298 終わらない僕らの夏休み!
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そっか、レイちゃんって言うんだ。 え、いいなあ幼馴染のお姉ちゃん私も欲しかった…お兄ちゃんでもいいけど、やっぱりお姉ちゃんかなあ
[後ろをついて歩かれると言うかつてない事にエッ、こっち、来ない?こっち…とちょいちょい手招く。何せ誰かにひっついて歩いてばっかりいるのでむず痒いのだ。
図書館にいるみたいなんだ、と行き先を教え(>>265)ればきっと前か横を歩いてくれると期待して。
スマホのグループチャットへ向けて 『雛子とソーセイくんも今から行きまーす!』と知らせを入れた。]
(267) 2019/09/05(Thu) 22時半頃
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……うん。
怖い、っていうか……やだ。
このまま同じ日をずっとやるんなら、忘れたくない。
[忘れてしまったら、なくなってしまう。
今日アイスでカンパイしたことも、友達になったことも。
きっとこれから花火をすることも、みんな。]
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花火は、どうだろ………みんなの気分次第じゃないかなァ [スマホの画面を閉じて首を傾げた **]
(268) 2019/09/05(Thu) 22時半頃
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……───、
[黙って目を細めて見つめてから、そう。憶えておくね、と呟いた *]
[呟きには、覚えておいて、と小さく返す。]
……俺ね。
『明日』になってほしくないんだ。
ずっとずっと、このままがいい。
何が違うとか、ムズカシイことはよくわかんないけど……
俺にとって、今日と明日はぜんぜん違う。
[伸びてきた手を、自分の手で追いかけてつなぐ。
隣を歩きながら、少し空を見上げた。]
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わっ、ちょっ、待っ……
[手を取られれば(>>275)驚いて『エ!?』と頓狂な声を上げた。 一瞬遅れて、その後慌てて早足で追い付いてから、手を握って歩く少年に連れられるようにして歩く。
暫く硬直していた指も、きゅ、と握り返した]
やば、手汗かいてたらごめんね───びっくりしたァ、ソーセイくんめっちゃイケメンじゃん
[ドキドキすんだけどォ、と可笑し気に笑いながらませた事を言う彼の顔を見、上機嫌に笑み零れる。えー、じゃあ、彼女立候補しちゃおっかなー!と更に調子に乗った所で神社の前でも通って、移動を開始したなら(>>273)入れ違いになったかも…図書館へ]
(277) 2019/09/05(Thu) 23時頃
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[9月1日を繰り返す街と同じに、あたしの人生由来のあたしは、本当はあたしが経験していない9月1日を歩んでいる。
生まれて周囲の環境に左右されて育ったあたしが、あたしの人生の通りに9月1日を作っている。
セミがお腹をふるわせると、大きな音が出る。
それと何か違いがあるだろうか。
けど、あたしという8月に死んだ人もまた、どうせ生まれて周囲の環境に左右された鳴き声で活動するセミと同じことなのだろう。]
[8月に死に9月1日を迎えられなかったあたしの人生由来の死は未練を齎している。
秋山先輩に想いを伝えようとしても秋山先輩は、受け取ってくれない。
その結果秋山先輩がこの町と永遠になるとして、あの結果が誰かの死だとして、秋山先輩がどう思っていたとして、9月1日の宍井澪がどう思っていたとして、あたしは、あたしは秋山先輩がすきで、あたしは、秋山先輩が好きだったから、三年生が卒業してしまう最後の夏休みだから、せめて、今年は、秋山先輩が好きで、あたしは、あたしは**]
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─ 図書館 ─
[颯成少年に連れられて、少し心細さが消えた。 安堵したように笑って歩く右手でスマホが着信を知らせている。 グループチャットに到着を告げてから、そのメッセージを開いて見───]
……あ、良かった 何か気ィ使わせちゃったみたい、おだてちゃってもう ウケる
[けんちゃん私の事怖くないって!と嬉しそうに颯成にメッセージ画面(>>274)を見せた。 『りょ!』と返信を打ち込んで、また同じピンクのくまちゃんのスタンプを添付しておいた **]
