8 DOREI品評会
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それでは、例の部屋まで奴隷を、
いえ皆様の所有物を迎えに行ってあげてくださいねぇ。
ありがとう、ルカ。
貴方やヴェスパタイン様からは、甘く見えるのでしょうね。
でも、たまにはそんな主人がいてもいいのではなくて?
[微笑んで弟を見る]
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どうして、イアンもテッドも、 僕に忘れろって言うんだ。
[忘れられるはずないのに。握った手に僅か、力が篭り。]
酷いなんて、思ってもないこと言わないでよ。 僕なんか、あちら側に立っていたら 同じようなことをしたかも知れないけれど……
テッドは違う。
[ふるり、一度頭を振って。もう一度優しいよ、と囁いた。]
(197) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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辛くならないように配慮してくれる人を、 酷いとは言わないんだよ。
(198) 2010/04/11(Sun) 23時半頃
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そうですね。
[姉の言葉に、また小さく苦笑いを浮かべる。
女性としての優しさ、ある種の優しさは、もともと姉にあったものだが。それに拍車をかけたのは……―――ちらりと、No.8だった男に視線を向ける。]
そうそう。
私が男奴隷を落としたらとの約束ですが……。
破棄してもよろしいか?
―――…姉さんにはもう必要ないと思うのは
弟の勘なのですが、ね?
それに、姉さんの所にNo.4を向かわせたら不公平でしょう?
[何に対して不公平かは云わない。
彼女の弟の視線は、志乃とNo.2に向けられたので、云わんとすることは通じるか。]
[そして、視線をNo.4にチロリと向けて]
降ろしてやってくれ。
[道化か使用人か、命を向けた。]
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僕も、服が着たいのだけれど。
[急に偉そうに客席を見回した。くしゅん、と今更思い出したように小さな嚏が一つ。]
このまま引き渡し、が買った人の趣味なら、それでもいいけどね。
(203) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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なあに、ルカ。その目は。
[じい、と弟を見る。イアンを見る視線に気づいてか眉を寄せた]
――ええ、いいわ。
彼に興味はあるのだけど。
彼をあの子にあわせても駄目なような気がするもの。
あの熱さはね。
[会わせたくない、と思うのはイアンについても同じだったが。それでも買う事にしたのだ]
買う心算が無いのに入れたりしないよ
[言いながら、ツィーの顎を掴んだ侭
その頬をねろと舐めて]
おふたりともおめでとう、かな?
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家のため、になるのかな……。 未だ分からない、本当はもう、
ただ僕が、死にたくなかっただけだもの。
[醜い本心を曝け出して、それでもテッドの手を離さない。 もう流しつくした涙は涸れていて、葡萄酒色が眩しいライトを映して潤むだけ。]
誉められるほどのこと、じゃないけど、悪い気はしない……や。 テッドにも、守りたいものが、あるんだよね。
(204) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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[扇子を持つ手に重ねられる手。それを拒むことはせず、そして震えは収まった]
彼女に、新しい服を。
別にそのままでもいいのだけど。風邪を引いたら困るもの。
それに少しは身体を休めてもらいたいから。
服装は、彼女に選ばせてね?
ドレスを好むか、男装を好むかわからないけど。
[女の部分を押さえこむように指示を出す]
さて、ね…―――
[姉の視線に、その表情に、弟はくくっと喉を鳴らす。
喉を鳴らすように笑う癖は、父譲り。]
興味がおありなら、私の別荘で披露する場を設けましょう。
一人でも、そこの彼と二人でも、お越しになれば良い。
[扇を持つ手に重なられる手。
無理に女を押し込める姉を、少しばかり揶揄った。
そして、ツィーの頬をねぶる男に視線を向ける。]
[買うつもりがなければ、と言う言葉に首を僅か傾げた]
貴方は、欲しければもっと釣り上げるのだと思ってたわ。
見立て違いなら、いいのよ。
[重ねられたイアンの手に、扇子の持ち手を変えて指を絡める]
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それは、確かに。
[客席の連中より、とはよく言ったものだ。 くすりと笑って頷く。 彼の、優しすぎない態度が、遺恨も残さず丁度良い按配で。 最後に一つ、繋いでいた手を引き寄せ、その甲に唇をつけると、名残惜しそうに絡めていた指を解く。]
ありがとう。 テッドなら、屈しなかったキミなら、きっと守れる。
[この先どんな運命が待ち受けているか、奴隷の身に知ることはできないけれど。着替えるために、手を離す。温もりが、遠くなる。]
パトリシアも、色々教えてくれて……ありがとう。 キミがいなかったら、僕は挫けていたと思う。
(207) 2010/04/12(Mon) 00時頃
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ヴェスパタイン殿には、なにやら私たち姉弟の我儘のツケを背負わせてしまってる気がして、少し申し訳ないと思っていたりはするんだ……―――。
[商品をいたぶることへの規制に関しても。
僅か綺麗に整えられた眉尻が下がった。
しかし、それは少しの間の出来ごと。
ちりん――と、鈴の音が響いた。
灰青は見上げる漆黒に落ちる。
ゆるく唇の端をあげて見せる。
その軽やかな音のままの未来が、No.4とNo.6だった2人に待っているかは、さて……―――。]
嗚呼、No.4にも服を与えて構わないよ?
