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[
薬を飲まないとは悪い子だ――と、
あやつなら謂うであろうな。
つまり、吸血をしてみたいと?
試してみるか?
[ガウンだけ羽織った己の喉元は既に晒されている。
吸われたらどうなるか、脈が目立たせるよう喉を逸らす]
忘れたんは、消えたんじゃなかろ?
いつかふっと思い出すかも知らん。
今は忘れてたいことなんかもしれん。
[きゅっと、手を握って髪を梳く。]
傷と一緒なんかも知らんよ?
痛いけ、治らんけ、見えんように包帯巻いて。
ちゃんと癒えたり、痕になってしまえば
案外どってことなくなるんかも知らん。
じゃけ、忘れたくないなら。
思い出したいことがあるなら。
一緒に、旅にでもでたらええよ。
[夢物語でも語っているようだ。
でも、本当にそうしてしまえたらと。]
【人】 お針子 ジリヤ[吸血衝動を抑えるため。 (122) 2014/12/27(Sat) 23時半頃 |
ん? ふふ、口で?
[自分はデザートには手を出さずに、丁助の向かいの椅子に腰掛け赤ワインを飲みながら、彼の話を聞いていたのだが、
丁助が、自分の足元に跪き、足に手を絡め、上目遣いのそれは、まる猫の様。]
下位の俺に?
[彼の顔を見落ろし、うっとり笑ながら、その髪を指で梳き。yesともnoとも応えずに、彼の好きな様にさせ。酒で気分が良い。このまま快楽のまま眠りにつきたい。*]
今起きたばっかだしそこは?許してもらおうかな。
それはアルジサマならいいそうだけどね。
試す?
[意外な言葉に少々驚きながら好奇心が鎌首をもたげる。こくり、と喉が動く様子は煽られているみたいで白い肌はうちに脈を隠していると告げている。]
本当に?いいの?上位なのにとか言わない?
[確認を取りながら間合いをゆっくりと詰めていく。目を細め、良しと言われるならその首筋に噛つくだろう。]
[かぷ。
皮膚を突き破ることのない歯は力を込めるから少し痛みを感じるだろうか?
僅かに舌に乗る血をちゅっと吸いながら舐めとり、口を離す。
鉄錆の味は鼻に突き抜け、喉に張り付く。]
うん、悪くない。
[そう笑いながら感想を。]
言わぬ。
[簡潔に許可を出せば、イメージされる吸血鬼の犬歯とは程遠い尖りと大きさの歯が肌を掠める]
……ッ。
[痛みは僅かで、その噛み傷はごく浅い。
それでも顔を顰めくぐもった息をひとつ吐き。
受け入れた後その感想を聞き、若者の様子を眺める。
吸血の恍惚を感じた風でもない淡泊な様に違和感]
……ふむ。
[考え込む素振りを見せ]
まあ、悪くない味なら良かったと思おう。
大丈夫だ、シュロには黙っておく。
付き合わせてすまなかったな。
[血の流れる首元に手を遣って]
俺はまだ暫く、ここでこれの練習しようと思う。
[ひとりで集中したいと謂う意味込め、
鍵盤に手を置いた**]
[それでも、そのタオルが外されれば、濡れた赤い瞳がその顔を見上げるだろう。
瞬きの度、涙は溢れて次々落ちる。
自分よりもマシだとはいえ、彼だってきっと、そこまで多くを覚えていられるわけでもないだろうに。
その僅かを、自分の為に割いていいのか。
不安げに、眉は寄る。]
……ここを離れたら、……多少は、覚えていられる、かな、
お前の名前も、……声も、言葉も、全部、……
[それが、とても魅力的な提案に思えたのは、きっと気のせいではないのだろう。
全ての約束も、言葉も、自分の心の揺らぎ全て、覚えていられるのならば。
けれど、それは同時に、]
……忘れたいことも、……全部…… 思い出して、しまう……?
