237 【リアル人狼RP村】蜉蝣の村【半身内】
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― 回想:>>1:69 ―
[ころころと転がしてみたり、がりがりと砕いてみたり。その袋に入っていた半数以上は胃袋の中へと消えた。ストロベリーにアップルに、チェリーやイリジクなどという変わり種も入っていたバラエティパック。
舐め終わる頃には、広間にいた人数も大分減っていたか。視界の端に食事を抱え込んだギョロ目の男>>#0が映って消えたその頃、自分も動き出そうかと。]
お先に失礼しますね。
[残っていた面々がいたのなら、にこやかに挨拶を交わしただろう。 そうして自室へと。]
(31) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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― 自室にて ―
[贅沢なベッドに転がって。しかし薬の作用による空腹感によって眠ることは叶わず。広いベッドを右に左に転がって。やっぱり広いと再確認。
そんな意味のない行動に飽きてきた頃、その放送>>#1は聞こえてきただろうか。]
『ご協力お願い致しますね』…ねぇ?
[耳障りのいい言葉だこと…。聞きなれすぎたその言葉回しに苦言をこぼす。こちらの善意に訴えかけるような、遜ったような印象を与えるその実、拒否を許さないその定型文。
…もちろん自分も例に漏れず。 報奨金も待っていることだし。]
(32) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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[まぁそれは置いておいて。それより気になる単語がひとつ。]
あくじきって…悪食だよねぇ んー、虫でも食べてるとか?
[世界にはそれが『美食』とされる国もあったけれど。自分からすれば立派な『悪食』、できれば自分は遠慮願いたい。
それ以上静かにしていても続報が流れてくることはなく。それならば、とりあえずは放送に促される形でサイモンとやらの部屋へ行ってみようと。]
(33) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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― サイモンの部屋の前 ―
[サイモンの部屋がわからないかも、などというのは杞憂に終わった。なぜならもう、そこには人で賑わっていたから。…悪い意味で。]
どうかしましたか? 皆さん、顔色が良くないようで…
[部屋を覗いては顔を青白くして悲鳴を上げる面々に首を傾げる。中には口元を抑えてその場を離れようとするもの>>10>>11もいる様子。]
(34) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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[何がなんだかさっぱり分からず、とにかく自分も現状把握に努めようと。 その部屋を確認するべく、部屋から離れようとする彼らとは反対方向へと足を進め。
そうして覗き込んだ部屋の中。 認識できたのは、赤 あか アカ。
喉がひゅっと、音を立てる。 どくどくと心臓がうるさいほどに音を立てていた。]
(35) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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[感情を見るのが好きだ、測るのが好きだ。
なぜなら『感情』は『生』を意識させるから。 生きているからこそ、感情が動くから。 感情をみれば、生きているとわかるから。
生きている人を見ることが好き。 感情を測ることが好き。
だから、 感情が動かない人をみるのは、ダイキライだ。 散々重ねてきた仕事、なんでもやったけど『殺し』にだけは手を出さなかった。 面倒なんてただの言い訳。本当の理由は、ただひとつ。]
(36) 2015/08/25(Tue) 19時半頃
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[ぐちょりと歪んでいるそれは、ようやっと人間であったと判断できるくらい。欠けているというよりは減っていると言ったほうが正しいか。
鼻につく鉄臭さ。空調が効いているだろうに、空気が生ぬるく感じるのはどうしてか。せり上がってくるものをどうにか押しとどめて、部屋の中の彼>>13に問う。]
リーさん…その、サイモンさん、は
[生きているんですか。出た声は掠れているし、聞くにもバカバカしい。どう見たって彼はもう。]
(37) 2015/08/25(Tue) 20時頃
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喰われて…っ!?
