197 獣ノ國
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[此方の出した"条件"に、睨むように向けられる目>>119。それには戯けたように眉を下げて見せながらも、条件を取り下げたりなどするわけも無く。 しかし名を聞き出せた時の小さな意趣返し>>120には、参ったように苦笑を返しはしたけれど。]
…確かにそれは、私が言った台詞だ。 参ったな…それを出されると、君の姓を問いただせないじゃあないか。
[痛みに寄せられた眉には、微かに目を細め。だが流石に触れた指を口に含まれるとは思って居なかったのだろう、感じた生暖かさには、細めた目を見開きはしただだろうか――ついでに、軽く擽るくらいの"悪戯"と共に。]
…まぁ、一先ずはそれで満足しよう…"ヨハン"、美しい名じゃあないか。
――……なら私も約束を果たそうか。 ヨハン。君が、"私を知りたい"と…言ってくれたんだからな。
[絡められた指の感触に、小さく小さく笑いながら。仄かに赤らんだ頬の中、見上げる瞳を見下ろす眼差しは、それはそれは真摯な物だっただろう。 そうして男は、絡めていない方の手の指を、おもむろに自らの口元へと近付け。 短く切り揃えられた中指の爪の先をカリ、と歯で挟んだのなら、勢い良く指を引き、その爪を剥がして見せただろう]
(129) 2014/10/05(Sun) 19時頃
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君の見てきた"美しい"獣人達とは、少しまた違うだろうがね。 あぁ、君が蟲が苦手だったのなら、驚かせてすまない。
だが箒で叩くのはやめてくれよ? 小さな《蜘蛛》は、いとも簡単に潰れてしまう。
[――"普通"ならば、血の一滴でも出はするだろうに。剥がれた男の爪の中の皮膚は、血も流さずに固まったまま。剥がれた爪は解けに解け、やがて煌めく長い長い一本の糸へと。]
しかし、"もう"逃げ出したりしない…ね。 成る程、狼かカナリアか…会った時に君は、尻尾を巻いて逃げた訳か。
……だが。
[先程彼の口から出た、小さな呟き>>119の揚げ足を取るように揶揄り。伸ばした手で軽く顎を掴み、それがもしも叶ったのなら。 その指で――彼の唾液で微かに濡れた指先で、つ、と唇をなぞってみせただろう。]
(130) 2014/10/05(Sun) 19時頃
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――"もう"逃げないんだろう…"ジャニス"?
[彼の名を――"芸名"を呼んでみせながら、男は口を歪めて大きく嗤う。 ひとつ、ふたつ、そしてみっつ。よっつにいつつの指でもって、解けた糸を絡め合わせ。そうすれば、ほうら。男の右手には、見事な《蜘蛛の巣》がひとつ、出来上がり。 絡め取らんとするように、その小さな蜘蛛の巣を、彼の前へと掲げてみせる。]
――次は君の番だ。 悍ましい《蜘蛛》に魅入られた乙女は果たして、どんな反応をしてくれるのかな。
"私の為に、私のいいように演じてくれるのだろう?"
[――さぁ、演じてみせておくれ。君が"役者"だと言うのなら。 そう言わんばかりに相手を見据え、ゆうるりとその赤らんでいた頬を撫ぜ。 "君の演技には期待している"、空気を震わせぬまま唇の動きだけで伝えたそんな一言は、彼には届かなかったかもしれないけれど。 ――ほんの、ほんの一瞬。願うように下がった眉にも…きっと、気付かれなかっただろうけれど。
せめてこの國で過ごす最後の夜に、彼ならばきっと"いい夢"を見せてくれるのではないだろうか、と。 指先に出来た蜘蛛の巣を、ぐしゃりと手で潰しながら、そんな仄暗い、そして密かな願いを胸に。]
(131) 2014/10/05(Sun) 19時頃
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[元気つけようとしてくれているのか、明るく、抑揚をつけて電話話してくれる友人に、抱きしめたくなる程の感謝と愛情を覚え、リクエスト通りに紅茶やシュークリーム用意し始めながら、家に来るまで通話を続け。>>124インターホンが鳴ればすぐに鍵をかけ忘れていたドアをあけ、友人を抱きしめる。その頃には友人との会話で涙も見えなくなっていて(泣きはらした目や涙の痕は見えるかもしれないけれど)]
マユミ、来てくれて嬉しい ありがとう ...本当に、嬉しい
[自分は何も返せていないなんて、言葉にもできないけれど。ただただ、心からの感謝と、嬉しさを伝えて。 部屋の中に通せば、お茶会の準備が整ったテーブルにつかせたあと、タオルを持って来て被せて]
雨そんな強かった? マユミは細いから、濡れたら風邪ひきそうで怖いわ 寒くない?
