299 さよならバイバイ、じゃあ明日。
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ク ワ ァ ーーーーーーーーーー ッ !!!!
(11) 2019/10/05(Sat) 22時頃
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─ 街の広場にある雛壇 ─
[街の一画。黒い列車が走る線路に面する広場に、甲高い鳥の声が響き渡る。石が放射状に敷き詰められたその真ん中には、四角い石段が二段に重なった舞台がある。 色粉で赤や青、黄色といった原色に飾り立てられたその何かの儀式の祭壇じみた設えの壇の上で、白い大鷲がカッと燃える火の如き金色の目を見開いた。]
我こそは! 炎天の雷光 インティJr!!
「死」を打倒する太陽の子なり!!
[白い両の翼を左右に大きく広げられる。彼は、高らかな宣言と共に、フラミンゴすら翼で喝采を送るであろうと本人が語る片足立ちのポーズを決めた。]
(12) 2019/10/05(Sat) 22時頃
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[ボーッとその白い大鷲の背後を黒鉄の列車が通り過ぎていく。そして、目前を睨み据えていた白鷲は、くッとその鋭い嘴と眼光を足元へと向けた。]
音に聞け、その目に焼きつけよ! 当代の日輪代理よ!
我は、いずれ貴殿より日輪の座を奪う者──ッ!
[そう語りかける鷲の視線の先には、大きなあごと曲がりくねった角を持ち、光を背負った生き物が寝そべっていた。 尾と思しき部位がぱたん。と振られ、その光輪を背負った白い生き物は、上に顎をもたげた。]
(13) 2019/10/05(Sat) 22時頃
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>>0
……は? なんだって? 戦はよそう? 汝ともわかちあおう? え? 代理を?
いやでも太陽がふたつってのはおかし…… ンあ? 太陽はひとつでも 太陽の子どもがたくさんはおかしくない? ……? そうか……? そうか? いやでもたしかに烏だって鳩だって 卵はいくつも産むしな……? ????? ?????????
(14) 2019/10/05(Sat) 22時頃
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インティJrは、混乱している!
2019/10/05(Sat) 22時頃
インティJrは、ロゴスが咥えて差し出したパンをつい受け取った。「これはどうも」
2019/10/05(Sat) 22時頃
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[両の翼で器用に恵みを受け取った鳥は嘴でフカフカとした食物を毟った。]
パンなあ。そうだな。もちろん腹はふくれるとも。 ウム。空腹はダメだ。ダメだなあれは。
[もっしもっし]
しかして我はなにしろ猛禽で肉食なので、 穀物では些かもの足りないのだよな……
[もっしもっし もっしもっし]
肉……ああ…… 血の滴る肉が……恋しい……
[もっしもっし もっしもっし もっしもっし]
(15) 2019/10/05(Sat) 22時半頃
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インティJrは、そうはいいつつ、パンをぺろりと平らげた。
2019/10/05(Sat) 22時半頃
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……ふう
(16) 2019/10/05(Sat) 22時半頃
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インティJrは、いっときの満足感と空の両翼を得た。
2019/10/05(Sat) 22時半頃
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まったくこうして糧を得られるというのは 実にありがたい事であるが──…
…………………… …………?
なんの話をしていたんだったか?
[自称、太陽の子インティJr。そう、名実外見中身共に、彼は鳥頭だった。可動域の広い首を横にぐにぃっと曲げても、混乱する前の記憶が整頓されることはない。]
うん……??
[足元に寝そべっていた白い生き物は、ゆっくりと立ち上がり、やがて宙に浮くと、記憶を手繰っている鳥を置いて、西の方角に去っていった*。]
(17) 2019/10/05(Sat) 22時半頃
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[列車がすっかり行き過ぎて、汽笛の残響も風に溶けた頃。 ふうと息をついて、街の方へ向かう。 このままここに立っていても、次の列車が来るまでは何もない。 本業の街の見回りに戻らなくては。]
んん……
[遠くからでもよく聞こえるけたたましい嘶き>>11>>12に、毛むくじゃらの眉間をくくっと寄せた。 戦うだの奪うだのと言いつつ特別喧嘩や乱闘をするわけでなく、効果があるのかないのかわからない演説が主なので介入したことはほとんどないが、単純に騒々しいと思っている。]
(18) 2019/10/05(Sat) 23時頃
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[演説は次第に静かになり、それを受けてか西の空に飛んでいく白龍を見やる。 広場は本日も異常無し。]
ふむ。
[小腹が減ったような感覚に、腹をさする。 天を見上げる。草屋が開くのはまだ少し先だろうか。]
(19) 2019/10/05(Sat) 23時半頃
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─ 粉屋 ─
[粉屋の店主は、粉屋なのに粉には大して用がない。 どちらかと言えば、要があるのは水だった。
雨が降ってくれれば最高だ。 そんな時には店を閉め、心ゆくまで屋根の上、 ぴちゃぴちゃ存分に雨水を浴びるのだった。]
「 いらっしゃい 」
[今は仕事場の机の上、小さく揺れて客>>9を迎えた。 おんぼろ小屋の小さな店に白檀の香りがふわりと満ちる。
歓迎しているのだろう、透き通った体がぷるぷる揺れた。 やっぱり表情はないけれど、一際大きくぷるんと揺れて、 イナリの言葉に承諾のような震えを示す。]