[返答はどうだったか。聞こえた声>>14に目を見開くと同時に、放送で聞いた単語が蘇る。 まさか比喩でも隠喩でもなんでもなく、そのままのとおり『悪食』だったとは。]
…っ、ごめんなさい、 失礼しますね、
[今度こそ口元を手で押さえ。倒れそうになる身体を廊下の壁に預けることでなんとか耐えて、自室への道のりを辿った。]**
(38) 2015/08/25(Tue) 20時頃
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童話作家 ネルは、メモを貼った。
2015/08/25(Tue) 20時頃
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─サイモンの個室/ネル─(>>13>>14軸) [口許を覆い部屋内に入った所で 後ろから声を掛けられる>>37]
ネル……サイモンは……、
[彼女の様子は既に見た後のようで まだなら視界を覆うことも出来ようが 既に遅いと悟れば目を伏せた
投げられた質問も願望の様なものか コレを見て生きていると思う者はいまい 居た堪れず目を逸らしてしまった]
……死んでるみてェだ……
[返事が断言の形でなかったのは そうでない現実を期待して 彼女と同じ理由だったのかも知れない]
(39) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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[喰われてるのか、と素人による 観察の結果を述べているときに ネルは立ち去ってしまったか>>38
冷たい瞼を降ろし手を合わせ
彼女には声を掛けることも出来ず]
……ひでェことしやがる
[感情の表れにくい顔の下 彼の冥福を祈った*]
(40) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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インターホンの音が響けば、面倒くさそうにそちらを見る。声(>>29フィリップ)は研究室にしっかりと響いていた。それでも出なかったのは単に面倒だったからではないだろう。
「……面倒ねえ…。実験を中止に、なんてするわけないじゃない。これの開発にどれだけの時間と費用を要したか…。
それに、これに対する対策をどうするのか……
確か、そういう"ゲーム"あったわよねえ。」
薬の副作用について研究ができるだけでなく、その効果があの衝撃でも消えずにいるというのは嬉しい話。自分の作り出した薬の素晴らしさに酔い痴れながら、モニターの前に座るその姿はまさしくマッドサイエンティストといえよう。何よりの不幸は、青山が自らの手腕に自惚れ、そして被験者の命をモルモットを扱うかのように軽んじているということに気づいていないということか。
(#2) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
「すみません、フィリップさん。実験を中止したくて出来なくて……その、そちらの扉が故障してしまったようで開かないのです。カメラといい扉といい、前日も点検をしたはずなのに先程から回線が途絶えてしまったようで……。
皆さんご確認頂けましたか?どうやら味覚に異常をきたしている方がいらっしゃるようなんです。…恐らく一人ではないと思います。回線が途絶える前にサイモンさんの部屋を見ましたが、あの遺体の状況なら恐らく複数……。扉が開かないので見つけていただいても連れ出すことができないままなんです。」
(#3) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
そこまでは怯えたような、戸惑ったような声を含んでいたが そこから先はどこか楽しんでいるような声色で、淡々と提案を。
「こちらで幾つか器具をお貸しします。食事を作る扉の方にその箱をお送りしますから、どうか皆さんでその方の処理をお願いできますか?
生体実験が望ましいんですが……最悪細胞が取れれば良いので、動きの止め方は皆さんにお任せします。皆さんでその作用が出ていると思われる方を処理して欲しいんです。遺体は後で回収しますから。
だって、これ以上の犠牲者を出したくないでしょう?2時間おきの飢餓の度に、飢えた獣に襲われたくないでしょう?……なら、これは必要悪だと思うんです。
大丈夫、ここで何が起きたとしても、一切の責任は私が負いますから。………ふふ。」
(#4) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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―サイモンの部屋にて―
[次第に集まった被験者たちは、自分と同じようにその場に立ち尽くす者(>>4)や吐き気を覚えたのだろう顔を歪ませすぐに立ち去る者(>>10、>>11)、目の前に転がるソレに手を合わせる者(>>14)と、反応は様々だった。 そのひとつひとつを、何故だかとても冷え切った頭で見ている自分が居た。唐突に突きつけられたものは、あまりにも非現実的で。 移り変わっていく人々の動きと、変わることのない転がるソレとを、呼吸も鼓動も忘れたようにただただ立ち尽くし、まるで映画のワンシーンを眺めているかのように“見ていた”。 とっくにキャパを越えた脳に届いた言葉は、ひとつ。 “……喰われてる、のかァ?”(>>14)]