(132) 2014/10/05(Sun) 19時頃
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―商店街→カフェ―
[ショーケースに並ぶ色とりどりのお菓子。 普段から進んで選ぶことのない愛らしく飾られた幾つものケーキに男は首を傾げる。]
――どうせなら、とびきり可愛いものを選ぶのもありかもしれないね。
[花屋で務める友人は大層店先の主人に可愛がられていたような気もする。なら、あえて女性が好みそうな愛らしいそれを送りつける。 想像は容易い。男は肩を小さく震わせる。 しかしいつまで経っても注文せずに眺めていれば、訝しげな視線を頂いてしまうことになる、から。]
――苺のタルトとショートケーキ、と。チーズケーキ、あとモンブラン?…、と。
[一瞬、ちらりと香ばしいチョコレートケーキを視界に掠める。 思い出すのは白と黒のコントラスト。先程時間を共にした遊び相手。 金糸雀の通達から、忘れ物は無事彼の元へ渡ったらしいのだが、あのシミはどうするのだろうか。暫く考えて男は、首を傾げながら]
――じゃあ、それも…追加で。
[無意識に選び取っては、会計の際に現れた箱の大きさに笑みが少し引き攣ったのはここだけの話。]*
(133) 2014/10/05(Sun) 19時頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 19時頃
ヤニクは、ルーカスが珈琲を好む理由が理解出来ない。
2014/10/05(Sun) 19時頃
シメオンは、ヤニク(名前も知らない彼)はクラリスとどういう関係なのかと。
2014/10/05(Sun) 19時頃
シメオンは、マユミはあの後どうしているか気になって*
2014/10/05(Sun) 19時頃
スージーは、マユミの髪をタオルで丁寧に拭いて乾かしている
2014/10/05(Sun) 19時頃
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―カフェ→雑貨屋―
[そうしてカフェからつま先を差し出して、天候が荒れていることを今更になって知る。]
――フードじゃあ、無理かな。
[獣耳をヒクヒクと動かしつつ男はごちる。 こんな日こそ常の男ならば、ベネットの店で仕入れてきた本と一日を共にするところだが、生憎と今日は約束がある。]
濡れ鼠になる前に終わらせてしまおうか。猫から鼠は少し――笑えない。
[急ぐ足は目的地、ただ雑貨屋へと向かって。
――ブチッ、
何かを踏んだ。それが何かだなんて男に確かめる余裕はなかった。
踵の陰から現れる、それは。 八本の脚を持った蟲。蜘蛛。 男がこの世で最も煩わしいと感じる生き物であったことも、気付かなかった。]*
(134) 2014/10/05(Sun) 19時半頃
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―雑貨屋―
そして辿り着いた店先。 可愛い小物が入り乱れたそこは下半身をずくずくに濡らした男には酷く不釣り合いに見えた。
その上ケーキの入った紙箱を手に持っているのだ。 他に客がいたらそれこそ怪しような視線をひとつふたつ頂戴したか。
それでも男は素知らぬ顔で店内を物色する。
そして空色を模したレターセットと、気休め程度の傘を購入しようとレジへと歩を進めれば、鼠から小鳥へと姿を変えた少女>>128と鉢合わせることはあったか。
もし擦れ違う際にでもその姿を見咎めたのなら「おつかいかい?」なんて笑みを浮かべただろう。]**
(135) 2014/10/05(Sun) 19時半頃
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愛人 スージーは、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 19時半頃
抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 19時半頃
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ー現在・帰路→商店街ー [雨が、心地良い。 傘を差したくなくなる。 いっそこのまま歩き続けるか。と思えば踵を返す。
着いた先は、商店街。 周りには、本屋、麺麭屋、肉屋、雑貨屋。 くるり。周りを見乍ら歩いていく。 途中で見えた雑貨屋には、白(>>128)と赤(>>135)の綺麗な色調が見えた気がした。 穢れの無い様な純白も、黒みの無い赤もすごく綺麗に見えた。
此の儘、全て流しておくれ。 此の罪も、此の感情も。此の存在も。全部、全部、全部。
流されて、溶けて、透けて。無くなってしまえば何れだけ救われることだろうか。
救われるなんて、あり得ないことだが。
