196 【飛入歓迎】秋のすずなりの男子高校生村
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[大人の声が聞こえる……。
返事をだそうとしたけど、すぐに声が出せなくて、小さくかすれた声が喉に引っかかった。]
……ぁ、……僕です。
[そう言うのと頼りない懐中電灯の光で照らされるのは同時だったか。
声の主は茅葺先生みたいです。先生が何か吹き出したようにも思いますが、僕はようやく会えた人に感無量でそれどころではありませんでした。]
あ、先生…よかった、よかったです。
突然真っ暗になって、僕……!
[僕がそこで遮ったのは、先生の手が僕に触れたから。
小さい悲鳴は反射的に出たけれど、大きくてあったかい手は優しくて頼もしくて、僕はもう少し撫でて欲しくて無意識に背中を縮こませてました。]
[暗闇で何が起きたかわからないが、こんな時にも不運の神は飽戸に舞い降りているようだ。
そこで聞こえてきた校内放送に、やっと、一つの疑問があがる。]
校内放送、使えるなら…… 停電じゃないね。
[もう飽戸は気づいていたかもしれないが。
移動の提案とともに彼の口から出た裏校舎の七不思議。
ごめん怖くない、と思いつつきっと彼は此方の反応を楽しもうと言ったはず。……まあ、期待には答えないけれど。
そのかわり、]
学校の明かりだけ消えたの、
幽霊の仕業だったりしてね。
[とカウンターを喰らわせておいた。]
[叫んで、走って…その時のことはよく覚えてない。
道中様々なアクシデント(具体的には2)に見舞われながら、永遠に続くかのような闇の中で出会ったのは…
(1謎の液体にすべって転ぶ2壁に激突して顔面強打3走ってるうちに靴を片っぽ失くす4全部) ]
ひか…り……?ひっ、ひとだま!?
[ヒぃ!と身構えるが、その何度も呼びかけてくれる優しげな声を聞きそうっと様子をうかがった。
よかった…足はあるみたいだ。]
だれ、ですか?
…かめや、せんぱい?
[ぼんやり浮かびあがった姿は同級生ではないようで。
なんだかどこかで見たことが…聞いたことが?あった気もするが、ぼやけた頭ではわからず。
安心感で涙が出そうになるのをこらえながらも、つっかえつっかえ自分の事をはなす。こっそり忍びこもうとした校長室のこともきづけばつらつらとしゃべってしまった。どうやらその目的までは言わずに堪えたが、もう一度そこに戻ることになった。
あるき出そうとする彼に、絞り出すような声で問いかける。]
あ、あの!うで、貸してもらっても…いいですか…?
[一時の恥より人の温もり。そうどうにも鬼気迫る様子で頼めば、相手は聞き入れてくれただろうか。]
[――と、少し離れた位置から控えめなくしゃみが聞こえて、懐中電灯をそちらへと向ける。光の先にはクマの耳が付いたフードに長身の後姿が]
えーっと……鳴人、くん……?
[一瞬誰か分からなかった。しかし、あの体格にあの身長はきっと飽戸だろう。その背に声を掛けた時、視界の端に映った姿に隣を振り返る。――東條だ]
[誰が廊下を濡らしたのか、滑りやすくなった床を通れば予想通り飽戸は転んでいた。さすがに3回転んだところで肩を貸そうか提案するぐらいに心配するような転びようだった。]
人の心配より、自分の心配しなよ……
俺は飽戸じゃないから大丈夫。
[優しさを悪態で返すことに定評のある男は相変わらずで。
神鬼の携帯かわからなかったが、確かに飽戸なら割りそうだ、というのはグッと堪えて頷いて。
校長室の方からの悲鳴には気付かず裏玄関へと。
次、飽戸が転ぶようなことがあれば、反射神経を活かして支えてあげられればいいが。]
[校長室前から、叫び声。
自分のことで手一杯だったが、別の誰かも同じように叫んでいたらしい。まあ、無理もないだろう、と自分だけが怖がりでないことに安堵した。]
いってらっしゃい……。
暗いから、足元に注意、な…。
[どちらかに携帯を握らされ、小さくありがとうと呟いて。
ついていこうか、と頭を過る頃には飽戸の姿は既になかったか。
腕をついて体を起こしていたが、また椅子に沈み込もうと。*]
[飲み物を飲んでみるとイチゴオレだった
実は好きなので嬉しかったりする]
明るくなるまで話していましょうか。
[二人が不安にならないように話しているつもりだ**]
? はい、どうぞ。
[腕を貸して欲しいと何やら尋常ではない様子で頼まれれば、特に断る理由もなく空いている左腕を差し出す。その間に、話の一部始終を聞いていたであろう東條はすぅっと姿を消した]
校長室、鍵が掛かっているようですがどうしますか?
[校長室に何の用があるかは分からないが、姪島は何か考えが在るのだろうかと首を傾けた]
斎藤先生が……。
[それなら安心だ、とほう、と嘆息して。]
放送……。
[そういえば聞こえたかもしれない。
そういえば、というのは僕は少し前に聞こえた火サスの音が怖すぎて耳を覆っていたのでやっと放送が鳴ってる、と認識した時には大事なことはほとんど聞き逃していた。
鞄を肩にかけ、手を貸してくれた先生を握り返してゆっくりと立ち上がりながら]
この学校…ホントに“居る”時とかあるので、大人の先生がいてくれてすごく心強いです……。
[よかった、と何度も繰り返しながら、配慮のままに、先生のジャージの裾をつまんで先生の体が感じられる近さに寄り添いながら歩くことにした。もちろん目指す場所は裏玄関であるが無事に付けることやら*]
─ 裏玄関 ─
[裏玄関に着くと飽戸が何かを見つけたようで。一緒に近づくと、よく見れば神鬼。……よく、こんなところで寝れるな。
普通に声をかける飽戸を横目に見ていると何やら神鬼が呟いた。]
( わかんないけど、早く起きろ。 )
[思えば簡単。お礼を言う彼の頬をふにーっと掴んで目を覚まさせてやろう。もう起きてる?知らない。]
……校長室?
行ってもいいけど、転ばないでよね。
猫はどうする?行く?
[ちょっと神鬼で遊んでいると飽戸は何処かへ行くようだ。また転ぶんじゃないかと不安だったがまあ子供ではないし自分でなんとかするだろうとまるで兄のような視点の考えを膨らませ。
飽戸から預かった神鬼の携帯を返しながら、神鬼の意見を待ってみる。]
― 廊下 ―
[鈴鳴高校の七不思議のひとつ。
深夜、体育館付近から見える中庭に建てられた校長像が動くという。
一部では、ブヒーと鳴いていたとか。
そんな七不思議の中でも一際アホらしいものを思い出しながら、明兎と移動しているうちに、1。
1.裏玄関付近についた。
2.用務員室前についた。実は方向音痴だった。*]
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