そう、みたいッス、ね…
[独り言のように、ぽつり零れた言葉には確信が込められていた。“見ていた”から分かる。自分で自分を食べたとしたらあり得ないような場所さえも無惨に引き千切られている。それに見たところ、肉を削ぐ道具もこの場に見当たらない。 殺されてから喰われたのか、それとも生きたままに喰われたのだろうか。 そこまでは流石に分からなかったが――]
(41) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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自分の肉喰われるって… 一体どんな気持ちだったんスかね…
[純粋な疑問を口にすれば、ウッ…と腹の底から込み上げる物を感じて。 足早にその場を離れようとするだろう。]
(42) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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ー広場ー
[広場にてパンを平らげ、それでもまだ腹が減る。リーがステーキを更に注文していたが、頭が拒否するのに腹が反応するのがとても恐ろしかった。 今は肉は食べまいと、また軽食からチップスを持って来ればバリバリと音をたてて囓る。炭酸飲料もお供に。 しかしあれが自分が仕出かした事ではなく、誰かがした事であると言うのならば。それは一体誰なのだろう。 今まで接し少しでも言葉を交わした人物達の中に、そんな事をして平然としていられる人物はいたように思わなかった。 強いて言えば一言も交わしていない人物。先ほど集まりま薬を服用した際、ちらりと横目で見た名札は【ネル】だった。あの人物が?だが、他に会話した中にいるとは、思えなかった。思いたくなかった、特に目の前のリーとイアンはとてもそうは思えなかった]
そそそその、何故実験は、ちゅ、中止しないので、しょうかなあ……。 ……はあ。 [疑念は話をしていないというだけである1人に向けられる。しかし、それは己にとっても相手から言える事で、疑心暗鬼にもなりがちなこの状況に溜息をつきながらチップスを口に運ぶ。そんなつぶやきの後、恐ろしい放送が流れていたのだった]
(43) 2015/08/25(Tue) 20時半頃
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[否、先ほどのものは放送ではなくフィリップのみにあてられたものだったかもしれない。 しかし嫌な想像をしてしまっては、渋い顔でそれでも食べ物を貪る姿があった]
(44) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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[イアンやリーはその後どれだけ食べたのか。どれだけ、会話する事があったのか。 二人とも自分に比べて若く、もしあの悪食で"誰かに"食われてしまうならば哀しい。他のメンバーにしてもそうだ。そんな中、一切言葉を交わしていない人物【ネル】にばかり男は不安を募らせるだろう。 もし男が誰かを疑えと言われれば、お互い様に指し示仕返しが予想されるその人だ。 だが、しかし]
……サイモンさんも可哀想に。 あんなに、若い人が……。
[自分が死にたい訳ではない。娘の晴れ姿を見たい。だが、それでも譲れない思考が男にはあった。 立ち上がり食べ物を幾つか手にすると広場の人物らに頭を下げる]
す、すいません、考え事をしたいので、部屋に戻ります。 …何かあれば、扉はその、開けておきますから…そそその、ぜひ、来てください……
[そんな事を言っては自室に向かう。そして、扉を少し開いた状態でベッドに座り荷物を漁り始めた]
(45) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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[聞き覚えのある声で返ったのは、如何にも申し訳なさそうな言葉>>#3。 その内容は、そう騒がしくもない室内にも聞こえはしただろうか。
言い訳じみた言い回しも、変わらない事実も。 全てが耳を通れば、変わらず溢れるのは腹立たしさ。]
何を呑気なことを、………っ、?
[握った拳に力を込めれば、爪が手のひらに食い込む。 それすら気にも掛けずに、尚も言い募ろうとした文句は。 一転変わった声色に、語られる言葉に>>#4。 反射的に呑んだ息と共に、霧散した。]
(46) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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……は、え、 なにを、……?
[続ける言葉を失っては、代わりに震える息が漏れる。 嫌にはっきりと告げられる言葉は、確かに思考を通って意味を成していっているのに。 理解ができないとばかりに、相手の顔も見えないインターホンを開いた瞳で見つめた。]
……それは、つまり。つまりさ。 ひとを殺せって言ってるのか…?