そんな事を考え乍ら、通りを進んで行く。 何処を目指しているのかも分からない儘。
(136) 2014/10/05(Sun) 19時半頃
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□Re:集え獣人
20xx年10月2日 rl:ye
黒角の黒鹿
久々に、喋り疲れた。雨降る前に帰りたい…
蜘蛛
あんまり食指が進まない。…後、肉や魚は高いし
あぁ、確かに日本酒が似合いそう。熱燗とか、どうだろう
と、思う。白味の強い茶色の毛並みの、狼
お喋りが好きそうな、赤ずきんサン
白カナリアが会った狼と、同じ狼かもしれないね
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[自分より五つばかり年下の少年に含蓄ある笑みを向けられるのは居た堪れない。首を傾げる仕種は態とらしくも見える。 揶揄には少し朱の乗った目元を数度瞬きして、眉を顰めるに留まった。
次の言葉には、鞄を背負い直してから顎を引く。]
あら、適当。貴方から聞く学校のお話、楽しみにしてるのに。 此処?此処は、えーと……あっちに行けば大学、あっちに行けば商店街があるわ。何処にいくのか教えてくれたら、地図を書くわ。
[学校についての話をはぐらかされてしまえば肩を竦めて。
平然としているようにも見える顔から出た迷子の台詞に思わず苦笑い。あっち、こっちと指をさしてから、それでは分かりづらいかと鞄の中身をゴソゴソと漁る。 確か今朝入れた便箋とペンがあったはずだ。]
ああそういえば、シメオン君は獣人のネット掲示板知ってる?そこで最近、獣人を見たとか見ないとか話題になってるの。 これからその掲示板の人と情報交換をしに行く所。
–––––––––貴方は、獣人について何か知ってる?
(137) 2014/10/05(Sun) 19時半頃
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["案外身近にいる人が獣人かもしれない。"
掲示板で話されていた内容を思い出して、鞄を漁る手を止めた。 同じ目線の少年の目を、半ば睨むようにじ、と見据える。]
(138) 2014/10/05(Sun) 19時半頃
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クラリッサは、ヤニクは手紙をくれると言ったけれど、そういえば住所を教えていない。
2014/10/05(Sun) 19時半頃
クラリッサは、ジャニスの名は知らないけれど喫茶店を見て白いコートの男性を思い出した。
2014/10/05(Sun) 20時頃
□Re:集え獣人
20xx年10月2日 ys:ai
鎌鼬と呼ばれた鼬
きゅう、眠い、眠い。
そして雨が心地良い。
蜘蛛
あぁ。献立良いになったな。
良かった良かった。
偏った物を食べさせたくはないからな。
かなりあ
ならば良いが。
無理はするな。
冬眠…はしない筈だ。
しかし眠い。
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 20時頃
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―雑貨屋→花屋『Ramo』―
[雑貨屋では少し話をすることでもあっただろうか。
男が次に向かった先はとある國では“花束”という意味合いの持つ店先へと。
傘をくるりと回しながら見慣れたその店へと足を運ぶ。 いつも通り連絡も無しに。
客の来店を告げる鐘を鳴らさせる。
きょろりと瞳を泳がせつつ、目当ての人物を探す最中、店前にて言葉を交わした青年>>42の姿に笑みが僅かに崩れる。
咳払いの後、男は手土産>133片手に友へと歩み寄る。 白の薔薇と紫色のライラックで作られた花籠の賛辞を忘れることはせず口にしながら。]
(139) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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紫色のカラーってカラーという名前の花のつもりだったんだけれどね。
でも君に任せてよかったよ、ありがとうトレイル。
これは君との約束の品。代金?勿論払うさ。
予約に来た時はいきなり追い出されてしまったものだからね。…人生は何が起こるか分からないね、本当に。
君一人じゃあ流石に無理だろうから、そうだね。 ――君と食べたいと思う人でも誘ってみるのはどうだい?
…今日は帰るよ。また、日を改めてジュースで酒盛りでもしようか。
[事情は知らぬところではあるが、ただならぬ青年の様子に男は思わず視線を再度透けるような肌に送る。
けれどすぐ逸らせば、外への入り口へとドアノブに手をかけて]
次は外で散歩でもどうだい?