[舞台の上から聴こえる声に、使用人に紡ぐ命。
直接、舞台に謂わないのは、まだ落としたのが己だと、No.4に教えぬ為か。]
ふふ、ボクはボクで色々ね。
それなりに考えているんだ。
[グロリアの言葉には、笑みを添えて。
ルーカスの言葉にはひらり 手を振って]
此処の規制は此処の規制で、誰のせいでもないよ?
それにボクはもう今は何時だって。
好きな事が出来るのだし。
[言いながら、腕の中の女の背をついと撫で上げ
ブルネットの中、ついと髪を引く。
逆の手で反った首を撫で、傷つかぬ程度に引っ掻いて]
気遣いありがとう?
[イアンに掛けられた声に、その内容に、思わず彼を見る。
その言葉の真意が奴隷を憐れむからなのか、それともグロリアを憐れんでいるのかわからず、名前を寝台の上そのまま呼ばれた事も]
……それは、私に「奴隷」を買って欲しくないということ?
――もう落札してしまったから、買った事に変わりはないし、この世界に関わった以上、彼女をそのまま実家に戻すことだって出来ないわ。
育てたいかそうでないかというなら。
どちらかしら。
そのために買ったけど。
[すぐ否定することは、出来ない]
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……僕に兄が居たら、こんな感じだったのかな。 そうすれば、そもそも僕は男のように 育てられる必要さえなかったんだけど。
[指摘されると羞恥を思い出して、くるりと背を向けた。 選ぶ衣装は皮肉なことに、また男装。 来る時と同じような――けれどそのまま喪服にもなりそうな、黒ので揃えたブラウスと夜会用コート。羽飾りのついた帽子。上質の天鵞絨は、少女が最も好む素材。 斯くして、足枷さえ除けば小さな紳士に見える姿が、使用人の手を借りて舞台上に。 本気でこれからビジネスの場に赴こうとしている風情に見えた。]
せめて、忘れるまでは。 無事を祈ってるよ、お互いに。……テッド。
(213) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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[家の再興を願っていた少女。それは知っている。
母親にでも頼めば、元の世界に戻すことは可能かもしれない。
自身はもっと緩やかに慣らされていったけれども、辿る道は似ている。
違うのは、自身は奴隷として売られたわけではない、ということだけ。
だからこそ、自由も富も持ったまま今日までこれている。
イアンの言葉は、違う世界を突きつけられたようで、すぐには反応できずにいた]
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[ともすれば、少年にしか見えない漆黒のスーツ姿で、テッドと対峙する。 もう、彼に跨がってあられもない声をあげていた少女とは、似ても似つかぬ。けれど。 ここに連れて来られた当初に比べ、確実にその顔つきに、眼差しに、男を知り情欲を秘めた女の艶が見え隠れして、妖しい魅力となる。――男とも女とも、性別不祥の影。]
じゃあ。もうこの先会わない方が、お互い幸せかな。 同じ客に買われたのなら、笑ってしまうけれどね。
[金の瞳を、眩しそうに一度仰ぎ見て。少女は運命の待ち受ける舞台袖へと踏み出す。 非現実的なゆったりとした歩みにあわせて、長い黒の羽飾りが揺れた。]
(216) 2010/04/12(Mon) 00時半頃
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小僧 カルヴィンは、子守り パティに、大丈夫、と言う代わりに不器用なウィンクを一つ残した。
2010/04/12(Mon) 00時半頃
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