[震える声は、殺せ、と。自ら絞った言葉に、更に大きく揺れて途切れた。]
(47) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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[返答の代わりに、かたりと音を立てて差し入れられる"器具"の箱。 それを確かめる気にもなれずに、扉の前にずるずると屈み込む。
獣に襲われたくなければ、と。 どこか愉しげな女の声は答えたけれど。]
――――…っ、 ……僕達は獣じゃない、…人間だ。
人間の世界に。 食物連鎖なんてあってたまるかよ…!
[こんな場所で、こんな理由で。 命を脅かされるとは誰が思おう。 しかも人道的とは到底言い難いやり方で!
空っぽのはずの胃が震えるのは、決して嘔気だけではない。 止まぬ不快感に口元を覆って、代わりに滲んだ涙は喉を鳴らして呑み下した。]
(48) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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フィリップは、ヨアヒムに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 21時頃
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─広場─ [肉を大きく切り分け口に運ぶ 赤い部屋を出たばかりでも腹は鳴った
コールスローと味噌汁と 食べても飲んでも満腹にならない 肉の枚数を多くした方が良かったか
それでも平らげれば一区切りと 其処で止めておくことにした
何故実験を中止しないのかと>>43 ヨアヒムが呟くがそれは与り知らぬこと]
(49) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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会社側は何やってんだかねィ
[そんな返事をした時に流れた放送>>#3 一応閉口するが聞かれて困る事でもない
これは明らかな異常事態 猛獣の檻の中に入れられた様なもの いろいろなものが、狂っていた]
(50) 2015/08/25(Tue) 21時頃
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リーは、フィリップに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 21時半頃
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[女性――青山からの返答は、広場の他の人物にも聞こえはしただろうか>>44。 そうでなければ伝えるべきだとは思えど、冷静に報告をする余地は未だどこにもない。
ただ、蹲る背中に聞こえたヨアヒムの声>>45だけは、耳鳴りめいた聴覚も拾っては。]
―――…おかしい、 狂ってる、………っ、
[震えた声で、変わらぬ詰まった声で、それなのに。 暗に自己犠牲を仄めかすような、その声が。
自分には到底理解が出来ないと、八つ当たりめいて呟いた。]
――――いやだ、
[何より一番苛立ちを覚えたのは。 自分の代わりに彼が犠牲になってくれるのならばその方が良い、なんて。 一瞬でも過ぎった、潔癖とは程遠いその思考。
もはや何に対してか、誰に対してか。――吐き気は止まない。*]
(51) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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フィリップは、リーに話の続きを促した。
2015/08/25(Tue) 21時半頃
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―自室にて―
はッ…ぁ、ぅう゛……
[自室に走り入り、内からカギが掛ったことを確認すれば、玄関先にへたり込む。せわしなく肩を上下させて荒い呼吸を繰り返し、込み上げる嗚咽を必死に抑え込もうと口をパクパクと動かして。]
出、るな、ぁ……ケホッ、ぅ、う゛…
[既に目尻には涙が浮かぶ。伸ばしてどこにも縋り付けず、空を掻いた両手を首に添えて。 逆流しようとせり上がるものを止めようと、両手にグッと力を込めた。]
(52) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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ー自室にてー
[扉を少し開いたままベッドで荷物を漁る。傍らには広場から持ってきた軽食を置き、モグモグと摘みながら。 取り出したのはペンと手帳。其処に震える文字で何かを書いていく。 時折涙ぐみながら、書き込むのは謝罪と愛。
男は、自分が自分を喰ってしまうのではとも恐れていたし、もし誰かが"悪食作用"とやらでサイモンを殺したように誰かを…と言うのならば、自分を殺しに来る可能性もあると考えていた。否、若者が死ぬよりはと考えていた。 それは彼らの殆どが我が娘よりも若かったからかもしれない。そして何より、こんな死の場面で自分が生き残ってしまう事が怖かった。 生きて、娘の幸せな姿を見届けたいつもりはある。孫を抱きたいとか、そんな細やかな希望は勿論男にもあった。 だが、何より。この実験に生き残り、その事で心無い噂をたてられ、娘の幸せを壊してしまいかねない方が辛かった。 死んでしまえば、むしろ謝罪金が上乗せされるかもしれないなんて打算もある。 だから、万が一の事も考えて…遺書を]
ううっ、春江……
[涙を流しながら、それでも、食べ物を口に運ばなくてはならない身の何と恐ろしいことか]
(53) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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―霞む視界の中で―
[このバイトを紹介したのは、姉だった。 知らされたのは細かな応募手続きが終わり、バイトの詳細が決まった後。 空詩のスケジュールの管理は、全て姉が行っている。これまで姉が空詩のためにと見つけてきた仕事の中には、危険な内容のものも多かった。 それでも、空詩に“死”が迫るということは決してなかったのだ。 それだけで彼は幸福だった。]
ケホッ、ぅう…コホッコホッ… もう、おれ は、いらな い、の……?