[口約束を挨拶代わりに花屋を後にした。]*
(140) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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― 現在:本屋→商店街 ―
[鹿角を生やした少年(>>1:308)が本屋へと入ったのは、白い少女が既に立ち去った後>>117の事。
雨に降られる前に帰ろう。角に気を付けながら、店の奥へと足早に向かい、カウンターの前へ。 ――そこに店主の姿はあっただろうか。]
[店主らしき青年の姿を見止めれば、どこか恐る恐るバイト応募の旨を伝え、その詳細に耳を傾けたか。履歴書等が必要ならば、少し迷った末に承諾して。
もし、なければ応募の旨と連絡先を書いたメモを、カウンターの上に残して行っただろう。]
[そうして、カウベルを再び鳴らしながら本屋の外へと出れば。疲れたとばかりに、溜息染みた深呼吸を一つ。
そのまま近くの青果店に足を向ければ、向けられる視線に少しばかり縮こまりながらも、キャベツを一玉買って道へと戻る。
…買ったキャベツを見下ろし、悩む事数分。蹄が道を叩く音を響かせながら、商店街の裏道へと走り去って行った。*]
(141) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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なにを……ッ、
[返される真摯な視線>>129に、ジャニスは不思議そうに瞬く。そうして彼の口元へ近付けられた指を見ていれば。容易く剥がされる爪に目を見開く。 ……一体、何をしているのだろう。ジャニスの癖も大概なものだけれど、まさか、自分で爪を剥ぐだなんて。
――けれど。驚愕に見開かれた目は、困惑めいた色に彩られる。 ジャニスとは違い、血を零すことの無い、紳士の指先。そこから伸びる、長い糸。そうして彼の言った、"蜘蛛"という言葉。流石にこうまでされて、それを察する事が出来ない程、ジャニスは鈍く出来ていない]
……ああ、アナタも"そう"なのね。
[呟く。その声音にどんな感情が載っていたのかは、ジャニス自身にも分からなかった。ただ呆然と落とした言葉は、えらく平坦に聞こえた気がする。
唇をなぞる指先を、目を細めて受け入れる。微かに熱い息を吐き出して、その手に触れた]
ええ。逃げないわ。
[呼ばれた"名前"に、ジャニスは痛ましげに眉を寄せた。歪む笑みに、尚。じくりと痛む胸は、隠せやしない。 そうして作られる小さな蜘蛛の巣を、ほんの指先で突付く。……怖くなんか、ない。本当に、囚えてくれればいいのに]
(142) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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……でも。
演じる事なんて……出来ない。 お願いだから、"名前"で呼んでちょうだい。
[頬を撫ぜる手の感触に、ほうと息を吐く。染めた頬は、恐らく先よりももっと熱をもっているだろう。 ……漸く、彼が何を"期待"しているのか、分かった気がする。もしかしたら、この考えはジャニスのただの思い上がりかもしれない。けれど、乞うみたいに下がった様に見えた眉は勘違いなんかじゃないと、そう思いたいから]
ルーカス。アナタは、悍しくなんかないわ。 そしてきっと、アタシも乙女なんかにはなれない。 ……そんな綺麗な存在じゃ、いられない。
[頬に触れた手と、巣を潰す手と。その両方を包みながら、ジャニスは身を乗り出す。ワイングラスが倒れて、真白いクロスに赤い染みを作ったけれど、そんなのどうでもいい。ただ、目の前の彼だけを見詰めて]
アタシはもう、"逃げられない"わ。 ――とっくに、囚えられていたみたい。
[包むてのひらに力を込め、顔を近付ける。重なる程の距離でそう囁いたのなら、そのまま。震える息を吐き出す唇を、そっと。彼のそれと重ね様としただろう。酷く緩慢な所作だったから、逃れる事は容易だったろうけれど]
(143) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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―花屋『Ramo』→公園―
[目当ての人物からの連絡はまだない。 正確な日時も場所も設定しなかったのだから当然といえば当然のこと。
曇天から降り注ぐ雨粒を透明の傘越しに眺めてはため息を吐いた。
童話では雨を涙だとか喩えている描写はよく見る。それを風流だと思う人もいれば]
――つまらない。なんて陳腐なんだろうね。
[つまらなさそうに吐き捨てる者もいる。
少し大きめに作られたという生花から漂う花の香りは甘く、退屈に沈んだ気持ちを僅かばかりに浮上させる。
それもそのうち変わることのない情景に飽きた男の意識はゆっくりと沈んでいき、音を立ててビニール傘が転がり、隣に花籠を左腕にショップ袋を携えた男は――…眠りへと。]**
(144) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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[ 傾いた視界に>>137 彼女が微かに眉を顰めたのには、満足したように一層表情を緩めた。結局時点、昨日の青年との関係については口を閉ざす。 その背に負った鞄を背負い直すのを眺めながら、適当と告げられれば。]
俺が適当なのはいつもでしょ、クラリス。 ……学校の? いいよ、何の話が聞きたいの?
