60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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>>342 [ルーカスの返答にも振り返る。]
ディンセル先輩も…。
[苦い表情を浮かべる上級生たちに、戸惑いは隠せない。 そう、「恋」という言葉が彼らにここまでの表情をさせるなど…。 揃って「猜疑心」や「後悔」を口にさせることになるなど…。]
――……。
(345) 2011/08/06(Sat) 09時半頃
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>>343>>344
[そのまま、屋上に膝を下ろし、うな垂れるルーカス。 ヴェスはこちらをいぶかしげに見つめる。]
ヴェス先輩…あの……
大丈夫ですか?
[それは、何の裏もない、素直な心配。]
(346) 2011/08/06(Sat) 09時半頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/06(Sat) 10時半頃
イアンは、薔薇の匂いには、目を細めずにはいられないけれど・・・。
2011/08/06(Sat) 10時半頃
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─ 風渡る晴天の屋上 ─ >>385
平気?
[目を合わせないまま、また去りいこうとするヴェス。 銀髪が風に靡いて、表情を隠すけれども…。 その背中、持っているギターの弦が微かに震えた気がする。]
――……
[瞬時その画面に目を見開き、気がつけばファインダーを覗いてた。 カシャリ、という音は響いただろうか。
晴れて仕方ない空の下。 そのシルエットはなお、暗い。]
(388) 2011/08/06(Sat) 16時半頃
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[そして、振り返って、ルーカスの姿も、同じ画面の割合で撮った。 項垂れている男、背中に張り付くシャツ。
これも表情は見えない。]
――……
[そして、カメラを下ろす。真夏の日差しは強い影を嫌でもつくるから。]
(390) 2011/08/06(Sat) 18時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/06(Sat) 18時頃
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>>391 [ルーカスも撮ったとき、ヴェスからまた薔薇の香が強く吹いた。 思わずぎゅっと目を瞑る。]
――…ッ
[甘い毒は、身体の中心部に甘い疼きを齎す。 落ち着くように肩あげて大きく深呼吸をする。]
――……今まで、こんなこと、なかった。
[そう、さすがに、不審であることには気がつく。いや、多分、もうみんな気がついている。 ただ、その原因よりも、己の疼きに、気はいってしまうから。
とりあえず、自分のこめかみを両側片手で掴んで、目を閉じる。]
(392) 2011/08/06(Sat) 18時半頃
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…おい、薔薇の精。
お前…一体何を…
[日常が狂っていく。
寮内に満ちるのは、妖しく誘うような薔薇の香りと…
おかしい、何かがおかしい。
このまま流されてしまえばきっと…]
あぁ、でも…それもきっと…
[楽しいことに違いない。
染み込んだ甘い毒はそんな思いを胸の中に注ぎ込む。]
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>>393
[名前を呼ばれてそちらを見る。 日差しのせいじゃない、のはわかっているのだけど…。]
そうですね。 ディンセル先輩も、もう、戻ったほうがいいですよ。
[ヴェスの言葉に頷いて、ヴェスのほうに向かう…]
――……?
[近寄れば気がつくだろう。その首筋に何か文様らしきみたいな痣。 思わず凝視すると、それはその下、から伸びているようで…。
なんだろうと、思うけれど、 そこですぐには訊かずに、ヴェスがドアを開けるのを待っている。
その先に、同室者が上がってきているのなどは知らずに・・・。]
(394) 2011/08/06(Sat) 20時半頃
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イアンは、フィリパの姿を見れば瞬いて・・・・・・眉を下げる。
2011/08/06(Sat) 21時頃
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>>401 フィリパ!
[階段、ヴェスが行ったあと、フィリパが傾いだから…あわてて、手を伸ばす。
思わず、先輩、付け忘れて…。]
(402) 2011/08/06(Sat) 22時頃
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[フィリパの身体は軽く揺れただけかもしれなかった。 だけど、一瞬落ちそうに映ってしまったから、その身体に必死で手を伸ばして、まるで抱きつくように支えようとした。]
フィリパ………ッ
危ないか ら。
[もし落ちそうだったとしたら、間に合ったか?]
(407) 2011/08/06(Sat) 22時半頃
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イアンは、背後で、扉が鈍く閉まる音を聞いた。>>409
2011/08/06(Sat) 23時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2011/08/06(Sat) 23時頃
『君の命の欠片をちょうだい』
[咲くために生気を貰う、その手段なのだと薔薇は悪びれず。]
『気持ちいいでしょう?』
『楽しいでしょう?』
[薔薇の精は銀髪の彼が喘ぐ姿を知っている。苦痛の中から快楽を拾い、慣れて壊れてゆく様を知っている。そうしてなお、その言葉を紡いだ。]
……く、
[ギリリと内側を絞め上げるような痛みに、思わず歯を食いしばる。
あぁ、こんな苦痛にさえ、魂は甘美さすら感じているのだ。]
『安心してよ』
『眠るだけ』
『もっと頂戴』
[くすくすと笑いながら蔦は絡む。]
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>>409 ディンセル先輩?!
[フィリパを抱きとめたであろうあと、背後の扉の音に振り返る。]
屋上、ディンセル先輩がいるんです。
[フィリパに訊かれればそう答えた。さっき確かに先にいってくれとはいわれたけれど…。
項垂れて座り込んだ場面が頭に蘇る。]
(438) 2011/08/07(Sun) 00時頃
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イアンは、>>442 フィリパの声色には、一瞬こくりと唾を飲み込んでいた。
2011/08/07(Sun) 00時頃
イアンは、フィリパの身体を放さなくちゃ・・・とは思っているけど、まだ放してはいない。
2011/08/07(Sun) 00時頃
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>>451
[頭がすごく、じわっとする。 フィリパの言葉には頷いた。
頷いたのだけど……。 でも、その身体が熱い気がして…。
違う、熱いのは自分なんだ…。 どうしたんだろう? フィリパはこんなこと、嫌いなんだ、真面目で、信仰厚くて…わかってる。 それに、多分、ディンセル先輩のことを言ったから…きっとそっちに向かおうとしている。
わかっているんだけど…。]
(454) 2011/08/07(Sun) 00時頃
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イアンは、フィリパをなお、ぎゅっと抱きしめてしまう。そう、自分が熱い。
2011/08/07(Sun) 00時半頃
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フィリパ……
[耳元で、先輩、といわずに、名前を囁いた。 そう……すごく、その髪にも触りたくて……。
いつも括っている真紅は今、ポケットの中にあるけど、今、返したくなくて…。]
(460) 2011/08/07(Sun) 00時半頃
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