[震える声で、言葉にする。
世界は、そうも都合のいいようには、できていないだろう。
その掌を握ったのは、半ば無意識で。]
[タオルが落ちるのも構わず、体を起こす。
傾ぐ、重い頭を支えながら、それでも腕を伸ばし、指は繋いだままその頭を抱く。
その首元に顔を押し付け、緩く首を横に振る。]
……覚えていられないのがこの場所のせいだとして。
忘れていられるのも、この場所のお陰だと思う。
[苦い記憶も、傷の痛みも。
それを逃げだと言われようとも、永遠に逃げていられるならばそれもある種の救いと変わる。
忘却は、害と同時に救いでもあった。
少なくとも、自分には。]
……もし、いつか俺に、全部を受け止められる覚悟ができたら、
旅に出るのも、悪くないかもしれねぇな、って。
[『もし』『いつか』
それは成されないであろう、不可能にちかい不確定の未来への言葉。
けれど確かに言葉にした真意は、それが紛い物ではないと誓うようなそれ。]
[体を離し、タオルを拾い上げる。
再び寝台に横たわれば、自らその額にタオルを広げて。]
……昼まで、寝る
寝たら、また、忘れそうだけど、
……体、怠くて、
[涙の跡の残る顔のまま、目を閉じる。
繋いだ指に篭められた力を、そっと緩めた。]
クアトロ、……、 ……いや、
[曖昧に揺蕩う意識が、それを拾い上げたのは、ほんの偶然で。
それでも、忘れないように、言葉に紡ぐ。]
……ボリス、?
[その考えから意識を逸らすように、また彼がなんぞ探って来ないように、彼のスラックスを寛げてしまう。]
あっしがしたいからするんだよ。
[彼の物を外気に晒させると、れろと一舐め。
男の其れなどどう舌で慰めたらいいのか分からぬが、好きなように弄ぶ事にした。
鈴口だけ口に含むとちゅうちゅうと吸ってみたり、下から上へべろりと舐め上げたり。
最後には喉の奥まで彼の物をすっかり口の中に収めてしまった。
程なくしてあっしは望んだ苦い甘味を味わえた。*]
えへ。美味しい。
[溢れ落ちる涙を幾度か見つめ。
綺麗だなと、その雫を指に掬う。
続く言葉には、ああ、やっぱりと苦笑を洩らした。
本当に、何故そうも自身ばかりを痛めつけているのか。]
忘れたら、何度でも自己紹介しちゃるよ。
なんべんでも喋っちゃるし、なんべんでも呼んじゃるよ。
ヒュー、愛しとるよって。
[忘れられる度に男が傷つくじゃないかと、彼は謂った。
そんな永遠は嫌だと謂った。
傷付かないはずはない。
でも傷付くのは、忘れてしまう方だって一緒だ。
なら忘れる度に何度でも
覚えていてほしいと願いを込めて
繰り返し、伝えよう。
そんな永遠も、嫌だと彼は謂うだろうか。]
[はたりと、タオルが落ちる音がする。
聞こえる言葉は、きっと『怖い夢』のことだろう。
手を繋いだまま、硬い髪にもう片方の指が絡んで
引き寄せられてから感じるのは、体温、匂い、色彩。
首元には、涙の落ちる顔が押し付けられて。]
忘れたいこと、思い出したら。
わしが、忘れさしちゃるけ。
一緒に、夢にしちゃるけ。
また思い出したくなったら、二人で思い出せばええさ。
[そんな都合よくなんていかなくても。
怖い夢を見る夜に、独りになんてしたりはしない。
逃げたいときは一緒に逃げよう。
立ち向かいたければ、一緒に立ち向かおう。
隣にいて、傍にいたい。
臆病で泣き虫で不器用な彼の。]
ふ、はっ。
そうな、うん。
いきなりじゃもんな、そら、そうじゃわな。
[『もし』『いつか』なんて、いつ訪れるかも判らぬ言葉。
けれど前に落とした『また今度』とは違う響きで。]
多分全部受け止めようおもたら、重くて潰れるぞ?