(20) 2019/10/06(Sun) 00時頃
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――― くるるるる…
[高い鳴き声が遠く響く。 草屋が開らく合図だ。
もしもしと草を食む。 周囲に生えている香草は一向に減らない。]
(21) 2019/10/06(Sun) 00時頃
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[イナリの”いつも”は、ちゃあんと棚に準備がある。 お得意様の粉を切らすことはない。 草屋から仕入れた色草だって、きちんと在庫してあるのだ。]
「 あお 」
[追加の注文に、ぷるると半透明なゼリーが揺れた。 少し思案するかのように、ふるふるゼリーが揺れている。 半透明な体の下、ちいさな黒い塊が動いて文字を綴った。 文字は、半透明な体を透かして目に映るだろう。]
「 こういう あお? 雨いろの あお? おそらの あおがいい? ふかい のが好き? 」
[こういう。と書いたとき、ソランジュはふるると身を震わせた。 どうやら自分を青と認識しているらしい。 それは雨色の青のはずだった。 いつも雨を浴びているから、多分そうなんだろう。]
(22) 2019/10/06(Sun) 00時頃
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「 それともね、 」
[ことり、ことり。 イナリの前にゆっくりと瓶が並べられていく。 雨色の青、空色の青、海色の青。 様々に並んだ瓶の横に、もうひとつ。]
「 いなりは これ 似合うかも。 」
[そんな言葉と一緒に並んだのは、海より深い秋色の青。 星の欠片のような石を砕いた青色を詰めた瓶を並べて、 半透明ゼリーはぷるんと伺うように身を震わせた。*]
(23) 2019/10/06(Sun) 00時頃
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[草屋は街の中央、から少し外れた所にある、 掘っ立て小屋みたいな一軒家だ。
店の半分はぽっかりと天井が無く、 そこから降り注ぐ陽の光で草花は育つ。 コーラも育つ。 いや、光合成ではなく寝る子は育つの原理だが。
天井のある部分や、 壁や床やそこかしこに草が生えていて、 ぶらさがった看板にも
「草」
と書かれている。 どうみても草屋だった。
隣の敷地にはみ出しそうな草は、 ときおりむしゃむしゃして綺麗にするのも欠かさない。 近隣トラブルは天敵なのである。過去の経験だ。]
(24) 2019/10/06(Sun) 00時頃
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─ 街の広場 ─
[光輪を背負った生き物においていかれたことにも気づかないまま、白羽の大鷲は石段の舞台上にどっかりと座り込み、羽を交差させて首を捻っていた。]
ハテ……?
雄々しき鳩胸を魅せる 石像上げをするのだったか……? 天地宙返り三回転 パフォーマンスをするのだったか……? あの黒鉄列車との相撲は、…… ……うん。いや。 アレはもう刻限が過ぎている。 そのはずだ。
[ブツブツと繰り返される内容は、この広場で繰り広げている戦いの儀式──と彼が読んでいる行動についてだ。]
(25) 2019/10/06(Sun) 00時半頃
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[あちらこちらに響き渡る程甲高い声で始まるのが常である儀式だが、幸いにしてまだ自警団の絶対取り締まり対象にはなっていない。]
観客もまだ来ていない…… 来ていないな? うん。来ていない。
なんだ。今日はここに来ない日か……
[身体を覆う羽毛が心なしか小さく縮んだ。>>18 自警団から強制排除等の実力行使はされていない。介入されたこともほとんどない。ただ、それをいいことに、この鳥は自警団の見回りの任務で広場にやってくる自警団員を、自分の観客として認識していた。
なお線路と逆側の段下には、「寄付金歓迎」と書かれたブリキの缶がおいてある。]
(26) 2019/10/06(Sun) 01時頃
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ひとーつ、ふたーつ。
[ボーッと鳴り渡る、蒸気の音。 歩く影並み、ゆらゆらり。 今日も真っ赤の実が一つ。 風に音を濁しながら、その身をばら撒けた。]
はーやく帰ろ、送ったげる。
[ぽんぽん、顔料の粉叩けば化粧っ気の御顔一つ。 脚はまぁッすぐ、手は組ませた身体一つ。 御召し物は真っ白で、手向けるのも木の実一つ。]
じゃあね、
[匣の寝台で静かに眠っている、 永劫に帰ってこない、貴方が一人。]
(27) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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[貴方を迎えたのは、誰もいない御葬式。]
(28) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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………ああ、バカな人だ。
[葬儀屋だけの、御葬式。]
(29) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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ホホ、準備がよくて助かります。 ソランジュは商売人の鑑ですねえ。
[狐はいつもの粉が用意されている>>22のを見て、満足気に扇子をあおいだ。 それから、ゼリー状の体の下で書かれた文字を細い目で追う。器用なことだ、と毎回思う。]
(30) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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[この街では、毎日人が還っていく。 御葬式をしない人もいるし、したくない人もいる。 それでも死体は話せない。]
本当は、嫌がられているかもね。
[最期は美しく飾ってあげたい。 せめて綺麗な姿で納めてほしい。 生者のエゴでも葬儀屋は断らない。 だから、こんな仕事でも生計は立つ。]
いらっしゃいませ、何方のお見送りで?