[ 軽口を叩けば早口に問い直しつつ、ありがたく説明を受ける。鞄の中を漁る彼女の姿に、やはり暗灰色の目は傾けたまま、商店街に。と告げた。待ち合わせがあって、と小さく付け足す。]
――知ってるよ。俺もそう。 いいや、俺も会ったこと無くて。だからその人と待ち合わせ。 [ ――見上げるでもなく、見下げるでもなく。睨む様な視線を向けられるのには、一度ほうけたようにそこを見つめる。
やがて緩んだ口角のまま、さして真剣味も見せず口を開いた。 彼女が獣人なら、頭巾の奥には警戒してそばだてた耳が隠れているのだろうか。と子供染みた思考を滲ませながら。]
(145) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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クラリスは俺が獣人ならどうするの? ――逃げる?
[ ――その頃だったか、頬にはたと冷たいものを感じれば、思わず頭上を見つめた。陽を隠し切るそこから細く糸が落ち始めるのを見れば、傘は持ってないなとぼんやりとした思考の内に留める。
もし避けられなかったなら緩くその腕を取って、近場の建物の影へと引き寄せただろう。]
(146) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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― 自宅→商店街 ―
[家へ戻るも依然として連絡は無いまま。 暫くは気にしていたが、大通りと家路までの道のりで、 警察が厳重体制を組んでいる…――なんてことは無かった。]
見た、と書いたのは失策かと思ったが、 流石にあんな不特定な情報では動かないか。
[そこで漸く心配のし過ぎかと思い直すも、 商店街まで一応は巡ってみるかと考え直して。
羽織のみ替え、傘をさしながら家を離れる。 大通りを通過し、商店街まで差し掛かったところで、 雑貨屋の付近で、見覚えある長い髪の娘を見かけ。>>128
既に赤いフードを被った青年は、立ち去った後のはず。]
(147) 2014/10/05(Sun) 20時頃
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[裏道へ向け、駆けてゆく足音>>141を後方で鼓膜に得ながら。 それもまた、降りしきる雨足でかき消されてしまったが。]
やあ、まるでてるてる坊主だな。 随分濡れてるが大丈夫かね
[笑気を纏い、長いケープを纏った生徒に声をかける。 先刻まで雨の中を歩いていたらしき様子から、 濡れてしっとりとしたケープは 背中の凹凸を隠す役割を欠いていた。
ケープの内側に何かをしょっているのだろうかと、 目線は自然と彼女の背に注がれる。]
(148) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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ー昼•本屋ー
[こんにちは、と控えめな、聞き覚えのある声が通る。扉の隙間から音が回折してこちらまで届くのが見えるような、澄んだ声だった。扉の隙間から身体を滑りませるように入ってきた少女に少し驚く。二日連続とはいささか珍しい。少女はしばらく端末をいじったあと、こちらにやってきた。]
えっと…何か御入用かな あの作者の過去作なら、他にもまだあるけれど
[そう問いかけると、おずおずと、バイトをしたいと口にする少女の言葉を聞いてパッと顔を綻ばせた。]
えっ本当?嬉しいな 一応書類だけ書いてきてね
[これでやっとあのバイトをやめさせられる!内心小躍りしながらつとめて冷静に机から紙を出す。 それを渡すと少女は素直に受け取って、お辞儀をして店を出て行く。]
あっ…
(149) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 20時半頃
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[先ほど雨が降り始めたのだ。傘を持っていないようだし、傘を貸そうか声をかけようとしたが、逡巡している間に少女>>117は出て行ってしまった。 まあいいかと、上機嫌に伸びをすると、会計作業を始めた。]
(150) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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―雑貨屋の軒下―
[雑貨屋の前につけば、軒下に身を寄せて体の水滴を落とす。
