかってた。



 △月#日

 あのヒトに告げたの、アタシの事。
 隠さずに全て、嫌われることも覚悟で。
 だけどあのヒトは何も云わずに、私を抱きしめてくれた。
 それから立った一度だけ、額に唇を寄せてくれた。

 その日の夜、アタシたちは一緒のベッドで眠ったの。
 やましい事なんて何もなかった。
 ただ、寄り添って眠ってくれた。

 部屋の歌鳥たちはきっと知っていたから。
 だから鳴かなかったのね。
 



 次の日の朝、あのヒトはいなくなっていた。
 家中を探した、隅から隅まで。
 暫くして玄関に、数日分の宿泊代と書置きの手紙が置いてあったのを見つけた。
 アタシはそれをみて、泣く事しか出来なかった。

 嗚咽はひとつも出なかった。
 だって、それは初恋だったから。
 




 『タバサへ』

 大きくなったお前を見られて、よかった。
 お前がどんな姿をしていても、お前はお前だよ。
 ありがとう、ごめんな。

 Hector=Estate
 
 



 『ヘクターおにいちゃんへ』

 大切な人が、できました。
 アタシはアタシなりに頑張っています。
 貴方もどうか、お元気で。
 
 Tabitha=Estate
 


[潮風に吹かれるタオルの合間にはさまれたスマートフォンは、数件のメールを受信していた。
男がそのメールに目を通したのは送信された時間の少し後、今更返事をしても遅いかも知れぬと、しかし指は自然と動き]


『TO:サミュエルくん
 Title:無題

 女の子に限らず沢山あるよ。
 緊張してマイクに触れないときも。
 でも、触れられないってことは
 それだけ大事にしたい、ってことじゃないかな?』

 ……サミュエルくんなら、大丈夫。

[文字にはせず、ただ呟くのは願いか祈りか。
返信の文面は、あっという間に電子の海へと飲み込まれた**]


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