[病的なまでの無臭さと性別不詳な声色。 出迎えるそれを、その者を、葬儀屋、だと。 認識しているのかは…分からない。]*
(31) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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[イナリと名乗る狐は、青が好きだ。それはいつか昇る空の色である故に。 並べられる様々な青の瓶のひとつひとつを値踏みするように眺めて。最後に置かれた、星の浮かぶ夜空を思わせるような深い青色と、"似合うかも。"の文字に目を瞬いた。>>23]
なるほど。ソランジュは、わたくしにこれが似合うと? ……では、折角なのでこちらをいただきましょう。
[最後の瓶をす、と指さして。狐は上機嫌そうに頷くのだった。]
お代はいつものと……こちらの青はどうしましょう。 ああそうだ、最近雨が少ないですし、雨乞いでもしましょうか?
[懐からいつもの対価――水の入った小瓶を取り出す。 イナリは街の外れにある、湖のほとりに居を構えている。機関車の煤の混じらない透明な湖水を、イナリは時折取引に使う。 それから首を傾けて、冗談めかしてそう問うた。**]
(32) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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[空腹というのは一度感じると気になってしまうもので、思考に常に居座ってしまう。 見回りをしながら向かえば、時間も腹具合もいい塩梅になるかもしれない。 そう思って街を見て回る。 なるべく草屋の近くを回ろうと、水車小屋を、物見の高台を、それから酒場を。 異常無し、異常無し、今のところは異常無し。]
おお。
[そのうちに遠く、開店の声が聞こえた>>21。 ありがたい。丁度酒場の食事の匂いに胃が刺激されたところだ。]
(33) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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鳳凰の実 モイは、メモを貼った。
2019/10/06(Sun) 02時頃
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[いそいそと草屋の方に向かう。 浮足立って心なしか跳ねながら、いつも気だるげで眠たげな店主の元へ。]
コーラ。 クローバーのやわらかいところをひとつかみと、チモシーをふた束。
[草を食み食みのんびりしている店主を呼んで、購入希望を告げた。 食べてもなくならない草たちを、ほんのり羨ましげに見たりもしながら*]
(34) 2019/10/06(Sun) 02時頃
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―草屋―
[名前を呼ぶ声が聞こえて首を擡げる。]
ぅるるるる… そる いら しゃい
わか た くろ ば ひとつか ち しー ふた ば
[くるるると喉の奥を鳴らしながら、 希望を聞くと口元をもにゃもにゃさせる。 鼻先を土に擦り付け、 またもにゃもにゃすると頭の上に在る赤い葉が揺れた。]
(35) 2019/10/06(Sun) 02時半頃
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[ふ〜っと吐息を吹きかけると、 するりするりと草は育つ。]
ん、ん できた
[生えたばかりのクローバーの、 やわらかいところをひとつかみ。 チモシーをふぁさりふぁさりと束ねて二つ。 細い爪先で器用に集めて、長い蔓でまとめると、 ソルフリッツィの方へさしだした。 長い尻尾がゆらりゆらりぱたんと揺れた。
草屋に対する対価は自由。 それぞれが思うもので、コーラは満足するのだった。]*
(36) 2019/10/06(Sun) 02時半頃
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宝珠 コーラは、メモを貼った。
2019/10/06(Sun) 02時半頃
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―街の広場の片隅―
[もぞもぞもぞ。
墓地や路地裏、暗い所にそいつはよくいる。美しい目立つ体とは裏腹に、闇に隠れて生きるのが好きなのだ。]
……。
[日陰をうぞうぞと移動していれば、広場についていた。ひそーり、遠くから白い大鷲を眺めたりしている。>>26
あれは眩しく、騒がしい。**]
(37) 2019/10/06(Sun) 07時半頃
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ありがとう。
[>>36生えたてのやわらかなクローバーとチモシーを受け取って、代わりにコーラに渡すのは玉ノ木の実だ。 自宅に生えている玉ノ木は、その黒い樹皮で太陽と月の光を集め、枝先にころころとした実をつける。 光を集めた実は白くぼんやりと光っていて、とてもきれいなものだ。 この実を集めておいて、こうした支払いにいつも使っている。 コーラが満足しているのかは知らないが、文句を言われたことはない。]
(38) 2019/10/06(Sun) 19時頃
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