[それでも、その日が、『いつか』『きっと』。]
───忘れずに、待っとるよ。
[訪れることを願って、抱きしめた。]
[拾い上げられたタオルは、再び額の上に。
横たわるのなら手もかしただろうか。
それでも繋いだ手はまだ離さずに。]
ん、そうし。
わしが聞いたけ、忘れとったら思い出させちゃるよ。
じゃけ、安心して寝り。
[涙の跡は指先が拭う。
目を閉じた彼の瞼に、触れるか触れないかの口付けを
落とそうかと顔を近づけて、]
ひゅ……、……ッ…
[紡がれた名前に、ぱたと音がした。
額のタオルにしみこんでしまったから
音の正体はわからなかっただろう。
わからなくていい。
自分自身でも、わかっていない。]
あっ 、あはは
[彼が身を乗り出し、スラックスをくつろげ、下着をずりおろして自身に触れる。握ったグラスの中身が危ういと、いっぺんに飲み干したあと、後ろの棚の端にグラスを置く。]
…、っ
[外気に触れ、彼の舌が先端にふれ、その感触に俯き快楽の予感に耐えたが、その後の舌の動きは不慣れで、ちろちろと弄ばれる様。]
、ふふ、かわいい
[赤い髪に指を埋めてそれを鋤き。
性的快楽をもたらすというよりは、ゆるゆると、達するには至らない鈍い快感。
もどかしく頭を抱えてその口の中を使い、蹂躙してやりたくもあるが、それは耐え。]
どうせなら、またがってほしいね
[そう強請るが彼はどうしても口でしたいのか、ようやく全てを口に収め。]
じゃあ、口を上下に動かして
[拙げな動きをする彼に要望を伝え。]
口は不慣れ?
ふふ、初めてしたみたいだね
[下への触れは、慣れている様にも思えたのに
それとも、これも彼の手管なのか
拙いとはいえ、次第にせりあがってくる
快感には目を閉じ、
その後、彼の喉奥に欲をぶつけ]
美味しい?
悪趣味だね…
[自身のものに口付けた彼の唇に、そのまま口付け。]
不味いよ
[そう呟いて*]
[愛している、その言葉は留めておけるのだろうか。
忘れたことすら忘れてしまえば、傷だって傷まなくなる。
それでも、痛みを感じぬ自分を前にしても尚、傷を負ってもいいと、彼は笑うのか。]
……いつでも、諦めてくれて、いいから。
[一緒に、二人で。
重ねられる言葉に、そう返したのは、やはり僅かの罪悪感から。
それでも、今直ぐ止めろと口にしなかったのは、その想いに少しでも触れていたかったから。
『もし』『いつか』自分に確固たる自我が根付いた時、その想いに返せるのだろうか。
裏切ってしまうかもしれないと、その想いに脅えて口に出せない言葉を、告げられるのか。
忘れずに、待っている。
その言葉に小さく、頷く。]
覚えておいて、……俺の代わりに、
[その懇願ごと、その腕の中へと。]
[ボリス、本当の名と告げた彼の声。
その短かな音の響きを、忘れないように。
異を唱える声は聞こえない。
間違っていないのだろう、覚えていられて、よかったと思う。
額の上へと落ちたもの、微かに立てられた音は、シーツの衣擦れに紛れていく。
疑問を口にする気力も、既にない。]
………、
[深く、息を吸い、息を吐いて。]
そう、俺と寝た?
じゃあ、俺はあんたに
情をくれと、愛を強請ったのかな…
そして、お前は俺を騙した
[ニコラスの言葉に目を伏せて笑い。
過去の記憶にはない関係。
自分は相手の情を請う。
気持ちのない交わりは、後で苦痛なだけだ。
遊びとも割り切れずにいる。
きっと元の生業のせいだ。]
……情を強請って。
情を沸かせて。
それでも時が過ぎればあっさり忘れて捨てるのよ。
貴方はそういう人だわ。
……騙したのは……僕じゃないだろ?
[続けられた言葉には、自然と顔が強張って。
最後の言葉は今の己が吐き出したものではない。
色も輝きもを喪った蜂蜜色の瞳は、何処か虚ろな様でジェレミーを見て。
動きの止まった指先から、さらさらと流れ落ちる金の髪が、彼と己を繋ぐ視界を遮る。
瞬きをする一瞬前、彼を射抜くその目に、深い闇に似た熱が篭って。
それは写真からこちらを睨むのと似ていたが、目の前の彼に届くか。]
【人】 お針子 ジリヤ シュロさんは、そうして飲んでるのに。 (167) 2014/12/28(Sun) 13時半頃 |
【人】 お針子 ジリヤ[意味はないと思ってた。 (168) 2014/12/28(Sun) 13時半頃 |
吸血鬼って… 嫌だね
[ぽつり]*
【人】 お針子 ジリヤ[彼から離れても相も変わらず無愛想な顔を。 (169) 2014/12/28(Sun) 14時頃 |
[自分を嫌う人間の声なんて聞こえない振り、見ない振り。
それが若い頃の記憶の全てだ。]
【人】 お針子 ジリヤ[部屋を出る前、最後の声に返す言葉] (176) 2014/12/28(Sun) 14時半頃 |
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