[乾いた音が口から洩れて頭の重みと痺れで視界が霞めば、その手は自然と離れたか。 結局、体内のものは何一つ零さぬままに。 痙攣してひくつく気管が、時間を掛けて呼吸を取り戻すまで。暫く頭を壁に預けて、その場で座り込んでいただろう。 満たされない身体は、未だに飢えを訴えて。]
(54) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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[後悔なぞいくらしたところで時は戻るはずもなく、ただ無為な時が無情にも過ぎていくだけ。ふつふつと湧き上がるのはまた空腹感。
(…こんな時、なのに…)
適度な空腹感なら抑えることができる。それでもこの薬は刺激が強すぎる。1粒で充分だったのではないか、なんて言い出しても後の祭り。いつまでも部屋に閉じこもっていても仕方がないだろう、と立ち上がる。 空腹を主張する腹を抱えながら、ふらりふらりと部屋を出て向かうは広間。あそこならきっと誰かいるはずだ。
まさか自分以外の全員に悪食作用が出ているなんてことはないだろう。特に、ヨアヒムのあの反応は嘘だとは思い難い。だから誰かと共に……少なくとも多少の信用は置ける人物のそばにいればきっと大丈夫。
広間には誰がいただろう。食事をとる姿を見れば、こんな状況で…と呆れながらも隠せない空腹感が襲う。そのまま会釈して、こんな状況でも"上手な"作り笑いを浮かべてしまう自分はもしかしたら可笑しいのかもしれない。]
……皆さん、食事されてたんですね……
(55) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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[それでも声は弱々しくはあったが。突如聞こえたアナウンス>>#4から耳を疑うような言葉の羅列。何か食べようかと奥の部屋へと向いていた足はピタリと止まる。]
……っ、い、……ぇ、…なんで……
[死にたくない、こんな状況に突然放り込まれ……おまけに疑わしきは黒と断定して殺せと?そんなことができるわけもない。ああ、でもやらなければこちらが殺されてしまうのだろうか。
(…死にたくない……っ)
抱えている仕事もクライアントも、それ以外のことで生に執着する理由などなかったが頭を占めるのは溢れんばかりの生存欲。]
……なん、で、何なんだよ……本当……!!
[くしゃりと髪を歪める。ああ、もうどうして。扉でも壊してみようか。開かないというのなら叩くか蹴るかして破ることはできないのだろうか。纏まりのない思考を持ちながらも、奥の扉の方へ、そしてその箱を覗いてみて]
(56) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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― 自室 ―
[なんとか自室に辿り付いて、ベッドへと倒れこむ。先程のようなお気楽な行動はとっていられない。
目を閉じれば思い出す、部屋の惨劇。]
…っ、
[あの部屋から離れたはずなのに。あの短期間で着くはずもないのに。 部屋の空気が生ぬるい気がして。自分から生臭い匂いがしている気がして。
シャワーでも浴びたいと駆け込んだシャワー室。洗面台を目にしたら吐き気が再びこみ上げてきて。]
(57) 2015/08/25(Tue) 21時半頃
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