本物の鳥――全身が柔い羽毛に包まれたその生き物なら 身体を振るわせれば、全身の水滴は球になって落ちただろう。 表面に油分を纏った鳥の羽は水をよく弾く。
しかし人間の髪にも、羽織ったケープにも、そんな効果は求められず。 ずぶ濡れ―――濡れ鼠の状態であることには変わりなく。]
タオルがハンカチも買おうかな。
[ポケットの中の端末。 なにか連絡はあったか、仲間から新しい話はあったか。
気にはなるものの、びしょ濡れの手で操作して壊してしまったら。と、思えば。
深呼吸一つ。 お洒落な空間へ続くドアに手をかけた。]
(151) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 20時半頃
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―雑貨屋・店内―
[ドアを開いて雑貨屋の中を覗けば、目に入るのは可愛らしい小物や人形、縫いぐるみ。
白、水色、桃色、黄色、薄緑。 パステルカラーに彩られた其処は、心なしか甘い香りまで漂っていて、入った瞬間に夢の世界へと引き摺り込まれそうになる。
可愛らしい小物の数々に、思わず隅に設えた棚からアクセサリーを選びそうになり、用事を果たすことが先。と、苦笑いを浮かべる。
そうして今一番必要な、タオルを探すため店内を歩けば、レジ付近にちらりと赤>>135が目に入り、口元に笑みが浮かぶ。]
はい。 必要なものと、必要になるもの。 それから――ないと、困るものを買いに。
[謎かけめいた答えをして、にこりと笑った。]
(152) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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ー公園ー [ゆったりと歩いて行けば、散歩道同様に気に入っている公園へ辿り着いた。
少し歩けば、先ほど見かけた赤い色。(>>144)
傘を差さずに歩く俺が言えないだろうが、風邪を引いてしまいそうだ。
そう考えれば、転がっていた傘を開いて置いて、雨に濡れない様にしてやる。
濡れない処に、先程買ったこし餡のかかる串団子が数本入ったパックをそっと置いてから、少し様子を見て、何もなさそうであれば何処かへとまた歩いて行くだろう。]
(153) 2014/10/05(Sun) 20時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2014/10/05(Sun) 20時半頃
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―回想・先ほど本屋で―
アルバイトをしたいのです。
[勇気を奮い立たせ店主に伝えれば、顔を綻ばせる様子>>149 明るくなった表情に、自分の身体も心も軽くなったような気がして、釣られるように笑顔になる。]
書類ですね。 できるだけ早く、持っていきます。
[渡された紙を真剣に見つめ、大きく頷く。 軽くなった心と、跳ねる心臓。 不安も大きかったけれども、新しいことへの期待も大きくて。]
あ、あの。 これからよろしくお願いします。
[丁寧に畳んだ書類をケープの内側に抱え、大きくお辞儀をする。 その拍子にひらりと白い羽が一枚滑り落ちた。]
(154) 2014/10/05(Sun) 21時頃
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― 商店街 → 裏路地 ―
[――外葉の一枚だけなら、という出来心。唇から僅かに緑を食みださせながら、ゆっくりとそれを咀嚼し、口内へ、喉へと流し込んで行く。
どうにも、角が生えてから、殊更野菜が美味しくなった気がする。ごく、と喉を鳴らしつつ。知っている道から離れ過ぎない程度に裏路地を一つ、また一つと抜けて行く。]
…… ……、
[ぱた、ぱた、と頬を微かな雫が叩く。既に小雨がちらついていた。頬を守るようにマフラーをずらし上げて、ちらりと曇天を仰ぐ。]
(……明日は晴れますように)
そして、変わりない――。 睫に落ちた雫が膜を張りだせば、それを払うように首を振り。本降りになる前にと、地を蹴った。
やがて、足を進めた先に雨宿りの出来そうな屋根を見つけると。数拍の躊躇の末に、あまり広くないその空間へ身を寄せ、通信機器の画面を灯したのだったか。]
(155) 2014/10/05(Sun) 21時頃
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[そして
書類を抱えたまま。 抜け落ちた羽根に気づくことはなく。 雨の中へと、でていった。]*
(156) 2014/10/05(Sun) 21時頃
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