252 【飛び入り歓迎】学園の七不思議
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― 廊下 ―
[ふとゆき過ぎた空き教室、そこでコトリと小さな音がしたような気がして立ち止まった。
携帯のライトを片手に、ぐるっと教室内を照らす。 覗いてみるのは教壇の下。22]
(43) 2016/08/27(Sat) 08時頃
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…! ジョージくん、みーーっけ!
[屈み込み、たっち、と少年の両手を取る。]
まだちっちゃいから、 教壇の下もちょっとした隠れ家みたいだね。
[さぁ次はどこに隠れてくれるのかな?そう小首を傾げてみせると、少年は照れ笑いを浮かべてすっと消えた。]
かわいいなぁ。 いくらでも付き合っちゃう。
[兄弟がいないからか、ちびっこには特に甘い。*]
(44) 2016/08/27(Sat) 08時頃
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─ 屋上 ─
[暗がりの中を、物思いにふけりながら座っていたのはどれくらいの間だったか。 カトリーナは立ち上がり、鍵のかかっていない屋上の扉を開ける。]
……誰かいる……?
[トシミが待っていたのはこの屋上だろうか。 そう思いつつ懐中電灯の光を向ければ、]
(45) 2016/08/27(Sat) 08時頃
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[ざらついたコンクリートが広がっていた。 フェンスの向こうにも、何も見えない。**]
(46) 2016/08/27(Sat) 08時頃
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[何もないところで躓きそうになり、フェンスにもたれかかってよろよろと座り込む。]
疲れ、た……。 ちょっと休ませて…………。
[月も星もない夜空は虚無を感じさせ、]
考えてみると、夜の学校って気味が悪いかも……。 少なくとも、楽しい場所じゃないよね?
[見上げながらそうつぶやく。 トシミとニコラスはなぜ学校で自殺したのだろう。 その日、短時間のうちに死ぬしかないと思い詰めたのだろうか。 場所を選ぶ余裕もなく。]
……辞めればよかったのに。
[カトリーナはそう思う。 昔の社会主義国でも職場は選べたのに、と。]
(47) 2016/08/27(Sat) 10時半頃
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[廊下にいて、独白>>#0をほとんど聞き漏らしたので、消えていった音楽教師>>#4が何を考えていたのか、カトリーナには今もわからない。
人生に疲れていたのだろうか。 でも、恋人だけを死なせて、自分はそのまま生きるつもりだったのだ。 その後も4カ月間、学校に通い続けて。]
わからない……。
[カトリーナは懐中電灯をぐるぐる回してつぶやく。
教師という職業への執着は理解できるが、この学園への執着はなぜだったのだろう。 金額的には特に魅力的な条件だとは思わない。 女装男子が闊歩できる自由な校風? しかし、彼らの恋は認められず、別れるよう強く圧力をかけられた>>4:#3という。]
(48) 2016/08/27(Sat) 10時半頃
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…んー…でも、 トシミがそう教えられた、だけ……なら?
[トシミの話は彼女が把握していることだけだろうから、事実ではない可能性もある。 ニコラスが針小棒大に伝えたのかもしれない。 その場合、動機はずいぶん怖いことになりそうだけれども。]
報われない、わね…………。
[トシミは「生まれ変わって向かえにきて」>>#3と、なおも彼に未練が強いようすだったが、 ふたりがハッピーエンドを迎えるのはベリーハードモードな気がした。]
(49) 2016/08/27(Sat) 10時半頃
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― 校舎裏 ―
[誰とも会わないままぐるぐると迷い続け、気づけば稲光と停電>>0:#0が起きたときの場所へ。 ガストンに開けてもらった>>0:3ことを思い出しつつ――ついでに自分のスカートが風に翻った>>0:16ことも――、カトリーナは非常口の扉を開ける。
生い茂る雑草とじめじめ空気>>0:3を感じさせるそこは、この学園の影を象徴する場所なのかもしれない。]
ジョージ? ちびにゃー?
[茂みに懐中電灯を向け、ついでに猫の名前(?)も呼んでみた。 ラディスラヴァは猫を見つけられたのだろうかと思いながら。]
(50) 2016/08/27(Sat) 10時半頃
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[ジョージの姿はもちろんバーナバスや生徒の人影もなく、猫も見つからなかった。]
……ふぇええ……もう疲れました……。
[建物内へ戻って、涙目で階段の一番下へ座り込んだ。**]
(51) 2016/08/27(Sat) 11時頃
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― 校舎 ―
どこに居るのかな。 ここかなー?
[ジョージを探し、校舎内を歩く。 七不思議の幽霊たちへの恐怖は殆ど消えていたけれど、それ以外のモノに遭遇したらなんて思いはまだ少し残るから、非常階段やお手洗いなどなど、ちょっとコワ目の噂が多い方向は意識的に避けてしまうのはご愛嬌。]
大階段、図書室……… 渡り廊下で隠れる場所といえば。
[渡り廊下の脇にある銅像の影をひょい、と覗き込む。61]
(52) 2016/08/27(Sat) 12時半頃
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[この場所には居ないようだった。 あの子はどこに隠れたのだろう。早く声をかけてあげないと。 長い時間待たせて、寂しい想いをさせないように。 ちゃあんとキミを探しに行く人たちがいるんだよって、伝えるために。]
……あ、涼しい。
[ホールには、心地良い風が抜けていた。 何とはなしに隅の長椅子に腰掛ける。
そういえば、ラディスラヴァが猫を探していたっけ。 ジョージと猫と、二人を探し、再び視線は右から左へと流れる。**]
(53) 2016/08/27(Sat) 12時半頃
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