(278) 2019/09/05(Thu) 23時頃
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[触れた指先は酷く熱を持って熱いだろう。
おまけに滑らかに見える指先は火脹れのようにボコボコとした感触で、焦げた肉の嫌な臭いが鼻をついた。
びくりと一度手を引きかけて、何かを堪えるように小さく呻いた女は少し遅れてまた歩き出した。
歩く内、焼けるかと思えた熱は少し収まったが少年の指先に嫌な感触が残るだろう]
っ、………。
それは、
[時折ぐらりと沸き立つように女の輪郭が崩れる。
ぐつりと何かが溢れる。
さみしいね。 そんな音に似ていた]
[繋いだ手は熱かった。
例えるなら真夏のアスファルトを触ったときみたいに、焼けるような熱さ。
現実ではないとわかっていても、まるで現実のように手が焼けるような痛みに襲われる。
手の皮膚もぼこぼことした感触で、今まさに焼けているみたいなにおい。
どちらが焼けているんだろう。あちらの手か、こちらの手か。]
…………うん。
[それは、のあとの煮え立つような声ははっきりとは聞こえなかったけど、なんとなくニュアンスはわかった気がして、頷く。]
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[賑やかに図書館にやって来たが、先日──ループした9月1日の中で図書館では静かにとたしなめられた事を思い出した。 そっと声を潜めながら、そろそろ花火の時間だし会長一人で待たせちゃってるんだけど、皆どう…なのかな、とおそるおそる安住あたりへにじり寄り]
………
[軽快な着信音に慌ててスマホを開き、そこに並ぶ文字列にスマホケースごとそれを取り落とした]
あ、あきやま
え
(285) 2019/09/05(Thu) 23時半頃
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俺でも全然詳しいことはわかってないんだけどさ。
ビョーキが見つかったんだって。
難しい手術になるかもって、だから、俺、東京の病院に入院するんだって。
一旦入院して、しばらく薬とか飲んで。
身体が落ち着いたら、手術なんだってさ。
[軽く言えるのは、まだ実感がなさすぎるからだ。
両親はすでに東京に仮家を借りていて、長期滞在を決め込んでいる。
ひとりだけ病院の部屋に閉じ込められて、東京を楽しむこともできないまま、病人生活ってやつになる。]
『今日』が、俺の自由にできる最後の日なの。
だけど、今日が続けば、このままいられる。
昨日と一昨日は、お祭りに行って。
今日は花火もするし、先輩とも知り合えた。
今日が続けば、何でもできる。友達のままでいられる。
だから俺は、ずっと今日がいいし、忘れたくない。
[忘れたら意味がない。友達も思い出も、みんなリセットだ。
そんなの、続けてる意味がない。
記憶を忘れた今日が来たら、ただ周りに気取られないように笑いながら、明日に怯えるだけの自分に戻ってしまう。
今日が続くと知っているから、次の今日が楽しみでいられるって、思う。]
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(>>284)………ッ、やば、わ、私、私 間違えた
間違えた、ああ、どうしよ…ソーセイくん、……私、なんで会長一人にしちゃったんだろ、……ッ
[狼狽えて握りっぱなしの颯成の手に縋るようにしてもう一度強く握った。 丸く形を整えてはいるけれど、爪が少し彼の手首を引っ掻いてしまっている]
馬鹿みたい、我慢しないで一緒に居ればよかった 怖いからそばにいるって甘えときゃよかったのに、どうしよう、……
[だって今日、彼は、あんなにひしがれていたのに。 目の前でまた友人がどうにかなるところを見てしまったのだ、と気付いて 会堂の顔をもう一度見るまではどうしよう、と暫く落ち込んでいるだろう **]
(292) 2019/09/05(Thu) 23時半頃
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[少年の訴えに低く喉が鳴る。
黙ってその言葉を味わっているようにも見える。
病を癒した先にある明日ではなく、今この時を選ぶのかと彼の少しいびつで切実な願いに頷いた。肯定した。少なくとも、ただ今を閉じ込めていたいのは同じだ。
嗚呼、哀れだとも健気だとも思う。
わかるよ、と伝えるように煮え立つ指は彼がそうしない限り、離れていかないだろう **]
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